叶わぬ願いと諦めた
それでも、捨てられぬこの願い
狂おしい程に求めるそれを
しかし、手に入れることは叶わずに
願いを抱え続ける故に、狂ってしまうのだとしたら
それは、一体誰の罪なのだ?
それでも、捨てられぬこの願い
狂おしい程に求めるそれを
しかし、手に入れることは叶わずに
願いを抱え続ける故に、狂ってしまうのだとしたら
それは、一体誰の罪なのだ?
La bele du Mary Verile
はらはらと雪がちらつく中、バイト帰りの翼は帰路に付いていた
そろそろ二月に入ろうというのに、学校町はまだまだ雪深い
……冬将軍でも、学校町に滞在中なんじゃないだろうな
そんな疑念すら、抱いてしまう
もっとも、翼にとっては、雪があると言うことは雪かきのバイトがあるという事で、収入的には美味しいのだが
そろそろ二月に入ろうというのに、学校町はまだまだ雪深い
……冬将軍でも、学校町に滞在中なんじゃないだろうな
そんな疑念すら、抱いてしまう
もっとも、翼にとっては、雪があると言うことは雪かきのバイトがあるという事で、収入的には美味しいのだが
「さてっと…今日の晩飯はどうするかな…」
寒いと、どうしても鍋物が続いてしまう
だが、いい加減鍋物ばかりでは駄目だろう
何か他に、温かくてなおかつバランスのとれた献立は…
年齢の割りに体格が小さい望を心配してか、家で作る食事の栄養バランスをしっかりと考えている翼
その努力が報われるかどうかは、現時点では不明である
とまれ、この日の夕食の献立を考えつつ、やや足早に家に向かっていたのだが
だが、いい加減鍋物ばかりでは駄目だろう
何か他に、温かくてなおかつバランスのとれた献立は…
年齢の割りに体格が小さい望を心配してか、家で作る食事の栄養バランスをしっかりと考えている翼
その努力が報われるかどうかは、現時点では不明である
とまれ、この日の夕食の献立を考えつつ、やや足早に家に向かっていたのだが
---都市伝説同士は、引かれ合う
故に、都市伝説契約者は、都市伝説事件に遭遇しやすい
故に、都市伝説契約者は、都市伝説事件に遭遇しやすい
路地の傍を通りかかったところで
どんっ!!と、路地から出てきた影にぶつかる
どんっ!!と、路地から出てきた影にぶつかる
「っと…!?」
「きゃっ!?」
「きゃっ!?」
一瞬、バランスを崩して転倒しかけたが、すぐに持ち直す翼
ぶつかってきた相手に視線をやって…おや、と思わず見つめる
ぶつかってきた相手に視線をやって…おや、と思わず見つめる
「藤崎?」
「あ、ひ、日景君!?………った、助けて!!」
「あ、ひ、日景君!?………った、助けて!!」
…助けて?
抱きついてきた、高校の頃のクラスメイト、藤崎 沙織
彼女が飛び出してきた路地に、視線をやると
っば!!と、まるで、彼女を追いかけてきたかのように
規制を発する男が、飛び出してきて
抱きついてきた、高校の頃のクラスメイト、藤崎 沙織
彼女が飛び出してきた路地に、視線をやると
っば!!と、まるで、彼女を追いかけてきたかのように
規制を発する男が、飛び出してきて
「----っひ!?」
恐怖に怯え、ますます翼に抱きつく沙織
その沙織をカバ用に前に出て……翼は、その相手を殴り飛ばした
無防備に飛び出してきた相手は、その拳を避けきれずにあっさりと殴られ、倒れる
その沙織をカバ用に前に出て……翼は、その相手を殴り飛ばした
無防備に飛び出してきた相手は、その拳を避けきれずにあっさりと殴られ、倒れる
「大丈夫か?」
「う、うん…」
「う、うん…」
ひとまず、昔のクラスメイトが無事だった事にほっとする
そして、気絶した相手を見下ろした
半開きとなった口から、ぶくぶくと泡を吐き…なにやら、ぶつぶつと言葉にならぬ声が漏れ出している
先ほど、飛び出してきた様子から見ても…
そして、気絶した相手を見下ろした
半開きとなった口から、ぶくぶくと泡を吐き…なにやら、ぶつぶつと言葉にならぬ声が漏れ出している
先ほど、飛び出してきた様子から見ても…
(…コーク・ロア支配型の犠牲者か?)
コーク・ロアの、支配型の契約者が異様に増えているという話は、黒服から聞いていたし、誠がそれに襲われた事も知っている
まさか、こんな住宅街にまで、そいつが出たのだろうか?
まさか、こんな住宅街にまで、そいつが出たのだろうか?
「ひ、日景君」
「ん?」
「ん?」
難しい顔をしていたつばさに、沙織がおずおずと、話し掛けてくる
じっと、上目遣いで見てくる、その眼差しの…………その奥にある思考に、翼は気づかない
じっと、上目遣いで見てくる、その眼差しの…………その奥にある思考に、翼は気づかない
「こ、この道の奥に、倒れてる子がいたの。さっきの奴に、何かされたのかも…」
「なんだって?……わかった。様子見てくるから、藤崎はここにいろよ」
「なんだって?……わかった。様子見てくるから、藤崎はここにいろよ」
翼の言葉に、沙織はうん、と素直に頷いた
…都市伝説を知らない元クラスメイトを、事件に巻き込みたくはない
そう考えて、翼は沙織を置いて路地裏に入っていく
少し、進んだ所で…それは、見付かった
…都市伝説を知らない元クラスメイトを、事件に巻き込みたくはない
そう考えて、翼は沙織を置いて路地裏に入っていく
少し、進んだ所で…それは、見付かった
「うぅ………」
「おい、大丈夫か?」
「おい、大丈夫か?」
それは、少女だった
恐らく、高校生くらいだろうか?
目を閉じ、ぐったりとそこに座り込んでいて…はたして、翼の言葉が届いているかどうか
とにかく、状態を確認しようと、翼はその少女に近づいて…
恐らく、高校生くらいだろうか?
目を閉じ、ぐったりとそこに座り込んでいて…はたして、翼の言葉が届いているかどうか
とにかく、状態を確認しようと、翼はその少女に近づいて…
----ぐにゅん
何かを、踏んだ
何かを、踏んだ
「へ?」
踏んだそれを確認しようと、視線を落とした……その、瞬間に
それは、翼の足に絡みついてきた
突然のことに、反応が遅れる
しゅるしゅると、物凄いスピードで絡み付いてくるそれは、脚だけではなく腕にも伸びてきて
それは、翼の足に絡みついてきた
突然のことに、反応が遅れる
しゅるしゅると、物凄いスピードで絡み付いてくるそれは、脚だけではなく腕にも伸びてきて
「なっ!?このや……………んぐっ!?」
咄嗟に、能力を発動させてそれを焼こうとしたのだが…伸びてきた触手のようなそれが翼の口に飛び込んできた
息苦しさに集中をそがれ、その隙にそれは翼の全身に絡みつく
息苦しさに集中をそがれ、その隙にそれは翼の全身に絡みつく
「んん…………っ!?」
ぬるり
気味の悪い感触に、眉をしかめる翼
息苦しさの中、絡みついてきているそれの全容を確認する
気味の悪い感触に、眉をしかめる翼
息苦しさの中、絡みついてきているそれの全容を確認する
…それは、タコだった
人間ほどの大きさもある、タコ
それが、ぬるぬると粘液を光らせて、翼の体に絡みついてきていた
口内に入り込んできたのは、タコの足
翼の口内に入り込んできたそれは、好き勝手に口内を蹂躙する
人間ほどの大きさもある、タコ
それが、ぬるぬると粘液を光らせて、翼の体に絡みついてきていた
口内に入り込んできたのは、タコの足
翼の口内に入り込んできたそれは、好き勝手に口内を蹂躙する
「んむぅ…………っぐ……」
息苦しさに、翼は眉をひそめた
タコの足は口内だけではなく、服の中にも入り込んできて肌を愛撫するように撫でる
気味の悪い官職が体中を走りぬけ、集中力を殺いでくる
とにかく、このタコから逃れなければ……
タコの足は口内だけではなく、服の中にも入り込んできて肌を愛撫するように撫でる
気味の悪い官職が体中を走りぬけ、集中力を殺いでくる
とにかく、このタコから逃れなければ……
----くすくす
くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす
くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす
暗い、暗い路地裏に……笑い声が、響き渡った
捕まえた
こんなに簡単だったんだ
どうして、今までできなかったんだろう?
こんなに簡単だったんだ
どうして、今までできなかったんだろう?
さぁ、捕まえたよ、日景君
ちょっと待っててね、大丈夫
はじめては痛いらしいけど、私がうまくやるから大丈夫
ちょっと待っててね、大丈夫
はじめては痛いらしいけど、私がうまくやるから大丈夫
藤崎 沙織は、どこかうっとりとした表情で…タコに絡み疲れている翼に、近づいていた
タコ妊娠
それが悪魔の囁きの誘惑に乗ってしまった沙織が契約した都市伝説
それの契約は、沙織の肉体にまで変化を及ぼしていた
女性を妊娠させるタコ妊娠
その拡大解釈により、彼女の体は………まぁ、みなまで言うまい
その、おぞましいはずの体の変化を、沙織はむしろ喜んでいて
それが悪魔の囁きの誘惑に乗ってしまった沙織が契約した都市伝説
それの契約は、沙織の肉体にまで変化を及ぼしていた
女性を妊娠させるタコ妊娠
その拡大解釈により、彼女の体は………まぁ、みなまで言うまい
その、おぞましいはずの体の変化を、沙織はむしろ喜んでいて
ゆっくり
ゆっくりと
沙織は、タコに動きを封じられ、もはや獲物でしかない翼に、近づいて…
ゆっくりと
沙織は、タコに動きを封じられ、もはや獲物でしかない翼に、近づいて…
刹那
背後からの突然の衝撃に殴り飛ばされ、壁に体を激突させた
背後からの突然の衝撃に殴り飛ばされ、壁に体を激突させた
「---藤崎ぃい……!てめぇ、翼に何していやがる……!!」
路地裏に響く、怒気がたっぷりと篭った声
沙織を殴り飛ばしたのは、誠だった
その表情を、たっぷりの憎悪で歪めて、殴り飛ばした沙織を睨む
沙織を殴り飛ばしたのは、誠だった
その表情を、たっぷりの憎悪で歪めて、殴り飛ばした沙織を睨む
「…ひどぉい、清川君。女の子を殴るなんて…」
…むくり
壁に叩きつけられた沙織だったが…ダメージらしきダメージは、受けていない
その体が、まるでタコのようにぐにゃりと曲がる
これも、タコ妊娠と契約したが故に得た力だ
壁に叩きつけられた沙織だったが…ダメージらしきダメージは、受けていない
その体が、まるでタコのようにぐにゃりと曲がる
これも、タコ妊娠と契約したが故に得た力だ
「てめぇなんざ、どうでもいいんだよ……翼に、何をしている…!」
「…清川君って、結構冷たいよね」
「…清川君って、結構冷たいよね」
くすくすと、睨んでくる誠を恐れる様子もなく、沙織は笑う
ぐしゃりっ
彼女の両足の間から…にゅるり、新たなタコが姿を現す
彼女の両足の間から…にゅるり、新たなタコが姿を現す
「邪魔しないでね?」
だって、やっと彼を手に入れられるのだから
誰にも、邪魔なんてさせない
誠に、タコを差し向けようとした…その時
誰にも、邪魔なんてさせない
誠に、タコを差し向けようとした…その時
じゅぅううううう……………
路地裏に充満する、香ばしい匂い
路地裏に充満する、香ばしい匂い
「………え」
じゅうううう
先ほど出したばかりのタコが……その身を焼かれて、動きを鈍らせていっている
あっと言う間に焼きダコと化したそれは、すぐに動かなくなってしまった
先ほど出したばかりのタコが……その身を焼かれて、動きを鈍らせていっている
あっと言う間に焼きダコと化したそれは、すぐに動かなくなってしまった
「かは……っ」
「翼!!」
「翼!!」
げほげほと、咲きこみながら立ち上がっている翼
何時の間にか、彼に絡み付いていたタコは、いい具合に焼かれて美味しそうに転がっていた
あれ?と沙織は首をかしげる
何時の間にか、彼に絡み付いていたタコは、いい具合に焼かれて美味しそうに転がっていた
あれ?と沙織は首をかしげる
「あれ?どうして………日景君、もしかして、あなたも何か都市伝説と契約してる?」
「……あぁ、そうだよ」
「……あぁ、そうだよ」
じろり、沙織を睨みつける翼
…どうして、そんな怖い顔をするのだろう?
わからなくて、沙織は再び首を傾げた
…どうして、そんな怖い顔をするのだろう?
わからなくて、沙織は再び首を傾げた
「藤崎…どう言う事だ」
「どう言う事って………見ての通りだけど」
「どう言う事って………見ての通りだけど」
ぐちゃりっ
沙織は、再びタコを出現させた
彼女は、何匹だって、タコを生み出す事ができる
沙織は、再びタコを出現させた
彼女は、何匹だって、タコを生み出す事ができる
「日景君……私のものに、なって?」
うっとりとした表情でそう言って、沙織はタコを翼と誠に襲い掛からせる
誠相手は、時間稼ぎができればいい
打撃攻撃をほぼ無効化できるタコ相手ならば、いくら誠でも苦戦してくれるはず
翼相手は……その体の自由を、奪ってあげよう
タコは、全身に媚薬成分を持った粘液を纏っている
それが体につけば、じわじわと自由を奪われるはず……男相手に効くかどうかはわからないが、きっと効く、多分
誠相手は、時間稼ぎができればいい
打撃攻撃をほぼ無効化できるタコ相手ならば、いくら誠でも苦戦してくれるはず
翼相手は……その体の自由を、奪ってあげよう
タコは、全身に媚薬成分を持った粘液を纏っている
それが体につけば、じわじわと自由を奪われるはず……男相手に効くかどうかはわからないが、きっと効く、多分
「このっ!?」
じゅううううううううううう
しかし、翼はタコの接近を許してくれない
その能力で、タコをあっという間に焼いてしまう
不意打ちでもなければ、動きが緩慢なタコでは、翼を捕らえる事はできない
そして……ぶちぃ!!と、何かを引きちぎる音が響く
見れば、誠に向かったタコは足を引きちぎられ、残った足を固結びにされて動きを封じられていた
しかし、翼はタコの接近を許してくれない
その能力で、タコをあっという間に焼いてしまう
不意打ちでもなければ、動きが緩慢なタコでは、翼を捕らえる事はできない
そして……ぶちぃ!!と、何かを引きちぎる音が響く
見れば、誠に向かったタコは足を引きちぎられ、残った足を固結びにされて動きを封じられていた
「…打撃が効かなきゃ、俺に勝てると思ってたのか?……駄目だ。全然駄目だな」
冷酷に、沙織を見下ろす誠
…路地裏に、翼を誘い込んだことが沙織にとって仇となっていた
二人に、挟み撃ちにされた状況になってしまう
…路地裏に、翼を誘い込んだことが沙織にとって仇となっていた
二人に、挟み撃ちにされた状況になってしまう
「…残念。この力があれば、うまくいくと思ったのに……邪魔が入っちゃった」
「藤崎、お前……」
「藤崎、お前……」
やや、途惑ったような表情を浮かべてきている翼に
くすくすと、沙織は笑いかける
くすくすと、沙織は笑いかける
「でも、ね…私は、諦めない。絶対に………日景君を手に入れて、ずぅっとずぅっと、放さないんだから…」
病んだ表情で、沙織は笑い続ける
その表情に、ぞくり、翼は悪寒を感じた
その表情に、ぞくり、翼は悪寒を感じた
「逃げられるとでも思ってんのか?」
「うん、逃げられるよ、大丈夫…………ねぇ、みんな!!」
「うん、逃げられるよ、大丈夫…………ねぇ、みんな!!」
沙織が、叫ぶと同時に
ゆらり
路地裏に……男達が、集まってきた
目の焦点は定まらず、かすかにうめき声をあげている、そいつらは…
ゆらり
路地裏に……男達が、集まってきた
目の焦点は定まらず、かすかにうめき声をあげている、そいつらは…
「---コーク・ロアの被害者!?」
「その二人を足止めして!………あぁ、日景君は殺しちゃ駄目よ。清川君はどうでもいいけど!!」
「その二人を足止めして!………あぁ、日景君は殺しちゃ駄目よ。清川君はどうでもいいけど!!」
コーク・ロアの被害者たちが、一斉に翼と誠に襲い掛かる
数は多いが、この二人の敵ではない
が、如何せん数が多すぎる
数は多いが、この二人の敵ではない
が、如何せん数が多すぎる
「---藤崎!!」
「諦めないよ、絶対に」
「諦めないよ、絶対に」
くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす………!
襲い掛かってくる、コーク・ロア被害者達を殴り飛ばしながら、翼が最後に見た沙織の表情は
悪魔の囁きによって歪められていた時の、誠の表情に、酷似していて
襲い掛かってくる、コーク・ロア被害者達を殴り飛ばしながら、翼が最後に見た沙織の表情は
悪魔の囁きによって歪められていた時の、誠の表情に、酷似していて
沙織は、夜の闇の中へと、そのまま姿を消してしまったのだった
十数分後
路地裏に、黒服が姿を見せていた
仕事帰りだった彼は、契約者たる翼の危機を感じて、急いで駆けつけてきたのだ
…もっとも、彼が来た時には、既に沙織の姿はなく、コーク・ロア被害者たちも、全員叩きのめされた後だったが
路地裏に、黒服が姿を見せていた
仕事帰りだった彼は、契約者たる翼の危機を感じて、急いで駆けつけてきたのだ
…もっとも、彼が来た時には、既に沙織の姿はなく、コーク・ロア被害者たちも、全員叩きのめされた後だったが
「…この少女は、タコ妊娠の被害にあっていますね…「組織」の方で保護しまして、浄化しておきます」
「わかった」
「それと……男性相手に何らかの効果があるとは思えませんが、翼、すぐに、体に付いているその粘液を拭き取ってください」
「わかった」
「それと……男性相手に何らかの効果があるとは思えませんが、翼、すぐに、体に付いているその粘液を拭き取ってください」
できれば、洗い流した方がいいのだが…
……いや、洗い流しても、効果があるとしたら手遅れなのだが
恐らく、翼の様子から見て、それは多分、大丈夫だろう
だが、念のためと言う言葉がある
家に帰ったら、すぐに風呂に入れるべきだ
……いや、洗い流しても、効果があるとしたら手遅れなのだが
恐らく、翼の様子から見て、それは多分、大丈夫だろう
だが、念のためと言う言葉がある
家に帰ったら、すぐに風呂に入れるべきだ
「…藤崎 沙織さん、ですか。あなた達の、高校の頃のクラスメイトでしたよね?」
「……あぁ」
「……あぁ」
黒服の言葉に、翼はこくりと頷く
特に仲が良かったわけではないが、つい最近、同窓会でも顔を合わせているから、ちゃんと覚えている
あの時は、都市伝説と契約した気配などなかったというのに…
特に仲が良かったわけではないが、つい最近、同窓会でも顔を合わせているから、ちゃんと覚えている
あの時は、都市伝説と契約した気配などなかったというのに…
「あいつ、大丈夫なのか?都市伝説に飲まれかけてるようにも見えたけどよ…」
「私は直接見ていませんので、なんとも…ただ、少女を襲ったらしいところから見ても、都市伝説の思考に流されている可能性はありますね」
「なら、さっさと都市伝説から引き剥がさないと不味い、って事か」
「私は直接見ていませんので、なんとも…ただ、少女を襲ったらしいところから見ても、都市伝説の思考に流されている可能性はありますね」
「なら、さっさと都市伝説から引き剥がさないと不味い、って事か」
誠の言葉に、黒服ははい、と頷いた
予想できた答えとは言え、翼は複雑な心境だ
よくわからないが襲われたとは言え、相手は元クラスメイトだ
見捨てたら、目覚めが悪い
予想できた答えとは言え、翼は複雑な心境だ
よくわからないが襲われたとは言え、相手は元クラスメイトだ
見捨てたら、目覚めが悪い
「とにかく、見つけたら気絶でもさせておけばいいのか?」
「はい、その状態で、都市伝説との契約を強制的に解除させます。幸いといいますか、「組織」にはその手段がありますので」
「はい、その状態で、都市伝説との契約を強制的に解除させます。幸いといいますか、「組織」にはその手段がありますので」
そうか
ならば、自分がすべき事は決まっている
ならば、自分がすべき事は決まっている
「…翼、藤崎を助けるつもりなのか?」
「?当たり前だろ。元クラスメイトなんだし」
「お前な…」
「?当たり前だろ。元クラスメイトなんだし」
「お前な…」
あっさりと答えた翼に、やや呆れたような表情を浮かべた誠
が、直後、ニヤリと笑ってくる
が、直後、ニヤリと笑ってくる
「そう言うところが、お前らしいよな。俺はお前のそう言うところが好おごはっ!?」
ーーーーーごが!!と
翼に抱きつこうとした誠に、問答無用で叩き込まれる翼の拳
黒服は小さく苦笑して、路地裏に放置されていた少女に、そっとコートをかけてやった
「組織」の回収員が来るまで、この状態で放置するのは酷だ
翼に抱きつこうとした誠に、問答無用で叩き込まれる翼の拳
黒服は小さく苦笑して、路地裏に放置されていた少女に、そっとコートをかけてやった
「組織」の回収員が来るまで、この状態で放置するのは酷だ
(……それにしても)
…翼の元クラスメイトが、翼を襲った
それは、誠の件も含めて二度目だ
これは、偶然なのだろうか?
それは、誠の件も含めて二度目だ
これは、偶然なのだろうか?
黒服は、酷く嫌な予感がして………何か、見えない脅威が翼に近づいているような
そんな錯覚を覚えたのだった
そんな錯覚を覚えたのだった
to be … ?