----何が、いけなかったのだろうか?
それは爆風で吹き飛ばされながら、そんな事を考えた
それは爆風で吹き飛ばされながら、そんな事を考えた
ヴァレンタインが、子飼いを率いて襲撃しようとしていた古ぼけた教会
明らかに人外の気配がするそこに、一応、彼らは警戒して近づいていたのだ
明らかに人外の気配がするそこに、一応、彼らは警戒して近づいていたのだ
ただ
教会の入り口に設置されていた監視カメラ
それが、彼らの姿を捕えた時には、もう、遅かったと言うしかない
教会の入り口に設置されていた監視カメラ
それが、彼らの姿を捕えた時には、もう、遅かったと言うしかない
電子音が鳴り響いた
それは、子飼いの数人が所持していた携帯電話から鳴り響いた音
彼らの携帯電話の液晶画面は、異常な光を発していて
直後、それは爆発した
それは、子飼いの数人が所持していた携帯電話から鳴り響いた音
彼らの携帯電話の液晶画面は、異常な光を発していて
直後、それは爆発した
「っち…どこで察知されたのかしら?」
その身を石のガーゴイルに変え、たまたま傍にいた子飼いの一人を爆風の盾にしたヴァレンタインは毒づいた
爆風の盾にされたその子飼いは、はて、何の契約者だったか……まぁ、どうでもいい
どちらにせよ、この状態では使い物になるまい
爆風の盾にされたその子飼いは、はて、何の契約者だったか……まぁ、どうでもいい
どちらにせよ、この状態では使い物になるまい
即座に、教会へと視線を向ける
何かが飛び出してくる様子はない
…遠見系の能力か何かでこちらを見て、敵対者と判断したのだろうか
何かが飛び出してくる様子はない
…遠見系の能力か何かでこちらを見て、敵対者と判断したのだろうか
「どちらにせよ、野蛮だこと」
自分達がしようとしていた事を棚に上げ、ヴァレンタインはぼやいた
…まさかの、先制攻撃
出鼻をくじかれた
だが、全員やられた訳でもない
攻撃してきたのはあちらからなのだ
……反撃しても、何の問題も生じない
…まさかの、先制攻撃
出鼻をくじかれた
だが、全員やられた訳でもない
攻撃してきたのはあちらからなのだ
……反撃しても、何の問題も生じない
子飼いの一人が、体を変化させながら教会へと突撃していく
あれは、確かワーウルフか何かの類だったはず
めきめきとその身を獣の体毛で覆っていきながら、教会の入口の階段を、一っ跳びに跳び越えていこうとしていた
だが
あれは、確かワーウルフか何かの類だったはず
めきめきとその身を獣の体毛で覆っていきながら、教会の入口の階段を、一っ跳びに跳び越えていこうとしていた
だが
「引きずり込め、「13階段」」
その声は、恐らくは教会の中から聞こえてきた、声
その瞬間、教会入口前の、その小さな階段から……ぬぅ、と腕が伸びて
血塗れのその腕はワーウルフに変化した子飼いの足を掴んで、階段の中へと引きずり込んだ
その瞬間、教会入口前の、その小さな階段から……ぬぅ、と腕が伸びて
血塗れのその腕はワーウルフに変化した子飼いの足を掴んで、階段の中へと引きずり込んだ
そして、教会から、何かが飛び出してくる
それは、階段に飲み込まれていこうとするワーウルフを踏み台にして跳びあがり
その牙と爪を、ヴァレンタインに向けてきた
それは、階段に飲み込まれていこうとするワーウルフを踏み台にして跳びあがり
その牙と爪を、ヴァレンタインに向けてきた
実のところ、学校町 北区の古ぼけた教会を拠点兼住居にしているマッドガッサー一味は、この数日間、ずっと警戒を続けていた
キッカケは、誠の師である禰門 樹が、何者かとの戦いで意識不明の重体に陥った事実と、真夜中、空中散歩を楽しんでいたロレーヌが「教会」メンバーを目撃した事だ
キッカケは、誠の師である禰門 樹が、何者かとの戦いで意識不明の重体に陥った事実と、真夜中、空中散歩を楽しんでいたロレーヌが「教会」メンバーを目撃した事だ
魔女の一撃……すなわち「魔女」であるロレーヌと、「教会」と敵対を続けているマリ・ヴェリテのベート
この二人を擁している彼らは、酷く警戒した
たとえ、ロレーヌやマリを襲撃するためにやってきた相手ではなかったとしても、火の粉が降り注ぐ可能性は十二分にあるからだ
学校町にやってきた「教会」メンバーの情報が、誠の友人である直希からもたらされた事で、警戒はさらに強まる
この二人を擁している彼らは、酷く警戒した
たとえ、ロレーヌやマリを襲撃するためにやってきた相手ではなかったとしても、火の粉が降り注ぐ可能性は十二分にあるからだ
学校町にやってきた「教会」メンバーの情報が、誠の友人である直希からもたらされた事で、警戒はさらに強まる
故に、彼らは待ち構えていた
監視カメラにさえ映れば、スーパーハカーによって電話番号は調べ上げられる
そうすれば、恵の「爆発する携帯電話」の能力はいつでも発動できるのだ
監視カメラにさえ映れば、スーパーハカーによって電話番号は調べ上げられる
そうすれば、恵の「爆発する携帯電話」の能力はいつでも発動できるのだ
明らかな殺意を滲ませて近づいてきた、その相手に
彼らはただ、それ相応の対応をしただけの事だったのだ
彼らはただ、それ相応の対応をしただけの事だったのだ
牙と爪での攻撃をヴァレンタインは体を石に変える事で受け止めた
…が、ピシッ、と
小さな音を立てて、体の表面にヒビが入る
…が、ピシッ、と
小さな音を立てて、体の表面にヒビが入る
舌打ちして、ヴァレンタインはマリ・ヴェリテから距離を取った
子飼いに指示を出そうとしたが、そちらにはマリ。ヴェリテの後を追って教会から飛び出してきた青年が一人で相手をしており、こちらへのサポート指示など無理だろう
子飼いに指示を出そうとしたが、そちらにはマリ。ヴェリテの後を追って教会から飛び出してきた青年が一人で相手をしており、こちらへのサポート指示など無理だろう
「ずいぶん乱暴だこと、ヴァタシ達が何かしたかしら?」
「これからしようとしてたんだろ」
「これからしようとしてたんだろ」
それに、と
マリ・ヴェリテは牙をむきだし、笑う
マリ・ヴェリテは牙をむきだし、笑う
「俺はお前らに、散々な目に合わされてきたしなっ!!」
地がえぐれるほどの力で地を蹴り、マリ・ヴェリテは再びヴァレンタインに飛び掛かってくる
…あの力で再び突撃されては、不味い
…あの力で再び突撃されては、不味い
背中から生えている石の翼で飛びあがる
他の子飼い連中は、青年の相手にならずに叩きのめされているように見えた
まったく、役立たず共め
他の子飼い連中は、青年の相手にならずに叩きのめされているように見えた
まったく、役立たず共め
「空なら、ヴァナタの攻撃だって………っ!?」
「届かない、か?」
「届かない、か?」
何を、踏み台にしたと言うのか
察するに、樹木か、電柱か
三角跳びでもするように、ヴァレンタインが飛びあがったその位置まで……マリ・ヴェリテは軽々跳びあがってきて
そして、拳が合わせられ………ヴァレンタインの翼へと、叩きつけられる
察するに、樹木か、電柱か
三角跳びでもするように、ヴァレンタインが飛びあがったその位置まで……マリ・ヴェリテは軽々跳びあがってきて
そして、拳が合わせられ………ヴァレンタインの翼へと、叩きつけられる
「っが!?」
バキィッ!!と
響いた、鈍い音
この一撃で、ヴァレンタインの片翼は打ち砕かれて
その体は、地面へと落下していった
響いた、鈍い音
この一撃で、ヴァレンタインの片翼は打ち砕かれて
その体は、地面へと落下していった
to be … ?