「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 結界都市『東京』-47

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―第47章 新たなる推論―
 2人が帰った後も俺は月読と自前の端末を使って「鮫島」のあらゆる可能性を模索していた。そして―
 「どうやらこれが推論の上に成り立つ真実か…」
 ―鮫島事件。その本質は「嘘で成り立っている」ということ。すなわち、架空の事件を作り上げ、あたかもそれが実在したかのように振る舞うのだろう。そしてそれを全ての人間に信じさせる。
 つまり、発動者―大方契約者なのだろう―が嘘を言い、その嘘を信じさせるという能力である。
 どうやら俺は着眼点を見誤ったようだ。消失ではない、いわば某巨大掲示板や某チャットなんかでよく見かける「釣り」と言われる行為…
 それに俺も釣られてしまったようだ。
 『組織の黒服』とやらは入れ食い状態で喜んでいるのだろうか。
 …という事は、学校町全体が範囲に指定されてしまえば、学校町自体そのものが無くなってしまう可能性だってある。
 『組織』による都市伝説のバランス管理のために町一つを消すなんて、本末転倒もいいところだ。
 幸いにも先程渡したトランプは守護という意味で使えば結界の中の時間は保存されるため、「鮫島」の虚構で町が消え去ったとしても、カードの結界で囲った空間はそのままだ。
 さてと、あの二人を呼び出して俺も下準備だ。
 という訳で、俺達3人は祭りが開催されるであろう北区の山を囲うようにして目立たぬように1枚ずつトランプをばらまいた。
 設置するだけで一箱使ってしまったようだ。ちなみにこの結界、下を囲ったからと言ってすぐに発動する訳ではない。
 あくまで発動タイミングは契約者だが、守護結界としては上の点がなければ完成はしない。
 そして、決戦当日にもう一箱をばらまけば、事前にばらまいたカードに対応するようにカードが動き出し、カード一枚一枚が頂点となって守護結界は完成する。
 外の攻撃は防御し、中の「時間」を切り取って隔離しているため、外で何が起ころうとも中には一切影響を及ぼさない。
 俺に敵意無し、そして人間性有りとみなせばこの結界は誰でもウェルカムっ…!
 黒服はデフォではじき返すが、結界の操作には天照と月読が協力しているため、元人間の黒服たちは敵意さえなければ出入りは自由になっている。
 契約者も敵意さえなければ基本出入り自由だ。ただし≪夢の国≫、てめーは駄目だ。「時間」を隔離するため、外と中では時間の進み方が違う。だから結界の「入口」を通らなければ内部には侵入できない。
 そして「入口」は一ヶ所のみ…
 それでも弱点はある。面に攻撃を受ければ内部に被害は出ないが、元がカードのため頂点に攻撃を受けたりするとカードは無くなる。
 そして無くなったカードの隙間を埋めようと結界の範囲は狭まる。上の頂点52枚が無くなってしまったその時、結界は消滅する。
 それを見越して俺は通学用のトートバッグに大量のトランプを仕込んである。故に消滅する事は総攻撃されたりしない限りほとんどない。
 なお、事前にジョーカーは抜き取ってあるため、自動追尾の遠距離攻撃も可能だ。ただし、カードなのでダメージはちょっと切り傷が出来る程度である。
 …どうやら互いに総力戦になるようだ。俺は果たしてどこまで善戦できるかな?



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