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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 合わせ鏡のアクマ-29

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合わせ鏡のアクマ 29


南区、ある廃ビルの屋上で一人の女性がカラスの群れに囲まれていた。
「そう、そこが怪しいのね?」
カァー!と答えるようにカラス達が鳴く。
「おーい、姉さーん!入り口見つかった?」
扉を開いて一人の青年が屋上へ出てくる。
「ええ、見つかったわよ。そんなに離れてないみたいだからサクッと終わらせましょ」
「姉さんはホテルで待ってればいいのに・・・傷でも作ったら大事だろ?」
「だって関わっちゃったからには待ちぼうけは嫌だもーん」
「はぁ・・・子供っぽいよねぇ姉さんは」
「あーら、あなたに言われたくはないわね」
トントンとビルの階段を降りつつ、待て待たないと言い争う姉と弟。
「大体、あなただってカメラなんかぶら下げちゃって・・・商売道具は大事にしなさいよ」
「これは自分のだからいいんだよ、あと姉さんは体が商売道具でしょ」
ビルを出てからも言い合いは続く。はたから見れば微笑ましい風景だが、当人達は真剣だ。
その言い争いも、数分やりすごしたことで姉の勝ちに終わる。
「着いたわよー」 
「し、しまった・・・またこのパターンかよ・・・」
目的地に着くまで言い争いを続ける。戦闘地域に姉がついてくる常套手段だ。
「毎回騙されるアンタがバカなのよー。じゃ、開けて」
「いや、これすっごく硬そうな扉なんだけど?」
「アンタの都市伝説ならやれるわよぉ・・・はい、いいからさっさとやる!」
「はいはい・・・・・・・・・撃てぇ!」
青年が伸ばした右腕から何かが飛び出す・・・と、一瞬送れて金属の扉がドガンと吹き飛ぶ。
「さー、いくわよぉ!!」 
「はぁ・・・結局こうなるんだね・・・」
やる気満々の姉とエレベーターに乗って地下へ降りながら、弟は頭を抱える。
(普段は戦いとか嫌いなのに、どーして仕事明けは好戦的になっちゃうかなぁ・・・)
エレベーターの扉が開く、と大勢の黒服が扉の前で待ち構えていた。
だが、これくらいは予想済みだ。
「さぁ、いっくわよー!!」

*


姉さんの掛け声と同時に、エレベーターに詰め込まれていたカラス達が飛び出す。
銃を構えながら一瞬戸惑う黒服達に、カラスは容赦なく襲い掛かった。
「ほーらどんどん食いちぎっちゃいなさい!」
普段の姉からは絶対に聞くことのできない言葉。
もしかして、別の都市伝説がとり憑いているのではないだろうかといつも思う。
カラスに襲われた黒服達がだんだんと冷静になり、銃を向けてくる。だが、させない。
さっきのカラスは囮である、真の狙い・・・足元に敷かれた線路に彼らはまだ気づいていない。
「さあ・・・行け!」
右腕を前に突き出して叫ぶ。その右腕の上に列車模型が括り付けられていた。
左手で括り付けていた布を取り外すと、右腕から模型が落ち・・・ることはない。
まばたきをする程の間に青年の横に列車が出現する。列車の車輪はしっかりと線路を噛んでいた。
「姉さん乗って!」
自身も列車へ乗り込みながら姉へ声をかける。彼女もすぐに乗り込む。
黒服達が銃で列車を撃つが、装甲を施された列車はびくともしない。
まじまじと見ると、その列車は奇妙な形をしていた。
窓もなく、装甲の施された車体・・・さらに屋根から大きな円筒形の物体が顔をのぞかせている。
その物体は、まるで巨大な大砲のような形をしていて・・・
「行くぞ、発進!!」
動力もなさそうな列車が、ゆっくりと動いていく。立ちふさがった黒服達を巻き込みながら。
通路の幅ギリギリの車体を避けることは難しく、避けたとしてもカラスに襲われる。
「・・・それで、どっちに線路を敷けばいいの?」
「えーっとね・・・あ、右よ右」 「はいはい」
先行して通路を確認するカラスの情報どおり、線路が敷かれていく。
だが、弟は知らなかった。姉はほとんど何も考えずに適当に答えていたということを。
彼らの行く末に待つものは・・・本当に『組織』の「暗部」なのかどうか。
それは誰も知らない。そう、彼らを先導することになったカラス以外は・・・誰も、何も。
「行っけー!GoGo!!」
「あー・・・なんか黒服潰してばっかりだけど、車体もつかなぁ・・・」
頑張れ弟!また太陽を見るその時まで!!
「不吉な文を加えるなぁああ!!」

*


『謎の連絡線』
東京の地下鉄には、政治家の非難を目的とした「脇線」と呼ばれる、
蜘蛛の巣よりも複雑な線路が存在する、という都市伝説。
別にこのような目的の為のものではないが、連絡線自体は本当に存在するとか。
能力は【地下空間の一時的な通路作製】と【線路敷設】
簡単に言うと、地下へ存在しない通路を作ることができる能力。
ただし、普通は同時に線路が敷かれる。
今回は既に地中に通路が存在した為、線路敷設の能力のみ発動している。

『山手線の列車砲』
自衛隊は巨大な大砲を積んだ列車を持っていて、非常時には山手線を走らせて戦うという都市伝説。
ぶっちゃけ列車砲が使いたくて「列車砲 都市伝説」で検索したら、あるブログの記事が引っかかっただけ。
能力は【砲撃対象を遠方から視認できる】。つまり、望遠鏡能力。
さらに本体のサイズを大小に変更が可能で、腕に忍ばせて拳銃代わりに使うことも可能である。
しかも、小さくても反動は大きいが本来のサイズの威力を出すこともできる。
恐ろしく便利な能力なのだが、本来のサイズの時は近くのものしか狙えず、
小さい時は近くのものしか狙えないため中距離への攻撃が苦手。あと潮風も苦手。


契約者

『消えるカラス』の契約者の弟。モデルを撮ったりするのが仕事のカメラマン。
姉との仕事が非常に多いが、これは「彼が撮る方がいい表情をする」という理由から。
姉より一足遅くやってきたが、仕事が秋祭り1日目に終わり結局巻き込まれた苦労人。
巻き込まれたというより姉が首を突っ込んだ・・・というのが正しいかもしれないが。
ちなみに彼の姉がこんな風に積極的になるのは彼が一緒のときだけである。
たぶん、お姉ちゃんとしての威厳を見せたいとかそんな感じだろう。頑張れ弟!いつか報われるさ!








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