22 道化
山沿いの車道をミニバンが爆走していた
その後を縋るように大型二輪が追い掛けてくる
二台ともかなりの速度を上げているが、ミニバンは車体そのものが大きく揺れていた
その後を縋るように大型二輪が追い掛けてくる
二台ともかなりの速度を上げているが、ミニバンは車体そのものが大きく揺れていた
まるで中で何かが暴れているかのように
追走する二輪のドライバー、薄汚れた灰色の小男は
風圧に振り飛ばされまいとほぼ二輪にしがみつくような体勢で
しかし、ミニバンが暴れる様子を細目をこらして観察していた
風圧に振り飛ばされまいとほぼ二輪にしがみつくような体勢で
しかし、ミニバンが暴れる様子を細目をこらして観察していた
彼、「チュパカブラ」は都市伝説、厳密にはUMAと呼ばれる存在だ
この者は東海地方で活動にしくじった挙句、生命の危機に瀕する重傷を負い
奇跡的に一命を取り止めた後に同行者らと学校町を目指していた
この者は東海地方で活動にしくじった挙句、生命の危機に瀕する重傷を負い
奇跡的に一命を取り止めた後に同行者らと学校町を目指していた
「チュパカブラ」の注意はミニバンの中で行われている密事へと向けられていた
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「思った以上に曇広がるの早いな」
誰に言うでも無く、運転手はそう漏らした
眉間に皺を寄せてフロント越しに空を見つめる
山の向こうからは急速に暗雲が拡がり始めていた
眉間に皺を寄せてフロント越しに空を見つめる
山の向こうからは急速に暗雲が拡がり始めていた
「こりゃ一降り来そうだな」
「ピエロ」のドライバー、「ルーキー」はそうぼやいた
彼はまだ十代ほどの若い青年で、特に道化の装束の化粧も施してはいない
今は特にそうする必要が無いからだ
彼はまだ十代ほどの若い青年で、特に道化の装束の化粧も施してはいない
今は特にそうする必要が無いからだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
そして彼の呟きは後部席の男に聞こえることは無かった
まず車内には大音量でサイケめいたトランスが響いているからだ
ルーキーには正直な所、耳が潰れると錯覚するほどの爆音だ
まず車内には大音量でサイケめいたトランスが響いているからだ
ルーキーには正直な所、耳が潰れると錯覚するほどの爆音だ
サッカンサッカンサッカンゴーカン❤ ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
次にルーキーは後ろの男に声を掛けた訳では無かったからだ
むしろ彼は後部席の状況に注意を向けないように振る舞っていた
それもそのはず
後ろでは「ジョー」が少女を犯している真っ最中だったからだ
むしろ彼は後部席の状況に注意を向けないように振る舞っていた
それもそのはず
後ろでは「ジョー」が少女を犯している真っ最中だったからだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「こいつぁスゲえぞ」
全身薄汚れた半裸を震わせながらジョーは唸った
この者の巨体が下敷きにするのは暴行を加えられた少女だ
四肢を鉄の拘束具で固定され体操服を引き裂かれた格好の少女は
既にジョーに何度も突き上げられ、口から血混じりの泡を吐きながら失神していた
この者の巨体が下敷きにするのは暴行を加えられた少女だ
四肢を鉄の拘束具で固定され体操服を引き裂かれた格好の少女は
既にジョーに何度も突き上げられ、口から血混じりの泡を吐きながら失神していた
その横に、少年が同じようにして拘束されていた
ほぼ全裸と言って良いほどの状態で暴行の程度は少女よりも深刻だ
全身にどす黒く変色した青痣と切傷を負い、顔面は大量の鼻血と汚物で塗れていた
異様なほど充血した両眼は既に意識が無いためか焦点を失っている
ほぼ全裸と言って良いほどの状態で暴行の程度は少女よりも深刻だ
全身にどす黒く変色した青痣と切傷を負い、顔面は大量の鼻血と汚物で塗れていた
異様なほど充血した両眼は既に意識が無いためか焦点を失っている
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン サッカンサッカンサッカンゴーカン❤
少女と少年は「花子さん」と「太郎さん」
ジョーが学校町への道中、ついでに拉致した子ども達だ
ジョーが学校町への道中、ついでに拉致した子ども達だ
「底が見えねえ、やっぱ都市伝説はいいもんだ、なあ!」
「ぐっ お゛っっ い゛ぎっ、 た゛ろ゛ っ く゛」
「ぐっ お゛っっ い゛ぎっ、 た゛ろ゛ っ く゛」
不意に太郎さんの眼に、意識が宿った
「はな゛こちゃっ」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ジョーに下腹を蹂躙されている花子さんに向かい
少年は手を伸ばそうと拘束具に抵抗し
少年は手を伸ばそうと拘束具に抵抗し
「何やってんだオイ、餓鬼」
ジョーの右手によって阻まれた
先程のように、拳が二度、三度、少年の顔面に叩き付けられ
先程のように、拳が二度、三度、少年の顔面に叩き付けられ
「オラ、餓鬼はコイツで遊んでろよ」
先程と同じく、黄褐色の薬剤が詰まった注射器が
痛々しい程に勃起した少年の陰茎突き立てられた
痛々しい程に勃起した少年の陰茎突き立てられた
躊躇もなく、薬剤が太郎さんのナカへと一気に注入される
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「ああ゛ああア゛ア゛ぁぁァああ゛あ゛あっっアア゛あ゛ぁぁ゛ァぁああアあ゛ッああ゛あ゛あ゛アア゛あああ゛あっッ!!」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「ああ゛ああア゛ア゛ぁぁァああ゛あ゛あっっアア゛あ゛ぁぁ゛ァぁああアあ゛ッああ゛あ゛あ゛アア゛あああ゛あっッ!!」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
太郎さんの絶叫は車内のBGMによって掻き消された
最早悲鳴を上げようにも声が出ない程に彼らの喉は傷つけられ過ぎていた
太郎さんも、花子さんも
最早悲鳴を上げようにも声が出ない程に彼らの喉は傷つけられ過ぎていた
太郎さんも、花子さんも
「やだこれやだこ゛れ痛い♥助けて゛痛いやだやだやだ♥助け゛て
もう悪いこ゛としな゛いから♥助けてい゛やだこれ♥怖いやだちん゛こ壊れち゛ゃうたすけ゛♥」
もう悪いこ゛としな゛いから♥助けてい゛やだこれ♥怖いやだちん゛こ壊れち゛ゃうたすけ゛♥」
少年は踏み躙られ過ぎた局部に手をやることさえ叶わず
拘束具に固定されたままでその場を掻き毟る両手の爪は既に全てが剥がれており
もう自分が何を叫んでいるのか理解できないまま全身が痙攣を始め
少年の痛々しく膨れ上がった陰茎からは血に染まった大量の精液が強制的に噴き出され
両眼の血管は既に破裂し血の涙を垂れ流したまま、やがて血塗れの白眼を剥きながら汚物を吐き戻した
拘束具に固定されたままでその場を掻き毟る両手の爪は既に全てが剥がれており
もう自分が何を叫んでいるのか理解できないまま全身が痙攣を始め
少年の痛々しく膨れ上がった陰茎からは血に染まった大量の精液が強制的に噴き出され
両眼の血管は既に破裂し血の涙を垂れ流したまま、やがて血塗れの白眼を剥きながら汚物を吐き戻した
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「 」
「 たろう くん 」
「 」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
サッカンサッカンサッカンゴーカン❤ ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン サッカンサッカンサッカンゴーカン❤
「
」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
たすけてくださいだれかたすけておねがいしますたすけてください
ぼくはどうなってもいいからはなこちゃんをたすけてくださいぼくはもうむりですたすけてくだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ほんとはわかってる だれもたすけになんかこないって
ぼくたちみたいなやつを たすけてくれるひとなんかいないって わかってるんだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン サッカンサッカンサッカンゴーカン❤
これはぜんぶわるいゆめ
めがさめたらぜんぶおわるんだ
そしていつもみたく はなこちゃんとあそぶんだ
もうこわいものはなにもないんだって ずっと ずっといっしょに
ずっと はなこちゃんと いっしょに
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「たろう くん たろうくん 」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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「 」
「 たろう くん 」
「 」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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「
」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
たすけてくださいだれかたすけておねがいしますたすけてください
ぼくはどうなってもいいからはなこちゃんをたすけてくださいぼくはもうむりですたすけてくだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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ほんとはわかってる だれもたすけになんかこないって
ぼくたちみたいなやつを たすけてくれるひとなんかいないって わかってるんだ
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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これはぜんぶわるいゆめ
めがさめたらぜんぶおわるんだ
そしていつもみたく はなこちゃんとあそぶんだ
もうこわいものはなにもないんだって ずっと ずっといっしょに
ずっと はなこちゃんと いっしょに
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
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「たろう くん たろうくん 」
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
譫言を漏らし続ける太郎さんに一瞥もくれず
ジョーは花子さんに覆い被さるように腰を振り続けていた
ジョーは花子さんに覆い被さるように腰を振り続けていた
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「お゛ お゛っ うっ あっ た゛ろ ぐっ 」
ジョーの巨躯の内部から漏れる花子さんの声に耳も貸さず
だが
太郎さんが身動ぎした
拘束された手は彼女に届かない
それでも、少年は花子さんの方へ首を捻った
それが彼に出来る最期だった
だが
太郎さんが身動ぎした
拘束された手は彼女に届かない
それでも、少年は花子さんの方へ首を捻った
それが彼に出来る最期だった
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン サッカンサッカンサッカンゴーカン❤
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン サッカンサッカンサッカンゴーカン❤
ジョーの巨躯が花子さんから離れた
そのまま拘束具ごと少年を手繰り寄せると、そのまま反転させ
花子さんと抱き合わせるような状態のまま拘束し直し始めた
そのまま拘束具ごと少年を手繰り寄せると、そのまま反転させ
花子さんと抱き合わせるような状態のまま拘束し直し始めた
「だろう く゛ん゛」
「はな 、ちゃ 」
「はな 、ちゃ 」
少年には抵抗するだけの力は残されていない
口と鼻から垂れる血液と吐瀉物が花子さんの頬に掛かった
口と鼻から垂れる血液と吐瀉物が花子さんの頬に掛かった
「お愉しみは終わりを告げ、斯くして聖なる祈りの時間がやって来た。諸君、静聴せよ」
ジョーの唸るような低音だけが耳朶を打つ
まるで車内のBGMを無視するかのように
まるで車内のBGMを無視するかのように
「この世の一切の災厄は例外なく全てを蹂躙する
何人たりともその艱難に抗う術なく、囚われ、奪われる
救いはこの世のものではなく、唯、来世のためにある、祈り給え」
何人たりともその艱難に抗う術なく、囚われ、奪われる
救いはこの世のものではなく、唯、来世のためにある、祈り給え」
太郎さんと花子さんを再拘束し、ジョーは次々と台車の
そう、二人が拘束された台のロックを順に解除していく
そう、二人が拘束された台のロックを順に解除していく
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン ゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカンゴーカンサッカン
「おお、天にまします我らが神よ、願わくは御名を崇めさせ給え
この者ども、無垢なる者は邪悪に蹂躙され、純潔を奪われた哀れな子羊
今、二つの魂が天上へ向かい給う、この者共を神の御国に迎え給え、永久の安らぎを与えたまえ」
この者ども、無垢なる者は邪悪に蹂躙され、純潔を奪われた哀れな子羊
今、二つの魂が天上へ向かい給う、この者共を神の御国に迎え給え、永久の安らぎを与えたまえ」
祈りと呼ぶよりもむしろ呪いを吐くかのような調子で祈りは捧げられた
バックドアを開放すると共に、車内に籠った大気が外部へと一気に吐き出される
バックドアを開放すると共に、車内に籠った大気が外部へと一気に吐き出される
「そして! 今! おおおおおおおっ!!
二人はーァ!! 太郎君とォ、花子さんはァァア!!
神の御許でいつまでもいつまでもいつまァァでもぉぉーオお! 幸せに幸せに幸せに暮らしましたァァァァァアアア!!」
二人はーァ!! 太郎君とォ、花子さんはァァア!!
神の御許でいつまでもいつまでもいつまァァでもぉぉーオお! 幸せに幸せに幸せに暮らしましたァァァァァアアア!!」
ジョーは二人の乗った台車を外へと思い切り蹴り飛ばした
喧しい金属音と共に台車ごと放りだされる
喧しい金属音と共に台車ごと放りだされる
恍惚とした表情を浮かべるジョーの手には、起爆装置が握られていた
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ」
「たろうくん」
「 はな こ ちゃん ?」
「もう わたしは だいじょうぶだから へいきだよ」
「はなこちゃ でも ぼく はなこちゃ まもれなかった ごめ ね」
「ううん あやまらないで わたし こわくないよ」
「 」
「たろうくんといっしょだから だから こわくなんかないよ」
ミニバンのバックドアが開放された瞬間
あまりの爆音にチュパカブラは肩を震わせた
急に驚かされた為、危うく二輪のバランスが崩れそうになる
あまりの爆音にチュパカブラは肩を震わせた
急に驚かされた為、危うく二輪のバランスが崩れそうになる
ハンドルにしがみつきながら、しかし彼は確かに目撃した
後部席から吹っ飛ぶように放たれたそれが、車道を猛スピードで逆走していく
幸か不幸かそこは直進道路だ、チュパカブラはほぼ無意識にそれを目で追った
後部席から吹っ飛ぶように放たれたそれが、車道を猛スピードで逆走していく
幸か不幸かそこは直進道路だ、チュパカブラはほぼ無意識にそれを目で追った
その大型の荷台には簡素な車輪が設置された台車と呼ぶべき代物だ
そしてその上にはまだ幼い少女と少年が拘束されているのを彼は知っていた
「ピエロ」のボスであるジョーが凌辱の限りを尽くした、「花子さん」と「太郎さん」だ
そしてその上にはまだ幼い少女と少年が拘束されているのを彼は知っていた
「ピエロ」のボスであるジョーが凌辱の限りを尽くした、「花子さん」と「太郎さん」だ
二人は抱き合うように拘束されたまま、爆走する二台から急速に離れていく
自分たちはやがて下り坂に差し掛かる、あの二人は直に見えなくなるだろう
自分たちはやがて下り坂に差し掛かる、あの二人は直に見えなくなるだろう
ミニバン内から流れる大音量のBGMを背景に、ジョーが狂ったように頭を振りながら絶叫していた
多分あれは薬物か何かを摂取しているに違いない
多分あれは薬物か何かを摂取しているに違いない
チュパカブラはジョーから坂の向こうへと消えた二人へと視線を移した
もうあの二人の姿を見ることは叶わないが彼は憑りつかれたように背後を凝視していた
もうあの二人の姿を見ることは叶わないが彼は憑りつかれたように背後を凝視していた
衝撃波が、大気を揺さぶった
今度こそ本当に二輪のバランスを崩しかけた
彼は祈るようにハンドルをしがみつき、必死に態勢を立て直そうと試みる
一時的に麻痺した聴覚には爆音トランスもジョーの絶叫も捉えられない
チュパカブラはもう一度後方に顔を向けた
彼は祈るようにハンドルをしがみつき、必死に態勢を立て直そうと試みる
一時的に麻痺した聴覚には爆音トランスもジョーの絶叫も捉えられない
チュパカブラはもう一度後方に顔を向けた
坂の上からは黒煙が上っているのが確認できた
ジョーは台車ごと二人を爆殺したらしい
ジョーは台車ごと二人を爆殺したらしい
チュパカブラは自分が武者震いをしたのに気づかないまま
頭を激しく振りながら勃起した逸物ごと身体をくねらせる半裸の男を呆然と眺めた
頭を激しく振りながら勃起した逸物ごと身体をくねらせる半裸の男を呆然と眺めた
この男、ジョーと出会ったのは数か月前だ
東海地方での吸血活動に失敗、それにより「組織」の襲撃を許してしまった
あの忌まわしい女黒服により、口吻と片腕を切断されたばかりでなく
内臓の殆どを挽き肉にされる重傷を負ったのだ
あのままでは確実に死ぬ運命にあったであろう、だが彼ら「ピエロ」は救いの手を差し伸べてきた
東海地方での吸血活動に失敗、それにより「組織」の襲撃を許してしまった
あの忌まわしい女黒服により、口吻と片腕を切断されたばかりでなく
内臓の殆どを挽き肉にされる重傷を負ったのだ
あのままでは確実に死ぬ運命にあったであろう、だが彼ら「ピエロ」は救いの手を差し伸べてきた
『チュパさん、アンタさえ良ければ俺達と来てくれないか』
あの日の会話は今でも鮮明に焼き付いている
廃屋を秘密裡に改装した裏社会の闇病院で、ジョーという男は鋭い眼光を向けたまま話を切り出した
彼ら「ピエロ」もまた、東海地方での活動で多くの同士を喪い、彼ら自身も致命傷を負っていた
中でも特にジョーは重篤だった、彼は死んでいなければおかしい状況だった
左肩から左脇腹にかけての致命的な裂傷を負いながら生き残ったのは奇跡としか言い様が無い
彼らが重傷を負ったのは、言うまでもなく悪辣な「組織」の手によるものだった
廃屋を秘密裡に改装した裏社会の闇病院で、ジョーという男は鋭い眼光を向けたまま話を切り出した
彼ら「ピエロ」もまた、東海地方での活動で多くの同士を喪い、彼ら自身も致命傷を負っていた
中でも特にジョーは重篤だった、彼は死んでいなければおかしい状況だった
左肩から左脇腹にかけての致命的な裂傷を負いながら生き残ったのは奇跡としか言い様が無い
彼らが重傷を負ったのは、言うまでもなく悪辣な「組織」の手によるものだった
『アンタはもう顔が割れてる、一人でサバイバルするのはベリーハードだ』
『で、でも、俺なんかが……いいんですか? 足を引っ張っちまうかもしれませんよ』
『気にすんな、俺の見立てじゃアンタは強いよ、俺達と同じだ。致命傷を負い、そして生還した』
『で、でも、俺なんかが……いいんですか? 足を引っ張っちまうかもしれませんよ』
『気にすんな、俺の見立てじゃアンタは強いよ、俺達と同じだ。致命傷を負い、そして生還した』
裂傷の上から打ち込まれた極大の医療用ステープラーを隠すことなく、ジョーは淀みなく話を続けた
『学校町に!? 危険ですって、ジョーさん!! あそこは「組織」の根城って聞きますぜ!?』
『そう、そこが狙いなんだチュパさん。却って学校町こそが安全地帯と化したんだ、今となっては』
『すんません、俺はオツムが足りねえからカラクリがよく分かんねえんだ』
『「狐」、奴が戻ってきた。警戒は手薄になる、小物に構ってる余裕が無え。こっちもビジネスがやりやすい』
『そう、そこが狙いなんだチュパさん。却って学校町こそが安全地帯と化したんだ、今となっては』
『すんません、俺はオツムが足りねえからカラクリがよく分かんねえんだ』
『「狐」、奴が戻ってきた。警戒は手薄になる、小物に構ってる余裕が無え。こっちもビジネスがやりやすい』
そして、現在
チュパカブラはジョーを眺めている
彼は今やハイになったのか狂ったように高速のヘドバンを繰り返していた
チュパカブラはジョーを眺めている
彼は今やハイになったのか狂ったように高速のヘドバンを繰り返していた
別動隊として動いているグリングリンは無事であろうか
今どのような状況にあるのだろうか
彼は策士だ、おそらく各地に散った手勢に集合を掛けつつ、計画を練っているのだろう
今どのような状況にあるのだろうか
彼は策士だ、おそらく各地に散った手勢に集合を掛けつつ、計画を練っているのだろう
チュパカブラは未だ見ぬ学校町に思いを馳せる
「ピエロ」らと出会うまであの場所は都市伝説の墓場と形容される程に過酷な地域という認識しか無かった
しかし、ジョーの話を信じるならば警戒すべきは一部だけであって、眠れる宝は今でも腐るほど転がっている
「ピエロ」らと出会うまであの場所は都市伝説の墓場と形容される程に過酷な地域という認識しか無かった
しかし、ジョーの話を信じるならば警戒すべきは一部だけであって、眠れる宝は今でも腐るほど転がっている
それだけでは無い
学校町には人間も人外も美女が多いらしいのだ
その情報が彼、チュパカブラの精神と性欲を高鳴らせた
もしかすれば東海地方に潜伏していた頃には果たせなかった悲願を
少女達を 生きたまま 吸血しながら 強姦する という夢にまでみた願望を果たせるかもしれない
学校町には人間も人外も美女が多いらしいのだ
その情報が彼、チュパカブラの精神と性欲を高鳴らせた
もしかすれば東海地方に潜伏していた頃には果たせなかった悲願を
少女達を 生きたまま 吸血しながら 強姦する という夢にまでみた願望を果たせるかもしれない
彼らが振り返ることは無い
「ピエロ」が
そして「チュパカブラ」が
彼らが見据えるはただ一つ
そして「チュパカブラ」が
彼らが見据えるはただ一つ
学校町のみ
□□■