「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-24

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「はい、焼きたてお待ちどうさまっ!」
「うー!ハンバーグー!うーうー」

 出店のハンバーグを、嬉しそうに受け取る少年
 焼きたての暖かなハンバーグが、紙に包まれている
 ふぅふぅ、冷ましながらもぐもぐ食べて、少年は人通りの多い道を歩いていた

「………」

 少年の視界の隅に映る、トランプのカード
 誰か、他の契約者が設置したものだろう
 それに、少年はあえて触れない 
 誰が、何をしようとしているのか?
 ……それに、少年はさほど興味がない

 今回の「夢の国」の侵攻、それ事態にすら、この少年はあまり興味を抱いていないのだ
 問題ない、とあまり気にしていない
 だからこそ、こうやってのんびりと出店巡りなどしているのだ

「…うー?」

 …と、そんな少年の前方に、高校生くらいの少年の姿が見えた
 ……少なくとも、少年の知らない人物である
 「首塚」の組織の仲間ではない

 「………」

 …しかし
 少年は、その高校生を、じっと見つめていた
 ……見えていた
 少年には、はっきりと見えていた
 高校生の周囲にいる、それらの姿が
 …と、あちらも、少年の視線に気付いたようだ
 やや怪訝そうな、そして、警戒を含んだ眼差しを、少年に向けてくる

「うー?」

 かくん、と
 少年はその警戒の視線に、首をかしげる
 どうして、自分が警戒されなければいけないのか
 少年には、イマイチわからない
 てちてちてち
 少年は、高校生に対して警戒などせず歩み寄っていく

「…迷子か?」

 そう、高校生から声をかけられた
 ぷるぷるっ、と少年は首を左右にふる

「うー、違うよ。迷子のなのはパパだよ」

 そう、少年は、父親と一緒に、秋祭りに来ていた
 が、はぐれてしまったのだ
 しかし、あくまでも、迷子なのは自分ではない、と主張する
 …でないと、心細くて仕方ないのである
 だから、自分にそう言い聞かせる

「おにーちゃんこそ、迷子じゃないの?」
「迷子なんかじゃないぞ」

 はっきりと、そう高校生は言ってきた
 …しかし

「……きひひっ、違うよ。お兄ちゃんは、迷子だよ」

 にたり
 少年は、どこか不気味に笑って、そう断言した
 高校生を、じっと見上げる

「知ってる?万能の力なんて、そんなものはありえない。万能に見えても、必ず弱点があるんだよ?……きひひっ」
「…!?」

 ば、と
 警戒したように、距離をとってきた高校生
 しかし、少年は構わずに続ける

「万能に近い力があったとしても。だとしたら、それは人間の身に余る力だ。必ず代償が発生する。お兄ちゃん…人間じゃなくて、都市伝説に近くなってるよ?……きひひひひっ。駄目じゃない?黒服にも、とっくに注意されてるでしょ?」
「…何者だ、お前は」
「………きひひひひひっ、僕のことなんて、構ってる暇、ないんでしょ?」

 あむ、とハンバーグに食いついて、もぐもぐ、ごくん、飲み込む
 まるで、当たり前の事のように、少年はすらすらと続ける

「僕の正体なんて、お兄ちゃんには関係ないし、知っても意味がない。お兄ちゃんは、それよりも、自分が迷子になってるのをどうにかした方がいいんじゃないの?」

 そう
 少年から見たら…この高校生は、迷子でしかないのだ
 人間と、都市伝説の狭間
 そこで迷う、迷子

「強い強い、万能ともいえる都市伝説。それに加えて、トランプの結界…お兄ちゃんの身には、重すぎるんじゃない?お兄ちゃんは人間なんだから、そんなに重たい物を背負っても、いつか潰れちゃうだけだよ?」

 きひひひひひっ、と少年は笑い続ける
 あむ、とまたハンバーグに食いつき……もぐもぐもぐ
 ごっくん
 ハンバーグは、あと一口で、なくなりそう

「そんなに、警戒しなくてもいいんだよ…この学校町は、将門様が護ってくれるから」
「--っ、お前、「首塚」の…」

 あむ
 もぐもぐもぐもぐ……ごっくん
 残念、ハンバーグはこれでなくなってしまった

 少年が、やや残念に思った、直後

「○○ちゃーん!?どこー!!??」
「……うー!パパー!」

 父親の呼んでいる声に、ぱぁ、と少年は表情を輝かせた
 あぁ、良かった
 ちゃんと、父親が見付かった
 少年にとっての、唯一の肉親
 その父親に向かって、少年はてちてちと駆け寄っていく
 …先ほどまで話していた相手である高校生の事など、すでに眼中にない

「パパー!うー!」
「あぁ、もう、この子は……少し目を放すと、どこかに行ってしまうんだから…!」

 駄目でしょう、と父親に怒られて、うー、と少し落ち込む少年
 しかし、少年の父親は、何よりも息子が見付かった事をほっとしているようで
 少年としっかりと手を繋ぎ、人波の中に消えていったのだった



「………パパ?」

 その少年と、少年の父親らしき人物の姿を見送り
 呆然と、高校生は呟いた

 少年が、パパと呼んだ相手
 その、相手は
 どう見ても、銀座のクラブにでもいるのが似合いそうな、水っぽい格好の女性にしか見えなかったのだった


 終






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