「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・救世主候補-11

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匿名ユーザー

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 ドックウッド伝説を破壊すること自体は、たやすい
 だが、それでは「つまらない」とエイブラハムは考えた
 もっとたっぷりの恐怖を与えて、徹底的に壊すべきだ、と

 だから、わざと一撃で破壊しない
 ニーナに恐怖を与える為に、じょじょにドックウッド伝説へのダメージを増やしていく

 …だが

「……む」

 視界の隅を飛んだ、漆黒の蝶
 赤い軌跡を残しながら飛ぶ季節外れのその蝶を、魔眼でとらえようとする
 が、蝶の動きは思いのほか早く視界の外にすぐに逃げてしまう
 そして、蝶が残す赤い光の軌跡は、消えることなく残り続け

 突如
 その光は、赤い鎖へと変化した
 漆黒の蝶は、エイブラハムの周囲をぐるぐると飛び回り続けていたのだろう
 真っ赤な鎖は、一瞬でエイブラハムに撒きつき、全身を包み込む

 …そう、全身を、だ
 真っ赤な鎖に、完全に覆われた状態となる
 視界は通らず、体も動かせない
 ……さらに言えば、能力がある程度、制限された状態となっているのが、わかる

「……カラミティ・ルーン」

 あの漆黒の蝶は、災厄の魔法使いの現れる前触れ
 何度も「教会」の、自分の邪魔をしてきた忌々しい魔法使いの

 どうやら、カラミティはニーナ達を逃がそうとしているようだ
 …どういう風の吹き回しか
 ニーナ達が逃げた事を気配で感じながら、エイブラハムはカラミティに告げる

「ニーナかあの黒服にでも、縁がありましたか?」
「うっせぇな。あの餓鬼が死んだら面倒くさいだけだよ」

 ……面倒くさい、か
 ニーナに繋がる誰かに縁があるか?

 まぁ、どちらでも良いか
 せっかくの獲物に逃げられてしまったのならば


 目の前に現れた、この新たな獲物を相手に、どう対応してやろうか


「さて、カラミティ・ルーン。私を殺しますか?」
「殺したって死なない癖に、何言ってやがる。サタナエル」
「おや、私はエイブラハム・ヴィシャスですよ?」
「嘘をつけ」

 エイブラハムの言葉を、カラミティははっきりと「嘘」だと断定した
 じゃらり、と鎖の音
 どうやら、エイブラハムを縛る鎖が追加されたらしい

「お前の中に、エイブラハム・ヴィシャスと言う男の魂なんざ、残ってねぇだろ。その肉体を動かしているのは、サタナエルだ」
「…どうでしょうね」

 正直な所、それはエイブラハム自身にもわからない
 どうでもいい、とも考えているのかもしれない

「しかし、私がサタナエルであるならば、貴方にとって私は敵ではないのでは?あなたにとって、悪魔はあなたの味方の用ですからね」
「いいや、お前は敵だ」

 きっぱりとした答え
 鎖越しでも、強い敵意の視線を感じる

「俺の大切な者を苦しめるお前は、敵だ」
「大切な者、ですか?私は、誰かを苦しめた覚えなどありませんが」
「……よく言うぜ」

 鎖が、増やされていっている
 完全に、こちらを封じ込めるつもりか
 …この感覚、「教皇ロバ」以外の能力が封じられていっているのが、わかる
 「教皇ロバ」の契約だけは見抜けていないのか
 さて、どうするか…

「私を、どうなさるおつもりで?」
「…そうだな。ガッチガチに能力を封じ込めて、ニスロクに料理の材料として渡そうか?…死なないんだから、何度でも料理の材料に使えて、ニスロクも喜びそうだしな」

 赤ワインづけにでもしてやろうか?と続けてくる
 …おどけた様子はその声には見られず、はっきりとした敵意
 どうやら、ずいぶんと憎まれているらしい

「それは、お断りしたい状況ですね」

 教皇ロバの能力を発動
 能力を封じられている状態を「ちぐはぐ」にする
 これで、全ての能力が問題なく扱える
 鎖の呪縛を破ろうかと、能力を発動しようとした、その時……


「………カラミティ?」


 聞こえてきた、その声に
 エイブラハムは、新たな獲物を見つけて

「そこにいるのですね、カイン司祭?」

 そして、その獲物に声をかける



 ニーナには逃げられた
 ならば、先にこちらを壊そうか

 壊して、ニーナ達と同じように
 完全なるこちらの手駒へと、変えてやろう





to be … ?






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