人間♂×スライム♀ の続き
スライム♀×人間♂ ◆IyobC7.QNk様
前の村から4日目にして、やっとたどり着いた宿は祭りの前とかで込み合っていた。
案内された部屋は狭く、明らかに一人部屋として普段は使われているものだろうと推測できた。
「狭いベッドが一つ……言えば毛布くらいは借りれるかな」
呟いて部屋を出ようとして俺はつんのめる。
振り返ると旅の連れである青い髪の少女が服の端を掴んでいた。手ではなく髪の毛で。
「おい、物を掴む時は手を使え」
諸事情あって一緒に旅をしている擬態練習中のスライムは俺との距離を詰めると服に絡めていた髪を離す。
上目遣いに俺を見上げる少女型スライムと視線が合い、鼓動が速まった。
「私、あなたのこと、けっこう気に入ってるンですよ」
個人的な好みの問題だが、少々たれ目な点を除けば整った顔立ちの美少女である。
正体がスライムだと知らなければ嬉しい状況だろう。
唐突に言うスライム少女に、その意味を図りかねて聞き返す。
「だから何だ」
「この間の続きをしませンか?」
空気が凍った。正しくは俺の周りの空気だけだが、背中を嫌な冷たい汗が伝う。
「俺、寝るわ」
誤魔化して出ていこうとした俺の前に回り込んだスライム少女が両手、いや髪を広げて立ちはだかった。
「何処に行くンですか、部屋はここですよ。ちゃンと今度は優しくしますから、ね?」
「髪を使うなっての……」
一応ツッコミつつ今のは普通は男側のセリフだよなと胸中確認する。
「何が嫌なンですか? 前はすごくのり気で止める私を無視して、無理矢理したンじゃないですか」
「それは水に流したんだろ」
「だから、もう一回ヤり直しましょうって言ってるンです」
「発音がおかしい。と言うか忘れろ」
食い下がるスライム少女を一蹴する。
すると顎に手を当て髪をふよふよと泳がせながら暫く悩む仕草をしていたスライム少女の口から、とんでもない言葉が飛び出した。
「なら、私から強姦する事になりますが」
「女からの強姦は逆レイプと言うんだ。それと」
「そうなンですか、では言い直します。私が逆レイプをしますが、良いンですか?」
どこで覚えたのか物騒な言葉に驚きつつ話題を逸らそうと試みるが早々に割り込まれる。
「いや、良くはない……って言ってるそばから脱ぐなっ!」
「大声を出すと人が来ちゃいますよ。私はバレても構いませンけど?」
「それは女の子の吐くセリフじゃないっ」
服を荷の上に置くとスライム少女はクルリと振り返る。
均整の取れた文字通りシミ一つない身体だったが既に肌の色が抜けていた。
「おーじょうぎわが悪いです。すえぜンは食わねば男のはじになるンです」
「そんな言葉どこで覚えた」
「この間会ったサンゾクの皆さンが言ってましたよ」
「いたな、そんな奴ら」
こいつをスライムとも知らずに手を出したが故に儚くも退治されてしまった憐れな奴等がいた事を思い出す。
説得は諦めた方が良さそうだった、鼻息荒く自信満々である。
「それに私はスライムですからね。オンナノコではありませンし」
「お前はっ、都合で切り替えるなっ」
「さあ、自分で脱ぐか私に消化されるか、どちらか選ンで下さい」
「その2択かよ。まずは俺の話を聞けっ」
「嫌です」
暫くの問答の後、俺は全裸で文字通りスライムに包まれている。
人間の女の姿ならまだ興奮もできるが、本性のゼリーのままなので何の感慨もない。
感触としては粘り気はあるがベタベタはしない不思議な感覚だった。
一部を掬い上げてみるが掌を滑りヌルリと落ちる。
これは擬態時にはどの部分なのだろう。
「どンな気分ですか?」
いつもより少々低いスライム少女の声が響く。ただのゼリーに見えるが発声器官はどこにあるのか、気になる点は多い。
「中途半端な温度の風呂に入ってる気分だ」
「そうですか。……あの、ちょっと教えて欲しいンですが」
気を使っているのだろう、スライム少女が控えめに訊ねる。
「何を?」
「局部に前回のような質量の変化が見られないンですが、何でですか?」
「俺にその気が無いからだ」
「えぇ? ややこしいモンですね」
「デリケートなんだよ、ややこしい扱いすんな」
「感覚あるンですか?」
「無いと動かないだろ」
「生えてるンですから当然なンでしょうが、本当に妙なものですね」
他人事だと思って好き勝手なことを言う。
「妙とか言うな。付いてるもんなんだよ」
「へぇ、普段は柔らかいンですね。曲げると痛いンですか? あ、先っぽに穴がある」
「うぁっ、玩具じゃないんだから揉むな」
まだ柔らかいソレを捏ねるように揉まれる。水が意識を持った様な何とも表現し難い感触。
なんでこう無邪気に弄り回せるのか不思議だったが、人間そのものがスライムにとって玩具だからかと納得する。
「止めろ気色悪い」
「そうなンですか? うーン、硬度を変えてみましょうか。人間のオンナノコの胸部で……
えと、たしか」
ただの水の様だったゼリーはプニプニとした心地好い柔らかさへと転じた。
見た目には何の変化も無いのがまた奇妙だ。
「パイズリ? これなら良いンですか?」
予想外の刺激に反応してしまった。
「あ、ああ」
「ちょっと大きくなりましたよ。その気になりました?」
「……どこで覚えた、こんなもん」
スライムに息子を弄ばれているにも関わらず意外と冷静な自分に驚きつつ訊ねてみる。
あまりにも異常な状況に陥ると、逆に落ち着くと聞いていたが本当だったとは知らなかった。
「以前あなたから貰った“ほん”に載ってたンですよ」
「あれは貸しただけだ。お前が持ってたのか、返せ」
前回の客室半壊時のどさくさ紛れに無くなったと思っていた。
「まだ読み終わってませンからイヤです」
「じっくり読む物じゃないだろ」
「いえいえ、けっこう興味深い内容だったンですよ」
渡してしまった本の内容が内容な上、フィクションだと言っても理解しないだろう。
後悔しても手後れだった。とりあえずSM系でなかったのは救いかもしれない。
「お前は楽しそうだな」
「それはもう。“しる”のと“する”のとでは全く違うンですからね」
苦笑いする俺の前に、透明ないつもの顔が造られ舌を出し笑った。
「口も良いですか?」
これもいつもの事だが俺が答えるより早く行動を開始している。
冷たく柔らかい感触が俺の口内に滑り込んだ。
そこでふと思い出す。口は前に消化用とか言って無かったか?
疑問を察したのか口腔内を確認するようになぞりながら下のゼリーが喋る。
「ああ、心配しなくても大丈夫ですよ。それは消化器官に繋いでいませンから」
まぁ、消化されないのならば遠慮する事は無いか。
舌を絡めるとツルリとした相手は戸惑う様にうねったが、直ぐに何重にも巻き付き俺の舌を引っ張った。
人間ならあり得ない動き。と言うか待て、痛い。
「ひョラ、ひゃて」
当然ながら舌を絡め取られていては喋れない。
ゼリーから腕を抜きスライム少女の首を引き離すと予想に反してその舌が伸びた。
「はりゃせ」
「ああ、すみませン。やり過ぎました」
舌が伸びたまま半透明のスライム少女が驚いた顔をして、ゼリーから答えが返る。
一応、反省しているらしく舌を縮めると絡め直す。
スライムの内部で行われているため殆ど音はしないが、そんな事をしている間も下は下で、にゅるにゅると流動して無数の指に全身を突きまわされている様な、擽ったいやら何やら解らない。
特にペニスの周辺は念入りに音でもしそうな程に扱き立てられる。
吸い出すように絡み付き気持ち良い、情けないが早々に限界だった。
「あ、イイ感じみたいですね。前回と同等のサイズに……」
呑気な声を後目に全身を駆け抜けそれは発射口へ至る。
「わわっ! なンっ、出すなら出すって合図して下さいよっ」
スライム全体が波打ち、絡められていた舌が引き抜かれた。
「んなもんする隙あるか。お前が急にするからだ」
呆れた直後に意外と反応が普通だと思う。
「そういえば、この前みたいに変な汁とか出してないな」
スライムの特性を活用しているだけで、割と普通だ。普通の尺度がずれてる気もするが。
「優しくするって約束しましたから、使わなかったンですけど……使用しても良いンですか?」
「ダメ」
「私的には使えば楽なンですけど」
「いや、戻って来れなさそうだから止めろ」
「そうですか。まぁこっちの方法もコツは分かりましたし、イケる所までイッちゃって下さい」
「え、おい」
スライム少女は既に流動を再開している。
「ま……」
休憩をくれ俺は普通なんだ。
しかし当然と言うべきか止めるヒマなど無く、頭の隅であの本は絶倫ものだったかな、などと考えていた。
「“ほん”にもありましたが回を重ねるごとに量が少なくなっていくのは面白いもンですね」
俺は面白く無い。
満足げな相手の声を聞きながら意識があるのを不思議に思う。
呼吸の度に肺が灼ける。鼓動の度に心臓が痛い。
気が済んだ相手が動きを止めて結構な時間が過ぎていたが、呼吸は落ち着かず汗で湿った髪が気色悪く額に貼り付いている。
「前は気がつきませンでしたけど行為が終わるとなンだか、ぐったりしてませンか。
大丈夫です?」
ニュッと触手を伸ばして俺の髪を持ち上げた。流れる汗がスライムに吸収され消える。
「おま、連打させんな」
「スミマセン。あなたの反応が楽しくて……水でも飲みます?」
全く反省していない様子で答えるスライムに脱力する。
「あー。とりあえず、くれ」
「はいはい。どうぞ遠慮なく」
ゼリーから差し出されたのは1本の触手だった。
先が窪んでそこに水が入っている。
「おい、勘弁しろ」
「中身は極々普通の水なンですが」
「頼むからテーブルの水差しを」
「ええ? どうせおンなじ水なのに……」
「いいから、本気で頼む」
「なンで……分かりましたよ、だからその本気で情けない顏を変えて下さい」
案内された部屋は狭く、明らかに一人部屋として普段は使われているものだろうと推測できた。
「狭いベッドが一つ……言えば毛布くらいは借りれるかな」
呟いて部屋を出ようとして俺はつんのめる。
振り返ると旅の連れである青い髪の少女が服の端を掴んでいた。手ではなく髪の毛で。
「おい、物を掴む時は手を使え」
諸事情あって一緒に旅をしている擬態練習中のスライムは俺との距離を詰めると服に絡めていた髪を離す。
上目遣いに俺を見上げる少女型スライムと視線が合い、鼓動が速まった。
「私、あなたのこと、けっこう気に入ってるンですよ」
個人的な好みの問題だが、少々たれ目な点を除けば整った顔立ちの美少女である。
正体がスライムだと知らなければ嬉しい状況だろう。
唐突に言うスライム少女に、その意味を図りかねて聞き返す。
「だから何だ」
「この間の続きをしませンか?」
空気が凍った。正しくは俺の周りの空気だけだが、背中を嫌な冷たい汗が伝う。
「俺、寝るわ」
誤魔化して出ていこうとした俺の前に回り込んだスライム少女が両手、いや髪を広げて立ちはだかった。
「何処に行くンですか、部屋はここですよ。ちゃンと今度は優しくしますから、ね?」
「髪を使うなっての……」
一応ツッコミつつ今のは普通は男側のセリフだよなと胸中確認する。
「何が嫌なンですか? 前はすごくのり気で止める私を無視して、無理矢理したンじゃないですか」
「それは水に流したんだろ」
「だから、もう一回ヤり直しましょうって言ってるンです」
「発音がおかしい。と言うか忘れろ」
食い下がるスライム少女を一蹴する。
すると顎に手を当て髪をふよふよと泳がせながら暫く悩む仕草をしていたスライム少女の口から、とんでもない言葉が飛び出した。
「なら、私から強姦する事になりますが」
「女からの強姦は逆レイプと言うんだ。それと」
「そうなンですか、では言い直します。私が逆レイプをしますが、良いンですか?」
どこで覚えたのか物騒な言葉に驚きつつ話題を逸らそうと試みるが早々に割り込まれる。
「いや、良くはない……って言ってるそばから脱ぐなっ!」
「大声を出すと人が来ちゃいますよ。私はバレても構いませンけど?」
「それは女の子の吐くセリフじゃないっ」
服を荷の上に置くとスライム少女はクルリと振り返る。
均整の取れた文字通りシミ一つない身体だったが既に肌の色が抜けていた。
「おーじょうぎわが悪いです。すえぜンは食わねば男のはじになるンです」
「そんな言葉どこで覚えた」
「この間会ったサンゾクの皆さンが言ってましたよ」
「いたな、そんな奴ら」
こいつをスライムとも知らずに手を出したが故に儚くも退治されてしまった憐れな奴等がいた事を思い出す。
説得は諦めた方が良さそうだった、鼻息荒く自信満々である。
「それに私はスライムですからね。オンナノコではありませンし」
「お前はっ、都合で切り替えるなっ」
「さあ、自分で脱ぐか私に消化されるか、どちらか選ンで下さい」
「その2択かよ。まずは俺の話を聞けっ」
「嫌です」
暫くの問答の後、俺は全裸で文字通りスライムに包まれている。
人間の女の姿ならまだ興奮もできるが、本性のゼリーのままなので何の感慨もない。
感触としては粘り気はあるがベタベタはしない不思議な感覚だった。
一部を掬い上げてみるが掌を滑りヌルリと落ちる。
これは擬態時にはどの部分なのだろう。
「どンな気分ですか?」
いつもより少々低いスライム少女の声が響く。ただのゼリーに見えるが発声器官はどこにあるのか、気になる点は多い。
「中途半端な温度の風呂に入ってる気分だ」
「そうですか。……あの、ちょっと教えて欲しいンですが」
気を使っているのだろう、スライム少女が控えめに訊ねる。
「何を?」
「局部に前回のような質量の変化が見られないンですが、何でですか?」
「俺にその気が無いからだ」
「えぇ? ややこしいモンですね」
「デリケートなんだよ、ややこしい扱いすんな」
「感覚あるンですか?」
「無いと動かないだろ」
「生えてるンですから当然なンでしょうが、本当に妙なものですね」
他人事だと思って好き勝手なことを言う。
「妙とか言うな。付いてるもんなんだよ」
「へぇ、普段は柔らかいンですね。曲げると痛いンですか? あ、先っぽに穴がある」
「うぁっ、玩具じゃないんだから揉むな」
まだ柔らかいソレを捏ねるように揉まれる。水が意識を持った様な何とも表現し難い感触。
なんでこう無邪気に弄り回せるのか不思議だったが、人間そのものがスライムにとって玩具だからかと納得する。
「止めろ気色悪い」
「そうなンですか? うーン、硬度を変えてみましょうか。人間のオンナノコの胸部で……
えと、たしか」
ただの水の様だったゼリーはプニプニとした心地好い柔らかさへと転じた。
見た目には何の変化も無いのがまた奇妙だ。
「パイズリ? これなら良いンですか?」
予想外の刺激に反応してしまった。
「あ、ああ」
「ちょっと大きくなりましたよ。その気になりました?」
「……どこで覚えた、こんなもん」
スライムに息子を弄ばれているにも関わらず意外と冷静な自分に驚きつつ訊ねてみる。
あまりにも異常な状況に陥ると、逆に落ち着くと聞いていたが本当だったとは知らなかった。
「以前あなたから貰った“ほん”に載ってたンですよ」
「あれは貸しただけだ。お前が持ってたのか、返せ」
前回の客室半壊時のどさくさ紛れに無くなったと思っていた。
「まだ読み終わってませンからイヤです」
「じっくり読む物じゃないだろ」
「いえいえ、けっこう興味深い内容だったンですよ」
渡してしまった本の内容が内容な上、フィクションだと言っても理解しないだろう。
後悔しても手後れだった。とりあえずSM系でなかったのは救いかもしれない。
「お前は楽しそうだな」
「それはもう。“しる”のと“する”のとでは全く違うンですからね」
苦笑いする俺の前に、透明ないつもの顔が造られ舌を出し笑った。
「口も良いですか?」
これもいつもの事だが俺が答えるより早く行動を開始している。
冷たく柔らかい感触が俺の口内に滑り込んだ。
そこでふと思い出す。口は前に消化用とか言って無かったか?
疑問を察したのか口腔内を確認するようになぞりながら下のゼリーが喋る。
「ああ、心配しなくても大丈夫ですよ。それは消化器官に繋いでいませンから」
まぁ、消化されないのならば遠慮する事は無いか。
舌を絡めるとツルリとした相手は戸惑う様にうねったが、直ぐに何重にも巻き付き俺の舌を引っ張った。
人間ならあり得ない動き。と言うか待て、痛い。
「ひョラ、ひゃて」
当然ながら舌を絡め取られていては喋れない。
ゼリーから腕を抜きスライム少女の首を引き離すと予想に反してその舌が伸びた。
「はりゃせ」
「ああ、すみませン。やり過ぎました」
舌が伸びたまま半透明のスライム少女が驚いた顔をして、ゼリーから答えが返る。
一応、反省しているらしく舌を縮めると絡め直す。
スライムの内部で行われているため殆ど音はしないが、そんな事をしている間も下は下で、にゅるにゅると流動して無数の指に全身を突きまわされている様な、擽ったいやら何やら解らない。
特にペニスの周辺は念入りに音でもしそうな程に扱き立てられる。
吸い出すように絡み付き気持ち良い、情けないが早々に限界だった。
「あ、イイ感じみたいですね。前回と同等のサイズに……」
呑気な声を後目に全身を駆け抜けそれは発射口へ至る。
「わわっ! なンっ、出すなら出すって合図して下さいよっ」
スライム全体が波打ち、絡められていた舌が引き抜かれた。
「んなもんする隙あるか。お前が急にするからだ」
呆れた直後に意外と反応が普通だと思う。
「そういえば、この前みたいに変な汁とか出してないな」
スライムの特性を活用しているだけで、割と普通だ。普通の尺度がずれてる気もするが。
「優しくするって約束しましたから、使わなかったンですけど……使用しても良いンですか?」
「ダメ」
「私的には使えば楽なンですけど」
「いや、戻って来れなさそうだから止めろ」
「そうですか。まぁこっちの方法もコツは分かりましたし、イケる所までイッちゃって下さい」
「え、おい」
スライム少女は既に流動を再開している。
「ま……」
休憩をくれ俺は普通なんだ。
しかし当然と言うべきか止めるヒマなど無く、頭の隅であの本は絶倫ものだったかな、などと考えていた。
「“ほん”にもありましたが回を重ねるごとに量が少なくなっていくのは面白いもンですね」
俺は面白く無い。
満足げな相手の声を聞きながら意識があるのを不思議に思う。
呼吸の度に肺が灼ける。鼓動の度に心臓が痛い。
気が済んだ相手が動きを止めて結構な時間が過ぎていたが、呼吸は落ち着かず汗で湿った髪が気色悪く額に貼り付いている。
「前は気がつきませンでしたけど行為が終わるとなンだか、ぐったりしてませンか。
大丈夫です?」
ニュッと触手を伸ばして俺の髪を持ち上げた。流れる汗がスライムに吸収され消える。
「おま、連打させんな」
「スミマセン。あなたの反応が楽しくて……水でも飲みます?」
全く反省していない様子で答えるスライムに脱力する。
「あー。とりあえず、くれ」
「はいはい。どうぞ遠慮なく」
ゼリーから差し出されたのは1本の触手だった。
先が窪んでそこに水が入っている。
「おい、勘弁しろ」
「中身は極々普通の水なンですが」
「頼むからテーブルの水差しを」
「ええ? どうせおンなじ水なのに……」
「いいから、本気で頼む」
「なンで……分かりましたよ、だからその本気で情けない顏を変えて下さい」
喉を潤し一息着いて、どうにか動悸も収まったが、未だに俺を解放しないスライム少女に前々から気になっていた疑問をぶつけてみる事にした。
「なぁ。出した物とか、吸収してるのか」
青みがかったスライムは最初と同じ様に透き通っている。
濁っていても嫌だが、結構な量が出た筈の精液は既に影も形もない。
「もちろンです」
「……気になるんだが、お前ら的には旨いのか?」
「ええっと、好みの問題だと思うンですけど、けっこう珍味な感じで、血とか他の水分よりも濃い感じでして。こう、活きが違うンですよ」
珍味なのか、確かに粘るとは思っていたが。
もよもよと表面を動かして一生懸命に説明しようとしている様子は何だか可愛い。
「やっぱり細かく言わなくていい」
「あなたの方から聞いたンじゃないですか」
包んでいたゼリーが不満そうに揺れた。
「で、そろそろ出してくれないか」
「いえいえ、ここからなンですよ。思い付いたのが」
俺の言葉に気を取り直した様子で嬉々として答える。
「お前、思い付きでヤってるのか?」
「いいえ。まえに私の仲間がしてるのを見た事があるンです」
「何をするつもりだ?」
質問に暫しの間を置いて、また声が響く。
「心配しなくても大丈夫ですよ。あ、なンなら少々は飲み込ンでも平気ですから」
「ノミコム? 多少はヘイキ?」
一抹の不穏な空気が流れる。
「多分、一応。まぁ、覚悟はしておいて下さい」
段々と声に自信が無くなり、俺を包んでいたゼリーが揺れ蠢く。
「……覚悟?」
言葉に一時思考が停止する。
飲み込んでも、たぶん平気……つまり、これが口の中にまで入る位置にくるって事か?
そこでやっと自分の置かれている状況に気がつき自然と口が開くのと、ほぼ同時にスライムが襲いかかる。
ぎゃああああぁ……
叫んだ筈の俺の悲鳴は弾力性に富んだスライムの中に飲み込まれ消えた。
「やンっ、中で暴れないで下さいっ」
もがく俺の耳に響くスライム少女の声は衝撃に近かった。
“やンっ”じゃない、俺の生命の危機だ。
半分意識が飛びかけた頃、スライム少女が文句を言いつつ頭部を解放する。
「ちょっと、私の声が聞こえてるンですか?」
口に残っていたスライムを吐き出し、返事もできずに必死で肺に空気を送り込んだ。
呼吸を整えてから抗議する。
「お前はっ! 俺を喰う気か、殺す気かっ」
少し食べてしまった。まだ胃の中で動いてる気がする。
「いやですね、そンな言い方。私を食べたのは、あなたの方じゃないですか」
「お前が押し込んだんだろうがっ」
俺は怒鳴る様に応え、おもわず振り降ろした腕に何かが触れる。
「……っ!」
ピリッと何かが走った。
同じ位置を探ると見た目には何もないが、確かに何かがあった。
大きさは手に収まる程度で、軽く握るとブルリとスライム全体に震動が伝わる。
もう一度、また水面が波打った。
「あっ、ちょっ……止め……っ」
「ほほぅ。お前の弱点はここか」
焦りを含んだ声に俺は仕返しとばかりにニヤリと笑うと更に揉む。
「……うンっ、やっ……」
「これは何だ? ん?」
聞く。俺も随分と親父臭いと自覚する。
「……それはっ、消化……のっ」
その言葉に昇りかけていた血の気が引く。
スライムにも内臓があったのか、透明な内臓って何だ。
「……はやくっ、私から出てくださいっ」
「どうやってだ!」
反射的に叫ぶ、できるなら言われなくとも逃げている。
答えより早くゼリーが俺を噴き出した。
「いたたたた……」
派手な音がして、したたかに背中を打つけたが、とりあえず助かったらしい。
ニュルリとスライムの一部が伸び少女の半身を形作った。
「誰かさンが消化器官を刺激してくれたおかげで、お腹がすいちゃいました」
俺の事など気にも留めず屈託のない笑顔でケロリとして空腹を訴える。
「俺は全身がピリピリしてるんだが」
「消化しかけたンですから当然です。あなたが、あンな所を触るからですよ」
半透明な上半身だけ人間の形をしたスライムが身をくねらせた。
「で、何をするつもりだったんだ?」
「今回の案としては、あなたの身体に穿いている穴の、できるかぎり奥まで侵入して内部と外部両方の反応を観察しようかと……次回の課題は呼吸路の確保ですね」
見る間に成形を終わらせ荷物を探っていたスライム少女は振り返りもせずに答える。
「ない! 絶対に次は無いからなっ」
全力で否定するが、ビチビチと跳ねる何かを食べ始めた相手の答えは無かった。
「なぁ。出した物とか、吸収してるのか」
青みがかったスライムは最初と同じ様に透き通っている。
濁っていても嫌だが、結構な量が出た筈の精液は既に影も形もない。
「もちろンです」
「……気になるんだが、お前ら的には旨いのか?」
「ええっと、好みの問題だと思うンですけど、けっこう珍味な感じで、血とか他の水分よりも濃い感じでして。こう、活きが違うンですよ」
珍味なのか、確かに粘るとは思っていたが。
もよもよと表面を動かして一生懸命に説明しようとしている様子は何だか可愛い。
「やっぱり細かく言わなくていい」
「あなたの方から聞いたンじゃないですか」
包んでいたゼリーが不満そうに揺れた。
「で、そろそろ出してくれないか」
「いえいえ、ここからなンですよ。思い付いたのが」
俺の言葉に気を取り直した様子で嬉々として答える。
「お前、思い付きでヤってるのか?」
「いいえ。まえに私の仲間がしてるのを見た事があるンです」
「何をするつもりだ?」
質問に暫しの間を置いて、また声が響く。
「心配しなくても大丈夫ですよ。あ、なンなら少々は飲み込ンでも平気ですから」
「ノミコム? 多少はヘイキ?」
一抹の不穏な空気が流れる。
「多分、一応。まぁ、覚悟はしておいて下さい」
段々と声に自信が無くなり、俺を包んでいたゼリーが揺れ蠢く。
「……覚悟?」
言葉に一時思考が停止する。
飲み込んでも、たぶん平気……つまり、これが口の中にまで入る位置にくるって事か?
そこでやっと自分の置かれている状況に気がつき自然と口が開くのと、ほぼ同時にスライムが襲いかかる。
ぎゃああああぁ……
叫んだ筈の俺の悲鳴は弾力性に富んだスライムの中に飲み込まれ消えた。
「やンっ、中で暴れないで下さいっ」
もがく俺の耳に響くスライム少女の声は衝撃に近かった。
“やンっ”じゃない、俺の生命の危機だ。
半分意識が飛びかけた頃、スライム少女が文句を言いつつ頭部を解放する。
「ちょっと、私の声が聞こえてるンですか?」
口に残っていたスライムを吐き出し、返事もできずに必死で肺に空気を送り込んだ。
呼吸を整えてから抗議する。
「お前はっ! 俺を喰う気か、殺す気かっ」
少し食べてしまった。まだ胃の中で動いてる気がする。
「いやですね、そンな言い方。私を食べたのは、あなたの方じゃないですか」
「お前が押し込んだんだろうがっ」
俺は怒鳴る様に応え、おもわず振り降ろした腕に何かが触れる。
「……っ!」
ピリッと何かが走った。
同じ位置を探ると見た目には何もないが、確かに何かがあった。
大きさは手に収まる程度で、軽く握るとブルリとスライム全体に震動が伝わる。
もう一度、また水面が波打った。
「あっ、ちょっ……止め……っ」
「ほほぅ。お前の弱点はここか」
焦りを含んだ声に俺は仕返しとばかりにニヤリと笑うと更に揉む。
「……うンっ、やっ……」
「これは何だ? ん?」
聞く。俺も随分と親父臭いと自覚する。
「……それはっ、消化……のっ」
その言葉に昇りかけていた血の気が引く。
スライムにも内臓があったのか、透明な内臓って何だ。
「……はやくっ、私から出てくださいっ」
「どうやってだ!」
反射的に叫ぶ、できるなら言われなくとも逃げている。
答えより早くゼリーが俺を噴き出した。
「いたたたた……」
派手な音がして、したたかに背中を打つけたが、とりあえず助かったらしい。
ニュルリとスライムの一部が伸び少女の半身を形作った。
「誰かさンが消化器官を刺激してくれたおかげで、お腹がすいちゃいました」
俺の事など気にも留めず屈託のない笑顔でケロリとして空腹を訴える。
「俺は全身がピリピリしてるんだが」
「消化しかけたンですから当然です。あなたが、あンな所を触るからですよ」
半透明な上半身だけ人間の形をしたスライムが身をくねらせた。
「で、何をするつもりだったんだ?」
「今回の案としては、あなたの身体に穿いている穴の、できるかぎり奥まで侵入して内部と外部両方の反応を観察しようかと……次回の課題は呼吸路の確保ですね」
見る間に成形を終わらせ荷物を探っていたスライム少女は振り返りもせずに答える。
「ない! 絶対に次は無いからなっ」
全力で否定するが、ビチビチと跳ねる何かを食べ始めた相手の答えは無かった。
終