「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-40a

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匿名ユーザー

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 冷え込む帰り道、はらはらと落ち葉が風に舞う
 なるほど、11月並の冷え込みである。吐き出す吐息が白く染まる

「…冬に入るまでに、なんとかなるでしょうか」
「さぁな………向こうがなかなか、尻尾を出さないからな」

 はらり、と落ち葉が舞う道を龍哉と直斗は二人で歩いていた
 靴底越しに、枯れた落ち葉の感触が伝わってくる

「鬼灯が調べていた面子は、だいぶ削った………ただ、鬼灯が調べきれなかった相手もいるからな」
「すべてが、学校町に来ている訳でもないのでしょうが。残っている相手も少々厄介ですし、調べきれなかった相手がそれと同程度となると……」

 かさり、かさり
 落ち葉が踏まれる音が、静かな辺りに響く
 夕暮れ時、住宅街にあまり人通りはなく、二人分しか影は伸びない

「ただ、そろそろ、向こうも焦れてきているかと、思われるのですが」
「だな………うまく、動けばいいんだが」

 事情を知らぬ者が聞いても理解できぬであろう会話をしながら、ゆっくりと進む2つの影
 その、影に向かって………別の影が、伸びる
 一見、人間の影に見える、しかし、人間ではない影が

「………足いらんかえ?」

 二人の耳に届いたのは、老婆の声
 「足売りババア」の声だった
 大きな風呂敷包みを背負ったその老婆は、「足いらんかえ?」と言う質問に対し、「いいえ」と答えると足を一本奪い去り、「はい」と答えれば、余分な足を一本付けられる……そのように伝えられている
 「はい」と答えても「いいえ」と答えても悲惨な結末にしかならず、助かるには「私はいらないので、○○のところへ行ってください」と答えると良いとされている
 すなわち、今、二人が答えるべき正しい答えはそれだろう
 しかし

「………いいえ、いりませんよ」
「足は、二本ありゃあじゅうぶんだ」

 そのように答える二人
 足売りババアを、見てすらいない
 二人の言葉に、足売りババアはにやり、と気味の悪い笑みを浮かべた
 その影が、「伸びる」
 足売りババアの下半身は人間のものとは違う、異形のものと化していた
 今まで奪ってきた人間の足だろうか。それが、ムカデのように足売りババアの下半身についているのだ
 足の本数だけ、下半身はにょろりと伸びており、まさしく百足だ
 足売りババアは、二人の足を奪おうとして

 すぱぁんっ、と
 足を切るための鎌を持っていた腕が、落ちた

「ぎ………っ!?」

 ひゅんっ、と、二振りの刀が宙を舞う
 龍哉の扱う「大通連」「小通連」が、くるくると、龍哉の意思に従って動く

「直斗、確か、鬼灯さんの情報で」
「あぁ、足売りババアは、いたな。元契約者で、今はもう飲まれて人間やめてるタイプ」

 くるり、と、ようやく二人は振り返り、足売りババアを見た

「ひとまず、気絶させて。後は「組織」にでも引き渡すか。さほど、重要な情報は持っていなさそうだしな」
「そうですね。何か情報を持っていてくれていたら、その時はその時ですし。「組織」がうまくやってくださるでしょう。以前、こちらで尋問しました「ひきこさん」の契約者よりも、有効な情報を持っていれば、のお話ですが」

 二人の会話に、足売りババアは「まずい」と判断した
 確かに、己の持っている「あのお方」の情報は重要度は低いかもしれない………しかし、「組織」相手となると、些細な情報ですら渡すにはまずい
 ならば、己の命を潰して情報を渡さないのが一番であるのだが、鎌をもっていた腕は落とされてしまった
 もう一方の手を伸ばそうとしたが、大きく上半身を持ち上げていた状態だった為、それよりも早く、落ちていた鎌は直斗が踏みしめ、渡さない構え

 ……逃げるしか、ない
 確か、通りに出れば川があった、そこに飛び込んで…………

「ダメですよ」

 龍哉が、「小通連」を手にして駆ける
 身をよじって逃げようとする足売りババアの背中へと跳び乗り、その背中を駆け上がった
 足売りババアがそれを振り落とすよりも、早く、がっ、とその肩を掴んで

「ぎ、ぁ」

 ごっ、と刀の柄で、後頭部を殴りつけられて
 一度ならば意識を手放さなかっただろう、しかし、数回も殴りつけられれば、元々防御が人間と変わらぬ身、耐え切ることは出来ず、その意識は闇へと落ちて
 ずぅんっ、と、辺りに轟音が鳴り響いた

「…これで、また一つ、駒は潰した。さぁ、「狐」、どう動く?」

 呟く直斗の言葉は、足売りババアにも、ここにはいない「狐」にも、届くことはなかった






to be … ?



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