合わせ鏡のアクマ 10
そろそろ日没・・・という時間帯、俺は墓場の方に歩いていた。
「契約者、なんで急に墓場なんて行くのさ?」
「いや、ちょっと聞きたいことがあってな・・・それに都市伝説が発生していないか聞けるしさ」
「熱心ですわね、契約者様も。私が夜に見回りしているからそんなに頑張らなくても」
「いやいや、昼間に出る都市伝説だってあると思うぞ?」
・・・っと、話してる間に墓場に着いたか。
携帯電話を取り出すと、すぐさまコールがかかる。
『あれ、今日はどうかしたんですか?」
「ああ、聞きたいことがあってな」
『それはいいんですけど、えっとその・・・ちょっとタイミングが悪か(ブツッ』
「・・・ん?おい、どうした」
『声』が突然途切れたかと思うと、携帯電話からノイズ混じりの・・・別の声が聞こえてきた。
『・・だか・・・ピー・・・ぁない・・・・・・・・ガー・・・それはちが・・・・・・・・・・・・だから違うって言ってるでしょ!!』
「うおっ!?」
突然音声がクリアになったかと思うと怒鳴られた。
・・・ん、あれ?この声って・・・いやそんなまさか。
『あれ、××?』
「・・・やっぱ姫さんか」
『あれ、どうして?私今お父さんと電話してて・・・』
「こっちも同じようなもんだ、いきなり姫さんに怒鳴られたからかなりビックリしたけどな」
『あ、あれはお父さんが変なこと言うから・・・あ、そうだ丁度良かったわ』
「なんか用が?」
『明日、暇でしょ?10時に学校で待ってるから来てくれない?』
「なんでまた、学校に?」
『都市伝説絡みなんだけどね、本当は家に直接来てほしいんだけど・・・』
「ちょっと待て、家?」
『そうよ、だって今回の都市伝説は『のろ(ブツッ』
「・・・またか」
またもや沈黙した携帯電話の画面に、沈む夕日のきつい日差しが反射する。
『・・・・・・あーあー、聞こえてますか?』
「契約者、なんで急に墓場なんて行くのさ?」
「いや、ちょっと聞きたいことがあってな・・・それに都市伝説が発生していないか聞けるしさ」
「熱心ですわね、契約者様も。私が夜に見回りしているからそんなに頑張らなくても」
「いやいや、昼間に出る都市伝説だってあると思うぞ?」
・・・っと、話してる間に墓場に着いたか。
携帯電話を取り出すと、すぐさまコールがかかる。
『あれ、今日はどうかしたんですか?」
「ああ、聞きたいことがあってな」
『それはいいんですけど、えっとその・・・ちょっとタイミングが悪か(ブツッ』
「・・・ん?おい、どうした」
『声』が突然途切れたかと思うと、携帯電話からノイズ混じりの・・・別の声が聞こえてきた。
『・・だか・・・ピー・・・ぁない・・・・・・・・ガー・・・それはちが・・・・・・・・・・・・だから違うって言ってるでしょ!!』
「うおっ!?」
突然音声がクリアになったかと思うと怒鳴られた。
・・・ん、あれ?この声って・・・いやそんなまさか。
『あれ、××?』
「・・・やっぱ姫さんか」
『あれ、どうして?私今お父さんと電話してて・・・』
「こっちも同じようなもんだ、いきなり姫さんに怒鳴られたからかなりビックリしたけどな」
『あ、あれはお父さんが変なこと言うから・・・あ、そうだ丁度良かったわ』
「なんか用が?」
『明日、暇でしょ?10時に学校で待ってるから来てくれない?』
「なんでまた、学校に?」
『都市伝説絡みなんだけどね、本当は家に直接来てほしいんだけど・・・』
「ちょっと待て、家?」
『そうよ、だって今回の都市伝説は『のろ(ブツッ』
「・・・またか」
またもや沈黙した携帯電話の画面に、沈む夕日のきつい日差しが反射する。
『・・・・・・あーあー、聞こえてますか?』
*
「おい、今のはいったいなんなんだ?」
問うと、少しばつの悪そうな『声』が返ってきた。
『・・・えっと、今のはですね。『逢魔ヶ刻』です』
「『逢魔ヶ刻』?」
『強い夕日の日差しを浴びて、隣にいた人が本人かが分からなくなる・・・
というところから、その能力は『入れ替わり』が主になっています。ここまではいいですか?』
「・・・ああ」
『厄介なのは、アレがイタズラ好きだってことです・・・今みたいに電話の相手を入れ替えたりとか』
「じゃあ、お前のところには・・・」
『なんか変な男の人の声が聞こえましたけど、無視しました』
・・・そのひとが姫さんのお父さんなんだろうな。
「それで今日の用件なんだが・・・都市伝説と契約することでの弊害は、どんなことが起こるんだ?」
『・・・起きたんですね?』
「ああ、傷の治りが異常なほど早かった」
『ということは、あなたに今起きているのは『肉体の変化』です。
都市伝説に触れすぎると、その影響を色濃く受けて肉体が常人より頑健になったり、病弱になったりします』
「・・・そして最後には死、あるいは『超人』という都市伝説にでもなるのか?」
『過去にも、似たような例はあります。それらは我々や『組織』によって、
または自分から消えたり・・・当然、都市伝説と化して他の都市伝説と戦ってもいます』
「『組織』ってなんだ?」
『・・・ああ、話してませんでしたか。彼らは主に契約者で占められた・・・大規模な対都市伝説集団です』
「お前達と同じようにか」
『我々・・・便宜上の名前として『怪奇同盟』と銘打っていますけど。我々と彼らはその目的が違います』
「目的?」
『彼らの活動が『都市伝説を広め、害を為す都市伝説を狩る』という積極的なものであるのに対して、
我々『怪奇同盟』の行動目的は『害を為す都市伝説を倒すまたは鎮め、都市伝説の流布を防ぐ』なんです』
「・・・じゃあなにか、悪い都市伝説を倒す以外は性質がまったく逆の勢力なのか?」
『そうなりますね・・・我々はただ、都市伝説なんて存在が忘れ去られて・・・
そして静かに消えてゆくことを望んでいるのです。そのためには、人に危害を加える都市伝説は見過ごせません』
『声』はしっかりとした口調で、話を終えた。
問うと、少しばつの悪そうな『声』が返ってきた。
『・・・えっと、今のはですね。『逢魔ヶ刻』です』
「『逢魔ヶ刻』?」
『強い夕日の日差しを浴びて、隣にいた人が本人かが分からなくなる・・・
というところから、その能力は『入れ替わり』が主になっています。ここまではいいですか?』
「・・・ああ」
『厄介なのは、アレがイタズラ好きだってことです・・・今みたいに電話の相手を入れ替えたりとか』
「じゃあ、お前のところには・・・」
『なんか変な男の人の声が聞こえましたけど、無視しました』
・・・そのひとが姫さんのお父さんなんだろうな。
「それで今日の用件なんだが・・・都市伝説と契約することでの弊害は、どんなことが起こるんだ?」
『・・・起きたんですね?』
「ああ、傷の治りが異常なほど早かった」
『ということは、あなたに今起きているのは『肉体の変化』です。
都市伝説に触れすぎると、その影響を色濃く受けて肉体が常人より頑健になったり、病弱になったりします』
「・・・そして最後には死、あるいは『超人』という都市伝説にでもなるのか?」
『過去にも、似たような例はあります。それらは我々や『組織』によって、
または自分から消えたり・・・当然、都市伝説と化して他の都市伝説と戦ってもいます』
「『組織』ってなんだ?」
『・・・ああ、話してませんでしたか。彼らは主に契約者で占められた・・・大規模な対都市伝説集団です』
「お前達と同じようにか」
『我々・・・便宜上の名前として『怪奇同盟』と銘打っていますけど。我々と彼らはその目的が違います』
「目的?」
『彼らの活動が『都市伝説を広め、害を為す都市伝説を狩る』という積極的なものであるのに対して、
我々『怪奇同盟』の行動目的は『害を為す都市伝説を倒すまたは鎮め、都市伝説の流布を防ぐ』なんです』
「・・・じゃあなにか、悪い都市伝説を倒す以外は性質がまったく逆の勢力なのか?」
『そうなりますね・・・我々はただ、都市伝説なんて存在が忘れ去られて・・・
そして静かに消えてゆくことを望んでいるのです。そのためには、人に危害を加える都市伝説は見過ごせません』
『声』はしっかりとした口調で、話を終えた。
*
俺は黙っていられなかった。
「・・・なんで、消えたいんだ?存在がなくなることは怖くないのか?」
『我々は、結局はどんな形であれ人に恐怖を呼び起こす対象となります。
・・・つらいんです、都市伝説のせいで人が傷つくのをこれ以上見ているのは』
「でも、消えるだなんて・・・他に方法はないのか?」
『いえ、確かに我々にとって都市伝説が消えることが確かに理想ですけど、
実際にはそれは無理な話なんです・・・当分は消えませんよ、人間がいる限り・・・ね』
「じゃあ」
『安心してください、我々だって楽しんでるんですよ。
まぁ、さっきのが極論だとしても都市伝説はもっと・・・目立たない存在になればとは思っていますよ』
「・・・なんで、消えたいんだ?存在がなくなることは怖くないのか?」
『我々は、結局はどんな形であれ人に恐怖を呼び起こす対象となります。
・・・つらいんです、都市伝説のせいで人が傷つくのをこれ以上見ているのは』
「でも、消えるだなんて・・・他に方法はないのか?」
『いえ、確かに我々にとって都市伝説が消えることが確かに理想ですけど、
実際にはそれは無理な話なんです・・・当分は消えませんよ、人間がいる限り・・・ね』
「じゃあ」
『安心してください、我々だって楽しんでるんですよ。
まぁ、さっきのが極論だとしても都市伝説はもっと・・・目立たない存在になればとは思っていますよ』
『そうだ、西区に面白い喫茶店があるんですよ?契約者や『組織』御用達だとか』
「いや、西区にはあんまり行かないから・・・」
「え、行かないの!?」
「・・・なに残念そうな顔してるんだ、お前は」
「だって喫茶店なんて面白そうじゃないか!」
『そこではフリーの契約者同士で情報を交換したり、『組織』がそれを監視したりしてるそうですよ』
「・・・俺も顔が割れてるのかな、『組織』とやらに」
『確実に割れてますよ。彼らを侮ってはいけません・・・では』
通話が切れたことを確認して、アクマに向き直る。
「・・・そんなに行きたいのか?」
「行きたい」
「ザクロは?」
「契約者様が行くというなら行きますわ」
「・・・よし、アクマ。お前が1ヶ月の間アイス我慢したら考えてやる」
「そ・・・そんな・・・」
ガクッと崩れ落ちるアクマを見ながら、俺はさっきの通話について考えていた。
・・・姫さんの家ねぇ。クラスの男子に話せば吊るし上げだろうな。
そんなことを考えつつ、俺は明日の予定に『姫さん宅訪問』と頭の中でメモをした。
「いや、西区にはあんまり行かないから・・・」
「え、行かないの!?」
「・・・なに残念そうな顔してるんだ、お前は」
「だって喫茶店なんて面白そうじゃないか!」
『そこではフリーの契約者同士で情報を交換したり、『組織』がそれを監視したりしてるそうですよ』
「・・・俺も顔が割れてるのかな、『組織』とやらに」
『確実に割れてますよ。彼らを侮ってはいけません・・・では』
通話が切れたことを確認して、アクマに向き直る。
「・・・そんなに行きたいのか?」
「行きたい」
「ザクロは?」
「契約者様が行くというなら行きますわ」
「・・・よし、アクマ。お前が1ヶ月の間アイス我慢したら考えてやる」
「そ・・・そんな・・・」
ガクッと崩れ落ちるアクマを見ながら、俺はさっきの通話について考えていた。
・・・姫さんの家ねぇ。クラスの男子に話せば吊るし上げだろうな。
そんなことを考えつつ、俺は明日の予定に『姫さん宅訪問』と頭の中でメモをした。