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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 俺は幻牙-01

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「もう、しっかりしてよね光陽……小学生じゃないんだから、忘れ物は無いかくらいいつも確認してよ」
「美菜季ごめん! 後で何でも言う事聞いてやるから!」
「ん~、それじゃあ今日のお風呂掃除は光陽の番ね♪」
「っちょ、今日は美菜季が当番だろ!?」
「さっき何て言ってたかな~?」
「くっそぅ…覚えとけよ」

日が落ち、月が明るくなり始めた頃
中学の制服を着た男女のカップルが、楽しげに家路を辿っていた
刺々しいやや奇抜な髪型の少年、名は仲橋 光陽(ナカハシ コウヨウ)、15歳
幼くして両親を亡くし、現在は今一緒に歩いている幼馴染の松葉 美菜季(マツバ ミナキ)の家に居候している
話を聞くに、どうやら学校に忘れ物を取りに行った帰りらしい
美菜季の怒り具合からして、帰宅する寸前か、した後に思い出したのだろう

「しっかし遅くなっちまったなぁ、おやっさん心配してないかな」
「…ところでその、“おやっさん”って言うのそろそろやめて欲しいな……」
「えー何で? おやっさんは喜んでるけど」
「喜び方が尋常じゃないのよ…お父さんったら、『おやっさんと呼んでくれ!』って常連さんにも言ってるし
 黄昏くんはノリノリで言いなりになってるし……」
「良いじゃん、微笑ましい光景で」
「それは良いけど、でも黄昏くんはお父さんの機嫌を取ってお代を値切ってくるのよ!?」
「ははは、あいつらしいや」
「笑い事じゃないってばぁ……」

ぶつぶつ文句を垂れている美菜季と、それを笑って聞いている光陽
とても微笑ましく、温かな光景だった
しかし

「…なんか今日、すげぇ静かじゃないか?」
「そう? いつもこんな感じだと思うけど……」

平和な時間は、長くは続かない
何故なら今日は



――――――ずざっ



「ん? 何だ今の音――――――――――ッ!?」
「どうしたの光陽――――――――っな、何あれ!?」



――2011年10月28日金曜日、「マヤの予言」襲来


振り返った2人が見たものは、この世のものではない不可思議な生命体
見た目はジャガーなのだが、人間のように二本足で立ち、しかも歩いている
それが、1匹だけに留まらず、5匹、10匹……まだまだ増えてゆく

「「「「ババリバリッシュ!!!」」」」
「お……お化け…!?」
「嘘だろ、お化けなんてあり得る訳が!」
「じゃああれは何よ!!」

半狂乱状態で意見をぶつけ合う2人
じり、じりと歩み寄るジャガーの怪物を見て、すぐに正気に戻ったのは光陽だった

「―――――逃げるぞ、美菜季!」
「へっ?ち、ちょっと光陽!」

彼女の手を引いて、光陽は全速力で走った
同時に、獲物を捉えた肉食獣人達も、腹を空かせて逃げる食物を追う
人型とはいえジャガーはジャガー、常人が脚で勝てる訳が無い
しかしこの獣達は、全力で走っているようには見えない
まるで、逃げまどう2人を見て愉しんでいるかのように、にたにたと笑いながら引き離されない速さで駆ける
そうしていると見え始めるものと言えば
逃げる2人の疲労である

「くっ……く、そ…………このままじゃ…………」
「光、陽………私、もう、ダメ……光陽、だけで、も、逃げ……」
「ッバカ言ってんじゃねぇ! お前だけ置いていける訳が――――――――――」

彼が気づいた時、獣人の1匹が宙に浮いていた
否、美菜季に狙いを定めて、爪を立てんと飛びかかったのだ
咄嗟に光陽は、彼女を抱き寄せて守ろうとした
瞬間、視界が反転して、目の前の世界がぐるぐると回転し、明滅を繰り返した
「痛たたた…」と、美菜季は彼に伸しかかるような形で起き上がった

「美菜季…大……丈夫……か……?」
「うん、平気…それより早くッ――――――こう、よう?」

彼の背の下、アスファルトには、血の海が広がっていた
げふっ、と光陽は咳き込んで血を吐き出しながら、彼女を突き放した

「に……げろ、美菜季………お前、だけでも…………生きて、くれ………」
「そんな……そんなの嫌よ! それじゃ光陽はどうなっちゃうのよ!?」
「俺は…もう………無理、だから………」
「無理じゃないよぉ!! 諦めないで!! 私と一緒に生きて逃げて!!
 何でも言う事聞いてくれるってッ……約束………したじゃない…………」

ぽろぽろと、彼女の目から涙が零れる
無情にも、彼の死の時間とジャガー人間は刻々と近づいてくる

「……悪ぃ……約束、守れそうにねぇ………もう、分かっただろ………早、く」
「嫌! 絶対嫌!! 光陽が来てくれないなら私だって逃げたくない!! ずっと、貴方と一緒にいる!!」
「っ……この、分からず屋……!! 何でそうまでして―――――」
「だっ、て……私っ……光陽のこと……好き、なんだもん………」

ハッとして目を見開く光陽
驚きを隠せない彼に構わず、美菜季は泣きながら話を続けた

「幼稚園のっ、時から………ずっと……ずっと、光陽のことばかり考えてた…………
 光陽の両親が事故に遭って、貴方が一人ぼっちになったって聞いて
 私はお父さんに頼んで、貴方は私の家にやってきた……
 最初は、全然心を開いてくれなかったけど…その内、どんどん打ち解けていって
 いつしか、本当の家族みたいに接してくれるようになった…
 凄く嬉しくかった……あの時の笑顔、まだ覚えてるよ?
 また、貴方の明るい笑顔、見たいの……これからも………ずぅっと………」

しゃくり上げ、尚も大粒の涙を零し続ける
その時彼は状態を起こし、数度咳をして喉に詰まった血を吐き出した

「っ…光陽……」
「ケホッ……俺だって…同じだよ……」
「え…?」
「初めて会った時から……お前の事が好きだった……
 あの時……お前とおやっさんに、誘われて……俺も、すげぇ嬉しかった……
 親父とお袋が死んで、心にぽっかりと空いた穴を埋めてくれたのは…お前だったんだよ……」
「…ぐすっ………こうよぉ………」
「今までありがとう、大好きだよ美菜季――――――さよなら」

最後の力を振り絞って、光陽は彼女を突き飛ばした
あ、と言う間もなく、彼の身体をジャガーの爪が貫いた

「―――――――――――――――――――――!!!!!!」

美菜季の声にならない声が響いた
目の前で、愛する人を殺された悲しみ
目の前で、愛する人を殺した者に対する恐怖
そして、こちらに歩み寄る悪魔への畏怖

「ぁ……ぁぁ…………」

一歩、また一歩と下がり、その場から逃げようとするが
未だに、光陽への想いが彼女をそうさせない
遂に彼女は、足を縺れさせて尻餅をついてしまった

「……こ、来ない、で……」

彼女の声を聞いてか否か、げらげらと笑うように唸るジャガー人間
じゅるりと涎を舐め取ると、鋭い爪の生えた腕を振り上げた

「ひっ……!?」

終わった、と彼女は心底そう思った
それでも心の何処かでは、強く願っていたのかも知れない

―――――――――助けて、と





















願いが、叶う


「ババリッ!!??」


断末魔をあげ、ジャガー人間の上半身が吹き飛んだ
美菜季が呆気に取られている間に、周りのジャガー人間達が次々と何者かに倒されてゆく
混乱している彼女だったが、僅かながらに、希望が芽生えた
そして、その希望が姿を現したのだ

「――――――――あ、れ?」

それを見た時、彼女は絵本の世界―――否、ゲームの世界に入った気分に陥った
目の前に立っていた、というより“浮いて”いたものは、紫色の生き物だった
1.5メートルくらいの高さで、全体的に丸みを帯びていて、頭部と背中には突起がずらりと並んでおり、
身体の割に手足は極端に短く、申し訳程度に尻尾が生えている
それが振り返ってこちらをぎろりと睨んだ
目は真っ赤で鋭く、口角を限界まで上げて白い歯を見せて怪しく笑っていた
思わず噴き出してしまいそうになりながら、まじまじと見つめて、ようやく彼女は、ぽつり、呟いた

「……ゲンガー?」

ゲンガー、シャドーポケモン
現在でも絶大な人気を誇るゲームシリーズ『ポケットモンスター』に登場する、ポケモンの1種
それが何故、彼女の前に存在するのか
考え始めようとするより先に、声が聞こえた

【…だから、俺はゲンガーじゃねぇっての】

両手で口を抑え、ぶわっ、と涙を溢れさせる美菜季
無理のない、その声は今彼女が失った筈の、愛する人のものだったのだ

「こう…よう………光陽!!!」

ぎゅっと強く、彼女はゲンガーを―――光陽を抱きしめる
おわっ、とバランスを崩しながら、ゲンガーは一瞬だけ黒い霧のようなものに包まれると、
見慣れた人間の姿に――元の光陽の姿に戻った

「…ごめん、俺、生きてたみたいだ」
「どうして……あの時、貴方は…………」
「うん、俺も分かんねぇんだよなぁ…
 気がついたらあの姿で、力が湧いてきて…………うん、やっぱり分かんねぇ」
「何にも、分からないの?」
「あぁさっぱりだ。寄りにも寄って、何でゲンガーなんだよ…
 ま、1つだけ分かってんのは…あいつらと戦わなきゃならねぇってことだけだ」

ぞろ、ぞろ、ぞろ……
新たに、ジャガー人間の大群が現れる
脅える美菜季を庇うように、光陽は一歩前に立った

「こ、光陽……」
「安心しろ美菜季。お前は絶対に…俺が守ってやるから!」

光陽は再び黒い霧に包まれ、
その姿は、紫の生物―――ゲンガーのものへと変わった

【行くぞ化け物共……必殺!『シャドーボール』!!】

漆黒のエネルギーの塊がゲンガーの手から幾つも放たれて、
現れたジャガー人間に命中し、木っ端微塵に粉砕した

【美菜季を悲しませたお前達を…俺は絶対に許さねぇ!
 俺はゲンガー…仲橋 光陽だ!!】


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