「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-40

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匿名ユーザー

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「さっむぅい………」

 はぁっ、と自分の吐息で指先を温める
 今週は、11月並の寒気が日本全体を包み込んでいるらしい
 天気予報でそれはわかっていたつもりなのだが、コートこそだしたものの「手袋はまだ早いよね」と、出していなかったのだ
 が、手袋は出しておいたほうが良かったかもしれない。指先が、冷たい

「さくっちー?指先、真っ赤になってるっすよ」
「うぅ、私、ちょっと冷え性気味なんだよね………明日は手袋出しておこう」

 心配するように言ってきたLの言葉に、そう答える
 今日は、ちょっとラッキーな日だ
 学校へと向かう途中に、LとH、それにMと会って、一緒に学校に向かう事ができているのだから
 なお、Lはマフラーを、Mは手袋を身に着けていた。やっぱり、寒いからだろう。Hに至っては、マフラーも手袋も両方身に着けている。もしかしたら、さむがりなのかもしれない

「今の時刻でこれだと、帰る頃にはヘタしたら、もっと寒くなってるわね」
「流石に、雪降るまではいかねぇと思うが……」

 Hが、空を見上げる
 空は綺麗に晴れてはいるが、おひさまの光が何かに遮断されているんじゃないか、ってくらいには寒い
 はぁっ、と吐き出す息は、白く染まっていた

「……さくっちの指、ほんと、見るからに冷えきっててちょっち痛々しいっすね…………ほら」
「え?」

 思わず、私はきょとん、とした
 Lが、そっと私の手をとってきたのだ
 こちらの指先を包み込んでくるLの手は、温かい

「うわ、だいぶ冷たい。痛くなってたりしてないっす?」
「へ、平気よ。霜焼け起こすほどではないし……」

 ………うかつ!
 私とした事が、実にうかつだ
 男子に手を取られて、ドキドキしてしまうだなんて
 いや、ドキドキというか、きゅん、というか、その
 普段の行動からして、Lにそういった事を期待していなかったせいか、ちょっとした衝撃を感じたのかもしれない
 じわ、じわ、と、Lの温かい手に包まれて、指先が暖まってくる

「……ん、これくらいで、大丈夫っすかね」

 すっ、と、Lの手が離れる
 離れていくその手が、少し名残惜しかった

「明日は、ちゃんと手袋持ってくるっすよ?」
「え、えぇ」

 へらんっ、とLはいつもとおりの笑みを浮かべている
 ………いつも通りだからこそ、余計にドキドキしてしまう
 Hからの視線が突き刺さっているような気がするのだが、それを気にする余裕もない
 頬が赤くなっている気がするのだが、果たして、寒さのせいだとごまかせるだろうか
 こちらがそう考えている間に、Lはクラスメイトの姿を見かけて、おはよう、と声をかけにいってしまっていて

「安心しなさい、咲夜」

 と、考え込んでいたこちらの肩を、Mがぽんっ、と叩いてきた

「あ、安心って、何を………」
「だって、ほら」

 す……と、Mが指差した先
 そこでは

「あー、すずっちも、指先冷たくなってるっすー」
「あ、うん、まだ手袋出していなくて………って、憐君!?」

 クラスメイト(男子)の手を、こちらにしていたように軽く包み込んでやっているLの姿で

「憐、あれ、誰にでもやるから」
「うん、なんか色々安心した」

 100%ただの親切心でしかないんだろうな、と言うのもまた、同時に理解できて
 やはり、Lにそういうのを期待したほうが間違いというかなんというか

 とりあえず、今、自分がMと共にすべき事
 それは、Lに手を包み込まれているクラスメイトに嫉妬めいた視線を向けているHへのツッコミ(物理)であると判断し、二人でほぼ同時に、動いたのだった



終われ





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