「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-54

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匿名ユーザー

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○月×日 20:40 調理室


「---くっそ!何だよこいつらは!?」

 ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう
 荒れ狂う鼠たちを、「日焼けマシン」の契約者は問答無用で焼き殺していく
 …マッドガッサーの一味に、鼠を操る奴でもいたのか?
 ……いや
 鼠
 ピンポイントで、思い当たる候補が一人

「--っんの、笛吹き野郎!!今度顔合わせたら、焼き殺すっ!!」

 ぢゅうううううっ!?
 目の前の鼠の群れを焼き殺した「日焼けマシン」の契約者
 ほっと一息ついたが……その時
 他の鼠たちの声と…悲鳴が、聞こえてきた
 聞き覚えのある、悲鳴が

「……っな、どうして…っ!?」

 ----どうして、あいつがここに来ているんだっ!?

 調理室を飛び出す、「日焼けマシン」の契約者
 悲鳴が聞こえてきた先…図書室の前に、視線をやる
 そこには、鼠に群がられている…幼馴染の、姿があった

 即座に、その鼠たちを攻撃目標に選ぶ
 視界に入り込んだ鼠、その全てが…悲鳴を上げ始めた
 じゅうじゅうと焼かれ、その小さな体を黒焦げにさせていく

「大丈夫かっ!?」
「あ、あぁ」

 急いで、幼馴染に駆け寄る
 …良かった、どこも怪我をしていない
 ほっとして、しかし、すぐに尋ねる

「どうしてお前がここにいるんだよ!?」
「お前こそ、なんでこんな時間に、こんな場所にいるんだ?」
「………う」

 尋ね返され、答える事ができない
 …巻き込む訳には、いかないのだ
 幼馴染は、都市伝説の事など知らない
 当然、マッドガッサーの事なんて…知っているはずがないだろう
 幼馴染を都市伝説に関わらせたくない、と「日焼けマシン」の契約者は、少年の頃からずっと考えていた

 …「日焼けマシン」の契約者にとって、幼馴染であるこの青年は、「日常」なのだ
 都市伝説との戦いと言う、「非日常」の世界
 そこから、「日常」へと自分を引き戻してくれる存在…それが、この幼馴染なのだ
 彼を、非日常の世界に引き込みたくない
 …知らない方が、ずっと幸せなのだ
 だから、巻き込まないようにしてきたし…たった一度、巻き込んでしまったあの時も、黒服に頼んで、その記憶を消去してもらったのだから

「…とにかく、早くこの校舎を出ろ!」
「お前はどうするんだ?お前は、何をしにここに来たのか知らないが…また、厄介事に巻き込まれているんだろ?」

 じっと、幼馴染は心配そうに「日焼けマシン」の契約者を見つめ、そう言って来た

「お前がここに残るんなら、俺も残るぞ」
「ッ駄目だ!いいから、早く出ろ!」
「嫌だね。ただでさえ、女になって腕力体力落ちてるお前の事が心配なんだ。この状態のお前が厄介事に巻き込まれているんなら、俺はお前を置いていけない」

 きっぱりと、幼馴染はそう言いきってきた
 …思えば、昔から少々、頑固な部分があったような気がする

「さっきの妙な鼠といい、あちこちで妙な音が聞こえてくるわ振動が響いてくるわ。絶対に危険だろ?だから、俺がお前の傍にいる。お前を護ってやるよ」
「………あのなぁ」
「この状態なら、殴り合いなら俺の方がお前より強いぞ?」

 …うぅぅぅうう
 反論する事ができない
 まったくもって、その通りなのだ
 今の自分は、酷く能力に頼った戦い方しかできない
 ……だが
 だからと言って、この幼馴染をいつまでも、こんな危険な場所に居させる訳にはいかない

「…わかった。少し探している連中がいるから…そいつらが、この階と1階で見付からなかったら、帰る。だから、そうなったらお前もすぐ帰れよ?」

 …一応、そう言っておいた
 本当は、帰るつもりなどまったくない
 だが、こうでも言わないと、幼馴染はここから出てくれないだろう
 校舎を出た後、幼馴染と別れて、適当な塀を乗り越えてまた入ればいい

「あぁ、わかった。俺から離れるなよ?」

 にこり、笑ってきた幼馴染
 …人間相手なら、便りになるのだが…都市伝説相手では、やはり心配だ
 2階と1階をさっさと見回って…早く、校舎の外に出さないと


 ----「日焼けマシン」の契約者は、気づいていない
 自分が蜘蛛の巣にかかってしまった事に
 「日焼けマシン」の契約者は、気づいていない
 幼馴染が……どこか、黒いモノを抱えた眼差しを、自分に向けていることに






to be … ?



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