喫茶ルーモア・隻腕のカシマ
夢の国編・秋祭り2日目(剣舞)
昼過ぎ
3人が西区から北区に向かう途中にソレらはいた
3人が西区から北区に向かう途中にソレらはいた
「早いな」
「まだ昼なのに……本当に全てを飲み込むつもりで……」
「どうするの?カシマさん」
「まだ昼なのに……本当に全てを飲み込むつもりで……」
「どうするの?カシマさん」
相手は黄色い着ぐるみが1体に住人が11人
彼らには不死性・再生能力がある
正面から当たれば勝ち目は無い
彼らには不死性・再生能力がある
正面から当たれば勝ち目は無い
「あばばばばばばば、あばば、あば、あば、あばばばばば」
黄色い着ぐるみの様子がおかしい
間違いなく狂っている
黄色い着ぐるみの様子がおかしい
間違いなく狂っている
「あれって……プ○さんですか?」
顔をしかめるサチ
「まぁ、そうなんだろうね」
肩をすくめる輪
「何だか知らんが、クマなのだろうな」
目を細めて注視するカシマ
顔をしかめるサチ
「まぁ、そうなんだろうね」
肩をすくめる輪
「何だか知らんが、クマなのだろうな」
目を細めて注視するカシマ
三者三様に相手を観察する
こちらには気付いていない
こちらには気付いていない
「ここで食い止める……例の策で行くぞ」
「「うん」」
「では、気をつけたまえ」
「「うん」」
「では、気をつけたまえ」
*
この策は、サチの動きに掛かっている
どれだけ上手くマスコット達を誘導できるか……
どれだけ上手くマスコット達を誘導できるか……
「あば?……あばばばばばばば!」
どうやらこちらに気付いた様だった
「行こう!」
「うん!」
「うん!」
黄色いクマが二人を追う
それほど速くは無い
このクマは獲物をゆっくり追い詰めるつもりなのか……
それとも単純に遅いのか……パレードの形を気にしているのか……
それほど速くは無い
このクマは獲物をゆっくり追い詰めるつもりなのか……
それとも単純に遅いのか……パレードの形を気にしているのか……
だが、好都合だ
「ここで、右に」
二人が角を曲がる
パレードが楽しげに追いかける
「次は左」
追いつかれれば、輪が相手をしなくてはならない
それはサチにとって避けなければならないことだ
二人が角を曲がる
パレードが楽しげに追いかける
「次は左」
追いつかれれば、輪が相手をしなくてはならない
それはサチにとって避けなければならないことだ
正確に、相手の気を引きながら、素早く
曲がり角の手前までは追いつけそうで
「あばば」
「あばば」
曲がると距離が開く
「あば?」
「あば?」
クマは追う
何度も角を曲がり、追う
そして、二十数度目の曲がり角
何度も角を曲がり、追う
そして、二十数度目の曲がり角
「よし、ここまでだな」
クマの背後からカシマの声が響く
「あばッ?!」
「あばッ?!」
「全く、次から次へと補充されるとはな」
角を曲がる度、最後尾の住人を消す
補充されながらも消し続ける
少しづつ、だが確実に、知られること無く
二十数体消し、ようやくプ○さんのみになっていた
補充されながらも消し続ける
少しづつ、だが確実に、知られること無く
二十数体消し、ようやくプ○さんのみになっていた
「ここからは頼むぞ、輪!」
「分かってる!」
「分かってる!」
補充されるよりも早く斬り捨て
常にクマと住人の二人の状態を保たねばならない
常にクマと住人の二人の状態を保たねばならない
黄色いクマと対峙するカシマ
「いくぞッ!」
「いくぞッ!」
補充される住人
「ハッ!」
「ハッ!」
斬り刻まれる、住人とクマ
斬り刻む、輪とカシマ
斬り刻む、輪とカシマ
「「袈裟ッ!」」
シンクロする大小の体捌き
「「浮舟ッ!」」
斬り裂かれるクマ・血しぶきを上げる住人
「「続飯太刀ッ!」」
視線を交わすことなく、型が続く
「「巻太刀追込ッ!」」
再生するクマ・補充される住人
「「燕返ッ!」」
美しく、演舞する様に二人は動く
「「虚太刀籠手斬ッ!」」
終わりが無いかの様な剣舞
だが、二人は
いや、三人は信じている
だが、二人は
いや、三人は信じている
血糊を振り払い
刃を鞘に収め、距離を取る
一拍置き───息をつく
刃を鞘に収め、距離を取る
一拍置き───息をつく
「「祓太刀ッ!!」」
ィ゛───────────────ン
高速の抜刀により鳴り響く刃・鞘
高速の抜刀により鳴り響く刃・鞘
「「無二剣ッ!」」
確信───知っているのだ
彼らがこの戦いの元を断ち切ってくれると
終わりのある剣舞であると
だからそれまでの間だ
彼らがこの戦いの元を断ち切ってくれると
終わりのある剣舞であると
だからそれまでの間だ
終わりがあるのを知っていれば乗り越えられる
サチが道を押さえ、誰も来ないであろう細い路地の奥
二人は斬り続ける
確実に来るであろう終わりを待ちながら