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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 次世代ーズ-EX02

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EX 悪の十字架




 「悪の十字架」

 都市伝説に詳しくない諸氏も一度は耳にしたことがあるであろう
 この話には様々な類話(バリエーション)が存在するが基本的な筋書きはほぼ一緒だ

 ある人が必要に駆られ、あるいは逼迫した状況下で
 10時に開業する施設へと向かうことになる、という場面から話が始まる
 場合によってはその際、24時間営業している店が存在しない時代の話なり
 そのような施設が存在しない僻地での出来事なり、といった補足説明が付くこともある
 そして、その人が施設へと辿り着き、貼り紙等で提示された情報を確認したとき
 思わずある台詞を吐いてしまう……、というのが共通した流れである

 この話は「青い血」、「悪魔の人形」、「恐怖のみそ汁」などといったジョーク系怪談に分類され
 あるいは「あぎょうさん」、「そうぶんぜ」、「よだそう」、「火竜そば」などの
 言葉遊び系ギャグ都市伝説と共に紹介されることが少なくない

 さて、今回の要諦は

 お察しの諸氏も多いことであろう
 この話は、所謂“実体化した都市伝説”として存在しているのであり
 それと契約した能力者が「組織」に所属している、という点である










 朝、時刻は8時30分を少し過ぎた頃

 少年は一人、近隣のスーパー前に立っていた
 まだ幼さの残る顔つきだが、外見的に中学生か高校生くらいだろうか

 その日は祝日ということもあってか、スーパー周辺には彼以外の人影は無い
 少年は妙にニヤついたまま閉鎖された自動ドアに印字された字面を目で追っていた

   「 激安スーパー  10:00 ~ 24:00 」


「ふ、フフ……、ふふふ、フッフッフ……」


 休みの日はこうして開店前のスーパー前に待機して過ごすのが彼の習慣であった
 そして、そう、ここからが彼の契約者としての異常性を発揮する場面でもある


「フッフッフ、アハッ、アッハッハ! アハッ! アハァァーーッッ!!
 そう! 何時だって! 開くのは10時! このスーパー開くの10時!!」


 ひとしきり笑った少年は自動ドアに向き直り
 おどけるように表情を百面相してその台詞を――口にする!


「開くの10時かぁぁー!! 悪の10時かぁぁーーっ!! 『悪の十字架』ァァーーッッ!!」


 するとどうしたことか!
 少年の隣に、いつの間にか奇天烈な格好の怪しい者が立っているではないか!


「悪の十字架ー! 悪の十字架ー! 悪の十字架ー! (♦w♦)」


 その者は端正なタキシード姿で、表は黒に裏は真っ赤なマントを羽織るという
 ステレオタイプなヨーロッパ型吸血鬼の格好をしているではないか!

 そう、この者こそが少年と契約を交わした「悪の十字架」が人として現界した姿
 謂わば、「悪の十字架の悪魔」である!
 ――繰り返すが彼はあくまで悪魔と称し、吸血鬼では無い。外見がいくら吸血鬼寄りだとしても、だ


「悪の十字架ァァーーッッ!! 悪の十字架アアーーッッ!! アッハハハハハハーッ!!」
「悪の十字架ー! 悪の十字架ー! フォハッ、フォハッハ、フォハハーーッ! (♦w♦)」


 少年と悪魔は同時に叫び、同時に哄笑した
 何がおかしいのかは傍目には不明であるし、そもそも彼らは怪しい者達と呼ばれるに相応しい状況だ

 ここで一度、この少年の能力について言及しておきたい
 彼の能力の発動条件は、通常「10時開業の施設の前で、開業前の時間に待機すること」であり
 発動する能力とは、「『悪の十字架』を唱えることで、『悪の十字架の悪魔』を召喚すること」である

 ――そう、たったこれだけの能力である
 正直なところ、何の役に立つ能力なのかは全く不明である
 ついでに触れておくが、「組織」の調査によると「悪の十字架の悪魔」の身体能力は
 平均的な成人男性の身体能力を数段階下回る程度のものであった


 正直、少年と悪魔の存在を「組織」も持て余し気味だったようだが
 つい先日、晴れて彼らの新たな所属が∂ナンバーへと決定した
 「組織」内でも比較的新しく設立された部門である

 まあそんなことは彼らにとってさほど深刻な内容でも無かった
 少年と悪魔は開店前のスーパーの前に立ち、引き続き高笑いを続けている


 彼らが一体どのような活躍を繰り広げるのか、まだ誰にも分からない










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