満月の夜
波の音だけが響き渡る人気のない埠頭に、黒尽くめの集団が現れた
彼等は寂れた倉庫へと足を踏み入れると、そこにはまた黒尽くめの男が一人、立っていた
集団の主要人物らしい男女が自らのフードを取り、前に出て男に歩み寄った
男はそれを確認すると、深々と御辞儀をして彼等を歓迎した
波の音だけが響き渡る人気のない埠頭に、黒尽くめの集団が現れた
彼等は寂れた倉庫へと足を踏み入れると、そこにはまた黒尽くめの男が一人、立っていた
集団の主要人物らしい男女が自らのフードを取り、前に出て男に歩み寄った
男はそれを確認すると、深々と御辞儀をして彼等を歓迎した
「「亞楼覇」の皆様ですね? お待ちしておりました」
「貴方が“売人”ね?」
「然様に御座います。真に失礼ながら、名前は伏せさせて頂きます」
「構わん。例のブツは何処だ?」
「無論、御用意させて頂いております。こちらに」
「貴方が“売人”ね?」
「然様に御座います。真に失礼ながら、名前は伏せさせて頂きます」
「構わん。例のブツは何処だ?」
「無論、御用意させて頂いております。こちらに」
売人は何処からともなくアタッシュケースを取り出し、
それを開いてリーダー格らしき男に差し出した
男がそれを受け取り中身を見ると、表情に笑みが浮かんだ
何らかの機械のようなものが、2つ
その姿形を敢えて形容するならば、“刃の部位が無いチェーンソー”だ
それを開いてリーダー格らしき男に差し出した
男がそれを受け取り中身を見ると、表情に笑みが浮かんだ
何らかの機械のようなものが、2つ
その姿形を敢えて形容するならば、“刃の部位が無いチェーンソー”だ
「……これが……これが『エフェクター』なの?」
「御明察に御座います。御使用方法はその見た目で容易に御判断できるようになっております」
「ほう……これだけか?」
「とんでも御座いません。奥にまだ御用意させて頂いております
御案内致しましょう、こちらへ」
「御明察に御座います。御使用方法はその見た目で容易に御判断できるようになっております」
「ほう……これだけか?」
「とんでも御座いません。奥にまだ御用意させて頂いております
御案内致しましょう、こちらへ」
天窓から差す月光しか目の頼りがない、暗黒に包まれた倉庫の奥へと、売人は手を招く
男はアタッシュケースを閉じ、女と手下を侍らせて売人について歩き始めた
その瞬間、彼等の足元に、すとん、と何かが突き刺さった
各々が下がり、手下達は男女を庇うように前へ出る
それは黒い蝙蝠の形をした物体だった
が、すぐにそれは闇に溶けるように消えていった
男はアタッシュケースを閉じ、女と手下を侍らせて売人について歩き始めた
その瞬間、彼等の足元に、すとん、と何かが突き刺さった
各々が下がり、手下達は男女を庇うように前へ出る
それは黒い蝙蝠の形をした物体だった
が、すぐにそれは闇に溶けるように消えていった
「その先にはもう何もない。『エフェクター』は回収させて貰った」
聞こえたのは若い声
闇の中から靴の音が響き渡る
闇の中から靴の音が響き渡る
「っ……誰? いつからいたの!?」
「お前は自分の影に同じ事が訊けるか?」
「お前は自分の影に同じ事が訊けるか?」
嘲るようにウヒヒと嗤う声の主は、月光の下に辿りついてようやく判明した
声の通りまだ若い、顔の右半分が髪で隠れた黒尽くめの少年だった
首に提げられた金色の木の枝のペンダントが、きらりと胸で輝いている
声の通りまだ若い、顔の右半分が髪で隠れた黒尽くめの少年だった
首に提げられた金色の木の枝のペンダントが、きらりと胸で輝いている
「ちっ、ガキか……いや、「組織」か?」
「だったらどうする?」
「分かっているだろう?……殺せ」
「だったらどうする?」
「分かっているだろう?……殺せ」
男の指示と共に、周りの手下数人の姿が変化する
ハイエナのような怪物となったそれは、涎を垂らして低く唸り始めた
ハイエナのような怪物となったそれは、涎を垂らして低く唸り始めた
「「グール」か…悪趣味な都市伝説だ」
少年が呟くと、「グール」達の姿が忽然と消えた
にやっ、と男が薄く笑った
直後、辺りに血飛沫が飛び散った
腹をばっさりと切り裂かれた「グール」が姿を現し、少年の周りにばたばたと倒れる
そこに立っていたのは、血に塗れた黄金の大鎌を持った少年だけだった
にやっ、と男が薄く笑った
直後、辺りに血飛沫が飛び散った
腹をばっさりと切り裂かれた「グール」が姿を現し、少年の周りにばたばたと倒れる
そこに立っていたのは、血に塗れた黄金の大鎌を持った少年だけだった
「っ!? 「グール」の擬態を見破ったってのか!?」
「都市伝説の力を利用する犯罪集団「亞楼覇」…
リーダー格である生須 蹄(ナマス テイ)、及び沢 禰香(サワ デイカ)、以下数十人の組員と売人
『エフェクター』の闇取引の容疑により、「組織」R-No.の名において拘束する」
「R-No.……『Rangers』!」
「とんだ邪魔が入ったようで……私は御暇させて頂きますよ。がっひゃっひゃ……」
「逃がすとでも思って――――」
「貴様の相手はこいつらだ」
「都市伝説の力を利用する犯罪集団「亞楼覇」…
リーダー格である生須 蹄(ナマス テイ)、及び沢 禰香(サワ デイカ)、以下数十人の組員と売人
『エフェクター』の闇取引の容疑により、「組織」R-No.の名において拘束する」
「R-No.……『Rangers』!」
「とんだ邪魔が入ったようで……私は御暇させて頂きますよ。がっひゃっひゃ……」
「逃がすとでも思って――――」
「貴様の相手はこいつらだ」
先程の倍以上の組員が前に出、その姿が「グール」へと変化する
その中の2、3体が、先行して少年に襲い掛かった
その中の2、3体が、先行して少年に襲い掛かった
「……俺の邪魔をするな」
鎌を下ろし、彼は右腕を伸ばし、掌を広げた
すると、彼の影から黒い塊が「グール」と同数飛び出し、蝙蝠の形に変化して、少年の右腕の周りを舞う
すると、彼の影から黒い塊が「グール」と同数飛び出し、蝙蝠の形に変化して、少年の右腕の周りを舞う
「『欠片蝙蝠(ブリックバット)』」
蝙蝠は忍者の投げる手裏剣の如く回転し、「グール」へと放たれる
小気味の良い音と共に突き刺さり、体液を噴き出しながら「グール」は次々と倒れていった
小気味の良い音と共に突き刺さり、体液を噴き出しながら「グール」は次々と倒れていった
「面倒だ……纏めて消えろ」
さらに動きだそうとする「グール」の群れの足元の影が、ゆらりと蠢いた
小さく波打つ影の表面は、徐々に、徐々に大きくなり、激しさを増す
「グール」達は思わず、その場で立ち止まってしまった
小さく波打つ影の表面は、徐々に、徐々に大きくなり、激しさを増す
「グール」達は思わず、その場で立ち止まってしまった
「『欠片蝙蝠-災厄箱(パンドラ・ボックス)』」
ぶわっ!!と「グール」の足元から大量の蝙蝠の刃が溢れ出す
逃げようにも、ここは影の中
影から際限なく溢れる刃から、逃れる事は出来ない
あっという間に、「グール」達は血塗れになり、次々と倒れ伏した
その場に立っていたのは少年と、生須と沢のみとなった
逃げようにも、ここは影の中
影から際限なく溢れる刃から、逃れる事は出来ない
あっという間に、「グール」達は血塗れになり、次々と倒れ伏した
その場に立っていたのは少年と、生須と沢のみとなった
「売人は逃したか……まぁいい、後はお前達だけだ。今なら痛い目を見る事は無いのだが」
「ほう? 我々に勝てると、そう言いたいのか?」
「どちらにせよ、楽にさせるつもりはない」
「随分な自信ね……じゃあ、早速使わせて貰おうかしら?」
「ほう? 我々に勝てると、そう言いたいのか?」
「どちらにせよ、楽にさせるつもりはない」
「随分な自信ね……じゃあ、早速使わせて貰おうかしら?」
沢が取り出したのは、先程売人から受け取った『エフェクター』と呼ばれる代物
にやりと笑って生須もそれに応え、同じく『エフェクター』を取り出した
にやりと笑って生須もそれに応え、同じく『エフェクター』を取り出した
「なっ……それを使うのか!?」
「見せてやろう、我々の力を……!」
「見せてやろう、我々の力を……!」
2人は装置についたリングに指をかけ、
「「『エフェクター』、起動!!」」
リコイルスタータを勢い良く引いた
『エフェクター』は激しいエンジン音を轟かせて振動し始める
そして、2人に変化が現れた
生須の身体に包帯が何重にも巻かれ、何処からともなく現れた黄金の棺に収納されて、
黒く禍々しいオーラが棺の手足となって立ち上がる
沢の身体を業火が包み込んだかと思えば、炎が『エフェクター』へと集中し、
炎のチェーンソーを作り上げ、五月蠅く火花を散らした
『エフェクター』は激しいエンジン音を轟かせて振動し始める
そして、2人に変化が現れた
生須の身体に包帯が何重にも巻かれ、何処からともなく現れた黄金の棺に収納されて、
黒く禍々しいオーラが棺の手足となって立ち上がる
沢の身体を業火が包み込んだかと思えば、炎が『エフェクター』へと集中し、
炎のチェーンソーを作り上げ、五月蠅く火花を散らした
【ほう……力が漲ってくる……】
「これが『エフェクター』の力……!!」
「これが『エフェクター』の力……!!」
先に動いたのは沢だった
チェーンソーを振り上げ、炎の斬撃を飛ばす
少年は軽く舌を打ち、鎌を横薙ぎに振るって相殺させた
今度は生須が高く跳び上がり、少年の頭上から落ちて押し潰そうとしたが、
寸でのところで回避され、その策は無意味に終わった
が、落下点には小規模なクレーターが出来ており、その破壊力を物語っていた
チェーンソーを振り上げ、炎の斬撃を飛ばす
少年は軽く舌を打ち、鎌を横薙ぎに振るって相殺させた
今度は生須が高く跳び上がり、少年の頭上から落ちて押し潰そうとしたが、
寸でのところで回避され、その策は無意味に終わった
が、落下点には小規模なクレーターが出来ており、その破壊力を物語っていた
【次は貴様がこうなる番だ】
「…都市伝説を歪めて手に入れたような力で…俺は倒せん」
「…都市伝説を歪めて手に入れたような力で…俺は倒せん」
そもそも『エフェクター』とは、原理や製造法が殆ど解明されていない謎の装置であり、
「組織」の間でも、掴んでいるのはその能力くらいのものだ
その能力とは主に2つ
一つは“都市伝説の能力の歪曲”
例えば沢の「パイロキネシス」のように、プラズマ流体である炎を実体化させ、斬撃属性を加える力
一つは“都市伝説の存在の歪曲”
例えば生須の「ツタン・カーメンの呪い」のように、本来姿無き物に形を与える、若しくは本来の姿を変える力
噂に忠実な都市伝説が無理矢理その存在意味を捻じ曲げられれば、どのような危険が及ぶか分からない
生須達のような悪しき心の持ち主が使うとなれば尚更だ
「組織」では、まるで這い寄るが如く静かに増えつつある『エフェクター』による事件にも対応している
それはR-No.においても例外ではない
「組織」の間でも、掴んでいるのはその能力くらいのものだ
その能力とは主に2つ
一つは“都市伝説の能力の歪曲”
例えば沢の「パイロキネシス」のように、プラズマ流体である炎を実体化させ、斬撃属性を加える力
一つは“都市伝説の存在の歪曲”
例えば生須の「ツタン・カーメンの呪い」のように、本来姿無き物に形を与える、若しくは本来の姿を変える力
噂に忠実な都市伝説が無理矢理その存在意味を捻じ曲げられれば、どのような危険が及ぶか分からない
生須達のような悪しき心の持ち主が使うとなれば尚更だ
「組織」では、まるで這い寄るが如く静かに増えつつある『エフェクター』による事件にも対応している
それはR-No.においても例外ではない
「『レイヴァテイン・ブレイド』」
少年は黄金の鎌を身の丈の倍以上はあろう巨大な両刃の剣に変化させ、
再び突進してくる黄金の棺に向けて振るった
がきんっ!と火花を散らして、剣と棺がぶつかり合う
棺を纏う邪悪なオーラが無数の腕を形成して少年を捕らえようと伸びてゆく
が、少年の影からも同じく夥しい腕が伸び、それを抑えた
再び突進してくる黄金の棺に向けて振るった
がきんっ!と火花を散らして、剣と棺がぶつかり合う
棺を纏う邪悪なオーラが無数の腕を形成して少年を捕らえようと伸びてゆく
が、少年の影からも同じく夥しい腕が伸び、それを抑えた
「っ……成程、『エフェクター』も伊達では無いという事か」
【やはりな。貴様、多重契約者か】
「一筋縄では行かずとも、お前等程度なら十分だ」
「あらそう……2対1でも同じことが言えるかしら?」
【やはりな。貴様、多重契約者か】
「一筋縄では行かずとも、お前等程度なら十分だ」
「あらそう……2対1でも同じことが言えるかしら?」
背後から忍び寄る沢
茫々と燃え盛るチェーンソーを振り上げ、口元を歪めた
その笑みは狂気に満ちているようにも見えた
茫々と燃え盛るチェーンソーを振り上げ、口元を歪めた
その笑みは狂気に満ちているようにも見えた
「これで終わりよ!」
「それは生存フラグだ」
「それは生存フラグだ」
再び響く甲高い音
次に上がったのは、沢の驚いた声だった
次に上がったのは、沢の驚いた声だった
「えへへ、残念でした♪」
驚くのも無理はない
沢の目の前に突然青い髪の少女が現れ、先端に大きなリング状の装飾のある長い杖で炎の刃を防いでいたのだ
そのまま少女は刃を弾き、沢はよろめきながら後退した
沢の目の前に突然青い髪の少女が現れ、先端に大きなリング状の装飾のある長い杖で炎の刃を防いでいたのだ
そのまま少女は刃を弾き、沢はよろめきながら後退した
「なっ……一体何処から!?」
「ご主人様の後ろを奪おうなんてそうは問屋が卸しませんよ!」
「かなり意味が違って聞こえるぞ」
【ごちゃごちゃと……どういう状況か分からないのか?】
「分カッテイナイノハオ前達ノ方ダ」
「ご主人様の後ろを奪おうなんてそうは問屋が卸しませんよ!」
「かなり意味が違って聞こえるぞ」
【ごちゃごちゃと……どういう状況か分からないのか?】
「分カッテイナイノハオ前達ノ方ダ」
突如、棺の真下の影から巨大な拳が現れて棺を押し上げる
バランスを崩した棺を、少年は飛び上がって大剣をぶつけた
火花を散らし、勢い良く棺は吹き飛んだが、無数の腕で支えてショックを和らげ態勢を整える
少年の傍に寄り添うように、黒いローブを羽織った影が出現した
バランスを崩した棺を、少年は飛び上がって大剣をぶつけた
火花を散らし、勢い良く棺は吹き飛んだが、無数の腕で支えてショックを和らげ態勢を整える
少年の傍に寄り添うように、黒いローブを羽織った影が出現した
【っく………使役系の都市伝説が2体……三重契約か】
「悪いがそれは正答じゃあない」
【何?】
「答え合わせの時間だ……『ギャラルフォン』、ロック解除」
「悪いがそれは正答じゃあない」
【何?】
「答え合わせの時間だ……『ギャラルフォン』、ロック解除」
少年はスマートフォンを取り出し、指で画面に“R”の字を書くと、
画面が切り替わって7つのボタンが現れる
彼はその中の4つのボタンをタッチした
画面が切り替わって7つのボタンが現れる
彼はその中の4つのボタンをタッチした
《LIM》《WILL》《NAYUTA》《BI-O》
「待ちくたびれただろ? 存分に暴れろ」
「待ちくたびれただろ? 存分に暴れろ」
腰に煌めくベルトの機械的なバックルにスマートフォンを翳すと、《Inform》という音声が流れ、
彼の周囲に、何の前触れも無く4つの影が現れた
鼻の長い白い獣、赤々と燃える人魂、紫のもやを纏う剣、ドリルや機関銃を装備した巨大な蛇型ロボット
彼の周囲に、何の前触れも無く4つの影が現れた
鼻の長い白い獣、赤々と燃える人魂、紫のもやを纏う剣、ドリルや機関銃を装備した巨大な蛇型ロボット
「やぁっと俺様の出番か! 肩が凝って仕方ねぇぜ、なぁ!?」
「うおおおおおお!今日は久々に7人勢揃いでい!!」
『全く暑苦しい……子供じゃあるまいし少し静かにしたまえよ』
《動作安定異常皆無,視界良好,弾丸装填完了……戦闘準備,完了》
【ッ!? 七重契約者だと!?】
「まさか、そんなことって……」
「ウヒヒヒヒヒ…そのリアクションは疾うに聞き飽きた」
「うおおおおおお!今日は久々に7人勢揃いでい!!」
『全く暑苦しい……子供じゃあるまいし少し静かにしたまえよ』
《動作安定異常皆無,視界良好,弾丸装填完了……戦闘準備,完了》
【ッ!? 七重契約者だと!?】
「まさか、そんなことって……」
「ウヒヒヒヒヒ…そのリアクションは疾うに聞き飽きた」
少年は黄金の剣を頭上に投げると、
黒いローブの影が変化した漆黒の鎌を右手に構え、紫のオーラを放つ剣を左手に掴んだ
そして左足を人魂が包み込んで、黄金の剣が変化して出来た鉤爪を右足に装着した
黒いローブの影が変化した漆黒の鎌を右手に構え、紫のオーラを放つ剣を左手に掴んだ
そして左足を人魂が包み込んで、黄金の剣が変化して出来た鉤爪を右足に装着した
「お前等に“正義”は無い……行くぞ!」
「了解シタ」「はい、ご主人様!」「OKィ!」「がってんでい!」『仰せの儘に』《Yes,Boss》
「了解シタ」「はい、ご主人様!」「OKィ!」「がってんでい!」『仰せの儘に』《Yes,Boss》
少女が獣に飛び乗り杖を構えると、獣は沢に向かって走り出す
沢の燃えるチェーンソーと少女の杖が激しい音を立ててぶつかる
沢の燃えるチェーンソーと少女の杖が激しい音を立ててぶつかる
「子供だからって手加減しないわよ!」
「こちらから願い下げです! ビオさん!」
「こちらから願い下げです! ビオさん!」
少女が沢から距離を取ると、轟音と共に地中から4基のドリルを持った蛇型ロボットが現れ、
各ユニットに配備された機関砲から弾丸を発射する
軽く舌打ちし、沢は周囲に炎を出現させた
空中に浮かぶ炎が壁となり、弾丸を弾き返す
各ユニットに配備された機関砲から弾丸を発射する
軽く舌打ちし、沢は周囲に炎を出現させた
空中に浮かぶ炎が壁となり、弾丸を弾き返す
《全弾命中……標的損害,皆無》
「あはははは! 素晴らしいわ、この力!!」
「ちっ、おいミナワ! 厄介な相手になりそうだぜ!?」
「私に考えがあります。理夢さん、ビオさん、援護をお願いします!」
「あはははは! 素晴らしいわ、この力!!」
「ちっ、おいミナワ! 厄介な相手になりそうだぜ!?」
「私に考えがあります。理夢さん、ビオさん、援護をお願いします!」
ミナワと呼ばれた少女は、理夢というらしい獣から飛び降りると、
杖を横向きにしてフルートを吹くように構えた
杖を横向きにしてフルートを吹くように構えた
「あら、何を始めるのか知らないけどそんなことは――――――」
「そっから先は俺様達の台詞だぜぇ!!」
「そっから先は俺様達の台詞だぜぇ!!」
理夢が前足を振り上げて爪を叩きつける
沢は燃え盛る刃でそれを防いで見せた
さらにビオと呼ばれたロボットも、ドリルで突撃を試みたが、
それもやはり炎のバリアでものの見事に弾かれてしまった
そうしている間に、ミナワは演奏を始めた
テンポの速い童謡「シャボン玉」を、エンドレスで奏でる
すると、杖の穴から無数の小さなシャボン玉が、ぽぅ、ぽぅ、と膨らみ、拡散する
まるで音色に合わせて踊るかのように
沢は燃え盛る刃でそれを防いで見せた
さらにビオと呼ばれたロボットも、ドリルで突撃を試みたが、
それもやはり炎のバリアでものの見事に弾かれてしまった
そうしている間に、ミナワは演奏を始めた
テンポの速い童謡「シャボン玉」を、エンドレスで奏でる
すると、杖の穴から無数の小さなシャボン玉が、ぽぅ、ぽぅ、と膨らみ、拡散する
まるで音色に合わせて踊るかのように
《突破不能……》
「くっ、邪魔なペットと玩具ね!」
「だからペットじゃねぇっつってんだろ!?
テメェこそ暑苦しい上に面倒な妖術使いやがって!」
「『エフェクター』の力で生まれ変わった「パイロキネシス」よ!
この力さえあれば…貴方達だって焼き払えるわ!」
「残念でした、科学的に考えて無理です♪ 『リムーバブル』!」
「くっ、邪魔なペットと玩具ね!」
「だからペットじゃねぇっつってんだろ!?
テメェこそ暑苦しい上に面倒な妖術使いやがって!」
「『エフェクター』の力で生まれ変わった「パイロキネシス」よ!
この力さえあれば…貴方達だって焼き払えるわ!」
「残念でした、科学的に考えて無理です♪ 『リムーバブル』!」
瞬間、周囲のシャボン玉がくるくると円を描いて回り始めたかと思えば、
沢の作り出した炎の勢いが徐々に弱くなっていった
と同時に、彼女の表情が歪み、喉を押さえて苦しみ始めた
沢の作り出した炎の勢いが徐々に弱くなっていった
と同時に、彼女の表情が歪み、喉を押さえて苦しみ始めた
「っ……こ…れって………」
「流石に酸素がないと火が点く訳ありませんよね?」
「流石に酸素がないと火が点く訳ありませんよね?」
ぼごっ、と鈍い音と共に、沢の腹に重い一撃が入った
短い呻き声をあげ、膝から崩れ落ちる
そして無邪気に微笑む青い髪の少女を見たのを最後に、彼女の意識は闇に沈んだ
短い呻き声をあげ、膝から崩れ落ちる
そして無邪気に微笑む青い髪の少女を見たのを最後に、彼女の意識は闇に沈んだ
《任務完了,デアリマス》
「ご主人様ー、こっちは終わりましたー♪」
(危なく殺すところじゃねぇか……女って怖ぇ……)
「ご主人様ー、こっちは終わりましたー♪」
(危なく殺すところじゃねぇか……女って怖ぇ……)
「御仲間がやられたようだな」
【知るものか】
【知るものか】
襲い来る黄金の棺を、黒い鎌と紫炎に包まれた剣で防御する
月光のみが届く倉庫内に、閃光が飛び散る
月光のみが届く倉庫内に、閃光が飛び散る
【この『エフェクター』さえあれば、手駒など幾らでも作れる
今度は貴様等「組織」に捻られるような雑魚では無く、もっとマシな奴等を呼んでな】
「自分だけは強者であると言いたげな台詞だが……甘い」
今度は貴様等「組織」に捻られるような雑魚では無く、もっとマシな奴等を呼んでな】
「自分だけは強者であると言いたげな台詞だが……甘い」
ふわっと一瞬少年の身体が浮いたかと思えば、
そのまま逆上がりの要領で垂直方向に回り、黄金の爪による蹴りをぶつけた
直撃し、棺はまた勢いを失って無防備になる
そのまま逆上がりの要領で垂直方向に回り、黄金の爪による蹴りをぶつけた
直撃し、棺はまた勢いを失って無防備になる
「吹っ飛べ……『マキュラ』」
鎌を地面に突き立て、柄を軸に回転し、今度は燃え上がる左足による蹴りを命中させる
宣言通り、棺はサッカーボールのように蹴り飛ばされ、砂埃を撒き散らす
撒きあがった埃の中から無数の黒い腕が伸びるが、
少年の目の前に紫の炎が燃え上がり、腕の進行を妨げた
宣言通り、棺はサッカーボールのように蹴り飛ばされ、砂埃を撒き散らす
撒きあがった埃の中から無数の黒い腕が伸びるが、
少年の目の前に紫の炎が燃え上がり、腕の進行を妨げた
「『トータラージーク』」
紫炎が掻き消えるや否や、一筋の光条が棺へと伸びる
防御行動に移れる筈も無く、棺は大きく抉れ、中身が露出する
防御行動に移れる筈も無く、棺は大きく抉れ、中身が露出する
【っ……小僧がぁ!!】
黒い腕を巧みに操り、蜘蛛のように這い寄る生須
その大きさからは考えつかない程のスピードだが、
それでさえも、少年のたった一振りの鎌によって抑えられてしまった
その大きさからは考えつかない程のスピードだが、
それでさえも、少年のたった一振りの鎌によって抑えられてしまった
【っぐぅ……何故だ………
貴様のような若造に……『エフェクター』も持たぬ小僧に何故このような力が……!?】
「お前等には一生分からないだろうな
機械で捻じ曲げる事でしか都市伝説の力を引き出せないような連中には…一生なぁ!!」
貴様のような若造に……『エフェクター』も持たぬ小僧に何故このような力が……!?】
「お前等には一生分からないだろうな
機械で捻じ曲げる事でしか都市伝説の力を引き出せないような連中には…一生なぁ!!」
黄金の右足を振り上げ、踵落としを棺に叩きつける
響く轟音、そしてコンクリートにめり込んだ棺を鎌で抉じ開け、中にいる生須を包む包帯を切り裂いた
裂け目から生須が見たのは、髪で隠れた右目の大きな傷が夜風に見え隠れしている、
満月をバックに不気味に笑う少年の姿だった
響く轟音、そしてコンクリートにめり込んだ棺を鎌で抉じ開け、中にいる生須を包む包帯を切り裂いた
裂け目から生須が見たのは、髪で隠れた右目の大きな傷が夜風に見え隠れしている、
満月をバックに不気味に笑う少年の姿だった
「ッ!! 思い出した……七つの都市伝説、右目の大きな傷跡……
小僧、貴様の名は確か――――」
「ウヒヒヒヒ……俺の名、か」
小僧、貴様の名は確か――――」
「ウヒヒヒヒ……俺の名、か」
生須を嘲るように、少年は笑う
彼には幾つもの名前があった
“黄金の甲冑”“黒い影”“青の奏者”“白い騎士”“赤き翼”“紫の閃光”“灰元帥”
“小さき死神”“モノクローム”“火と水の魔術師”“シグナルマン”“三刀流”
“クィンテット・コンダクター”“隻眼”“邪悪な英雄”“千人殺し”“化物”“ビッグ・ディッパー”
しかし、彼に与えられた名はただ一つ
彼の真の名も、また一つ
「俺は…「組織」R-No.所属契約者集団『Rangers』が1人、コードネーム“Rainbow”……“七変化”」
ヒヒッ、と彼は鎌を振り上げて、笑った
「………黄昏 裂邪だ」
...To be Continued