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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-23

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 ぶぅぅぅん
 黒こげた蝿たちが、飛びまわる
 ぶぅぅん、ぶぅぅん
 えぇい、いつの間にどれだけ増えやがったんだ、スパニッシュフライ
 集まりすぎて蝿団子で気持ち悪っ!?

「おばーちゃん!」
『はいよっ!』

 妹が、鏡婆に合図を出した声が聞こえてきた
 ぱっ、と
 公衆トイレの洗面台前の鏡に、鏡婆が姿を現す

 ぶぅぅ………ぅぅぅぅん!!??

 スパニッシュフライたちが、鏡に吸い寄せられる
 その群れごと、鏡婆が鏡に引き寄せているのだ
 …が、鏡の中に吸い込ませる訳じゃない
 あんなのに大量に入ってこられても、鏡婆も困るだろう

「しっかり狙えよ、花子さん」
「うんっ!」

 女子トイレの中で
 花子さんは、それが視界に入ってくるのを待つ

 ぶぅぅぅぅん……っ

「………今だ!!」

 俺の合図で、激流を放つ花子さん
 水は轟音をたててスパニッシュフライたちに襲い掛かり、その群れを飲み込んだ
 ぶぶぶぶぶぶぶ!?と、スパニッシュフライたちが、パニックを起こしているような羽音をたてる
 ごぽぽぽぽぽん
 スパニッシュフライたちは、花子さんによって…あっと言う間に、トイレに吸い込まれていったのだった


「…花子さん、大丈夫か?疲れてないか?」
「うんっ!」

 ぴ!と、こちらの言葉に、花子さんは元気に答えてくる

「おばーちゃん、大丈夫?平気」
『あぁ、平気さね』

 妹も、コンパクトミラーに映る鏡婆に、声をかけていた
 …不良教師から、『夢の国』とやらが、この町で何かやらかそうとしているらしい、と言う話を聞いて以来
 俺達は連日、街中で都市伝説と戦っていた
 今まで通り、契約者のいない、野良都市伝説ばかりだ
 その中でも…今回のスパニッシュフライの群れのような、動物的な連中ばかりと

「やっぱ、気が立ってんのかね…」

 …何か、大きな災害が起こる前触れなどに
 動物が、奇妙な集団行動を取る事が多いという
 その法則に、当て嵌まるのか、否か
 動物レベルや昆虫レベルの頭脳の都市伝説たちが、最近、妙に暴れているような気がする
 今回だって、公園で変な蝿の群れに囲まれた、と言う話を聞いて、やってきたのだ
 …うん、まさか、スパニッシュフライの群れだとは思わなかったけどな
 まさか、あの時うっかり逃がしたのがここまで増えた訳じゃないよな
 違う個体から増えたんだよな!?

「ねー、兄貴」
「うん?」
「兄貴はさぁ……その、夢の国って言うのと。戦うの?」

 じ、と
 妹が、こっちを見つめてきた
 ちらり、花子さんに視線をやると、花子さんは「み?」と首をかしげている

「……できりゃあ、そんな物騒なもんとやりあいたくないけどな。火の粉を振り払う程度だな」
「…そう…」

 …妹が、心配そうな顔をしてくる
 まったく、心配性なんだよ、お前は

「みー!だいじょーぶ!けーやくしゃは私が護るから!」

 ぴぴ!!
 元気に、花子さんが宣言してくれた
 …嬉しいのだが、若干、自分が情けなく感じる

「あはは、そうだね。花子さん。バカ兄貴をお願いね?」
「うん!」

 くぉら、妹
 そこまで、俺は信用ないか、こら

「お前こそ。できれば、関わるなよ?……鏡婆、こいつを頼んだ」
『はいな、わかってますよ』
「何よー!バカ兄貴の癖に生意気な!!」

 ぎゃんぎゃん言ってくる妹の言葉を適当に聞き流し、俺は花子さんの頭を撫でた
 頭を撫でられて、花子さんは嬉しそうに笑う


 …夢の国
 そんな大それた都市伝説に、俺なんかが何を出来るか、わからない
 花子さんは強いけれど、女子トイレ以外では、その力は弱まってしまう
 …夢の国は女子トイレに出没してはくれないだろう、常識で考えて


 だから、俺に出来る事は
 「夢の国」の気配に反応するように暴れ回る都市伝説たちを、少しでも何とかする
 ……それくらいなのだ














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