Libido of sensitivity reaches paraisso...get it? ◆CFbj666Xrw
「消えた!? 転移したのか……?」
友人に向けて突き出した刃は、埃っぽい空気を焦がすだけだった。
ヴィータは呆然と目を見開く。
全てが空回りだ。
何もかもが上手く行かない。
行為が実を結ぶことは無く、願いに手は届かない。
「くそ、一体何処に……」
「……あら」
ヴィータの背後で、紫穂の声がした。
友人に向けて突き出した刃は、埃っぽい空気を焦がすだけだった。
ヴィータは呆然と目を見開く。
全てが空回りだ。
何もかもが上手く行かない。
行為が実を結ぶことは無く、願いに手は届かない。
「くそ、一体何処に……」
「……あら」
ヴィータの背後で、紫穂の声がした。
「どうした!?」
振り返って睨んだその先で、紫穂は窓の外を見ていた。東の窓だ。
「今あっちの方で、何かが光った気がするわね」
「本当か!?」
ヴィータも慌てて窓際に駆け寄ったが、そこに見えるのは漆黒の夜闇だけだ。
暗い木々の影が全てを墨のように塗り潰している。
「向こうには確か、塔が有ったわね」
「光ったって、本当に見たのか?」
「気のせいかもしれないわ。確認に行ってみる?」
「…………当たり前だ」
もしかしたら転移の際に伴う光かもしれない。魔法の転移なら魔方陣の輝きが現れる。
アリサが消えた時にはそういった光も無かったはずだが、現れる時もそうとは限らない。
このタイミングなら、そういう事かもしれない。
ヴィータは廃病院から飛び出した。紫穂もそれに付いて、東の森へと入っていった。
横顔に、暗い笑みを浮かべて。
振り返って睨んだその先で、紫穂は窓の外を見ていた。東の窓だ。
「今あっちの方で、何かが光った気がするわね」
「本当か!?」
ヴィータも慌てて窓際に駆け寄ったが、そこに見えるのは漆黒の夜闇だけだ。
暗い木々の影が全てを墨のように塗り潰している。
「向こうには確か、塔が有ったわね」
「光ったって、本当に見たのか?」
「気のせいかもしれないわ。確認に行ってみる?」
「…………当たり前だ」
もしかしたら転移の際に伴う光かもしれない。魔法の転移なら魔方陣の輝きが現れる。
アリサが消えた時にはそういった光も無かったはずだが、現れる時もそうとは限らない。
このタイミングなら、そういう事かもしれない。
ヴィータは廃病院から飛び出した。紫穂もそれに付いて、東の森へと入っていった。
横顔に、暗い笑みを浮かべて。
* * *
「…………うん?」
森の中でインデックスを休ませていたリンクは、ふと木々の合間を振り返った。
そこに見えるのは漆黒の夜闇だけだ。
暗い木々の影が全てを墨のように塗り潰している。
「ん……どうしたの?」
木にもたれかかっていたインデックスが、訊いた。
「なんだか向こうのほうで何か見えた気がしたんだ」
リンクが指差すのはインデックスの背後の森。何も見えない木陰。
しかし二人が耳を澄ましてみても、そこには何も……。
「いや、目が慣れてきた。何か有るよ。あれは…………建物……かな?」
「……あ、そうか。そういえば病院っていうんだっけ、地図に載っていたはずだよ」
森の中を突っ切って工場に向えば、廃病院の近くを通るのはそうおかしな事ではない。
「それじゃここはB-3とB-4の境目辺りか。傷を治す所なら向こうで休めば良かったね」
「ううん、ここで十分なんだよ。どうせ科学側の治療のやり方は判らないし」
インデックスはそう答えると、西の方角に視線をやった。
「それから、そろそろ西の方に方向修正した方が良いかもしれないんだよ。
間違えて工場と病院の間を北に抜けてしまうといけないから」
「それじゃいっそ、海岸まで出た方がいいね。休憩が終わったら西に向おう」
「うん」
森の中でインデックスを休ませていたリンクは、ふと木々の合間を振り返った。
そこに見えるのは漆黒の夜闇だけだ。
暗い木々の影が全てを墨のように塗り潰している。
「ん……どうしたの?」
木にもたれかかっていたインデックスが、訊いた。
「なんだか向こうのほうで何か見えた気がしたんだ」
リンクが指差すのはインデックスの背後の森。何も見えない木陰。
しかし二人が耳を澄ましてみても、そこには何も……。
「いや、目が慣れてきた。何か有るよ。あれは…………建物……かな?」
「……あ、そうか。そういえば病院っていうんだっけ、地図に載っていたはずだよ」
森の中を突っ切って工場に向えば、廃病院の近くを通るのはそうおかしな事ではない。
「それじゃここはB-3とB-4の境目辺りか。傷を治す所なら向こうで休めば良かったね」
「ううん、ここで十分なんだよ。どうせ科学側の治療のやり方は判らないし」
インデックスはそう答えると、西の方角に視線をやった。
「それから、そろそろ西の方に方向修正した方が良いかもしれないんだよ。
間違えて工場と病院の間を北に抜けてしまうといけないから」
「それじゃいっそ、海岸まで出た方がいいね。休憩が終わったら西に向おう」
「うん」
彼らが森の中でパタリロとエヴァに遭遇するのは、これから少し後の事になる。
【B-3南端/森/1日目/夜中】
※この後、第236話『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』に続きます。
【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:左太腿、右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲
[装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、コキリの剣@ゼルダの伝説
[道具]:基本支給品一式×5(食料一人分-1)、クロウカード『希望』@CCさくら、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録
時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、
ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵
[服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。
[思考]:西へ向い、工場を目指す
第一行動方針:工場を目指す
第二行動方針:工場に向かい、ヴィータを説得する(無理なら…?)
第三行動方針:ニケ達と合流し、エヴァの伝言を伝える。
第四行動方針:なのはやエヴァを探す
第五行動方針:もし桜を見つけたら保護する。
基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。
参戦時期:エンディング後
[備考]:リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます(少なくとも剣ではないと思われます)。
リンクは祭具殿の内部を詳しく調べていません。
夜明けまではヴィータが工場にいると思ってます。
※この後、第236話『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』に続きます。
【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:左太腿、右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲
[装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、コキリの剣@ゼルダの伝説
[道具]:基本支給品一式×5(食料一人分-1)、クロウカード『希望』@CCさくら、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録
時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、
ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵
[服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。
[思考]:西へ向い、工場を目指す
第一行動方針:工場を目指す
第二行動方針:工場に向かい、ヴィータを説得する(無理なら…?)
第三行動方針:ニケ達と合流し、エヴァの伝言を伝える。
第四行動方針:なのはやエヴァを探す
第五行動方針:もし桜を見つけたら保護する。
基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。
参戦時期:エンディング後
[備考]:リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます(少なくとも剣ではないと思われます)。
リンクは祭具殿の内部を詳しく調べていません。
夜明けまではヴィータが工場にいると思ってます。
【インデックス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:軽度の貧血、背中に大きな裂傷跡と火傷、服が欲しい
[装備]:水の羽衣(背部が横に大きく裂けている)@ドラゴンクエストⅤ、
葉っぱの下着(片方)、鉄性の斧@ひぐらしのなく頃に(?)
[道具]:支給品一式(食料-1日分、時計破損)、 ビュティの首輪、
[思考]:西へ向い工場を目指す
第一行動方針:工場を目指す
第二行動方針:リンクについていき、ヴィータを止める
第二行動方針:ニケ達と合流する。
第三行動方針:アリサを探す。紫穂のことも気がかり。
第四行動方針:落ち着いたら、明るい所でじっくりビュティの首輪を調べたい。
基本:誰にも死んで欲しくない。状況を打破するため情報を集め、この空間から脱出する。
[備考]
拾った双葉の型紐が切れたランドセルに荷物まとめて入れています。
インデックス自身のランドセルは壊れているので内容物の質量と大きさを無視できません。
エヴァを完全に敵とみなしているわけではないが不信感あり。
[状態]:軽度の貧血、背中に大きな裂傷跡と火傷、服が欲しい
[装備]:水の羽衣(背部が横に大きく裂けている)@ドラゴンクエストⅤ、
葉っぱの下着(片方)、鉄性の斧@ひぐらしのなく頃に(?)
[道具]:支給品一式(食料-1日分、時計破損)、 ビュティの首輪、
[思考]:西へ向い工場を目指す
第一行動方針:工場を目指す
第二行動方針:リンクについていき、ヴィータを止める
第二行動方針:ニケ達と合流する。
第三行動方針:アリサを探す。紫穂のことも気がかり。
第四行動方針:落ち着いたら、明るい所でじっくりビュティの首輪を調べたい。
基本:誰にも死んで欲しくない。状況を打破するため情報を集め、この空間から脱出する。
[備考]
拾った双葉の型紐が切れたランドセルに荷物まとめて入れています。
インデックス自身のランドセルは壊れているので内容物の質量と大きさを無視できません。
エヴァを完全に敵とみなしているわけではないが不信感あり。
やがてインデックスとリンクは休憩を終えて再び工場を目指した。
それから更にしばらくして、再び廃病院に足音が響いた。
ヴィータと、紫穂だ。
「くそ、やっぱり無駄足だったじゃないか」
「そうね、残念だわ。くすくす」
紫穂は落胆した様子も無く、まるで嘲るように笑ってみせる。
紫穂にとっては当然の結果であり、成果だ。
「……なにがおかしいんだよ」
「別に? なんでもないわ。何も無かったじゃない」
そう、何も起きなかった。
“ヴィータとインデックス達は出会わなかった”。
それから更にしばらくして、再び廃病院に足音が響いた。
ヴィータと、紫穂だ。
「くそ、やっぱり無駄足だったじゃないか」
「そうね、残念だわ。くすくす」
紫穂は落胆した様子も無く、まるで嘲るように笑ってみせる。
紫穂にとっては当然の結果であり、成果だ。
「……なにがおかしいんだよ」
「別に? なんでもないわ。何も無かったじゃない」
そう、何も起きなかった。
“ヴィータとインデックス達は出会わなかった”。
アリサが転移により姿を消した時、紫穂は咄嗟にサイコメトリーを使い廃病院の空間情報を読み取っていた。
そして見つけたのだ。すぐ近くまで来ていたインデックス達の姿を。
(ヴィータに殺させても良かったんだけれど、何か説得の切り札でも有ったら厄介よね)
そもそもインデックスはヴィータが殺したはずなのだ。
にも関わらず彼女が生きていたという事は、ヴィータが殺し損ねた、あるいは殺さなかった事を意味している。
可能性は低いが、もし殺し損ねたのならその上で増援を連れてきた彼女の存在は警戒すべきだ。
そしてもし殺さなかったのであれば……。
ヴィータは、まだ堕ちきっていない事になる。
そして見つけたのだ。すぐ近くまで来ていたインデックス達の姿を。
(ヴィータに殺させても良かったんだけれど、何か説得の切り札でも有ったら厄介よね)
そもそもインデックスはヴィータが殺したはずなのだ。
にも関わらず彼女が生きていたという事は、ヴィータが殺し損ねた、あるいは殺さなかった事を意味している。
可能性は低いが、もし殺し損ねたのならその上で増援を連れてきた彼女の存在は警戒すべきだ。
そしてもし殺さなかったのであれば……。
ヴィータは、まだ堕ちきっていない事になる。
(うふふ、ごめんね。おかしくないというのはウソよ。
だってあなたがおかしくてたまらないもの。
双葉ちゃん……あなたにとっては見ず知らずの、でも罪の無い少女が私に惨殺された事を黙認したじゃない。
それどころかアリサちゃん……元の世界の友人にまで情報を求めて刃を向けたんでしょう。
大体殺し合いに乗ったのは誰の意思かしら? 私は何にも口出ししなかったわ。
それなのに、この島に来てから短い間を共にしただけでも仲間は殺したくないなんていうの?
ふふ……あははははっ、ダメ、おかしくて吹き出しちゃいそう! 本当におかしい!)
紫穂は内心の笑いを堪えながら、何とも無い様子で休憩の準備を始める。
適当な、瓦礫の少ない病室を選んでベッドに腰掛け、食事の準備をしていく。
アリサには逃げられてしまったのだから、とりあえずは休む事にした。
だってあなたがおかしくてたまらないもの。
双葉ちゃん……あなたにとっては見ず知らずの、でも罪の無い少女が私に惨殺された事を黙認したじゃない。
それどころかアリサちゃん……元の世界の友人にまで情報を求めて刃を向けたんでしょう。
大体殺し合いに乗ったのは誰の意思かしら? 私は何にも口出ししなかったわ。
それなのに、この島に来てから短い間を共にしただけでも仲間は殺したくないなんていうの?
ふふ……あははははっ、ダメ、おかしくて吹き出しちゃいそう! 本当におかしい!)
紫穂は内心の笑いを堪えながら、何とも無い様子で休憩の準備を始める。
適当な、瓦礫の少ない病室を選んでベッドに腰掛け、食事の準備をしていく。
アリサには逃げられてしまったのだから、とりあえずは休む事にした。
「くそ、本当に何か見たのか!? 適当言ったんじゃないだろうな?」
騒ぎ立てるヴィータを無視して支度する。
「大体……なんでアリサを殺そうとしたんだよ? おい!?」
(ああ、だけどちょっとはかまってあげてもいいかしら?)
それなりに理論武装はするのだろうけど、彼女の友人を殺そうとした事に対する反論は滑稽だ。
何を言おうと、その根底に有るのは未練でしかないのだから。
くすりと笑い、だけどその前にパンを一口。それから水を一口喉に流し込んだ。
空腹の体にはそれさえも美味しかった。
「まともに話聞く気あるのかよ! まず食うのをやめろ!」
紫穂はなんともないという表情で、ヴィータへと向き直った。
「だって喉が渇いたもの。おなかも空いたし。あなたは空かないのかしら?」
今更アリサを殺そうとしたことなんて、あなたが気に病む事じゃないのだと。
そう、嘲う為に。
(ふふ、それにしてもあの子は本当にどこへ飛んだのかしらね?
のたれ死んでも面白いけど、もっと面白い様で再会してくれないかしら。
ヴィータがもっとどうしようもなく堕ちる切っ掛けになるように、ね)
夜は尚も更けていく。
騒ぎ立てるヴィータを無視して支度する。
「大体……なんでアリサを殺そうとしたんだよ? おい!?」
(ああ、だけどちょっとはかまってあげてもいいかしら?)
それなりに理論武装はするのだろうけど、彼女の友人を殺そうとした事に対する反論は滑稽だ。
何を言おうと、その根底に有るのは未練でしかないのだから。
くすりと笑い、だけどその前にパンを一口。それから水を一口喉に流し込んだ。
空腹の体にはそれさえも美味しかった。
「まともに話聞く気あるのかよ! まず食うのをやめろ!」
紫穂はなんともないという表情で、ヴィータへと向き直った。
「だって喉が渇いたもの。おなかも空いたし。あなたは空かないのかしら?」
今更アリサを殺そうとしたことなんて、あなたが気に病む事じゃないのだと。
そう、嘲う為に。
(ふふ、それにしてもあの子は本当にどこへ飛んだのかしらね?
のたれ死んでも面白いけど、もっと面白い様で再会してくれないかしら。
ヴィータがもっとどうしようもなく堕ちる切っ掛けになるように、ね)
夜は尚も更けていく。
【B-3/廃病院/1日目/夜中の終り頃】
※:この直後、第201話『まひるの星は琥珀色に -dolls and humans-』の描写へと続きます。
【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】
[状態]:精神汚染。
[装備]:邪剣ファフニール@TOS、ワルサーPPK(銀の銃弾5/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD
ショックガン@ドラえもん
[道具]:支給品一式×3(水1.5人分パン二人分弱-一食)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、
血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、きんのたま@ポケットモンスター、包帯、
双葉の肉片セット
[服装]:病人着
[思考]:せいぜい踊りなさい、お人形さん?
第一行動方針:利用できそうな仲間を探す
第二行動方針:参加者の復讐心や不和を煽る。
第三行動方針:邪魔者は消す。
基本行動方針:扇動、ステルス、実力行使、あらゆる手段を用いて殺し合いを加速させて楽しむ。
備考:紫穂は朝の放送ではやて殺害犯のことをヴィータに教える約束をしています。
※:この直後、第201話『まひるの星は琥珀色に -dolls and humans-』の描写へと続きます。
【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】
[状態]:精神汚染。
[装備]:邪剣ファフニール@TOS、ワルサーPPK(銀の銃弾5/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD
ショックガン@ドラえもん
[道具]:支給品一式×3(水1.5人分パン二人分弱-一食)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、
血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、きんのたま@ポケットモンスター、包帯、
双葉の肉片セット
[服装]:病人着
[思考]:せいぜい踊りなさい、お人形さん?
第一行動方針:利用できそうな仲間を探す
第二行動方針:参加者の復讐心や不和を煽る。
第三行動方針:邪魔者は消す。
基本行動方針:扇動、ステルス、実力行使、あらゆる手段を用いて殺し合いを加速させて楽しむ。
備考:紫穂は朝の放送ではやて殺害犯のことをヴィータに教える約束をしています。
【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:両腕に痺れが残っている、左足に火傷跡、左手爪全剥(痛みは減衰)
[装備]:祈りの指輪@DQ、フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品(食料・水二人分-1食)
ぬのハンカチ×20(即席ロープ)マシカルアンバーミサイル×6@メルティブラッド 、
救急箱、はやて特製チキンカレー入りタッパー、
[服装]:普段着(ドクロのTシャツ、縞模様のニーソックス等)
[思考]:話を聞け!
第一行動方針:一先ず紫穂に従う。
第二行動方針:はやてを殺した犯人を見つけ出し、殺す。
基本行動方針:もうどうでもいい。
[状態]:両腕に痺れが残っている、左足に火傷跡、左手爪全剥(痛みは減衰)
[装備]:祈りの指輪@DQ、フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア
[道具]:基本支給品(食料・水二人分-1食)
ぬのハンカチ×20(即席ロープ)マシカルアンバーミサイル×6@メルティブラッド 、
救急箱、はやて特製チキンカレー入りタッパー、
[服装]:普段着(ドクロのTシャツ、縞模様のニーソックス等)
[思考]:話を聞け!
第一行動方針:一先ず紫穂に従う。
第二行動方針:はやてを殺した犯人を見つけ出し、殺す。
基本行動方針:もうどうでもいい。
高町なのはは、ベッドの上で目を覚ましていた。
すぐ脇にあるメモにも気づいていた。
すぐ脇にあるメモにも気づいていた。
『私は貴方の味方です。貴方のそばで寝ているのが私です。
もし先に目が覚めてしまいましたら、私を起こしてください。
そしたら手足の拘束を解いてあげます。 ひめ 』
もし先に目が覚めてしまいましたら、私を起こしてください。
そしたら手足の拘束を解いてあげます。 ひめ 』
それでも彼女が“ひめ”を信じる理由は余りに薄弱だった。
あるいはそうでなく心理上の、例えば自罰的な理由だったのかもしれない。
彼女は細いワイヤーに拘束された両腕で足掻き出した。
ワイヤーが食い込んでいく。痛みを彼女に伝えていく。
高町なのはを縛るエーテライトはそう容易く千切れるような物では無いし、解くのも困難だ。
高町なのははそれを理解していた。
それでも足掻き続ける。もがき続ける。
何も叶わない、何も届かないちっぽけな世界で、ただひたすらに。
あるいはそうでなく心理上の、例えば自罰的な理由だったのかもしれない。
彼女は細いワイヤーに拘束された両腕で足掻き出した。
ワイヤーが食い込んでいく。痛みを彼女に伝えていく。
高町なのはを縛るエーテライトはそう容易く千切れるような物では無いし、解くのも困難だ。
高町なのははそれを理解していた。
それでも足掻き続ける。もがき続ける。
何も叶わない、何も届かないちっぽけな世界で、ただひたすらに。
足掻き続ける。
工場に誰かが訪れる気配は、まだ無かった。
【A-3/工場内部(仮眠室)/1日目/夜中】
※:この後、第201話『まひるの星は琥珀色に -dolls and humans-』の描写へと続きます。
【イヴ@BLACK CAT】
[状態]:左腹部に銃創(処置済み・回復中)、全身に中程度の打撲(回復中)、軽度の火傷、疲労感大、 睡眠中
[服装]:ゴロンの服
[装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に、バトルピック@テイルズオブシンフォニア
[道具]:支給品一式×6(水と食料少々減)、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT、
神楽の傘(弾0)@銀魂、 、魔晶石(15点分)、テーザー銃@ひぐらしのなく頃に、
ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、 林檎10個@DEATH NOTE、勇気ある者の盾@ソードワールド、
ドラゴンころし@ベルセルク 、エーテライト×1@MELTY BLOOD、ころばし屋@ドラえもん、
小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、胡蝶夢丸セット@東方Project、エルフの飲み薬×1(1/4程消費)@ドラゴンクエストⅤ、ご褒美ランドセル
[思考]:待っててね、スヴェン……。
第一行動方針:睡眠中
第二行動方針:「主人役」にはできるだけ他参加者の抹殺を進言し、なるべく早く全ての戦いを終わらせる。
第三行動方針:ブルーはもうどうでもいい。見つけたら殺す?
基本行動方針:マーダーチームの戦闘要員として行動し、最後の最後に「主人役」に牙を剥いて優勝する。
そして全てを忘れて、元の世界に戻る。
[備考]:第一回放送をまともに聞いていません。
ブルーが「4歳児の姿」になるのは、ブルー本人が持つ特殊能力だと信じています。
高町なのはを「主人役」として定めました。また、なのはには自分のことは隠し、『ひめっち』と名乗ることにしました。
髪を切りました。
ゴロンの服の特性に気付いていません。
※:この後、第201話『まひるの星は琥珀色に -dolls and humans-』の描写へと続きます。
【イヴ@BLACK CAT】
[状態]:左腹部に銃創(処置済み・回復中)、全身に中程度の打撲(回復中)、軽度の火傷、疲労感大、 睡眠中
[服装]:ゴロンの服
[装備]:スタンガン@ひぐらしのなく頃に、バトルピック@テイルズオブシンフォニア
[道具]:支給品一式×6(水と食料少々減)、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT、
神楽の傘(弾0)@銀魂、 、魔晶石(15点分)、テーザー銃@ひぐらしのなく頃に、
ロボ子の着ぐるみ@ぱにぽに、 林檎10個@DEATH NOTE、勇気ある者の盾@ソードワールド、
ドラゴンころし@ベルセルク 、エーテライト×1@MELTY BLOOD、ころばし屋@ドラえもん、
小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、胡蝶夢丸セット@東方Project、エルフの飲み薬×1(1/4程消費)@ドラゴンクエストⅤ、ご褒美ランドセル
[思考]:待っててね、スヴェン……。
第一行動方針:睡眠中
第二行動方針:「主人役」にはできるだけ他参加者の抹殺を進言し、なるべく早く全ての戦いを終わらせる。
第三行動方針:ブルーはもうどうでもいい。見つけたら殺す?
基本行動方針:マーダーチームの戦闘要員として行動し、最後の最後に「主人役」に牙を剥いて優勝する。
そして全てを忘れて、元の世界に戻る。
[備考]:第一回放送をまともに聞いていません。
ブルーが「4歳児の姿」になるのは、ブルー本人が持つ特殊能力だと信じています。
高町なのはを「主人役」として定めました。また、なのはには自分のことは隠し、『ひめっち』と名乗ることにしました。
髪を切りました。
ゴロンの服の特性に気付いていません。
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:魔力回復中、軽度の耳鳴り・聴覚への衝撃による頭痛、 両手首から軽く出血、精神負担大
[装備]:ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード×1(翔)@カードキャプターさくら
[道具]: なし
[思考]:――――
第一行動方針:拘束から逃れる?
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出?
※なのはのベッドにはイヴの書いた置手紙が置いてあります。
今の状態で起きても、手紙の内容は把握できる位置にあります。
[状態]:魔力回復中、軽度の耳鳴り・聴覚への衝撃による頭痛、 両手首から軽く出血、精神負担大
[装備]:ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード×1(翔)@カードキャプターさくら
[道具]: なし
[思考]:――――
第一行動方針:拘束から逃れる?
基本行動方針:ジェダを倒して生き残りで脱出?
※なのはのベッドにはイヴの書いた置手紙が置いてあります。
今の状態で起きても、手紙の内容は把握できる位置にあります。
* * *
『アリサさん――ヘルメスドライブを。はやてさんがやったことを』
「え――」
『早く!』
「え――」
『早く!』
ルビーの声に急かされ、アリサは念じた。
ヴィータの剣が迫り、紫穂の銃口が向けられる最中で、紫穂は思った。
どうしてこんな事になったのだろう?
ヴィータの剣が迫り、紫穂の銃口が向けられる最中で、紫穂は思った。
どうしてこんな事になったのだろう?
この世界はあまりに理不尽だった。
フェイトは何処かで殺されて、はやては積み重なった不運により、親友であるなのはに殺された。
そしてヴィータは――。
(どうしてこんな事になるのよ)
本当に理不尽だった。
世界そのものが許せなかった。
こんな世界に彼女達を放り込んだ――存在が、許せなかった。
フェイトは何処かで殺されて、はやては積み重なった不運により、親友であるなのはに殺された。
そしてヴィータは――。
(どうしてこんな事になるのよ)
本当に理不尽だった。
世界そのものが許せなかった。
こんな世界に彼女達を放り込んだ――存在が、許せなかった。
『大丈夫ですよ、アリサさん。転移成功です!』
「え……?」
アリサは薄ぼんやりとした闇の中で、目を開けた。
そして、見た。
「……ちょっと待った。ルビー、ここって一体……何処なの?」
『私は見たことが有りません。ですが……アリサさん、一体誰を思い浮かべました?』
「……それは…………」
足元は石畳のように整えられてはいるものの岩盤を刳り貫いたように荒々しく、
周囲を照らす蝋燭の揺らめきで一層不気味さを増している。
見覚えが、あった。
「え……?」
アリサは薄ぼんやりとした闇の中で、目を開けた。
そして、見た。
「……ちょっと待った。ルビー、ここって一体……何処なの?」
『私は見たことが有りません。ですが……アリサさん、一体誰を思い浮かべました?』
「……それは…………」
足元は石畳のように整えられてはいるものの岩盤を刳り貫いたように荒々しく、
周囲を照らす蝋燭の揺らめきで一層不気味さを増している。
見覚えが、あった。
「ふむ、ようこそと言うべきかな? アリサ・バニングス」
ぞくりと全身に怖気が走った。
(この声……!!)
手も足も、凍りついたように動かなかった。
頭は灼熱したように煮え立ち、何も考えられなかった。
視界までもが日に焼けた写真のように白く染まっていた。
激烈な感情が全てを塗り潰していた。
『誰ですか、あなたは!?』
ルビーの叫びが響く。
そう、ルビーは恐らくこいつの姿も声も知らないだろう。
だけどアリサは知っていた。こいつと出会っていた。
バトルロワイアルが始まってからずっと一緒に居たルビーの知らない、その前に出会った存在。
「そういえば支給品にまでは挨拶をしていなかったか。その意味も無いと思っていたのでね」
アリサは金縛りにあったように力の入らない全身へと力を送る。
渾身の力で体を動かし、振り返り、そいつの姿を目に映して……叫んだ。
「…………ジェダッ」
彼は鷹揚に頷いて、応えた。
「如何にも。私は魔界の救世主、冥王ジェダ=ドーマ。このバトルロワイアルの主催者だ。
参加者とは半日と少しぶりになったね」
アリサの目の前にバトルロワイアルの主催者がその姿を見せていた。
(この声……!!)
手も足も、凍りついたように動かなかった。
頭は灼熱したように煮え立ち、何も考えられなかった。
視界までもが日に焼けた写真のように白く染まっていた。
激烈な感情が全てを塗り潰していた。
『誰ですか、あなたは!?』
ルビーの叫びが響く。
そう、ルビーは恐らくこいつの姿も声も知らないだろう。
だけどアリサは知っていた。こいつと出会っていた。
バトルロワイアルが始まってからずっと一緒に居たルビーの知らない、その前に出会った存在。
「そういえば支給品にまでは挨拶をしていなかったか。その意味も無いと思っていたのでね」
アリサは金縛りにあったように力の入らない全身へと力を送る。
渾身の力で体を動かし、振り返り、そいつの姿を目に映して……叫んだ。
「…………ジェダッ」
彼は鷹揚に頷いて、応えた。
「如何にも。私は魔界の救世主、冥王ジェダ=ドーマ。このバトルロワイアルの主催者だ。
参加者とは半日と少しぶりになったね」
アリサの目の前にバトルロワイアルの主催者がその姿を見せていた。
『アリサさん逃げて!』
ルビーの声で、強張っていた体が動いた。
ジェダに背を向けて一目散に広間の入り口へと走り出す。
最初に連れて来られた時は閉まっていた扉も開いている。そこへ向けて、走った。
走る、駆ける、疾る!
(とにかくこの広間から逃げ出してそれから……っ)
ルビーの声で、強張っていた体が動いた。
ジェダに背を向けて一目散に広間の入り口へと走り出す。
最初に連れて来られた時は閉まっていた扉も開いている。そこへ向けて、走った。
走る、駆ける、疾る!
(とにかくこの広間から逃げ出してそれから……っ)
目の前に、虚ろな眼球が有った。
「ひあ!?」
尻餅を着いた。
息を呑んだその眼前に鋭いフォークが突きつけられる。それも、無数に。
「……シンニュウシャ」
まるで人の言葉そのものに慣れないような発音が聞こえた。
人間の少女と蜂を掛け合わせたような、ソウルビーがアリサの周囲を取り囲んでいた。
その中の一人、いや一匹が声を発している。Q-Beeだ。
「タベテ、イイ?」
(たべ……?)
アリサの怯えた眼を、Q-Beeの頭部にある奇妙な飾りが覗き込む。
Q-Beeの顔はアリサよりやや下を向いている。その眼には、何も映っていない。
アリサは唐突に閃いた。
(違う、これ飾りじゃない! これってまさか……眼……!?)
Q-Beeの眼は頭の飾りの方であり、顔に付いた眼球こそが飾り、ただの擬態なのだと。
「ひあ!?」
尻餅を着いた。
息を呑んだその眼前に鋭いフォークが突きつけられる。それも、無数に。
「……シンニュウシャ」
まるで人の言葉そのものに慣れないような発音が聞こえた。
人間の少女と蜂を掛け合わせたような、ソウルビーがアリサの周囲を取り囲んでいた。
その中の一人、いや一匹が声を発している。Q-Beeだ。
「タベテ、イイ?」
(たべ……?)
アリサの怯えた眼を、Q-Beeの頭部にある奇妙な飾りが覗き込む。
Q-Beeの顔はアリサよりやや下を向いている。その眼には、何も映っていない。
アリサは唐突に閃いた。
(違う、これ飾りじゃない! これってまさか……眼……!?)
Q-Beeの眼は頭の飾りの方であり、顔に付いた眼球こそが飾り、ただの擬態なのだと。
途端に喉から生理的な嫌悪感が込み上げて、アリサは思わず吐きそうになった。
頭部の飾りの方を眼球として認識した途端、ソウルビーはただヒトガタを摸しただけの、
人とは全く違うおぞましい怪物へと姿を変えていた。
美術の授業で見た、見方によって何が描いてあるか変わってしまう絵のようだった。
「……タベテ、イイノネ?」
「ひっ」
怯えの声が漏れ、喉元のフォークを更に強く突きつけられた。
思考は再度恐怖で塗り潰されて、フォークが無くても動けなかったかもしれない。
「いや、食べてはいけない」
頭部の飾りの方を眼球として認識した途端、ソウルビーはただヒトガタを摸しただけの、
人とは全く違うおぞましい怪物へと姿を変えていた。
美術の授業で見た、見方によって何が描いてあるか変わってしまう絵のようだった。
「……タベテ、イイノネ?」
「ひっ」
怯えの声が漏れ、喉元のフォークを更に強く突きつけられた。
思考は再度恐怖で塗り潰されて、フォークが無くても動けなかったかもしれない。
「いや、食べてはいけない」
皮肉にもそれを遮ったのは最も憎むべき声だった。
「今回は事故のようだからね。無知故の抵抗ではなく、未熟故の失敗にすぎない。
私は優しくは無いが、その程度は許す程度に寛容なのだよ。彼女は未だ参加者なのだから」
ジェダはそういって楽しげに笑う。
イレギュラーで参加者が主催の目前に現れた事態さえ、彼にとってはその程度なのだろうか。
「そういえば北東の街にご褒美はあげてきたのだったか。あそこは順調かね?」
「アゲテキタ。デモ、マダヨバレルカモシレナイノ」
「ふむ。あの町に居るご褒美の権利者は何人だね?」
「アトフタリ」
ジェダはふむと頷く。
「連続して呼ばれるかもしれないね。
毎回の報告は省略して構わない、後でこちらから聞きに行くとしよう」
「ワカッタ」
Q-Beeはフォークを引っ込めると、P-Bee達を引き連れて広間の扉から出て行く。
その背中にジェダが声をかけた。
「ああ、そうだ。P-Beeの一人には“物置”から物を取ってきてもらおうか」
「サガシモノ?」
ジェダは頷いて言った。
「私の力で無理矢理やれなくもないだろうが、ここは念を入れて物を使うとしよう。
この場合なら……未来世界と繋がっている地球に丁度いい物があったな。
第6番倉庫の23番だ。
そちらのカレイドステッキは同じ世界の物を使えばやりやすいか。
第15番倉庫の4番から取ってきたまえ。まだ一本くらいは残っていたはずだ」
P-Beeの一匹はこくりと頷き、Q-Beeとは逆の廊下へと消えて行った。
ソウルビーの群れは去り、再び広間にはジェダとアリサ、カレイドステッキが取り残される。
静かな、そしてどこか生々しい薄闇が広間を覆っている。
「今回は事故のようだからね。無知故の抵抗ではなく、未熟故の失敗にすぎない。
私は優しくは無いが、その程度は許す程度に寛容なのだよ。彼女は未だ参加者なのだから」
ジェダはそういって楽しげに笑う。
イレギュラーで参加者が主催の目前に現れた事態さえ、彼にとってはその程度なのだろうか。
「そういえば北東の街にご褒美はあげてきたのだったか。あそこは順調かね?」
「アゲテキタ。デモ、マダヨバレルカモシレナイノ」
「ふむ。あの町に居るご褒美の権利者は何人だね?」
「アトフタリ」
ジェダはふむと頷く。
「連続して呼ばれるかもしれないね。
毎回の報告は省略して構わない、後でこちらから聞きに行くとしよう」
「ワカッタ」
Q-Beeはフォークを引っ込めると、P-Bee達を引き連れて広間の扉から出て行く。
その背中にジェダが声をかけた。
「ああ、そうだ。P-Beeの一人には“物置”から物を取ってきてもらおうか」
「サガシモノ?」
ジェダは頷いて言った。
「私の力で無理矢理やれなくもないだろうが、ここは念を入れて物を使うとしよう。
この場合なら……未来世界と繋がっている地球に丁度いい物があったな。
第6番倉庫の23番だ。
そちらのカレイドステッキは同じ世界の物を使えばやりやすいか。
第15番倉庫の4番から取ってきたまえ。まだ一本くらいは残っていたはずだ」
P-Beeの一匹はこくりと頷き、Q-Beeとは逆の廊下へと消えて行った。
ソウルビーの群れは去り、再び広間にはジェダとアリサ、カレイドステッキが取り残される。
静かな、そしてどこか生々しい薄闇が広間を覆っている。
「な、なにをする気なのよ?」
不安げなアリサに対し、ジェダは優しく諭すように応えた。
「怖れる事は無い。私はまだ君を殺すつもりはないよ。
君にはもう一度あの会場に戻って殺し合いを続けてもらわなければならない」
殺し合い。そう、アリサはあの島で殺し合いを迫られていた。
あの島は、仲間や親友と殺しあう事を要求していた。
「……どうしてよ」
ほんとうに、どうして。
「この出会いはヘルメスドライブに生じた破損が偶然にも転移先の制限を外した為に過ぎない。
形態の固定など色々手を加えたせいか、武装錬金は少々不安定だったようだね。実に失礼した。
君をあの島に送り返す時はしっかりとロックを掛け直しておく。
安心して殺し合いに励んでくれたまえ」
「………………」
この救世主を語る悪魔は、どうして。
アリサは恐怖を怒りで塗り潰して、睨みつける。
腹から渾身の絶叫を搾り出した。
「どうしてわたし達が殺しあわなきゃならないのよ!
一体どうして、なんで、なんの為に! わたし達を殺し合わせてどうするつもりなのよ!!」
『ア、アリサさん、今歯向かったら……!』
カレイドステッキの制止も知ったこっちゃ無いと振り切った。
「答えなさい! 教えなさいよ、ジェダ! 一体、わたし達に何をさせようとしてるの!?」
例え如何なる理由が有ったところで許せるわけがない。
それでも救世主だのなんだのよく判らない説明だけで殺し合いをさせられるのが悔しかった。
何も知らされず、何も教えられずにただ駒として操られる事は悔しくて堪らなかった。
だから心底から激怒を吐き出した。
その怒りの声を受けて、ジェダはふむと鷹揚に頷くと、少し考え込んだ様子を見せた。
それから、応えた。
「良いだろう、教えてあげるとしよう。私の目的は“魂の救済”なのだよ」
……と。
不安げなアリサに対し、ジェダは優しく諭すように応えた。
「怖れる事は無い。私はまだ君を殺すつもりはないよ。
君にはもう一度あの会場に戻って殺し合いを続けてもらわなければならない」
殺し合い。そう、アリサはあの島で殺し合いを迫られていた。
あの島は、仲間や親友と殺しあう事を要求していた。
「……どうしてよ」
ほんとうに、どうして。
「この出会いはヘルメスドライブに生じた破損が偶然にも転移先の制限を外した為に過ぎない。
形態の固定など色々手を加えたせいか、武装錬金は少々不安定だったようだね。実に失礼した。
君をあの島に送り返す時はしっかりとロックを掛け直しておく。
安心して殺し合いに励んでくれたまえ」
「………………」
この救世主を語る悪魔は、どうして。
アリサは恐怖を怒りで塗り潰して、睨みつける。
腹から渾身の絶叫を搾り出した。
「どうしてわたし達が殺しあわなきゃならないのよ!
一体どうして、なんで、なんの為に! わたし達を殺し合わせてどうするつもりなのよ!!」
『ア、アリサさん、今歯向かったら……!』
カレイドステッキの制止も知ったこっちゃ無いと振り切った。
「答えなさい! 教えなさいよ、ジェダ! 一体、わたし達に何をさせようとしてるの!?」
例え如何なる理由が有ったところで許せるわけがない。
それでも救世主だのなんだのよく判らない説明だけで殺し合いをさせられるのが悔しかった。
何も知らされず、何も教えられずにただ駒として操られる事は悔しくて堪らなかった。
だから心底から激怒を吐き出した。
その怒りの声を受けて、ジェダはふむと鷹揚に頷くと、少し考え込んだ様子を見せた。
それから、応えた。
「良いだろう、教えてあげるとしよう。私の目的は“魂の救済”なのだよ」
……と。
「残念ながら魔界は今、徐々に滅亡へと進んでいる。いや、魔界だけではない。
どの世界も争いを消し去ることは叶わず、人々は争いいがみ合い、魂は苦しみ続けている。
全ての生きとし生ける物は緩慢なる滅亡へと進んでいるのだ。
実に嘆かわしく、悲しい事だよ」
芝居がかった口調でジェダは語る。
だが、その言葉には心底からの憎しみと嘲りが篭められている。
「全ての魂には安息が必要なのだ。
君たちのような未熟な短命の者が理解するのは難しいかもしれないがね。
いやなに、これは君だけが悪いわけではないよ。
永遠を生きるダークストーカー達すら未来の事を放置しているのだからね。
緩やかな滅亡へと転げ落ちていくというのに、それをただ座して観続けているのだ。
誰もこの世を救世しようとしないのだ!」
傲慢なる絶望と倦怠を胸に、ジェダは救世を語る。
アリサには例え理解できても認められる筈が無い理由を。
「ふざけないでよ! 殺し合わせてるのはあんたの方じゃない!」
アリサの胸には正当な憤怒がある。
燃え盛る怒りを言葉に替えて、アリサは救世を否定する。
「本当にそう思うかね?」
「え…………?」
ジェダの言葉など何一つ理解できはしない。
「君が出会った者達は本当に、この島以外で出会えば殺し合わず済んだのかね?」
「何よそんなの、当然でしょ!? あんたが殺し合いを強要したんじゃない!」
アリサは迷わずに信じる答えを突き返す。
あんな島に居ても、殺し合いに乗る事は許せない事だと思う。
アリサを襲った奴らの中には問答無用で襲ってきた奴だって居た。
だけどそれも、きっと全部あんな島に居たせいだと信じていた。
(それにこの島に居なければあんな事故だって起こらなかった!)
“親友の高町なのはが同じく親友である八神はやてを焼き殺す”なんて事、
この島でなければ絶対に起こらなかったはずだ。
それは信頼という以前に厳然たる事実なのだから。
どの世界も争いを消し去ることは叶わず、人々は争いいがみ合い、魂は苦しみ続けている。
全ての生きとし生ける物は緩慢なる滅亡へと進んでいるのだ。
実に嘆かわしく、悲しい事だよ」
芝居がかった口調でジェダは語る。
だが、その言葉には心底からの憎しみと嘲りが篭められている。
「全ての魂には安息が必要なのだ。
君たちのような未熟な短命の者が理解するのは難しいかもしれないがね。
いやなに、これは君だけが悪いわけではないよ。
永遠を生きるダークストーカー達すら未来の事を放置しているのだからね。
緩やかな滅亡へと転げ落ちていくというのに、それをただ座して観続けているのだ。
誰もこの世を救世しようとしないのだ!」
傲慢なる絶望と倦怠を胸に、ジェダは救世を語る。
アリサには例え理解できても認められる筈が無い理由を。
「ふざけないでよ! 殺し合わせてるのはあんたの方じゃない!」
アリサの胸には正当な憤怒がある。
燃え盛る怒りを言葉に替えて、アリサは救世を否定する。
「本当にそう思うかね?」
「え…………?」
ジェダの言葉など何一つ理解できはしない。
「君が出会った者達は本当に、この島以外で出会えば殺し合わず済んだのかね?」
「何よそんなの、当然でしょ!? あんたが殺し合いを強要したんじゃない!」
アリサは迷わずに信じる答えを突き返す。
あんな島に居ても、殺し合いに乗る事は許せない事だと思う。
アリサを襲った奴らの中には問答無用で襲ってきた奴だって居た。
だけどそれも、きっと全部あんな島に居たせいだと信じていた。
(それにこの島に居なければあんな事故だって起こらなかった!)
“親友の高町なのはが同じく親友である八神はやてを焼き殺す”なんて事、
この島でなければ絶対に起こらなかったはずだ。
それは信頼という以前に厳然たる事実なのだから。
「如何にも私が君達を殺し合わせている。だが」
ジェダは嗤う。
「君達を連れてきた世界の多くにも、戦いは存在した」
「こんな酷い殺し合いじゃなかった!」
「小さな被害で収まる幸運もあれば、そうでない不幸も有った」
「幸運なんて言葉で片付けないで。なのは達はすごくがんばって、それで……」
「このバトルロワイアルでは不幸を生んだわけだ」
「っ!」
全ての者を憐れむように、ジェダは圧倒的な上位からアリサを見下ろしている。
「なに、仕方の無い事だとも。君達は全てを見通す瞳も全てを理解する知恵も持たない。
故に惑い、苦しみ、擦れ違い、傷つけ合い、悶え続ける。
君達の器は神経電流と脳内麻薬から生まれる稚拙な感情で輝ける魂を振り回す。
実に哀れな事だ」
傲慢なる憐憫が理解を拒む。
アリサの前には理不尽が立っている。
ジェダは嗤う。
「君達を連れてきた世界の多くにも、戦いは存在した」
「こんな酷い殺し合いじゃなかった!」
「小さな被害で収まる幸運もあれば、そうでない不幸も有った」
「幸運なんて言葉で片付けないで。なのは達はすごくがんばって、それで……」
「このバトルロワイアルでは不幸を生んだわけだ」
「っ!」
全ての者を憐れむように、ジェダは圧倒的な上位からアリサを見下ろしている。
「なに、仕方の無い事だとも。君達は全てを見通す瞳も全てを理解する知恵も持たない。
故に惑い、苦しみ、擦れ違い、傷つけ合い、悶え続ける。
君達の器は神経電流と脳内麻薬から生まれる稚拙な感情で輝ける魂を振り回す。
実に哀れな事だ」
傲慢なる憐憫が理解を拒む。
アリサの前には理不尽が立っている。
『それで、具体的にはどうするつもりなんですか?』
「ルビー……?」
魔法の杖がそれに抗した。
『人間が未熟で不完全でうっかりすっとこどっこいなおっちょこちょいだとして』
「ちょ、ちょっとそこまで言われてないでしょルビー!?」
“いつも通りの”ツッコミがカレイドステッキに入る。
ルビーは何処吹く風とそれを流し、ジェダに質問を投げかけた。
『冥王様はどうやってそんな魂を救済するんでしょうねー?』
相手を理解する事は相手に屈さず、場を支配しようとする挑戦に繋がるのだから。
ジェダは嘲うように答えた。
「参加者には伝えたのだがね。
君達には世界を救うためにお互いに魂の選定、”殺し合い”をしてもらう、と。
そして選ばれし魂の持ち主、つまり最期まで生き残った一人を救世主として迎えよう」
ジェダはこの広間で最初に告げた言葉を繰り返す。
「ルビー……?」
魔法の杖がそれに抗した。
『人間が未熟で不完全でうっかりすっとこどっこいなおっちょこちょいだとして』
「ちょ、ちょっとそこまで言われてないでしょルビー!?」
“いつも通りの”ツッコミがカレイドステッキに入る。
ルビーは何処吹く風とそれを流し、ジェダに質問を投げかけた。
『冥王様はどうやってそんな魂を救済するんでしょうねー?』
相手を理解する事は相手に屈さず、場を支配しようとする挑戦に繋がるのだから。
ジェダは嘲うように答えた。
「参加者には伝えたのだがね。
君達には世界を救うためにお互いに魂の選定、”殺し合い”をしてもらう、と。
そして選ばれし魂の持ち主、つまり最期まで生き残った一人を救世主として迎えよう」
ジェダはこの広間で最初に告げた言葉を繰り返す。
――その瞬間、一つの閃きと共にアリサの体を強烈な寒気が貫いた。
『答えになってませんよ。殺し合いで生き残ったからってその子に何が出来るんですか?
仮に一人で他の全てを殺したとしても、数十人殺しただけで第六法に辿り着けるとでも?』
「第六法。ふむ、その杖を持ってきた世界における世界を救う秘法だったかね?
滅亡という未来に気づき打開を挑む者が出ている事は実に素晴らしい。
悲しいかな人の身では、人を捨てても第六法に辿り着ける気配は無いようだがね」
仮に一人で他の全てを殺したとしても、数十人殺しただけで第六法に辿り着けるとでも?』
「第六法。ふむ、その杖を持ってきた世界における世界を救う秘法だったかね?
滅亡という未来に気づき打開を挑む者が出ている事は実に素晴らしい。
悲しいかな人の身では、人を捨てても第六法に辿り着ける気配は無いようだがね」
『……その第六法に、たかだか八十余命で挑むつもりですか?』
「勿論だとも。残念だが、たかが杖に理解できると思うほど私は楽天的ではないよ」
「勿論だとも。残念だが、たかが杖に理解できると思うほど私は楽天的ではないよ」
(まさ……か……?)
最期まで生き残った一人が救世主。
その言葉の意味がアリサに重くのしかかる。
アリサにはジェダの力がどういうものかなど判らない。
血液による不気味な格闘術や、この殺し合いを運営する絶大な力がある事しか知らない。
魔術や魔法に関する知識だって、どんな事が出来てどんな事が出来ないのか知らない事だらけだ。
だけど、それでもある事に気づいた。
魔界の救世主、ジェダ。……それは、どうして?
「最期に残った一人が救世主だっていうなら……なんであんたは、魔界の救世主なんて名乗ってんのよ?
まるで優勝者と自分を同一視しているみたいじゃない!」
思い出す。ジェダの目的は救済だと謳った。
『私以外の者達は愚かだから互いに争ってしまう』のだと。
それは単純な直結だ。だがもしかしたらその解決方法は。
その示す答えは。
この殺し合いの中で何を選び最期に生き残ったとしても。
その先には一切の救いが用意されていない。
そんな未来にしか思えない。
「まるで……世界にはあんた以外に誰も要らないみたいじゃない!?」
最期まで生き残った一人が救世主。
その言葉の意味がアリサに重くのしかかる。
アリサにはジェダの力がどういうものかなど判らない。
血液による不気味な格闘術や、この殺し合いを運営する絶大な力がある事しか知らない。
魔術や魔法に関する知識だって、どんな事が出来てどんな事が出来ないのか知らない事だらけだ。
だけど、それでもある事に気づいた。
魔界の救世主、ジェダ。……それは、どうして?
「最期に残った一人が救世主だっていうなら……なんであんたは、魔界の救世主なんて名乗ってんのよ?
まるで優勝者と自分を同一視しているみたいじゃない!」
思い出す。ジェダの目的は救済だと謳った。
『私以外の者達は愚かだから互いに争ってしまう』のだと。
それは単純な直結だ。だがもしかしたらその解決方法は。
その示す答えは。
この殺し合いの中で何を選び最期に生き残ったとしても。
その先には一切の救いが用意されていない。
そんな未来にしか思えない。
「まるで……世界にはあんた以外に誰も要らないみたいじゃない!?」
アリサの推測にルビーも動揺しながら、思い当たった。
『まさか……糧とするつもりですか? 生き残った子供に何かをさせるのではなく、
その子供と死んでいった子供達を糧にして、あなたの目的を成就すると……!?』
この島にかき集められた強大な力を持った数多くの子供達。
とはいえ幾ら優勝者としてどれほど優れた子供が残ろうと、その一人に何かをさせるのは難しいだろう。
その一人だけでは。
だが殺し合いの中で高まった魂を全て解かして回収すれば、そのエネルギーは絶大だ。
更に、それをジェダが使えば?
ルビーの魔術知識に分類するならば平行世界管理といった魔法にさえ達している、
強大な、且つルビーの魔術知識に無いものまで含まれうる力を持ったジェダが使いこなせば?
(有り得る。ジェダが何をするつもりなのかは判りませんけど……何が出来ても可笑しくは無い!)
アリサの恐怖とルビーの懸念が、ジェダの傲慢を見つめている。
ジェダはうっすらと唇の端をゆがめて。
「ククク……クハ、ハハハ、ヒャハハハハハハハハハッ!!」
甲高い哄笑を上げた。
『まさか……糧とするつもりですか? 生き残った子供に何かをさせるのではなく、
その子供と死んでいった子供達を糧にして、あなたの目的を成就すると……!?』
この島にかき集められた強大な力を持った数多くの子供達。
とはいえ幾ら優勝者としてどれほど優れた子供が残ろうと、その一人に何かをさせるのは難しいだろう。
その一人だけでは。
だが殺し合いの中で高まった魂を全て解かして回収すれば、そのエネルギーは絶大だ。
更に、それをジェダが使えば?
ルビーの魔術知識に分類するならば平行世界管理といった魔法にさえ達している、
強大な、且つルビーの魔術知識に無いものまで含まれうる力を持ったジェダが使いこなせば?
(有り得る。ジェダが何をするつもりなのかは判りませんけど……何が出来ても可笑しくは無い!)
アリサの恐怖とルビーの懸念が、ジェダの傲慢を見つめている。
ジェダはうっすらと唇の端をゆがめて。
「ククク……クハ、ハハハ、ヒャハハハハハハハハハッ!!」
甲高い哄笑を上げた。
「実に興味深い。君達の知恵と勇気は私にとって実に好ましいものだよ。
君達の問いに答え、もう少し話してやるのも面白いだろう。だが」
ジェダは話を打ち切り、アリサの背後を見た。
「どうやらP-Beeは捜し物を終えたらしい。余興はここまでにしよう」
「――っ!?」
君達の問いに答え、もう少し話してやるのも面白いだろう。だが」
ジェダは話を打ち切り、アリサの背後を見た。
「どうやらP-Beeは捜し物を終えたらしい。余興はここまでにしよう」
「――っ!?」
いつの間にか、背後にはあの少女を模した蜂の怪物が浮かんでいた。
その右手には奇妙な棒。
その左手には、一見して何も持っていないように見えるほど細い、一本の糸を持っていた。
「ワスレンボー……エーテライト……モッテキタ……」
アリサの横をすり抜け、P-Beeはその二つをジェダに手渡した。
「な、なにをするつもりなの!?」
警戒するアリサ。ジェダは答える。
「なに、先ほど言った通り君は事故で来たにすぎない。
それにその知性、魂の輝き、何れも素晴らしいものだ。
もしかしたらもう少し精錬される可能性を思うと、ここで殺すのは愚かしいだろう?」
ジェダは棒を手に取り、操作部分を何か弄っていた。
「ふむ、時間設定はこんなところか。正確に消せるよう、注意しなければいけないね」
「だから何の話を……」
ジェダは応えた。
「このワスレンボーで、君がこの場所において見聞きした事を全て忘れてもらった上で送り返すとしよう。
君のヘルメスドライブの機能から考えて、高町なのはの居る工場に送るのがいいか。
それからこっちのエーテライトはそのカレイドステッキ用だ。
霊子をハッキングして君の記録を消すとしよう。私なら十分にできる。
そういうわけだ、暫し眠りたまえ。目覚めれば君達はまた、あの島に居る」
「この、そう簡単に……!?」
思う通りになってたまるものかと武器を構えようとした瞬間。
いつの間にか足元に広がっていた血溜まりから伸びる巨大な腕が、アリサの自由を奪っていた。
「しまった……!?」
『この状況を打破できる衣装は……ダメ、手が無い……!!』
動きを封じられたアリサとルビーの元に、ゆっくりと歩み寄っていくジェダ。
その右手には奇妙な棒。
その左手には、一見して何も持っていないように見えるほど細い、一本の糸を持っていた。
「ワスレンボー……エーテライト……モッテキタ……」
アリサの横をすり抜け、P-Beeはその二つをジェダに手渡した。
「な、なにをするつもりなの!?」
警戒するアリサ。ジェダは答える。
「なに、先ほど言った通り君は事故で来たにすぎない。
それにその知性、魂の輝き、何れも素晴らしいものだ。
もしかしたらもう少し精錬される可能性を思うと、ここで殺すのは愚かしいだろう?」
ジェダは棒を手に取り、操作部分を何か弄っていた。
「ふむ、時間設定はこんなところか。正確に消せるよう、注意しなければいけないね」
「だから何の話を……」
ジェダは応えた。
「このワスレンボーで、君がこの場所において見聞きした事を全て忘れてもらった上で送り返すとしよう。
君のヘルメスドライブの機能から考えて、高町なのはの居る工場に送るのがいいか。
それからこっちのエーテライトはそのカレイドステッキ用だ。
霊子をハッキングして君の記録を消すとしよう。私なら十分にできる。
そういうわけだ、暫し眠りたまえ。目覚めれば君達はまた、あの島に居る」
「この、そう簡単に……!?」
思う通りになってたまるものかと武器を構えようとした瞬間。
いつの間にか足元に広がっていた血溜まりから伸びる巨大な腕が、アリサの自由を奪っていた。
「しまった……!?」
『この状況を打破できる衣装は……ダメ、手が無い……!!』
動きを封じられたアリサとルビーの元に、ゆっくりと歩み寄っていくジェダ。
そして…………。
* * *
「……痛っ」
何か、金属が降ってきた。頭にこつりと当たり痛みを伝えてくる。
『大丈夫ですよ、アリサさん。転移成功です!』
「……ここは」
目を開ける。降ってきたのはただのガラクタらしい。
場所は……どこかの施設の中だと言う事しか、分からない。
何か、金属が降ってきた。頭にこつりと当たり痛みを伝えてくる。
『大丈夫ですよ、アリサさん。転移成功です!』
「……ここは」
目を開ける。降ってきたのはただのガラクタらしい。
場所は……どこかの施設の中だと言う事しか、分からない。
「……どこ?」
『アリサさんは誰をイメージしましたか?』
アリサは少し考えた末に、応えた。
「なのはだと思う、けど……」
アリサは自信なさげに応えた。
『多分、ヘルメスドライブに傷が付いていたからですね。
それで空間転移にズレが生じるようになったんでしょう。
いしのなかにいる、なんてことにならなくてよかったですね~』
『アリサさんは誰をイメージしましたか?』
アリサは少し考えた末に、応えた。
「なのはだと思う、けど……」
アリサは自信なさげに応えた。
『多分、ヘルメスドライブに傷が付いていたからですね。
それで空間転移にズレが生じるようになったんでしょう。
いしのなかにいる、なんてことにならなくてよかったですね~』
アリサの記憶にも、ルビーの記録にも、ジェダと遭遇した事柄は何一つ残されていなかった。
【A-3/工場/1日目/真夜中】
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲、軽度)、背中から出血(切り傷、深い)
上記の怪我は全て応急処置済み。
精一杯の強がりと確固たる意志。
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:ヘルメスドライブ@武装錬金(破損中、使用者登録なし、再使用可能時間不明)、はやての左腕
[服装]:割烹着
[思考]:ここになのはが居るの……?
第一行動方針:なのはを見つけ出し、はやての腕に謝らせ、その暴走を止める。
第二行動方針:トマの仲間達とも合流したい。
基本行動方針:ゲームからの脱出。
[備考]:マジカルルビーは、金髪の少女(イヴ)について以下のように認識しました。
・少なくとも、殺人を躊躇する参加者ではない。
・はやてにより、リリカルなのはの世界観と参加者の情報を得ています。
※:ヘルメスドライブにより冥王城へと転移し、ジェダと遭遇しましたが、
アリサもカレイドステッキもその内容を覚えていません。
※:この後、『星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-』の描写へと続きます。
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:全身に軽い火傷(右腕・顔は無事)、左腕から出血(打撲、軽度)、背中から出血(切り傷、深い)
上記の怪我は全て応急処置済み。
精一杯の強がりと確固たる意志。
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ、カレイドステッキ@Fate/stay night
[道具]:ヘルメスドライブ@武装錬金(破損中、使用者登録なし、再使用可能時間不明)、はやての左腕
[服装]:割烹着
[思考]:ここになのはが居るの……?
第一行動方針:なのはを見つけ出し、はやての腕に謝らせ、その暴走を止める。
第二行動方針:トマの仲間達とも合流したい。
基本行動方針:ゲームからの脱出。
[備考]:マジカルルビーは、金髪の少女(イヴ)について以下のように認識しました。
・少なくとも、殺人を躊躇する参加者ではない。
・はやてにより、リリカルなのはの世界観と参加者の情報を得ています。
※:ヘルメスドライブにより冥王城へと転移し、ジェダと遭遇しましたが、
アリサもカレイドステッキもその内容を覚えていません。
※:この後、『星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-』の描写へと続きます。
【ワスレンボー@ドラえもん】
頭を突くと記憶を消せる棒。時間指定する事ができる。
頭を突くと記憶を消せる棒。時間指定する事ができる。
≪237:分岐 | 時系列順に読む | 239:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician-≫ |
≪237:おしろななふしぎ | 投下順に読む | 239:好き好き大好き愛してる。≫ |
≪236:みかけハこハゐがとんだいゝ人だ | リンクの登場SSを読む | 242:許されざる者(前編)≫ |
≪236:みかけハこハゐがとんだいゝ人だ | インデックスの登場SSを読む | 242:許されざる者(前編)≫ |
≪201:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- | 紫穂の登場SSを読む | 245:臨時放送、あるいはイレギュラー≫ 248:ワルプルギスの夜/宴の支度≫ |
≪201:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- | ヴィータの登場SSを読む | 245:臨時放送、あるいはイレギュラー≫ 248:ワルプルギスの夜/宴の支度≫ |
≪201:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- | イヴの登場SSを読む | 245:臨時放送、あるいはイレギュラー≫ 248:ワルプルギスの夜/宴の支度≫ |
≪201:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- | なのはの登場SSを読む | 242:許されざる者(前編)≫ |
≪201:星は届かぬ空から堕ちる -Artificial magician- | アリサの登場SSを読む | 242:許されざる者(前編)≫ |