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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 合わせ鏡のアクマ-04

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合わせ鏡のアクマ 04


「・・・来たぞ!」
言いながら横に跳ぶ・・・と、さっきまで俺がいた場所を光るものが通り過ぎていった。
包丁だ。確かにここの家庭科室じゃ包丁なんて珍しくもなんともないが、空飛ぶ包丁なんて世界にもないんじゃないか?
「契約者様!ボーっとしてないでくださいませ!」
ザクロの言葉に慌てて今度は床を転がって飛んでくる包丁を避ける。
「契約者、包丁の柄のところ見て」
「ん?柄がどうかしたか」
「なんかついてる」
「あ?・・・あー、確かについてるが・・・なんだありゃ?」
今俺達が戦ってるのは『夜中に学校の家庭科室にいると包丁で刺される』とかいう有名なんだかよく分からない都市伝説のはず
・・・なんだが
「・・・人形か?」「人形だね」「人形ですわ」
包丁の柄のところに小さな人形が・・・いや、正確には小さな人形の『頭』がくっついていた。
「いや、違うな・・・よっ・・・あの『頭』が包丁を持ってるんだ」
『頭』の口の辺りに包丁の柄・・・ということは、噛んでるのか?
「しかし・・・くっ、こいつ早いぞ!」
「契約者危ない!気をつけてくれないと鏡が割れるって!」
「この狭いところだとうまく動けませんわ・・・」
 ・・・あれ、けっこう俺達ピンチか?
おいおい、朝になって血まみれの惨殺死体で発見とかシャレにならねーぞ・・・

 



ことの始まりは、今朝までさかのぼる。
「××君だよね?話があるんだけど」
「・・・あ?」
いつものように俺が机に突っ伏して寝ていると、一人の女子が話しかけてきた。
 ・・・あー、名前が思い出せない。隣のクラスだったような気がするが・・・
(おい・・・なんで『姫』さんがアイツに話しかけてるんだよ・・・)
(知らねぇよ・・・アイツと学年一の美人の『姫』ちゃんとの接点なんて・・・)
ああ、1学期のミスコンだかで学年一位になった通称『姫』さんか。

(まさかあの不良・・・『姫』さんを無理矢理!?)
んなわけねぇだろ!
「・・・で、何の用だよ?」
「あなたが都市伝説を調べてるって聞いたから」
最近俺は町で都市伝説が暴れてないかをチェックするために数少ない友人をあたり、
「1年の××が都市伝説を調べているらしいから、なにか知ってたら教えてやってくれ」
という話を流布するように頼んでいたのだが(ザクロ考案)、まさか本当に効果があるとは・・・
「確かに俺が最近都市伝説を調べてる××だ・・・それで、何の用だ?」
「なによ、これだけ言っても分からないわけ?私が都市伝説を教えてあげるって言ってるのよ」
「・・・そうか、それは助かる。だが、昼休みにしてくれ」
「分かったわ」

「しかし、初めての情報提供者にあんたみたいな人が来るとは思わなかったな・・・都市伝説、好きなのか?」
「なによ、都市伝説好きじゃ悪い?」
いーや、こっちとしてはありがたい。
「確か、怪談風の都市伝説を調べてるのよね?『赤マント・青マント』みたいな」
「ああ」
実際には、幅広く知っておいた方がいいのかもしれないが、
アクマいわく「話を付加された都市伝説のほうが力を持ちやすいんだって」だそうな。
「都市伝説って、区分はけっこう曖昧なのよね・・・例えば、『学校の怪談』は都市伝説の範疇に含めていいと思うわ』
「『トイレの花子』さんとか?」
「そうよ。だから、私はどちらかというと『学校の怪談』を主に聞き集めてるわね」
学校にいれば集めやすいだろうしな、あんたは交友関係広そうだし。
「そんなことないわよ、認知度があるからって交友関係が広いとは限らないわ」
少し寂しそうな顔をしているところを見ると、案外友達は少ないらしい。同類か
「あなたみたいに、自分からつっぱって寄せつけてないわけじゃないわよ・・・」
「俺、そんなにつっぱって見えるのか・・・」
ショックだ。それで俺には友達ができないのか。
「もう、話が逸れてるじゃないの。本題に入らせてよね・・・
      最近、学校の中でよく聞くのは『家庭科室に夜中までいると包丁で刺される』っていう怪談よ」

それって、夜遅くまで学校に残ってちゃダメですよーっていう話なんじゃ・・・
「ところが、よ。調理部の人で、忘れ物を探そうと夜中に調理室に行ったら包丁に襲われた人がいるらしいのよ」
「なに?その生徒は無事なのか?」
「ええ、包丁がかすった程度ですぐに逃げたから無事だったんですって。
         その子が本当に切り傷をつくってたから話題になったらしいわ」
しかし、それだけでそこまで流行るか?
「これだけじゃないのよ。その話を聞いて確かめに行った人がいて・・・同じように、包丁を見て逃げたらしいわ」
「ん、ちょっと待ってくれ」
俺は頭の中に浮かんだ疑問をぶつけてみた。
「包丁を見て・・・ってことは、包丁単体で動いてたのか?」
「包丁単体で、よ。だから変質者騒ぎとかじゃなくて怪談として流れるんじゃない」
空飛ぶ包丁か・・・見てみたい気もするが。
「で、どうするの?」
どうするって、何をだよ。
「確かめないの?この話」
確かめに行かないわけにはいかないが・・・まぁ、まずアクマとザクロに相談しなきゃな。
「確かめるかどうかは、まだ未定だな。俺の方でも少し調べたいし」
「そう・・・じゃあ、私はこれで」
そう言うと、『姫』さんは足早に屋上を出ていった。

 ・・・もういいか。
「で、アクマ。今の話をどう思う?」
「そうだね、もう少し人をあたってみてから判断したほうがいいと思うんだけど」
肩越しにひょこっ、と『合わせ鏡の悪魔』ことアクマが顔を出してくる。
授業中とか話しかけてくるので鬱陶しいのだが、帰り道で都市伝説に襲われると困るので普段から手鏡を二枚持ち歩いているのだ。
 ・・・もっとも、手鏡が小さいからアクマも小さくなり・・・両手で肩に必死に掴まるような状態になっている。
「ワタクシもそう思いますわ」
「うおっ!ザクロいたのか」
振り向くと『ブラックドッグ』のザクロが屋上のフェンスに器用に立っていた。

「ワタクシも契約者様の警護を・・・と思って来たのですわ」
「ああ、気持ちは嬉しいんだがそんなとこにいると見つからないか?」
もし見つかると困るんだが。主に俺が
「心配いりませんわよ、人間の気配がしたら見つかる前に隠れますから」
「そっか、ならいいんだ・・・自主的に警護なんてえらいぞー」
その気持ちが可愛かったので、ザクロの頭をなでなでしてやる。
「ちょ、ちょっと契約者様・・・やめてくださいませ!」
「え、なでられるのは嫌いだったか?」
「そ、そんなことはないですけれど・・・・・・そぉ、恥ずk「契約者ー、そろそろ授業が」
「おっと、そうだった!悪いなザクロ、俺は行かなきゃならねぇ」
「え、ええ。帰りにまた合流しますから、その時までに情報を集めてくださいませ」
言うが早いかザクロは屋上から飛び降りて・・・この棟、5階建てなんだが・・・まぁザクロなら大丈夫だろ。
「ほら、早く!」
「分かってる!」

「何人かあたってみたが、やはり噂は本当らしいな」
家に帰ってから、ザクロに調査結果を報告する。
「傷を負った人がいるっていうのも本当みたいだよ」
「その人の友達だって人からも話を聞いたしな」
「それじゃあ、絶賛活動中の都市伝説ということになるのですわね」
ザクロがむむむ・・・と唸っている。
「これは・・・早めに対処したほうがいいですわね」
「ああ、既に怪我人が出ているんだ。解決は早いほうがいい」
「じゃあ、今日の夜中にでも行っちゃう?」
「・・・明日は平日なんだぞ?」
「でも早く解決すればその分、今週は残りをじっくり休めるよ?」
「今回ばかりはアクマさんに賛成ですわ。事態は一刻を争うところまできています」
「・・・分かった、早速支度をするぞ。だが、その前に夕飯だ」
「0時に学校に着ければ問題ないよね?」
「ええ、それでいいと思いますわ」

*



 ・・・で、なんなんだこいつ。
「見た感じ・・・材質はプラスチックだな」
というか、キュー○ー人形にしか見えないんだが・・・
キュー○ー人形つーと確か調理室の後ろに小さいのが一つあったはずだ。
「・・・やっぱりか」
人形はあったが、その首から上だけがなにかに切り取られたかのように無くなっていた。
「これって、備品壊したことになるのか?」
「黙っていれば大丈夫でしょ」
「自己防衛ですし」
うん、そう思っておこうか。
「にしても、気になりますわね」
「ああ」
もし、これが呪われた人形とかそういうものだったら復活する可能性がある。
「明日の朝、確認してみよう」
「もし首が戻っているようなら・・・また対策を考えなきゃね」
「考えたくないけどな・・・じゃあ、帰るか」

「聞いたか、××。調理室のキュー○ー人形の首がなくなってたって話」
「ああ、聞いたよ」
聞いたも何も、発見したのは俺なんだがな。
今日、早めに登校した俺は事務室で
「最近流行ってる怪談のことを調べたい」と強引に鍵を借りてキュー○ー人形を確認したのだ。
首は・・・再生していなかった。残骸を捨てたゴミ箱も確認したから間違いない。
もっとも、残骸のほうは発見されないように関係ないところに捨てておいたからたぶん見つからないだろう。

昼休み、『姫』が教室にやってきた。
「調理室の話、発見したのあなたなんだって?」
「おお、誰から聞いたんだ?誰かに言った覚えなんてないんだが」
「先生からね、『イタズラしたの誰だー』って話がSHRであったのよ。
 それで誰が発見したのか先生に聞いてみたのよ、そしたらあなただって言うから」

なんでまたそんなことを聞いたんだよ。
「あなたに話した昨日の今日だからよ」
「つまり俺がやったと思って聞いたんだな?」
「そしたら案の定よ、あなたまさか夜中に調理室行ったの?」
まさか行ったうえに包丁と戦ったとは言えねーよな。
「いんや、朝に気になって入っただけだ」
「そう・・・あなたが壊したわけじゃないのね?」
「なんで俺が壊さなきゃならないんだ」
「空飛ぶ包丁に会えなくて腹いせにイタズラ」
「するかっ!」
「なら、いいのよ。それじゃ」
 ・・・何がいいのか、サッパリ分からないんだが。

*



スーパーに寄って買い物をしていく。
「今日の夕飯は・・・たまには簡単に焼きそばにするか」
「アイス買って」
「あ、こらスーパーの中で話すな!」
アクマがあまりに駄々をこねるので、家にすぐ帰らずアイスが安いスーパーに寄っていく。
そんなことをしていたら、日が落ちてすでに暗くなっていた。
「急いで急いで!早く帰らないとバラエティが見れない!」
「遅くなったのはお前のせいだろ!」
「契約者様、あまり大きな声を出すと迷惑ですわよ?」
人通りが少ないので、ザクロが横を連れ添うように歩いていた。
「・・・あら、ここにも墓地ですの?この町って墓地が多い気がしますわ」
「町が広いっていうのもあるが、この辺りは住宅地だから小さな墓地がいくつか・・・っと、電話だ」
「誰から?」
「んー・・・非通知になってるが」
ちょっと怪しいが、出ないのも失礼なので応じる。
「もしもし?」
『伏せてください!』

は?
「契約者様!」
「ザク・・・おぉ!?」
いきなりザクロが後ろから俺を地面に押し倒した。
と、猛スピードで俺達の頭上を何かが通り過ぎていった。
 ・・・あ、あれってまさか・・・な
「ななな生首だー!!」
アクマが悲鳴をあげる。
『早く墓地の中に、寺の敷地内に入ってください!』
携帯電話から女性の声が漏れている。言われたとおりにしたほうがよさそうだ。
「うわ、また来た!」
一つじゃない、後ろから二つ・・・合計で三つだ。
「契約者様、ここはワタクシが抑えます!」
ザクロが生首達に飛び掛って牽制する。その間に俺は墓地の中に転がりこんだ。
「しまった!契約者様!!」
ザクロが、捕まえ損ねたらしく生首が一体こちらに飛んできた。だが、
『入れませんよ』
生首はなにかに弾かれたように墓地に入ることなく吹き飛んだ。それをザクロが地面に叩き落す。
「あれは・・・マネキンか」
よく見ると生首の中に見覚えのある帽子を被ったものがいた。
それはさっき通り過ぎた店に置かれていたマネキンが被っていた帽子・・・というか、生首自体がマネキンだ。
店に置かれていたマネキンは確か3体だから、おそらくあれで生首は全部だろう。

 ・・・3体すべての生首(マネキン)を倒したザクロが墓地に入ってきたところで、携帯に声をかける。
「で、あんた誰だよ?」
『私は・・・『墓地の前で、死者から電話がかかってくる』という都市伝説です』
「・・・ああ、聞いたことがあるな」
それで、今どういう状況なのか説明してくれると助かるんだが。
すると、その墓地の都市伝説は困ったように『う~ん』と言いながら説明を始めた。

『私達は普段、それぞれの墓地の付近を監視しています。
 ・・・あ、『達』というのは私と同じ都市伝説のことを指します。
 人を襲う都市伝説がいることは当然ご存知ですよね?
 さらにあなたみたいにそれらと戦う契約者がいることも。
 私達はそのような契約者達に対して「情報提供」をしているのです。
 ほら、個人で活動してる人なんかは情報が集まりにくいですから。
 そういった人達でも有利に動けるように、私達は「情報提供」をしているのです。
 町の各所にある墓地の仲間と情報を交換することで、私達は情報網を作り上げています。
 まぁ私達は移動ができないので、付近に墓地のない場所の情報は穴が空いてしまいますけどね』
「つまり、契約者に協力的な立場をとることで保身を図っているんだね」
『はう、それは・・・事実なので否定しようがないですね・・・
 しかし私達にも迷惑な都市伝説を懲らしめてほしいという思いもあるんですよ?』
「じゃあなんだ、さっき電話をかけてきたのは・・・」
『私達が監視できる範囲はけっこう広いので、生首が向かってくるのを発見して知らせようと・・・』
「あー、そうなのか・・・ありがとな」
『いえ、気にしなくてもいいのです。これも仕事みたいなものなので・・・ところで』
まだなんかあるのか?
『いえ、時間はとらせません。単刀直入に言いますけど、私達と協力しませんか?』
「えーっと、つまり?」
『方法は簡単です。定期的に携帯電話を持って墓地の近くに来てください』
「いいんじゃないのかな、別に」
アクマ、早く帰りたいからって即決はしないぞ。
『それが難しいなら、情報が欲しい時に携帯電話を持って私達に呼びかけていただければそれでもいいですよ』
「契約者様、それぐらいなら了承しても良いと思いますわ」
「・・・そうだな。要は情報が欲しい時は携帯持って墓地に来い!ってことだろ」
『そうです』
「分かった、今後情報が欲しい時はお前達を利用してやる」
『ありがとうございます!』
・・・そうか、こいつらはこうやって自分達が忘れられないようにしてるのか。
なかなかうまく考えたもんだ。

『それでは、協力関係ここに成立です』
「じゃあ、とりあえずあの生首に関しての情報はあるか?」
『いえ、それはまだ・・・』
「そうか」
『しばらくしたら、また来てください』
「わかった」
「契約者ー、早く帰らないと番組終わっちゃう!」
「あー、じゃあまた後日」
『はい』
通話を切って・・・そういや通話料金どうなるんだろ。考えたくないが
「この時間帯なら大丈夫ですわね・・・契約者様、乗ってください」
「おお、悪いなザクロ」
「気にしないでくださいませ」

他の契約者、か。そうだよな、契約者は俺だけじゃないんだ・・・
にしてもあの生首はなんなんだ?あれもキュー○ーと関係があるのか?
・・・おっと、明日も学校なんだ。早く寝ないとな・・・だからアクマ!
深夜番組なんか見ずにテレビを消せ!



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