○月×日 20:40 調理室
「---くっそ!何だよこいつらは!?」
ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう
荒れ狂う鼠たちを、「日焼けマシン」の契約者は問答無用で焼き殺していく
…マッドガッサーの一味に、鼠を操る奴でもいたのか?
……いや
鼠
ピンポイントで、思い当たる候補が一人
荒れ狂う鼠たちを、「日焼けマシン」の契約者は問答無用で焼き殺していく
…マッドガッサーの一味に、鼠を操る奴でもいたのか?
……いや
鼠
ピンポイントで、思い当たる候補が一人
「--っんの、笛吹き野郎!!今度顔合わせたら、焼き殺すっ!!」
ぢゅうううううっ!?
目の前の鼠の群れを焼き殺した「日焼けマシン」の契約者
ほっと一息ついたが……その時
他の鼠たちの声と…悲鳴が、聞こえてきた
聞き覚えのある、悲鳴が
目の前の鼠の群れを焼き殺した「日焼けマシン」の契約者
ほっと一息ついたが……その時
他の鼠たちの声と…悲鳴が、聞こえてきた
聞き覚えのある、悲鳴が
「……っな、どうして…っ!?」
----どうして、あいつがここに来ているんだっ!?
調理室を飛び出す、「日焼けマシン」の契約者
悲鳴が聞こえてきた先…図書室の前に、視線をやる
そこには、鼠に群がられている…幼馴染の、姿があった
悲鳴が聞こえてきた先…図書室の前に、視線をやる
そこには、鼠に群がられている…幼馴染の、姿があった
即座に、その鼠たちを攻撃目標に選ぶ
視界に入り込んだ鼠、その全てが…悲鳴を上げ始めた
じゅうじゅうと焼かれ、その小さな体を黒焦げにさせていく
視界に入り込んだ鼠、その全てが…悲鳴を上げ始めた
じゅうじゅうと焼かれ、その小さな体を黒焦げにさせていく
「大丈夫かっ!?」
「あ、あぁ」
「あ、あぁ」
急いで、幼馴染に駆け寄る
…良かった、どこも怪我をしていない
ほっとして、しかし、すぐに尋ねる
…良かった、どこも怪我をしていない
ほっとして、しかし、すぐに尋ねる
「どうしてお前がここにいるんだよ!?」
「お前こそ、なんでこんな時間に、こんな場所にいるんだ?」
「………う」
「お前こそ、なんでこんな時間に、こんな場所にいるんだ?」
「………う」
尋ね返され、答える事ができない
…巻き込む訳には、いかないのだ
幼馴染は、都市伝説の事など知らない
当然、マッドガッサーの事なんて…知っているはずがないだろう
幼馴染を都市伝説に関わらせたくない、と「日焼けマシン」の契約者は、少年の頃からずっと考えていた
…巻き込む訳には、いかないのだ
幼馴染は、都市伝説の事など知らない
当然、マッドガッサーの事なんて…知っているはずがないだろう
幼馴染を都市伝説に関わらせたくない、と「日焼けマシン」の契約者は、少年の頃からずっと考えていた
…「日焼けマシン」の契約者にとって、幼馴染であるこの青年は、「日常」なのだ
都市伝説との戦いと言う、「非日常」の世界
そこから、「日常」へと自分を引き戻してくれる存在…それが、この幼馴染なのだ
彼を、非日常の世界に引き込みたくない
…知らない方が、ずっと幸せなのだ
だから、巻き込まないようにしてきたし…たった一度、巻き込んでしまったあの時も、黒服に頼んで、その記憶を消去してもらったのだから
都市伝説との戦いと言う、「非日常」の世界
そこから、「日常」へと自分を引き戻してくれる存在…それが、この幼馴染なのだ
彼を、非日常の世界に引き込みたくない
…知らない方が、ずっと幸せなのだ
だから、巻き込まないようにしてきたし…たった一度、巻き込んでしまったあの時も、黒服に頼んで、その記憶を消去してもらったのだから
「…とにかく、早くこの校舎を出ろ!」
「お前はどうするんだ?お前は、何をしにここに来たのか知らないが…また、厄介事に巻き込まれているんだろ?」
「お前はどうするんだ?お前は、何をしにここに来たのか知らないが…また、厄介事に巻き込まれているんだろ?」
じっと、幼馴染は心配そうに「日焼けマシン」の契約者を見つめ、そう言って来た
「お前がここに残るんなら、俺も残るぞ」
「ッ駄目だ!いいから、早く出ろ!」
「嫌だね。ただでさえ、女になって腕力体力落ちてるお前の事が心配なんだ。この状態のお前が厄介事に巻き込まれているんなら、俺はお前を置いていけない」
「ッ駄目だ!いいから、早く出ろ!」
「嫌だね。ただでさえ、女になって腕力体力落ちてるお前の事が心配なんだ。この状態のお前が厄介事に巻き込まれているんなら、俺はお前を置いていけない」
きっぱりと、幼馴染はそう言いきってきた
…思えば、昔から少々、頑固な部分があったような気がする
…思えば、昔から少々、頑固な部分があったような気がする
「さっきの妙な鼠といい、あちこちで妙な音が聞こえてくるわ振動が響いてくるわ。絶対に危険だろ?だから、俺がお前の傍にいる。お前を護ってやるよ」
「………あのなぁ」
「この状態なら、殴り合いなら俺の方がお前より強いぞ?」
「………あのなぁ」
「この状態なら、殴り合いなら俺の方がお前より強いぞ?」
…うぅぅぅうう
反論する事ができない
まったくもって、その通りなのだ
今の自分は、酷く能力に頼った戦い方しかできない
……だが
だからと言って、この幼馴染をいつまでも、こんな危険な場所に居させる訳にはいかない
反論する事ができない
まったくもって、その通りなのだ
今の自分は、酷く能力に頼った戦い方しかできない
……だが
だからと言って、この幼馴染をいつまでも、こんな危険な場所に居させる訳にはいかない
「…わかった。少し探している連中がいるから…そいつらが、この階と1階で見付からなかったら、帰る。だから、そうなったらお前もすぐ帰れよ?」
…一応、そう言っておいた
本当は、帰るつもりなどまったくない
だが、こうでも言わないと、幼馴染はここから出てくれないだろう
校舎を出た後、幼馴染と別れて、適当な塀を乗り越えてまた入ればいい
本当は、帰るつもりなどまったくない
だが、こうでも言わないと、幼馴染はここから出てくれないだろう
校舎を出た後、幼馴染と別れて、適当な塀を乗り越えてまた入ればいい
「あぁ、わかった。俺から離れるなよ?」
にこり、笑ってきた幼馴染
…人間相手なら、便りになるのだが…都市伝説相手では、やはり心配だ
2階と1階をさっさと見回って…早く、校舎の外に出さないと
…人間相手なら、便りになるのだが…都市伝説相手では、やはり心配だ
2階と1階をさっさと見回って…早く、校舎の外に出さないと
----「日焼けマシン」の契約者は、気づいていない
自分が蜘蛛の巣にかかってしまった事に
「日焼けマシン」の契約者は、気づいていない
幼馴染が……どこか、黒いモノを抱えた眼差しを、自分に向けていることに
自分が蜘蛛の巣にかかってしまった事に
「日焼けマシン」の契約者は、気づいていない
幼馴染が……どこか、黒いモノを抱えた眼差しを、自分に向けていることに
to be … ?