「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-04b

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匿名ユーザー

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 何か、夢を見た気がする
 怖い、怖い夢を
 暗い暗い闇の向こう側から、何か
 何かが、私に手を伸ばしてきて………………ーーーーーーー


「ーーーーーっ!!」

 ぱちっ、と目を覚ました
 まず飛び込んできたのは、真っ白な天井
 視界を動かすと、どこもかしこも、白い部屋

(病室……?)

 そう、「病室」と言う言葉から連想するイメージそのままの部屋だ
 どうして、自分はここに……と、まだ少しぼんやりとした思考で、彼女が考えていると

「あ。目、覚めたっすー?」

 ひょこっ、と、その部屋に顔を覗かせたのはLだ
 うん、と頷き、彼女は体を起こした

「えっと、ここは……?」
「東区の診療所、っすー。ちょうど、転んで気絶したところを見かけたんで、ちょうど近かったから、ここまで連れてきたっす」

 へらっ、と、いつも通りの軽い調子の笑みを浮かべながら答えてくるL
 話し方などの印象で一見チャラい性格だと思われがちなLだが、実際はもうちょっと真面目で優しい性格だ
 転んだ、と言う彼女を診療所に運んでくれた辺りからも、それがわかる

「っこ、転んで?やだ、全然覚えてない……」
「道端に落ちてたゴミに足を取られてすっ転んで、電柱に後頭部ぶつけてたっすからねー。衝撃で記憶飛んだっすかね」
「え!?そんな漫画みたいな転び方したの!!??」

 ……っこ、これは、目撃されていた、となると恥ずかしい
 ぷしゅるるる、と、彼女は赤くなってしまう
 そんな彼女の様子を特に気にした様子なく、Lは彼女に近づいてくる

「どっか、痛いところとか、あるっすー?」
「んん、それはない、大丈夫………そ、その、わ、私がそんな恥ずかしい転び方したっていうの、皆には、な、内緒にしてね?」
「え?…………はぁい、了解ー、っす。内緒っすね」

 少し恥ずかしく、もじもじしながら申し出た彼女の言葉に、Lはへろーん、と笑って頷いてくれた
 ふぅ、と、彼女はほっとする
 よし、これで、カッコ悪いやら残念やらいわれずにすむ、大丈夫!!

「おや、目がさめたのだね」
「あ、せんせー。うん、目を覚ましてくれたっすー。も、大丈夫みたいっすよー」

 と、そうやってLと話していると、白衣を着た男性が部屋に入ってきた
 長めの白髪を首元でくくっていて、真っ赤な瞳で眼鏡をかけている………おぉ、これはけっこう、いい男?
 彼女としては、ぐっとセンサー的に惹かれなくもない
 どうやら、Lとは顔見知りのようだ。二人で話している様子から、それが感じ取れた
 先生、と呼ばれたその男性の赤い目が、彼女を捉えた

「ふむ、痛むところはないのだね?」
「は、はい、大丈夫です。えっと……」
「少年のクラスメイトである、と聞いている。はじめまして。私は、この診療所を任せられているものだよ」

 そう言って、その先生はにこやかに手を差し出してきた
 彼女はそれに答えるように、その手を握り返して握手する
 そうして、先生はふっ、と笑って………その視線が、く、と彼女の胸元へと、向けられて

「うむ、ナイスおっぱい」

 と、にこやかに言い放ち

 数秒間、時が止まって
 直後、先生は病室に乱入してきた約2名によって、盛大に殴り倒された



「はっはっは。いや、これは失礼。素敵な神々の谷間をお持ちだったのでつい、な」
「黙れおっさん」

 にこやかな先生の発言に、H(どうやら、途中でLと合流してついてきていたらしい)がツッコミを入れる
 そっか、H、突っ込みやれたんだ、と、ちょっと違う点に注目してしまう
 そして、そうか、先生はおっぱい好きか。よろしい変態だ。この先生までナチュラルホモでなくてよかった、と言うべきなのか。いや、でもおっぱい魔神っぽい

「とりあえず。先生がセクハラじみた発言したら遠慮無く殴って大丈夫だぞ。この人、見た目と違って丈夫だから」
「っふ、相変わらず手厳しいな、君は」

 もう一人の言葉に、先生はセクハラ発言に関してはさっぱり反省していない様子である
 そのもう一人は、彼女の知らない人物だ
 ただ、なんだか、知っている人に似ている気がした。どこかで見たことあるような、と言うか………

「っと、憐。お前、教会の手伝い行くんだろ。遅れるって連絡入れたって言ってたが。そろそろ向かったほうがいいんじゃないか?」
「あ、そうっすね………じゃ、カイ兄、はるっち。ここはお願いしますー、っす」

 どこかで見たことあるようなその人の言葉に、Lは頷いている
 そうしてから、にこっ、と彼女に笑みを浮かべてきた

「それじゃあ、お大事にー、っす。痛いところもうないって言っても、頭打ってるんだから、今日一日は大人しくしてるっすよー」
「うん、それじゃあ、またね」

 ひらりっ、と手をふって、Lは病室を後にした
 に、しても、本当、迷惑をかけてしまったようだ。教会の手伝いがあったのに、こっちを優先してくれたとは

(いつもなら、こっちに気があるかもー………って思う所だけど。ないんでしょうねぇ)

 うん、ないんだろうな。脈ないな、と言うのが、勘でわかってしまう
 Lも、もうちょっと女の子に興味を持ってもいいだろうに

 ……まぁ、それは、ともかく
 彼女的には、Lが「カイ兄」と呼ばれたその人が、気になった
 そんな彼女の視線を感じたのか、その人………おそらく、彼女達と同じくらいか、もうちょっと年上くらいのその人が視線を返してくる

「親父や憐から、話は聞いてる。今年、学校街に来たらしいな」
「えぇ、そうです。貴方は……」
「あ、そいつ。俺達の担任の息子」

 さらっ、と答えてきたのはH
 え!?と、彼女は思わず、まじまじとその人………Kを見つめてしまった
 あ、言われてみると、確かに………自分達の担任である化学教師に、よく似ている
 そうか、どっかで見たことある気がしていたら、そうだ、担任の先生に似ているんだ!
 なんか、こう、気だるげな雰囲気も似てる!!

「……まぁ、そういう事だ。俺は、通ってる高校は違うけどな。親父と同じ高校とか、気まずいし」
「あー……うん、確かに。ちょっと、気まずいかも」

 だろう?と肩をすくめてきたK
 そうか、あの先生、息子いたんだー………と、言うか、結婚してたんだ。結婚指輪、つけてたっけ?今度、もうちょっと注意して見てみよう
 それによって、略奪愛を目指すかどうか、変わるし

「さて、君はもうちょっと、休んでいたまえ。その後で、もうちょっと検査をしよう。大丈夫とは思うが、頭へのダメージは洒落にならん」
「はい、ありがとうございます。えーと、その………」
「あ、診察代などはいらんよ。君のような素晴らしき神々の谷間の持ち主を助けるくらい、当然のこtオベッハッ!?」

 あ、またダブルパンチくらった
 どっちも見事なスピードだ。見えない

(………ちょっと、憐君に恥ずかしいとこ見られたみたいだけど。まぁ、知り合いも増えたし、いいかな)

 ……先生もKもなかなかいい男だし
 こちらも、こちらの魅力でたらしこんで………あれ?

(…あれ、そういえば。二人共、私の魅力に………対して、反応がない?)

 そう、いつもなら、と言うか、学校街に来るまでは
 男共がこちらを見てくる視線的に、こっちにメロメロになったな、とか、一目惚れしたな、とか、すぐわかったものなのだけど
 ……ないのだ、二人共の視線から、そういうのが
 先生はこっちの魅力に惹かれた、とかじゃなく、単におっぱい見てるだけだし
 それも、そうやって見ておきながら、特に性的な対象としては見てない雰囲気を、本能で感じ取ってしまう

(うむむ………こ、これではいけないわ。もっと、女の魅力を磨かないと!!)

 こっそりと、闘志を燃やす彼女



 そんな、彼女を
 ダブルパンチを食らって床の上に沈みつつも、先生がどこか、鋭さを含ませた視線で見ていたことに彼女は気付かず

 この診療所に運ばれた事の真相も
 気づくことは、なかった



to be … ?




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