合わせ鏡のアクマ 33
東区、墓地
そこに若い男性と、まだ幼さの残る少女が向かい合って墓石に座って話ていた。
『・・・そこで張り込んでた作業員が見たのは・・・・・・っぐ!
2mを超える体躯に「牛の首」をくっつけたような化け物達が、
解体中のビルを恐ろしい速さで組み直している姿だったのさ!・・・~ッ!』
『あぐ・・・そ、それで?』
だが、よほど鈍感でない限りしばらく見ていればこの光景の異常に気づくだろう。
なぜなら彼らの体は透き通っており・・・なにやら頭を抱えつつ、時折うなり声を出しているからだ。
『そ、それで・・・うっかり一人が化け物と目があった途端、
一斉に化け物達が作業員の方を振り向い゛てぇ!そ、っのまま向かってきたんだァ!!』
『ッァアアア!!ソレ、で・・・作業員達・・・っは!?どうなった、んですっかぁ・・・ひぐ!』
『ぐ、ぬお・・・最初に目撃しちまった、ひっとりが襲われて・・・みんな逃げ出した。
朝になって戻ってみるとだ・・・そこには解体前の状態に戻ったビルと、
ボロボロになった同僚の服とさらには血痕うぎぎ・・・が、残されているだけっだったの・・・さ』
『それは本当に・・・ぐぐぐ!お、恐ろしい話ですねッ!!』
そう少女が叫んだ途端、二人は墓石から転げ落ちた。
『う、うう・・・だ、大丈夫か?』
『せっ、先生こそ・・・というかお互い大丈夫ではないでしょう・・・うぐぐ、まだ頭痛いです』
『終わりましたか?』
そう言って二人に話しかけてきたのは、まだ20代前半と見られる女性。
そして彼女の体も透き通っていて、明らかに二人と同じ存在であると知れた。
『あ、盟主・・・珍しいですね、盟主が幽体になってるなんて』
『私、3年ぶりくらいですよ盟主の姿を見るの・・・』
『あらあら、たまには私だって地に足をつけたくなりますよ』
こんな嬉しいような困ったような時は特に、と盟主と呼ばれた女性が答える。
『・・・そこで張り込んでた作業員が見たのは・・・・・・っぐ!
2mを超える体躯に「牛の首」をくっつけたような化け物達が、
解体中のビルを恐ろしい速さで組み直している姿だったのさ!・・・~ッ!』
『あぐ・・・そ、それで?』
だが、よほど鈍感でない限りしばらく見ていればこの光景の異常に気づくだろう。
なぜなら彼らの体は透き通っており・・・なにやら頭を抱えつつ、時折うなり声を出しているからだ。
『そ、それで・・・うっかり一人が化け物と目があった途端、
一斉に化け物達が作業員の方を振り向い゛てぇ!そ、っのまま向かってきたんだァ!!』
『ッァアアア!!ソレ、で・・・作業員達・・・っは!?どうなった、んですっかぁ・・・ひぐ!』
『ぐ、ぬお・・・最初に目撃しちまった、ひっとりが襲われて・・・みんな逃げ出した。
朝になって戻ってみるとだ・・・そこには解体前の状態に戻ったビルと、
ボロボロになった同僚の服とさらには血痕うぎぎ・・・が、残されているだけっだったの・・・さ』
『それは本当に・・・ぐぐぐ!お、恐ろしい話ですねッ!!』
そう少女が叫んだ途端、二人は墓石から転げ落ちた。
『う、うう・・・だ、大丈夫か?』
『せっ、先生こそ・・・というかお互い大丈夫ではないでしょう・・・うぐぐ、まだ頭痛いです』
『終わりましたか?』
そう言って二人に話しかけてきたのは、まだ20代前半と見られる女性。
そして彼女の体も透き通っていて、明らかに二人と同じ存在であると知れた。
『あ、盟主・・・珍しいですね、盟主が幽体になってるなんて』
『私、3年ぶりくらいですよ盟主の姿を見るの・・・』
『あらあら、たまには私だって地に足をつけたくなりますよ』
こんな嬉しいような困ったような時は特に、と盟主と呼ばれた女性が答える。
・・・若い男性と少女は、その守る地域を称号へと冠して『東の墓守』、『南の墓守』と呼ばれている。
そして彼らの前に立っているのは彼ら4体の墓守を束ねる『怪奇同盟』の盟主・・・『墓地からかかる電話』、その本体である。
そして彼らの前に立っているのは彼ら4体の墓守を束ねる『怪奇同盟』の盟主・・・『墓地からかかる電話』、その本体である。
*
『それで、無事に『牛の首』は発動できましたか?』
『あ、それはバッチリです。もう修復作業に入ってますよ。恐ろしい勢いで』
『私もすぐに『エリア51』を発動させましたから、一般人は近寄らないはずです』
『そうですか、今夜中に元にできますか?』
『お任せください!なんなら投入する数を増やしても』
『あら、ダメですよ。あなたも結界維持で疲れたでしょうから無理はメ、です』
『だってさ、先生』
『・・・分かりました』
『よろしい。街の人々が気になるのは分かりますが・・・今回は、しかたありませんよ』
『あの時、私が防ぎきっていれば!!』
『無理ですよ先生、あの攻撃はさすがに盟主でも無理なんじゃ・・・?』
『消滅する覚悟をすれば止められますけど・・・』
『さすが盟主は格が違った』
・・・そんなやり取りをしていると、盟主は空を見上げた。
『どうしました?』
『いえ、月がキレイだな・・・と思いまして』
『あ、そういえば満月ですね』
『おー、本当だ!先生、お月見やろうお月見!!』
『・・・元気だな、さっきあんなに喚いてたのに』
『先生だってそうでしょー?もうピンピンしてるじゃないですか』
『・・・ふふっ』
大きな戦いの後だということを感じさせないような明るい話をする二人を、盟主は笑いながら眺める。
(これで平和が戻ってくると・・・・・・嬉しいのですが)
しかし、この機を狙ってどこかから新たに侵略をされないとも限らない。
(少しつらいですけど・・・うーん。やはり、私の力でもう少し街全体に結界を・・・)
『盟主?なにやってるんですか、早くこっちに!』
『今、先生の墓地に首塚が宴会を開くって情報が!!』
『ふふっ、それは楽しみですね』
『でしょー?』
まぁでも、今しばらくはこのつかの間の平穏に浸かっていようと・・・盟主は二人の近くへ歩み寄ったのであった。
『あ、それはバッチリです。もう修復作業に入ってますよ。恐ろしい勢いで』
『私もすぐに『エリア51』を発動させましたから、一般人は近寄らないはずです』
『そうですか、今夜中に元にできますか?』
『お任せください!なんなら投入する数を増やしても』
『あら、ダメですよ。あなたも結界維持で疲れたでしょうから無理はメ、です』
『だってさ、先生』
『・・・分かりました』
『よろしい。街の人々が気になるのは分かりますが・・・今回は、しかたありませんよ』
『あの時、私が防ぎきっていれば!!』
『無理ですよ先生、あの攻撃はさすがに盟主でも無理なんじゃ・・・?』
『消滅する覚悟をすれば止められますけど・・・』
『さすが盟主は格が違った』
・・・そんなやり取りをしていると、盟主は空を見上げた。
『どうしました?』
『いえ、月がキレイだな・・・と思いまして』
『あ、そういえば満月ですね』
『おー、本当だ!先生、お月見やろうお月見!!』
『・・・元気だな、さっきあんなに喚いてたのに』
『先生だってそうでしょー?もうピンピンしてるじゃないですか』
『・・・ふふっ』
大きな戦いの後だということを感じさせないような明るい話をする二人を、盟主は笑いながら眺める。
(これで平和が戻ってくると・・・・・・嬉しいのですが)
しかし、この機を狙ってどこかから新たに侵略をされないとも限らない。
(少しつらいですけど・・・うーん。やはり、私の力でもう少し街全体に結界を・・・)
『盟主?なにやってるんですか、早くこっちに!』
『今、先生の墓地に首塚が宴会を開くって情報が!!』
『ふふっ、それは楽しみですね』
『でしょー?』
まぁでも、今しばらくはこのつかの間の平穏に浸かっていようと・・・盟主は二人の近くへ歩み寄ったのであった。
*
『牛の首』
「牛の首という怖い話がある」という噂が元になった嘘の都市伝説。
能力は【契約者の話した「牛の首」を現実化する】・・・ここまで聞けばただのチート。
だが制約も多く、【教師が生徒に話した時のみ】、【話の中に「牛の首」と呼ばれる要素が含まれる】等がある
もうひとつ【話す者と聞く者には耐え難い恐怖心と痛みが訪れる】というものがあり、
実質これによって多くの契約者が発狂して命を落とした。これは話の規模で度合いが若干変わる。
しかし『東の墓守』と『南の墓守』は生前に『牛の首』を発動し命を落としているためか、耐性がある。
加えて死後も何度か使って慣らしているためこうやって頑張って発動できるのだ。
予断だが『牛の首』と『鮫島事件』が似た都市伝説であることに後で気づいた盟主は、若干涙目になったそうな。
契約者は『東の墓守』の若い男性幽霊。生前は小学校の新人教員であった。
能力は【契約者の話した「牛の首」を現実化する】・・・ここまで聞けばただのチート。
だが制約も多く、【教師が生徒に話した時のみ】、【話の中に「牛の首」と呼ばれる要素が含まれる】等がある
もうひとつ【話す者と聞く者には耐え難い恐怖心と痛みが訪れる】というものがあり、
実質これによって多くの契約者が発狂して命を落とした。これは話の規模で度合いが若干変わる。
しかし『東の墓守』と『南の墓守』は生前に『牛の首』を発動し命を落としているためか、耐性がある。
加えて死後も何度か使って慣らしているためこうやって頑張って発動できるのだ。
予断だが『牛の首』と『鮫島事件』が似た都市伝説であることに後で気づいた盟主は、若干涙目になったそうな。
契約者は『東の墓守』の若い男性幽霊。生前は小学校の新人教員であった。
『エリア51』
アメリカにある秘匿性の高いエリアで、UFOや宇宙人の研究がされているのではないかという都市伝説。
能力は【設定区域への進入の制限・禁止】で、この能力は弱い都市伝説にも有効である。
生前の『南の墓守』がこの能力でイタズラ等した為、『東の墓守』と契約者同士として知り合うきっかけになった。
能力は【設定区域への進入の制限・禁止】で、この能力は弱い都市伝説にも有効である。
生前の『南の墓守』がこの能力でイタズラ等した為、『東の墓守』と契約者同士として知り合うきっかけになった。
『墓地からかかる電話』
『東の墓守』や『南の墓守』から分かるように、彼らは元々墓地に埋葬された人間である。
二人のように都市伝説の契約者だったりといった要因で、
ある時突然幽霊化して、電話をかけられるようになるのだ。死ぬ寸前の記憶も戻る。
ちなみに、二人と大本の都市伝説本体である盟主はかなり特異な例で『声』となった経緯がある。
墓守の二人は『牛の首』の暴走により、幽霊状態になった後遺体が埋葬されそのまま定着した。
盟主は元々、『墓場には幽霊が出る』という曖昧な伝承にそって幽霊となった経緯がある。
その後、時代の流れで都市伝説の性質が『墓場からかかる電話』へと変化したのだ。
なお残る二人の墓守は、元々埋葬された普通の人間がたまたま幽霊となった者達である。普通はこの場合が多い。
二人のように都市伝説の契約者だったりといった要因で、
ある時突然幽霊化して、電話をかけられるようになるのだ。死ぬ寸前の記憶も戻る。
ちなみに、二人と大本の都市伝説本体である盟主はかなり特異な例で『声』となった経緯がある。
墓守の二人は『牛の首』の暴走により、幽霊状態になった後遺体が埋葬されそのまま定着した。
盟主は元々、『墓場には幽霊が出る』という曖昧な伝承にそって幽霊となった経緯がある。
その後、時代の流れで都市伝説の性質が『墓場からかかる電話』へと変化したのだ。
なお残る二人の墓守は、元々埋葬された普通の人間がたまたま幽霊となった者達である。普通はこの場合が多い。