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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代ーズ-18f

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匿名ユーザー

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18 のち、雨




 もう完全に日は落ちて一帯は完全に闇に包まれていた
 暦の上では九月だが、まだ夏の終わりが後を引いている

 蒸し暑い


 俺は「先生」にお礼を告げて診療所を後にした
 今日起こったことを頭の中で整理しながら

 まず東中学で花野郎こと花房君と
 「組織」所属のワイルド野郎に出会った
 続いて、「三年前」の飛び降り事件の犠牲者で
 今や都市伝説となった東ちゃんこと東一葉と遭遇して
 ワイルド野郎に呼ばれて来た「再現」の能力持ち、栗井戸君と出会う
 そして、最後は診療所の「先生」。なるほど、俺の頭は今や完全に疲れている


 今日はもう、早く帰って休もうか
 花房君や「先生」から聞かせて貰った話は明日もう一度整理しよう


 しかし、まさか
 今日の内に「組織」契約者二名と関わることになるなんてね
 しかも花房君は「組織」所属では無いと主張していたけど
 あの口振りからして内情に詳しいと見做して良いだろう


 これを機に「組織」とずぶずぶになるとか?
 否定できない所が怖い


 ただ、これで「狐」については確信が得られた
 やはり「狐」はこの町に居る。それが明確に掴めたのは大きい


 とはいえ、気は重い
 未だに「先生」の言葉が胸の底で渦巻いている


 息を吐きながら空を仰いだ
 そうして初めて気付いたのだが
 空に雨雲が広がり出しているようだ
 体中に纏わりつく湿度と蒸し暑さの正体はこれか


「お、少年。今帰りか?」


 不意に誰かに声を掛けられた
 振り向く前に正体は分かっていた。「口裂け女」だ


 首だけ捻ってそちらを向いた
 Tシャツにジーンズというラフな格好の女だ
 適当に散髪されたのか髪の長さが不揃いなのに目が行った


「最近は物騒だからね。早く帰んなよ」
「あっ、はい」


 それだけ答えて足早にその場を離れる
 「口裂け女」は漫然と空を眺めているようだった


 都市伝説には少なくとも二つのタイプが居る
 一つは、オリジンに服従してオリジンの通りに行動するコードの内部に留まり続けるタイプ
 そしてもう一つは、経験知を獲得してオリジンに無い行動を取る、コードから脱したタイプだ


 コードに忠実なタイプがANとして最も強い、なんて話も聞いたが
 大嘘もいい所だ。経験知を積んだANの方が圧倒的に強くてヤバい
 そして、彼らがその気になれば人間のように生活していくことも出来る


 この町には、後者の都市伝説がかなり存在する
 そして社会に溶け込み普通の人と変わらぬ暮らしを営む者も居る
 多分、あの「口裂け女」もそうなんだろう。それがこの町、学校町の了解だ


 俺が人面犬の半井さんから最初に教えられたのは、確かそういう話だった





 商業高校の制服を着た少年が
 完全に曲がり角の向こうへ消えたのを確認して
 「口裂け女」、ヨグ坂ルルはもう一度空へと視線を向けた


 夏の末から「連中」の姿を見掛けるようになったが
 数が増えてきている気がするのは気の所為では無い
 何処からか「学校町」へと入り込んで来ているのだろうか


 そして今夜も「連中」の数体が
 北区の方から西区の彼方へと上空を飛行していた


 まるで何かを探しているかのように


「あれさあ」


 誰に語るでもなく、ヨグ坂は独り言ちた
 音も無く飛行する「連中」、「モスマン」の群れを見上げながら




「絶対、学校町を監視してるよなあ」








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