―Episode8 祝宴の狼煙、そして過去の詮索―
ここは町内にあるアパートの一室。今の私の拠点だ。今まで住んでいた部屋は今は手つかずになっている。
勿論家賃は入れ続けている。何かあった時の為に―
そして通帳も、カードも、全部があの時のまま使える。変わってしまったのは己だけだ、というのをひどく痛感させられてしまう。
話は変わるが、久しぶりに夢を見た。そこに現れたのは首から下がなく、髪が振り乱された男。「首塚」の首領こと平将門だろう。
彼は夢の中で「次の休日に西区で勝利の宴を開く」みたいな事を言っていた。
微力ながら私も「夢の国」や「鮫島事件」を相手に戦った。参加する事にしようか。
ちなみに元々は高校生だったが、今では黒服化する際に体格も大人のそれになっているため、一応酒は飲める。
まあ、実家に帰った時なんかは普通に飲んでいた訳だが。
…実家、か。そういえば、父もいた。母もいた。そして妹もいた。だが私は人ではなくなった。
私の扱いはどうなったのか?…いや、詮索しても無駄だろう。『ヒト』としての私はもうこの世には存在しないのだから―
皮肉なものだ。そこに確かに「存在する」のに「存在しない」のだから。私はその矛盾を体現している。
「…まだ後悔しているんですか?」
「月読…。」
月読達5人の前では一時的に昔の口調に戻る。やはり付き合ってきて、信頼できる証なのだろう。
「そうだな、後悔していないと言えば嘘になる。」
「貴方にはあの時、『カード』を使わない事だって出来た。でも貴方はそれをしなかった。一体何故―」
「それは、一度「夢の国」とガチでやりたいというのもあった。でもそれ以上に護るべき存在がそこにあったからだ。」
「そう、ですか…あの時の貴方らしいですね。」
「でもこうなってしまった以上、二度と同じ轍は踏まないさ。」
そう言って私―いや、俺はまた寝ようとする。
「…今の状態で無茶はしないでくださいね?私達のサポートだけじゃ出力がまだ足りないんですから。」
「分かったよ…。お前等も早く休め。いいな?」
そう言い残して俺はまた寝ることにした。
ここは町内にあるアパートの一室。今の私の拠点だ。今まで住んでいた部屋は今は手つかずになっている。
勿論家賃は入れ続けている。何かあった時の為に―
そして通帳も、カードも、全部があの時のまま使える。変わってしまったのは己だけだ、というのをひどく痛感させられてしまう。
話は変わるが、久しぶりに夢を見た。そこに現れたのは首から下がなく、髪が振り乱された男。「首塚」の首領こと平将門だろう。
彼は夢の中で「次の休日に西区で勝利の宴を開く」みたいな事を言っていた。
微力ながら私も「夢の国」や「鮫島事件」を相手に戦った。参加する事にしようか。
ちなみに元々は高校生だったが、今では黒服化する際に体格も大人のそれになっているため、一応酒は飲める。
まあ、実家に帰った時なんかは普通に飲んでいた訳だが。
…実家、か。そういえば、父もいた。母もいた。そして妹もいた。だが私は人ではなくなった。
私の扱いはどうなったのか?…いや、詮索しても無駄だろう。『ヒト』としての私はもうこの世には存在しないのだから―
皮肉なものだ。そこに確かに「存在する」のに「存在しない」のだから。私はその矛盾を体現している。
「…まだ後悔しているんですか?」
「月読…。」
月読達5人の前では一時的に昔の口調に戻る。やはり付き合ってきて、信頼できる証なのだろう。
「そうだな、後悔していないと言えば嘘になる。」
「貴方にはあの時、『カード』を使わない事だって出来た。でも貴方はそれをしなかった。一体何故―」
「それは、一度「夢の国」とガチでやりたいというのもあった。でもそれ以上に護るべき存在がそこにあったからだ。」
「そう、ですか…あの時の貴方らしいですね。」
「でもこうなってしまった以上、二度と同じ轍は踏まないさ。」
そう言って私―いや、俺はまた寝ようとする。
「…今の状態で無茶はしないでくださいね?私達のサポートだけじゃ出力がまだ足りないんですから。」
「分かったよ…。お前等も早く休め。いいな?」
そう言い残して俺はまた寝ることにした。