「変わりゃしねぇよ、なぁんにも。お前がかつて人間だったって言うんなら、お前は人間なんだろうよ」
何を言うのだ、この男は
自分は人間ではない
自分は、とうに「化物」になったのだ
自分は人間ではない
自分は、とうに「化物」になったのだ
なぜ、「化物」になったのか
なぜ、「化物」にならなければいけなかったのか
なぜ、「化物」にならなければいけなかったのか
そんな事は覚えちゃいない
「化物」になった瞬間に、全て忘れ去ってしまった
「化物」になった瞬間に、全て忘れ去ってしまった
ただ、憎い
「人間」は己の大切なものを奪ったのだ
だから、自分は「化物」の力を振るい、人間を苦しめてやるだけなのだ
「人間」は己の大切なものを奪ったのだ
だから、自分は「化物」の力を振るい、人間を苦しめてやるだけなのだ
そうして、「人間」は「化物」である己を伐つのだろう
「人間」とはそう言うものなのだから
「人間」とはそう言うものなのだから
そうだと言うのに
なぜ、この男はその刃を振り下ろさないのだ
なぜ、この男はその刃を振り下ろさないのだ
「お前は「人間」だろう?」
男が笑う
異国の異人のような翡翠色の目をした男が、くつくつと笑う
祟り神の力を借りたこの男は、自分をいつでも消しされるはずだと言うのにそれをせず
異国の異人のような翡翠色の目をした男が、くつくつと笑う
祟り神の力を借りたこの男は、自分をいつでも消しされるはずだと言うのにそれをせず
手を、伸ばしてきた
「立てよ、お前はまだ「人間」なんだよ」
あぁ、なんだと言うのだ
俺は「化物」だ、もう人間ではない
「化物」になった以上、人間には戻ることなど出来ない
もう二度とーーもーも戻ってこない、もう二度と会えない
もはや「人間」である意味すら無いと言うのだから、「化物」であるしかないと言うのに
やめろ、やめろ
この眼の前の男もそうだし、他の連中もそうだ
俺は「化物」だ、もう人間ではない
「化物」になった以上、人間には戻ることなど出来ない
もう二度とーーもーも戻ってこない、もう二度と会えない
もはや「人間」である意味すら無いと言うのだから、「化物」であるしかないと言うのに
やめろ、やめろ
この眼の前の男もそうだし、他の連中もそうだ
何故、俺を「人間」側に止めたがる
やめろ、やめろ、やめろ……………
やめろ、やめろ、やめろ……………
歌う声がした
懐かしい声に似ている、だが違う声
この国の言葉ではない、異国の言葉での歌声
懐かしい声に似ている、だが違う声
この国の言葉ではない、異国の言葉での歌声
「She saw a dead man on the ground; And from his nose unto his chin, The worms crawled out, the worms crawled in」
ゆるりるりらと歌う声に、目が覚める
「Then she unto the parson said, Shall I be so when I am dead? ………っと、起こしちゃったっすー?」
こちらが目覚めた事に気づいたのか、へらっ、とした声が返ってくる
少し癖のある金の髪と同じ色の瞳が、じっとこちらを見つめてきた
少し癖のある金の髪と同じ色の瞳が、じっとこちらを見つめてきた
「……いや、お前さんの歌で目が覚めた訳じゃねぇから、気にすんな」
「そうっす?……なら、いいんすけど。お目覚めにはあんま良くない歌だったし」
「おぅ、そうだな。目覚めに聞くにゃあわりと最悪だわ」
「そうっす?……なら、いいんすけど。お目覚めにはあんま良くない歌だったし」
「おぅ、そうだな。目覚めに聞くにゃあわりと最悪だわ」
むくり、起き上がりながらそう答える
ヨーロッパの島国だかの童謡だったと思う。童謡ではあるが、恐ろしさを感じる歌詞であり、子供が歌うような歌ではない
……ただ、そういえば。この少年、憐は賛美歌の他は少し残酷な歌や、恐ろしげな歌を好んで口遊む傾向にある
そのようになったのも、三年前……
ヨーロッパの島国だかの童謡だったと思う。童謡ではあるが、恐ろしさを感じる歌詞であり、子供が歌うような歌ではない
……ただ、そういえば。この少年、憐は賛美歌の他は少し残酷な歌や、恐ろしげな歌を好んで口遊む傾向にある
そのようになったのも、三年前……
「…いや、違う。それは昔からか」
「?何の事っすー」
「気にしなくていいさ」
「?何の事っすー」
「気にしなくていいさ」
あくびをしながら、起き上がるこちらを。憐がじっと、見つめてきている
どうした、と問えば、えぇと……と、少し心配そうな声を上げて
どうした、と問えば、えぇと……と、少し心配そうな声を上げて
「鬼灯さん、寝てる時の表情、険しかったっすけど………悪い夢、見てたっす?」
「悪い夢?」
「悪い夢?」
自分は、夢を見ていたのだろうか
思い出そうとしたが、思い出せない
そもそも、夢を見ていたのかどうかすら、わからない
思い出そうとしたが、思い出せない
そもそも、夢を見ていたのかどうかすら、わからない
「……さてね。縁側で寝てたから、そのせいかもな」
「もー、縁側でうっかり寝ちゃう気持ちはわからないでもないっすけど、油断すると風邪引くっすよー」
「風邪なんてひかねぇだろ。俺ぁ人間じゃねぇんだし」
「学校街だと、「都市伝説だけかかる風邪」とかあってもおかしくねーっす」
「……………反論できねぇな」
「もー、縁側でうっかり寝ちゃう気持ちはわからないでもないっすけど、油断すると風邪引くっすよー」
「風邪なんてひかねぇだろ。俺ぁ人間じゃねぇんだし」
「学校街だと、「都市伝説だけかかる風邪」とかあってもおかしくねーっす」
「……………反論できねぇな」
この街であれば「あり得る」
絶対にありえない、と否定出来ないのが怖いところだ
まったくもって、この街は退屈しない
絶対にありえない、と否定出来ないのが怖いところだ
まったくもって、この街は退屈しない
「っつかよ、憐。獄門寺家に来てんなら、龍哉にでも用があるんじゃないのか?」
「今日はー、こちらにみんなで集まって「人狼」やるっすー。俺っちが一番乗りで来ただけっすね。りゅうっち、今、ジュースとか用意してくれてるとこっす」
「今日はー、こちらにみんなで集まって「人狼」やるっすー。俺っちが一番乗りで来ただけっすね。りゅうっち、今、ジュースとか用意してくれてるとこっす」
あぁ、あれか、と思い出す
自分もちらりと参加させてもらった事があるが、あれはなかなかに面白い
そう考えていると、憐はにこり、と笑って
自分もちらりと参加させてもらった事があるが、あれはなかなかに面白い
そう考えていると、憐はにこり、と笑って
「折角っすから、鬼灯さんも参加するっすー?人狼は、人数多いほうが楽しいっすから」
「お、そうか。じゃあ、久しぶりにやるか。坊や逹相手でも手加減しねぇぞ」
「ふふー、俺っち逹も手加減しねーから、大丈夫っすー」
「お、そうか。じゃあ、久しぶりにやるか。坊や逹相手でも手加減しねぇぞ」
「ふふー、俺っち逹も手加減しねーから、大丈夫っすー」
にこにこと笑う憐の頭を、軽く撫でてやる
へらり、とした笑い方ではなく、にこにことした笑い方
……「元の」憐の笑い方
それを向けられる程度には、自分は憐の味方であるのだと、そう自覚した
へらり、とした笑い方ではなく、にこにことした笑い方
……「元の」憐の笑い方
それを向けられる程度には、自分は憐の味方であるのだと、そう自覚した
to be … ?