人外と人間

獣人♂×獣人♂ 人外×人外・性転換

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※ 注意 男同士の同性愛、801の描写があります。

獣人♂×獣人♂ 2-459様

彼らは言う。雄に生まれてきたからには戦わねばならぬと。強い雄は幸福だ。その力もて君臨し続けている限り。弱い雄は不幸だ。強くならぬ限り、奪われ続ける。地に伏して骸と化すまで。だが、弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。

照りつける太陽が、渇きと空腹に疲れた切った彼の体から、なけなしの体力を奪っていく。干上がった川、ひび割れた大地。どこまで行ってもひび割れたに大地が続く。先ほど、餓えに倒れた哀れな草食獣を見つけたが、乾涸らびた骨と皮ばかりで何も残っておらぬ。失望にぐうと腹がないた。だが、歩みをとめるわけにはいかない。とめれば自分もそうなりはてるのだ。痩せた彼を突き動かすのは、もはや生きねばならぬという本能だけであった。もしも思考のもとに歩いていたのならば、とうの昔にあきらめ命つきている。恨めしげに仰いだそらは雲一つ無く、砂嵐舞うこの平原と全く隔絶されているかのような静謐さをもってただあった。彼は歩く。生まれてどれくらい経ったかはよく覚えていないが、巡る雨期と乾期の間で、何とか生きてきた。母から追い出されて後、連れだっていた弟は、空腹に絶えかねてこの前死んだ。悲しむまもなく鳥たちに追い払われた。それからもう何も食べていない。経験から、あともう数週間絶えれば雨期がくる。そうすれば、草食獣が来る。狩りが下手な自分でも、彼らの子供を食べて命を繋ぐことが出来るのだ。だが、その前に自分の命がつきてしまうことは、もうなんとなく予想してあった。弟が死んだときからすでに。

日が暮れる。沈む太陽がかげろうにひしゃげて見える。そして夜が訪れた。だが夜といえど歩かねばならぬ。あと一日歩けば水場にたどり着く。その願望こそだけが彼を突き動かす。たとえそれが単なる幻想にすぎないとしても。指先にちくりと痛みを覚えて見てみれば、すり切れた肉球に棘が刺さっていた。引き抜くと少しの血が出る。舐めてみれど、唾すら付かない。ああ。水が欲しい。気が狂いそうな程の餓えと渇き。草一本すらない平原で彼は歩き続けた。

それから2日。彼はいよいよ最期を迎えつつあった。普通の雄なら、もうとっくに水場を見つけていただろう。成熟しかかっているにも関わらず、彼はあまりにも脆弱過ぎた。もう、これ以上歩けない。炎天の中、彼は崩れ落ちて死にかけた目を遠くへ向ける。やせこけた体は、冗談抜きに骨と皮ばかりとなりはてている。情けなくて泣きたいけれど、涙になる水分すらない。だが、ここにきて、彼の鼻は匂いをかぎつける。風に乗る血の臭い。熟れた肉の匂い。彼は震えながら歩き出す。最期の力を使って歩む。永遠とも思える時間が過ぎ、彼は木陰に死んだ草食獣を見つけ出した。倒されてそう時間が経って居るわけでもない。その横には、自分の倍はあろうかという圧倒的な体格の雄がだらしなく眠っていた。彼は恐れながらも肉を失敬した。そうせずには居られない。背中の脂肪を舐め、血をすすり臓物をむさぼる。こんなに満たされたのは久方ぶりだった。だが、あまりに食べる事に夢中になっていたため、彼はこの食べ物の所有者のことをすっかり忘れていた。おい。とドスの効いたしゃがれ声で現実に引き戻される。おそるおそる振り返ると、仁王立ちになった雄がいる。鋭い目、盛り上がった筋肉、黒いたてがみ、そして覇気。同じ種族のはずなのに、自分とは何もかもが違う。同じ雄として神々しさすら感じる体つきであった。恐ろしい。どのようにして逃げようかと考えるひまもなく、強烈な拳を左頬に受けた。ぱかーんと景気の良い音とともにのけぞる。それから受けた暴行は壮絶なものだった。殴る蹴る、地面にたたきつけられる。元々弱っていた体にこれは堪えた。息も絶え絶えな彼を、屈強な雄は持ち上げて凄んだ。
「おまえも雄なら、オレから奪って見せろ!それすらできんとは女々しいやつめ!…出来ないなら服従しろ。」
投げ捨てられ地面にはいつくばったかれは、抵抗する気力もなく服従のポーズを取る。強い雄は、フンと鼻をならし、彼の雄の証を踏みつけた。
「なかなか立派なものが付いてるじゃないか。だが、弱すぎるおまえは雌に見向きもされないのだからこれは不要とはおもわんか?え?」
そしてそれをぐりぐりと踏みにじりながら罵倒する。その行為にも、彼は服従したまま耐えた。
「フン。これだけやられてもおまえは立ち上がらんのか。つまらん」
しばらくいびった後、弱いもの虐めも面白くなくなったのだろう。強い雄はごろりと横になって言った。
「もうオレは喰わん。残りは喰っていいぞ」

おい、起きろ。頭を蹴飛ばされ彼は目を覚ました。強い雄─仮にキングとしよう─キングは彼を蹴飛ばして起こすと、ついてくるように命令する。
「いいか、逃げたら殺す。おまえは運がいい。雨期だったら昨日のウチにおまえを引き裂いてやったところだ」
彼はうなずき、二人の奇妙な関係が始まった。キングは毎日のように彼を罵倒し小突き回すが、獲物もわけ与えるし、必要以上に傷つけたりもしない。そうしながら、やっとの事で水場にたどり付いたのは、雨期まであと一月ほどとなってからであった。この水場は乾期でもかろうじて干上がらない。そのため草もあり、草食動物が集まっている。獲物には事欠かないが、目が多いため狩りの成功率はさほど高くない。加えて言えば、まだ彼らと同じ種族は到着していない。一番乗りのようであった。キングは相変わらず彼を虐め回していたが、水場に着いてからというもの、その内容が彼の雄としてのプライドを完全に打ち砕くものだった。雄が雄を犯す。キングは彼を押さえつけ、彼の腕ほどもあるようなペニスを愛撫するように強要し、さらには肛門を犯す。内側からいきり立ったペニスで前立腺を突かれ、怒張したものをしごき立てられ、意志とは無関係に射精されられた。キングが一度達するまでに彼は何度も何度もいかされ、自分の出した精液を全て舐めさせられた。それが毎日繰り返される。一度だけ逃げ出したが捕まって酷い目に遭わされた。そのときは足腰が立たなくなるまで射精させられ、その日を堺に目に見えて精液の量が減った。

雨期まであと半月ほどであろうか。今日もキングは獲物をしとめてきた。その頃になると、彼はキングの帰りが待ち遠しくて仕方が無くなっていた。一緒に獲物をむさぼった後、またあの責めをされるかと思うと、イヤだと思いながらも体の芯が疼く。もう彼には雄としてのプライドなどかけらも残ってはいなかった。そう。キングは優しい。自分は彼に付き従ってこそ、その本分を全うできるのだと信じている。

雨期までもう間近。空には雲がかかり、地上にいる者達はそのときを今か今かと待ちこがれていた。空気に乗る水の匂い。生き延びた者達への祝福の瞬間は、もはや時間の問題であった。そして、彼とキングの関係はいまだとぎれることなく続いている。キングのもたらす獲物のおかげで、彼はすっかりと回復していた。だが、変化はそれだけではない。彼はキング無しにはいられなくなっていたのだ。その体は雄にはない丸みを帯びていて、完全な雌へと変貌を遂げていた。この頃になると、ようやく同族の者達が到着し始める。他の雄達は彼─彼女─をみて、キングに羨望のまなざしを送り、彼女にはギラギラとした欲のまなざしを突き立てた。雄達はそして、雌を巡っての争いを始める。雨が落ちてきた。何時までも降り続く雨は、生き延びた者への祝福か、はたまた飢えと渇きに倒れた者への弔いの涙か。青く高かったそらは、もはや黒く沸き立ち、雷鳴と雷光が雨期の訪れを高らかに告げる。全ての動物は歓喜に沸き立ち、渇きに絶えた自らの命を讃える。らんちき騒ぎのなか、雌は命を宿し母になる。命は巡る。キングは既に、幾人かの雌を従えていた。そして、元は雄だった彼に言う。
「おまえは必ず一番目に孕ませてやる」

彼らは言う。弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。時として、雌として生きる道があるのだから。





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