戦技披露会の試合と試合の、その合間の事
「しっかし、死者は出さない事ってなってるって聞くが。派手にやる奴が多いな」
試合を見た感想として、慶次が一番強く抱いたのはそれだった
思ったより、かなり派手に能力を使っている者が多い
あれでも、「切り札」や「隠し玉」は出さなかった契約者もいるのだろうが、それでもかなり容赦なく能力を使っていた者がいた印象がある
一歩間違えば死者が出ていたのでは、とも
思ったより、かなり派手に能力を使っている者が多い
あれでも、「切り札」や「隠し玉」は出さなかった契約者もいるのだろうが、それでもかなり容赦なく能力を使っていた者がいた印象がある
一歩間違えば死者が出ていたのでは、とも
「まぁ、治療係として「先生」が呼ばれているそうだからね。それを知っている人なんかは、ちょっとくらいの大怪我でも大丈夫と判断したんじゃないかな」
慶次のつぶやきにそう答えたのは郁
「ちょっとくらいの大怪我」はだいぶ矛盾しているのではツッコミを入れたくなったが、ぐっと、押さえ込み
「先生」、と言うその名前に、脳裏に浮かぶのは診療所の某白衣が頭に浮かび、「あれか……」と言う心境だ
「ちょっとくらいの大怪我」はだいぶ矛盾しているのではツッコミを入れたくなったが、ぐっと、押さえ込み
「先生」、と言うその名前に、脳裏に浮かぶのは診療所の某白衣が頭に浮かび、「あれか……」と言う心境だ
「あのセクハラの権化、そんなに優秀なのかよ」
「そうだね。色々と問題もある人物だが、優秀ではあるよ。色々と問題もある人物だが」
「そうだね。色々と問題もある人物だが、優秀ではあるよ。色々と問題もある人物だが」
2回言っている
大事な事なので2回言った、と言う奴なのだろうか
大事な事なので2回言った、と言う奴なのだろうか
「「薔薇十字団」所属だったよな、あの白衣。学校町にいる「薔薇十字団」メンバーは数が少ないからあいつが優秀なのかどうか判断し難いんだが」
「優秀だよ。彼、アハルディア・アーキナイトは能力だけを見れば優秀なんだ………だからこそ、「薔薇十字団」も「組織」も、他の組織も困っているんだろうけれどね」
「優秀だよ。彼、アハルディア・アーキナイトは能力だけを見れば優秀なんだ………だからこそ、「薔薇十字団」も「組織」も、他の組織も困っているんだろうけれどね」
そう言いながら、郁は苦笑してきた
慶次は、あの「先生」が元指名手配だった事くらいしか知らないし、どのような罪状で指名手配を食らっていたのかも知らない
ただ、三年前に天地が盛大に頭を抱えていた事を覚えているだけだ
愛百合から「あの男は信用しちゃ駄目よ」と言われていたので、常に警戒するようにはしていたが
慶次がそう考えていると、郁がふぅ、と小さくため息を付いて
慶次は、あの「先生」が元指名手配だった事くらいしか知らないし、どのような罪状で指名手配を食らっていたのかも知らない
ただ、三年前に天地が盛大に頭を抱えていた事を覚えているだけだ
愛百合から「あの男は信用しちゃ駄目よ」と言われていたので、常に警戒するようにはしていたが
慶次がそう考えていると、郁がふぅ、と小さくため息を付いて
「……そう。優秀だ。それ故に。天地も今回の「狐」の件で、彼相手の交渉に頭を悩ませているのかもしれないね」
と、そのように口に出したのだから
「あ?………どういうことだよ」
慶次は、その言葉に反応する
「あぁ、君はANo所属だから聞いていなかったかもしれないね………「狐」が、今年に入って学校町に侵入したらしい。そこは把握しているね?」
「当たり前だろ。確か、3月だったか?「狐」が学校町に侵入したらしいのは」
「当たり前だろ。確か、3月だったか?「狐」が学校町に侵入したらしいのは」
周辺がバタバタしていたから覚えている
かなえが青い顔になっていて、ひどく不安そうであったし
……もっとも、それ以降、「狐」の所在はわからないままのようだが……
かなえが青い顔になっていて、ひどく不安そうであったし
……もっとも、それ以降、「狐」の所在はわからないままのようだが……
「そう、3月の「狐」が学校町に入り込んだと言うその日。「狐」の反応が消えた、その時………その場に、あの「先生」がいたらしいんだよ」
「……どういうことだ?」
「どういうことなんだろうね?」
「……どういうことだ?」
「どういうことなんだろうね?」
肩をすくめてくる郁
「狐」の反応が消えた、その時
その場に「先生」がいた?
その場に「先生」がいた?
「当人は、その場にいた事は認めているけれど「狐」がいた事は知らない、って言っているらしくてね」
「ただ、問題人物でもあるし怪しい、ってか?」
「そういう事さ。怪しい、けれど黒とも言い難い。だから、君達にはその情報が渡っていなかったんだよ」
「ただ、問題人物でもあるし怪しい、ってか?」
「そういう事さ。怪しい、けれど黒とも言い難い。だから、君達にはその情報が渡っていなかったんだよ」
なるほど、と悔しいが慶次としてもその意見は認めざるをえない
この情報を愛百合が知ったら、「先生」に対して徹底的に尋問を開始し、少しでも怪しいと判断したら処分すべき方向で考えたはずだ
問題の多い人物とはいえ、「薔薇十字団」所属である
喧嘩を売られない限りはどの組織に対しても中立を保つあそこに、喧嘩を売りたくないだろう
この情報を愛百合が知ったら、「先生」に対して徹底的に尋問を開始し、少しでも怪しいと判断したら処分すべき方向で考えたはずだ
問題の多い人物とはいえ、「薔薇十字団」所属である
喧嘩を売られない限りはどの組織に対しても中立を保つあそこに、喧嘩を売りたくないだろう
「一応、君には話したが。愛百合には伝えないでくれよ」
「わかってるよ。それに、あの「先生」が本当に優秀なら、愛百合がヘタに動いたとして、俺と愛百合じゃ太刀打ちできねぇんだろ」
「だろうね」
「わかってても、即答されるとムカつくな」
「わかってるよ。それに、あの「先生」が本当に優秀なら、愛百合がヘタに動いたとして、俺と愛百合じゃ太刀打ちできねぇんだろ」
「だろうね」
「わかってても、即答されるとムカつくな」
事実なら、仕方ないのだが
……さて、この情報をどう判断すべきか
慶次は考え込みながら………郁に気づかれないように、ひっそりとスマホを操作して、メールを送っていた
……さて、この情報をどう判断すべきか
慶次は考え込みながら………郁に気づかれないように、ひっそりとスマホを操作して、メールを送っていた
to be … ?