からからと店のシャッターを下ろし、ふぅ、と青年………九十九屋 九十九はふぅ、と息を吐きだした
学校町に来てすぐに、彼はレンタルスペースを借りて、針金アートの店を出していた
彼が作った針金アートの展示と販売を行っている店だ。はじめは客が入るか不安だったが、幸いにしてそこそこ客は入ってくれている
そこそこに、まっとうな手段で現金収入が入ると言うのはありがたい
正体をさとられぬよう隠れ住まねばならぬ身としては、非合法な収入だけでやっていくには厳しいのだ
学校町に来てすぐに、彼はレンタルスペースを借りて、針金アートの店を出していた
彼が作った針金アートの展示と販売を行っている店だ。はじめは客が入るか不安だったが、幸いにしてそこそこ客は入ってくれている
そこそこに、まっとうな手段で現金収入が入ると言うのはありがたい
正体をさとられぬよう隠れ住まねばならぬ身としては、非合法な収入だけでやっていくには厳しいのだ
(学校町に来る前に、アダム辺りが稼いだ金もだいぶある、が………一応、まっとうに生活している「ふり」も必要だしな)
難儀な道を進んでいる、とは思う
せめて、自分達を魅了してやまない主が見つかりさえすれば、少しは楽かもしれない、とも思う
しかし、主は何を考えているのか、姿を消したまま
学校町にいる事は、確かなのだ。ただ、その存在を見つけ出すことが自分達はできないでいるし、主からも接触がない
せめて、自分達を魅了してやまない主が見つかりさえすれば、少しは楽かもしれない、とも思う
しかし、主は何を考えているのか、姿を消したまま
学校町にいる事は、確かなのだ。ただ、その存在を見つけ出すことが自分達はできないでいるし、主からも接触がない
(新たな宿主を見つけた後に、トラブルでも起きたんだろうか………)
家路につきながら、そんな事を考える
学校町に来てからだいぶ経つが、ここまで連絡がないのはおかしい
死んでいる、とは考えない。もしも死んでいるのだとしたら、自分達に何かしらの変化が出ているだろう、と思考的には理解していなくとも、本能的に理解していた
だが、なんらかのトラブルが発生した可能性は否定出来ない
自分達の主は、契約ではなく憑依と言う形を取る場合もあるのだが、憑依の際にトラブルが起きれば、自身の正体についての記憶を忘却してしまう可能性があるからだ
低い可能性であるとはいえ、万が一、そんな事態になっていたら………
学校町に来てからだいぶ経つが、ここまで連絡がないのはおかしい
死んでいる、とは考えない。もしも死んでいるのだとしたら、自分達に何かしらの変化が出ているだろう、と思考的には理解していなくとも、本能的に理解していた
だが、なんらかのトラブルが発生した可能性は否定出来ない
自分達の主は、契約ではなく憑依と言う形を取る場合もあるのだが、憑依の際にトラブルが起きれば、自身の正体についての記憶を忘却してしまう可能性があるからだ
低い可能性であるとはいえ、万が一、そんな事態になっていたら………
(こりゃ、本腰入れて探したほうがいいか……?「バビロンの大淫婦」が学校町に入り込んでるって情報もあるし、そっちと鉢合わせでもしたら………)
考え事をしながら暗い道を一人歩く九十九屋の後ろから、ひたひたと、近づいてくる足音が一つ
その気配に九十九屋は気づいていたが、反応は見せようとしない
警戒も、しない
さて、どう出るか、と、それをほんの少し楽しみにしていた
その気配に九十九屋は気づいていたが、反応は見せようとしない
警戒も、しない
さて、どう出るか、と、それをほんの少し楽しみにしていた
そして、その時はようやくやってくる
「ちょっと、いいかい?」
声をかけられ、振り返る
そこにいたのは、全身を包帯で包んだ、男
そこにいたのは、全身を包帯で包んだ、男
「何か?」
「ちょっと、時間を知りたいのだけど。教えてくれないだろうか」
「ちょっと、時間を知りたいのだけど。教えてくれないだろうか」
少しよろめくような歩き方で近づきながら、その包帯まみれの男は近づいてきた
時間ね、と、九十九屋は懐から携帯を取り出し、時間を確認しようとして
時間ね、と、九十九屋は懐から携帯を取り出し、時間を確認しようとして
ーーーーっが、と、包帯まみれの男が、九十九屋の携帯を持つ腕を掴んだ
そして、いつの間にか反対の手に持っていた注射器を、ぶすり、と、九十九屋の腕に刺そうとした
刺そうとした、のだ
そして、いつの間にか反対の手に持っていた注射器を、ぶすり、と、九十九屋の腕に刺そうとした
刺そうとした、のだ
「20時30分ジャスト、だな」
が、針は、九十九屋の腕に刺さっていない
彼が着ている服の袖の下に、何か、固い物があって…………それが、注射器の針を拒んでいるのだ
包帯の下、男が驚愕の表情を浮かべたことがはっきりとわかり、九十九屋はニヤリ、と笑う
彼が着ている服の袖の下に、何か、固い物があって…………それが、注射器の針を拒んでいるのだ
包帯の下、男が驚愕の表情を浮かべたことがはっきりとわかり、九十九屋はニヤリ、と笑う
「本来、女子供を狙うはずなんだけどな、お前ら「注射男」は…………狙うターゲットが見つからなくて、誰が相手でも良くなったか?それとも、そんななりで都市伝説そのものか、と思ったが…………契約者か?」
「………ッ貴様!」
「………ッ貴様!」
注射男が、九十九屋から距離をとった
生憎、九十九屋には都市伝説の気配を探るような能力はない為、相手が契約者であるのか都市伝説そのものであるのか、そこまではわからない
ただ、相手の能力が「注射男」である事くらいはわかる。先ほどの注射をそのまま打たれていたら、今頃九十九屋は死んでいた事だろう
生憎、九十九屋には都市伝説の気配を探るような能力はない為、相手が契約者であるのか都市伝説そのものであるのか、そこまではわからない
ただ、相手の能力が「注射男」である事くらいはわかる。先ほどの注射をそのまま打たれていたら、今頃九十九屋は死んでいた事だろう
「ま、つまり、俺がお前を殺しても、正当防衛、って事だ」
挑発的に、九十九屋は注射男に対して笑ってみせた
その笑みに、注射男が、動く
その笑みに、注射男が、動く
「……どうやら、貴様も契約者らしい、何と契約しているのか知らないが、注射さえ刺してしまえば………っ」
両手に何本もの注射器を出現させた注射男が構える
九十九屋としても、肌が露出している部分に注射器を刺されてしまうと、流石にまずい
だからこそ、先に動いた
と言っても、体は動かさない。腕一本、指一本、動かす事なく………ただ、軽く意識した。服の下に仕込んでいる、それに。鞄にたくさん入れている、それに
九十九屋としても、肌が露出している部分に注射器を刺されてしまうと、流石にまずい
だからこそ、先に動いた
と言っても、体は動かさない。腕一本、指一本、動かす事なく………ただ、軽く意識した。服の下に仕込んでいる、それに。鞄にたくさん入れている、それに
注射男が、構えた注射器を九十九屋に突き刺そうと駈け出したのと………九十九屋の服の下から、何本もの針金が飛び出したのは、ほぼ同時
先端を尖らせた鋭い針金は恐ろしいスピードで注射男へと襲いかかり、その全身に突き刺さった
注射男が悲鳴を上げるよりも先に、ぐるり、と針金が幾重にも口のあたりに絡みつき、言葉を塞ぐ
先端を尖らせた鋭い針金は恐ろしいスピードで注射男へと襲いかかり、その全身に突き刺さった
注射男が悲鳴を上げるよりも先に、ぐるり、と針金が幾重にも口のあたりに絡みつき、言葉を塞ぐ
「さっきの言葉からして、お前は契約者………つまり、人間だな」
全身を針金で貫かれ、さらにぐるぐる巻きにされて苦悶の声をあげる注射男………の、契約者に歩み寄り、九十九屋はサディスティックさを滲ませる笑みを浮かべた
「それなら、俺の仲間の「食事」になってもらおうか」
ここで皓夜の「食事」を確保できたのはラッキーだ。きちんと死なない程度に加減した状態で、持ち帰らなければ
包帯の下の顔が、絶望の色を浮かべたのは明らかで。九十九屋は満足気にただ、笑うのだった
包帯の下の顔が、絶望の色を浮かべたのは明らかで。九十九屋は満足気にただ、笑うのだった
to be … ?