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冬を過ごす者よ、それは長く続く
決して終わることのない冬であるやもしれぬ
霜と吹雪に打ち克ち
風と涙に耐え ついにやってきたその春は
お前の死体の上に暖かな陽差しを降り注ぐやもしれぬ
されば心を青き刃のように研ぎ澄まし
千年の冬に耐えられるように備えよ
必ず生き残らねばならぬ
必ず生き残らねばならぬ
必ず生き残らねばならぬ
…
…… ……… …? …… ……どこ?ここ。 …ああ…………お母さん、か。 生まれたくなかったなあ…… でも死んだら困るよね? ……じゃあ生きていくしかないね。 にしてもここ人少ないなあ…ワタシ以外にいないんじゃなかろうか。 ま、綺麗だからいいけど。 とにかく他の弟妹達が目覚めるまで待ってようっと。 周りのものを壊してたら少しは暇潰しになるだろうし。 |
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はあ…
やっぱりさ、ワタシが一番先に目覚めたんだからワタシが一番強くてもいいと思うんだ。 白がすんごい強いなんて聞いてないよ… 確かにね?お母さんが中にいるとはいえ、長女のワタシが負けるってさあ…なんか、こう… 姉としての威厳というか… 最年長としての自覚かな? ぶち壊された気分。 憂さ晴らしに何か壊そっと。 お母さんが創った 嫌よ、そんなものは。 ワタシは自由に生きていくの。 ならばやることはひとつだけ。 無限世界も魔界も天界も、大地獄も冥界も、全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部壊し尽くして、塵すらも破壊して、 ……また独りになりましょう。 |
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??「おっ、噂通りいるじゃ〜ん。君が【原初の水】?」
………誰? ??「誰って…酷いなあ。私は正真正銘カナ・アナベラルちゃんだぞ☆」 ……カナ・アナベラル。それがアナタの名前。 カナ「そそ、物覚えがよくて助かるよ〜。」 …ワタシが怖くないの? カナ「君が、怖い?そんな訳ないじゃん。むしろ可愛いよ。」 …そうなのね。でも、ここにいたらいずれ壊れる。 カナ「うーん、壊れる、かあ。壊れても、それが望まれた結末なら受け入れられるに一票。」 …アナタ本当に命知らずなのね。 カナ「だって私は幽霊族だし?命は一般的な定義だと無いかな〜。」 まさか本当に命が無いとは… カナ「いいでしょ!まあ神話を引き継いだのが幽霊ってのも中々皮肉ってると思うけどね…」 はあ… それで、アナタはここに居続けるの? カナ「うーーーーーん、そうだねえ…」 「危なくなったら逃げる、かな!」
危なくなったらって…はあ。
カナ「危なくなるまでは居続けるよ!元々プリンを布教するつもりでここに来たんだし!」 ぷ、ぷりん…? カナ「…えっ、もしかして知らない?」 え、ええ…何その貧弱そうな名前… カナ「貧弱って…(´・ω・`)まあ殴るのに使うものでもないし…」 で、そのぷりん?とやらは何なの? カナ「ゴソゴソ…あった、これこれ!」テテーン …え、これがプリン?もっと変な形を思い浮かべてたんだけど… カナ「変な形とは失礼な!これは焼きプリンと言ってだね…」 口調変わってるわよ。 それにしても鮮やかな黄色ね。 カナ「そうでしょそうでしょ!」 一応聞くけど、これ食べ物よね…? カナ「そうだよ?」 すごいプルプルしてて食べ物に見えないのよね。 カナ「え」 まあアナタがそのくらい推すなら美味しいのでしょうけど…パクッ。 … …… 美味しい!!! 美味しすぎる!!! 何この甘味!?初めて経験するレベルの甘さよ!? カナ「えへへ、よかった〜!そうだ、君に会わせたい友達がいるんだ!」 あら、そうなの? |
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それで、会わせたい人って誰?
カナ「そうだねえ、覚えてないかもしれないけど君の直系だよ。」 …え? ……え??? ええええええええええ!?!? ワタシの!? 直系の悪魔!?!? そんなのいたっけ!?!?!? お赤飯!!!お赤飯炊かないと!!!! カナ「なんかやけにテンション高いね。」 だってワタシの直系なんて今までいないと思ってたのよ!? カナ「…自分でも分かってなかったんだね」 だ、だってちょっと前まで他の存在に興味なんてなかったし… カナ「あっ、それなら納得。とりあえず明日呼んでくるよ!」
〜翌日〜
カナ「じゃ、出てきてね!」
???「…えー、母…呼びでいいのかな…よろしく。私の名前はデウス・ガロア。横のバカの言う通り貴女の直系よ。」 よろしく、ガロア。母呼びは何かむずがゆいから好きなように呼んでもらっていいわよ。 ガロア「ありがとう。後で考えておくわ。」 カナ「そういや私もどう呼ぶか考えてなかったなあ…」 …今更じゃない?もうどうとでもいいし。 ガロア「…そうね、もうそうしましょう。考えるのも少し面倒だと思っていたところだし。」 それでいいんだ、それで…まあ、よろしく、ガロア! |
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カナ「あー…」
どうしたの? カナ「暇だな〜って。」 ガロア「暇ならもう少し工夫しなさいよ。何か作るとか」 カナ「それができたら苦労してないよ!うう…」 あ、そういやカナ幽霊族だったわね。忘れてた… カナ「忘れないでよ!もう…」 確かカナの持ってた力の中に『実体化』あったでしょ?それを使えばいいんじゃないの? カナ「そういやそんな力もあったね!中々覚えられなくてさ」 自分の力ならちゃんと覚えときなさいよ… …あと、そこにいるのは誰かしら。 ???「あ、バレたか。まあ仕方ないか、特に気配は隠してもなかったし」 で、何の用? ???「いやあ、別にお前達に用がある訳じゃないさ。別の用事でここに来たんだが、偶然見つけたもので」 …嘘はよくないわよ。 ???「まあ…流石にバレるよな。視察だよ視察。ちゃんと運命通りに事が運んでるかってやつだ。」 そう?それならいいけど。 ただし、あの子達に手を出したらどうなるか分かってるわよね? ???「おお怖い怖い。流石にそんな事はしないさ。勝てるか分からん相手に喧嘩を売る程暇じゃなくてな」 なら帰ってくれる? ???「はいはい、帰りますよ〜。」シュッ …はあ、誰だったのかしら。 ガロア「あら、さっきの人もう帰ったの?」 カナ「プリン布教しようと思ったのに〜。」 プリンを布教するのはいいけど、危険な事には首を突っ込まないで? カナ「は〜い。」 |
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カナ「そうそう、ここの外すごい綺麗なんだよ!見ないと絶対損する!」
そういや魔界の外に出たことなかったわね… 今度機会があったら外に出てみようかしら。 カナ「じゃあおすすめの場所とか紹介するからさ、一緒に何か食べに行こうよ!」 ガロア「今更だけど貴女初外出だったのね。初外出は映画とかのイメージがあるけど…」 映画? ガロア「映画っていうのはそうね…映像をスクリーンに映してそれを見る、みたいなものよ」 わざわざスクリーンに映すの? ガロア「そうじゃないと50人くらいの人が一度に見れないのよ。」 …そんな大人数でやるものなの!? ガロア「そうだけど…」 てっきり5人くらいで観るものかと… ガロア「…まあ分かってなかったらそう思うわよね…」 カナ「いつ行く?もう明日にしちゃう?」 何するかも決まってないのに!? カナ「あっ…」 ガロア「じゃあもう映画見に行きましょう、映画」 強引に決まったような気が…まあいいや! カナ「じ、じゃあ明日に映画観に行くって事でいい?」 …よし、そうしましょう! |
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いやあ楽しかったわね〜。
まさかヒロインが最後にサムズアップしながら溶鉱炉に落ちるなんて… カナ「私的には主人公のラストが好きかな〜。主人公の性格が私好みなのもあるけど。」 ガロア「あのねえ…もうちょっと主人公の心情の変化に目を向けてあげて?主人公が可哀想よ。」 でもワタシはヒロインの最後が一番印象的だったの。 ガロア「はいはい、確かにあれは印象的よね」 もうこの勢いであと一、二本くらい観る? カナ「体力凄くない!?もう疲れた〜…」 じゃあ明日にしましょうか。 ガロア「賛成…貴女本当に全部見たのよね?途中で寝たりは…」 そんなことするわけないじゃない。 ガロア「そうならいいけど…信じられない…17時間よ…?」 17時間程度どうってことないわよ? カナ「感覚おかしいって…他のお客さんほぼ仮死状態だったよ…」 まあまあ、そんなことは気にせずに… ガロア「気にせずにはいられないでしょ!?」 カナ「そうだよ!17時間ぶっ続けなんて耐えられないよ!」 そうは言われても…元々こういうものには慣れてるし… カナ「慣れてる、で済ましちゃいけないよ!!」 …はい、すみません。 カナ「ならよし。」 次回見に行くのいつにする? ガロア「そうよねえ…これでまだ三部作の一つだものね。」 もう明日にまた観に行きましょう。 カナ「……まあいいかぁ。1日経ったらいけるでしょ」 よしよしよしよし…決まったわね。 じゃあ明日4時にここに集合でいい? カナ「はいはーい、分かったよ!」 ガロア「早い…まあいいか」 あ、あと話しかけてたことって? カナ「ああ、その件だけどーーー」
………
…… … …… ………
…へえ、そんなプレゼントを?
カナ「うん、来月は君の誕生日でしょ?プレゼントしようかなって!」 いいわね、丁度飽きてきた頃だし。 カナ「じゃ、また明日!」 |
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やばいやばいやばいやばい!!
1時間寝坊した!! 絶対二人怒ってるわよね!? なんて言い訳しよう!?!? 忘れてた…は絶対許してくれない!! かと言って下手に言い訳しても自分の首を絞めるだけ… …もう正直に話しましょう、それが一番ね。
〜待ち合わせ場所にて〜
…
…… ……… …………え? なんで……なんで…? ……なんでっ!!二人の!!二人の死体がっ!! なんで…なんで!!! なんで私は間に合わなかった!! なんで私はこんな時に限って何もできないの!! いつも迷惑かけてばっかだし…今みたいな、二人に危害が及びそうな時にだけ…何もできなくて…
…もういいか。
あの二人が死んだ今、ワタシを繋ぎ止めるものはもうどこにも存在しない。 思い切り暴れても叱られないし、全て壊しても誰にも怒られない。
…やっぱり、ワタシは孤独しかないんだね。
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…
…… ……… …… … まずい、俺達はとんでもないものを呼び起こしてしまったらしい。 僧侶、回復魔法を準備しておけ! 僧侶「わ、分かりました!」 魔法使い「…あの身の毛もよだつ程の殺気と存在感はかなり高位の…それも原初クラスの恐怖…」 まさか…まさかあいつは原初!? そうだとすれば危険だ、すぐに逃げーーーー
ガンッ
¿??「キャハハ、キャハハハハハハハハハハハハハハハ」
…
…… ……… …… … あは、あは、あははははははははは。 楽しい。 とても愉しい。 脳髄を焼くような快感。 もっと、もっとーー
《それは駄目。君の力は正しいことに使われなければならない。》
……誰、 誰? 《もう忘れたなんて、酷いわね。》 だから、誰? 《はあ…やっぱり手を抜かなければよかった…じゃなくて、あなたに名前を付けようと来たんだったわね。》 ……名前、 ……………名前か。 …知らない。 《つれないなあ、したくはなかったけど無理矢理あげる。》 《君の名はーー》
《『リオン・ヘリオス』》
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