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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モンスの天使-21

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 「13使徒」とエイブラハムの子飼い契約者が、一斉に動きだし
 「組織」は、にわかに慌ただしくなった

 ……子飼いの契約者の数が、多すぎる
 事前に感知していた数より、ずっと多い
 住民が異変に気付かないように、との結界展開、住民の被害を減らす為の黒服および契約者の配置
 …事前に準備していたとは言え、相手の数が数だ
 子飼い連中は半ば烏合の衆に近いとはいえ、大丈夫だろうか


「はいっ、えっと、C-428さんは、契約者さんとB-4地点に……えと、次は……」

 必死に、通信で指示を出していくC-No.572
 …生れ出たのは、2年前の秋祭り最中
 そろそろ、黒服としても、雑用だけではなく重要な仕事を任せられるようになってくる
 そもそも、能力が戦闘向きではない彼女は、こういった事件の時、前線に出る事はない
 今までだったら、指示を飛ばす黒服のサポートに回っていた
 だが、今回より…彼女もまた、「指示を出す立場」になっていたのだ
 人手が足りない、と言う現実もある
 まだ、現場に指示を出す事には不慣れな彼女が指示を出す側に立たねばならない現実

 自分が出した指示が、現場で動く者の命に関わる……この、重さ
 必死に、現場の報告を聞きながら、順番に指示を出す

「じ、G-3地点に天使の群れ!?え、えっと……」

 どうしよう
 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……

 飲まれたのは、17,8歳程度の頃
 …外見年齢はその頃のまま。通常ならば、彼女はもう20歳程度になっているはずだった
 だが、彼女は飲まれた瞬間に、人であった頃の記憶を失った
 それゆえか、精神年齢はまだ、そこまで育ち切っていない
 ……いや、もしかしたら、人であった頃にもまた、精神年齢が育ちきれない要因があったのかもしれないが……それは今、ここで語るべきことでは、ない
 とにかく……今の彼女の思考は、混乱の一歩手前
 どう、指示を出せばいいのか、わからなくなってきていた
 指示が遅れれば遅れるだけ、現場の被害が増える可能性
 それは、わかっている
 わかっているが……どうしたらいいのか、わからない

 言葉に詰まったC-No.572
 彼女が持っていた、通信機のインカムを


「………ぁ」


 傍に近づいてきていた、彼女が担当している契約者…門条 天地が、ぶんどった

「その天使の群れ、装備は?………ほぼ装備なし。となるとエンジェルズだな、群れだし。見かけだけだ、戦力は大したことがないだろ。現場にいるのはD-333とそいつが担当している首なしライダーの契約者だな?そいつはワイヤーを使えただろ。広範囲に展開して一層しろ」

 C-572が呆然としている中、天地はさっさと指示を出した
 次いでの報告にも、そのまま答えていく

「F-9地点に牛頭人体の化け物?ミノタウロスか?……火を使ってきた?それならモレクの可能性が高い。一人で相手するな、集団で囲め。鬼に飲まれた奴と蛇娘の力で抑え込め。Y-Noの魔弾に応援要請。遠距離攻撃で仕留めろ」

 次々と、次々と
 時には混線して入ってくる情報もすべて聞き分け、指示を出す

「T-4地点にはヘタに近づくなっ!「ジャバヴォッグ」が出現したと言う報告がある、そこは上位Noに任せろ!U-5地点も同じだ、「イーグレット」が能力展開してる。野鳥を使う能力の奴はしばらく下がれ、支配権は「イーグレット」の方が上だ」
「…あ、あの、天地さ」
「J-4地点、温度が周辺より低い?…「アイスマン」が周辺にいる可能性が高い。油断するな。見かけても攻撃はするなよ?上位Noが向かうまで待て!F-9地点で戦闘行為?……あ、そこは放っておいて大丈夫だ。笛吹探偵事務所の前だから」

 さらっと、途中酷いと言うか他人任せというか「別に、あそこの奴ならどうなってもいいや」的な空気が見えたような気もしないではないが
 とにかく…天地は、指示を出し続けた
 必要最低限の、的確な、指示を
 そんな様子を、C-No.572は、ただ茫然と見ているしかできなかった



 誰にでも、意外な才能があるものだ
 天地の様子を少し離れた場所で見ながら、悠里はぼんやりと考えた
 ……いや、才能ではないのかもしれない
 幼少期から……生まれた時から、「組織」にいた天地
 そして、とある事情から、彼は常に指示を出す者を間近で見てきていた
 それ故、か

(「門前の小僧、習わぬ経を読む」……ってところなのかもな)

 本人は、前線に立って戦いたがる性格だが
 …正直、こっちの方が向いてないか?

「V-8地点で負傷者?相手は……パワーズかよっ。負傷者は一旦安全地点まで下げろ!「千代田線核シェルター説」の契約者がその場にいるんだから、そこに一旦いれとけ!C-No.893と禰門を向かわせるから、それまで「味の素の原料」の契約者の能力と、「ドンドコドン」に飲まれてるD-No.643でしのげ!…は?あいつ蛇やら豚やら大量召喚できるだろ。ぶつけろ!」

 ……おぉっと、仕事か
 悠里はゆっくりと立ち上がった

「ほら、行くわよ!」
「うん、わかってるよ、ちーちゃん」

 彼女と共に、戦場に向かう
 大丈夫、君だけは、絶対に死なせないから



 一通り指示を出し終え、天地は一息ついた
 周囲も、少しずつ落ち着いてきている
 現場への指示だしが、ひと段落してきたのだ
 もっとも、もう少し経てば、また混乱してくるだろうが

「あ、あの…天地、さん」
「お前も、これくらいはできるようになれ」
「っす、すみません…」

 ……C-No.572にとって、天地は自分の担当契約者であるが、それ以上に、「組織」における先輩でもあった
 いまだ完全に「組織」の仕事になじみきれぬ彼女と違い、生まれた時から「組織」にいる天地は彼女以上に「組織」の仕事に慣れている
 本来の役割ではない指示だしとて、こうやって彼女より優秀にこなして見せた
 …天地のような人物を担当する存在が、自分でいいのか?
 彼女は時折、悩むのだ

「俺も現場に出るから、あとは自分でやれよ」
「あ、て、天地さん…出るんですか?」
「当たり前だろ、今出ないでいつ出るんだよ。俺の「モンスの天使」は大群相手にするのに向いているんだからな…現場に着いたら報告する」
「は、はいっ!!」

 ……今は、悩んでいる時ではない
 自分にできる事をやらなければ
 C-No.572は自分にそう言い聞かせ、天地を見送った



 駆けだす天地
 …報告の中に、「終末の火」の出現情報
 次いで、それと交戦している存在の情報があった

「……っの、馬鹿」

 どんな因縁があるか、知らないが………一人で戦うなど、無茶をする
 CoAの一件以来、未だ直希の精神状態は沈みきったまま
 ……精神状態は、都市伝説契約者にとって非常に重要なものだ
 精神力、精神状態が、そのまま能力に影響する事とて珍しくない

 それに、それだけではない
 あの件以来、己の体力に見合わぬ仕事を続けている直希
 そんな状態で戦闘をしたら
 それも、相手が「終末の火」では

「………死ぬなよ、絶対に」

 大切な存在を、失ってなるものか
 一番の親友を、失ってなるものか


 お前が死ぬようなことがあったならば
 お前を追い詰めるような原因になった連中、要因になったもの、全て
 破壊しつくしても、この怒りは、収まらないだろう


to be … ?







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