「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代の子供達-58z

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匿名ユーザー

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 戦技披露会の試合と試合の、その合間の事

「しっかし、死者は出さない事ってなってるって聞くが。派手にやる奴が多いな」

 試合を見た感想として、慶次が一番強く抱いたのはそれだった
 思ったより、かなり派手に能力を使っている者が多い
 あれでも、「切り札」や「隠し玉」は出さなかった契約者もいるのだろうが、それでもかなり容赦なく能力を使っていた者がいた印象がある
 一歩間違えば死者が出ていたのでは、とも

「まぁ、治療係として「先生」が呼ばれているそうだからね。それを知っている人なんかは、ちょっとくらいの大怪我でも大丈夫と判断したんじゃないかな」

 慶次のつぶやきにそう答えたのは郁
 「ちょっとくらいの大怪我」はだいぶ矛盾しているのではツッコミを入れたくなったが、ぐっと、押さえ込み
 「先生」、と言うその名前に、脳裏に浮かぶのは診療所の某白衣が頭に浮かび、「あれか……」と言う心境だ

「あのセクハラの権化、そんなに優秀なのかよ」
「そうだね。色々と問題もある人物だが、優秀ではあるよ。色々と問題もある人物だが」

 2回言っている
 大事な事なので2回言った、と言う奴なのだろうか

「「薔薇十字団」所属だったよな、あの白衣。学校町にいる「薔薇十字団」メンバーは数が少ないからあいつが優秀なのかどうか判断し難いんだが」
「優秀だよ。彼、アハルディア・アーキナイトは能力だけを見れば優秀なんだ………だからこそ、「薔薇十字団」も「組織」も、他の組織も困っているんだろうけれどね」

 そう言いながら、郁は苦笑してきた
 慶次は、あの「先生」が元指名手配だった事くらいしか知らないし、どのような罪状で指名手配を食らっていたのかも知らない
 ただ、三年前に天地が盛大に頭を抱えていた事を覚えているだけだ
 愛百合から「あの男は信用しちゃ駄目よ」と言われていたので、常に警戒するようにはしていたが
 慶次がそう考えていると、郁がふぅ、と小さくため息を付いて

「……そう。優秀だ。それ故に。天地も今回の「狐」の件で、彼相手の交渉に頭を悩ませているのかもしれないね」

 と、そのように口に出したのだから

「あ?………どういうことだよ」

 慶次は、その言葉に反応する

「あぁ、君はANo所属だから聞いていなかったかもしれないね………「狐」が、今年に入って学校町に侵入したらしい。そこは把握しているね?」
「当たり前だろ。確か、3月だったか?「狐」が学校町に侵入したらしいのは」

 周辺がバタバタしていたから覚えている
 かなえが青い顔になっていて、ひどく不安そうであったし
 ……もっとも、それ以降、「狐」の所在はわからないままのようだが……

「そう、3月の「狐」が学校町に入り込んだと言うその日。「狐」の反応が消えた、その時………その場に、あの「先生」がいたらしいんだよ」
「……どういうことだ?」
「どういうことなんだろうね?」

 肩をすくめてくる郁

 「狐」の反応が消えた、その時
 その場に「先生」がいた?

「当人は、その場にいた事は認めているけれど「狐」がいた事は知らない、って言っているらしくてね」
「ただ、問題人物でもあるし怪しい、ってか?」
「そういう事さ。怪しい、けれど黒とも言い難い。だから、君達にはその情報が渡っていなかったんだよ」

 なるほど、と悔しいが慶次としてもその意見は認めざるをえない
 この情報を愛百合が知ったら、「先生」に対して徹底的に尋問を開始し、少しでも怪しいと判断したら処分すべき方向で考えたはずだ
 問題の多い人物とはいえ、「薔薇十字団」所属である
 喧嘩を売られない限りはどの組織に対しても中立を保つあそこに、喧嘩を売りたくないだろう

「一応、君には話したが。愛百合には伝えないでくれよ」
「わかってるよ。それに、あの「先生」が本当に優秀なら、愛百合がヘタに動いたとして、俺と愛百合じゃ太刀打ちできねぇんだろ」
「だろうね」
「わかってても、即答されるとムカつくな」

 事実なら、仕方ないのだが
 ……さて、この情報をどう判断すべきか
 慶次は考え込みながら………郁に気づかれないように、ひっそりとスマホを操作して、メールを送っていた



to be … ?





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