マスタリング難易度:不明 シナリオ難易度:未定
『イントロダクション』
火星を舞台にネクロニカできないかな、というチラシの裏です。
である表記と、ですます表記が混在しています。
ネクロニカには存在しないはずの生きた人間とか、社会とかを楽しもうという趣旨です。
シナリオフックに置くには長すぎたので、ハンドアウトまでしかありませんが、ここに置かせていただきます。
具体的にどのようなシナリオにするかはNC様に丸投げします。
シナリオ概要
参加PL人数:3~4人
必要時間:未定
合計悪意点:未定
トレーラー
最終戦争が勃発し,世界中で核の華が咲き乱れ,変異昆虫が繁殖し,アンデッドが闊歩して,人類は絶滅した.
その最終戦争から300年後,我々人類は火星で生きている.「地球」とは,現代の我々がマンホームと呼ぶ星であり,今は死の星とも呼ばれる.
最終戦争末期,一部の人類は地球から脱出して,火星に移住することに成功した.始めは赤い土しか無かったこの星も,急激なテラフォーミングによって大量の水が発掘され,今では地表の80%が海に覆われる水の星となった.
ゆえに,現代では火星という呼び名も廃れ,我々は愛着と畏敬の念を込めて,この太陽系第四惑星をアクアと呼ぶ.
マンホームより小さいこのアクアに住む「人間」はおよそ5億人.最盛期のマンホームにおける人口の十分の一以下だ.しかしむしろこの星には,人ならざる者たちの方が多く存在している.
動く死体,アンデッドたち.このアクアへの移住当初,この星は人間が生きるには過酷すぎる環境だった.数少ない人間を危険にさらさず,テラフォーミングを進めるために,大量のアンデッドが使われたのだ.
それは人間がある程度快適に過ごせるようになった現代でも変わらない.採掘や林業,農業など,過酷な労働の多くはアンデッドによって支えられている.
これらの単純な力仕事をするアンデッドは高い知能は持たず,機械のように予めプログラムされた動作を繰り返すだけだ.微妙な状況判断などは監督役の人間が行う.
過酷で単純な労働は,頑丈で疲れ知らずの肉体を持つアンデッドが担当.安全で複雑な仕事は人間が担当するという,分業がこの星の基本となっている.
しかし,中には,過酷な環境下で,複雑な判断を必要とする仕事がある.
それらは知能の低いアンデッドにも,脆い肉体の人間にもできない仕事だ.
それらの仕事を請け負うのは,高い知能を持ったアンデッドたちだ.一流のネクロマンサーによって作られた,強固な自意識と美麗な肉体.
ある意味,人間よりも高い能力を持ちながら,人間のために危険な仕事をこなす彼女らは「ドール」と呼ばれる.
それがあなたたちだ.あなたたちはこれから,アクアの繁栄と安寧を護るために。あるいは自分自身の欲望のために、人知れず危険と戦うことになる.
シナリオを行う上での予備知識
漫画「AQUA」や「ARIA」の世界観を中途半端にパクっています。
このシナリオ内では火星を「アクア」と呼び、地球を「マンホーム」を呼びます。
アクア内にはいくつかの大きな組織・団体が存在し、ドールたちはそれぞれ、いずれかの組織に身を置くことになります。
NPC&組織データ
「中央制御コンピュータ(Central Computer):CC」
アクアの重力調節や天候操作など,人間の生活を守るための機械を統括するコンピュータ.地球で作られ,火星移住用の宇宙船に搭載されていたらしい.
CCは自律した知性体で,これを制御できる人間はいない.
それどころか,CCの本体を見た者すらおらず,どこにあるのか誰も知らない.
機械だけでなく,アンデッドに干渉する能力も持ち,一部のドールと接触を取っている.
CCの存在を脅威に感じ,いつか人間はCCに滅ぼされる,と考える人間も少なくない.
「地球復古の会(Earth Restoration):ER」
地球時代の文化を復元することを目的とした組織.主に火星開拓時代初期の遺跡の調査などを行なっているが,遺跡への不法侵入などの問題を起こすことも多い.自分たちを「貴族」と称し,手に入れた知識を独占する.地球に戻ることを最終目標として掲げている.地球時代の記憶を持っているドールは,彼らから質問攻めにされるだろう.地球復古の一環として,地球時代の宗教を信仰する人間も多い.
後述のHSとは歩調を揃えることが多いが,アンデッド排斥に反対するER会員もいる.
後述のDFとは稀に情報交換することがある.
「人間至上主義(Human Supremacy):HS」
アクアの全ては人間の制御化に置かれるべきだ,という考え方.またその主義を持つ人々の団体.大抵,アンデッドを嫌悪しており,ドールを差別する.CCに対する陰謀論を唱え,「人間の,人間による,人間のためのアクア」を作ろうとしている.
前述のERとは歩調を揃えることが多いが,HSは地球復古に興味など無い.
HSに所属するドールは,アンデッド抹殺の命を受けている.毒を以て毒を制す.
「アンデッド教会(Undead Church ):UC」
アンデッドを人間より上位の存在として崇拝し,自分も死後アンデッドになることを教義とする宗教団体.末端の信者たちの殆どは本気でアンデッドを崇拝している.
中枢部の人間は,後述のDFと癒着しており,アンデッドの材料提供や,イメージアップの広告費などで多額の金を得ている.
ERともHSとも折り合いが悪く,一般的に狂人の巣窟という認識である.
ドールたちを見れば,天使や女神として崇め奉られるかもしれない.
UCに所属するドールは,普段は信仰対象として振る舞い,有事の際はアンデッドバスターとして利用される.
「屍人工場(Deadman Factory):DF」
アクアの至る場所で活躍するアンデッドを量産,整備する組織.大量のネクロマンサーを抱え,ネクロマンシー技術を独占している.
ドールたちの大半もDFによって作られている.しかし地球時代の技術のいくつかはロストテクノロジーとなっており,中でもESP技術の復元を悲願としている.
もしもESP能力を持つドールを見つけたら,迷うことなく実験材料にするだろう.
ハンドアウト
ドールA~Dの4つの
テンプレートがあり、PLはこの中から一つ選択する。
各ドールには3レベルパーツが一つ与えられる。
ドールA
推奨ポジション:アリス,ホリック,ソロリティ
ボーナスパーツ:【オートセパレート】
所属団体
「地球復古の会」
あなたは自身についての記憶が殆ど無い.地球復古の会員によると,あなたの身体には地球産アンデッド特有の粘菌が使用されているらしい.
地球について調べることは,あなたの記憶を取り戻す手がかりになるかもしれない.復古の会の皆は,あなたに対して優しく接してくれる.地球の遺産を持ち帰れば,彼らは,もっと喜んでくれるだろう.
ドールB
推奨ポジション:コート,ホリック,オートマトン
ボーナスパーツ:【よぶんなあたま】
所属団体
「人間至上主義」
あなたは兵器として扱われている.アンデッドを嫌悪する人間至上主義の人々にとって,あなたは毒を制するための毒でしか無い.それでも中には,あなたに対して優しい態度をとる人間もいる.それは本心から?それともあなたを利用するための嘘?どちらにせよ,あなたのやるべきことは一つ.人間に害を及ぼすアンデッドや機械を壊すことだけだ.
ドールC
推奨ポジション:アリス,ジャンク,ソロリティ
ボーナスパーツ:【エンバーミング】
所属団体
「アンデッド教会」
あなたは信仰対象として扱われている.多くの信者から祀られ,崇め奉られている.
しかし教会の中枢部には,本気でアンデッドを崇拝している人間など一人もいない.
あなたは信者の気を惹き,金を集めるための客寄せパンダでしか無い.
教会の中枢部は,アンデッドのイメージを良くすることにご執心だ.アンデッドが傷害事件でも起こせば,必ず揉み消そうとするだろう.たとえ中枢部が腐っていても,多くの信者があなたに向けてくれる信仰と笑顔は本物だ.あなたはその期待に応える必要がある.
ドールD
推奨ポジション:ホリック,コート,ジャンク
ボーナスパーツ:【やぶれひまく】
所属団体
「屍人工場」
あなたは屍人工場で作られたドールらしい.少なくとも工場の人々はそう言っていた.
あなたは工場の技術の粋を集めて作られた,コンセプトモデルのような存在だ.
工場の優秀さを示すために営業やイベントに連れていかれたり,時には知らない人間に素肌をベタベタ触られたりもする.
屍人工場はアンデッド教会と同じく,アンデッドのイメージ悪化を防ごうと考えている.
工場製のアンデッドが事故を起こした場合はもちろん,それ以外のアンデッドの暴走の場合も,マスコミが騒ぐ前に火を消す必要がある.あなたは高性能なアンデッドだ.事故を起こすような粗悪品のアンデッドなどに,遅れを取ることはありえないだろう.
シナリオの方向性
自分のドールの所属団体を姉妹に話すかどうかは、PLの自由です。
例えば、地球復古の会に所属していることを話せば「おもしろそう!」と言われるかもしれません。人間至上主義に所属していることを話せば、少し距離を置かれてしまうかもしれません。
できれば、各組織に1~2人の人間NPCを登場させて、ドールの未練対象にしてあげてください。
ドール間の所属団体によって、ドールへの扱いがかなり違うので、そのRPを楽しんでもらえれば幸いです。
手駒としては、昔の建物を守り続けているアンデッドや機械。
廃墟をさまようアンデッド、異常繁殖した昆虫たち。
街中で原因不明の暴走をしだすNPCドールなど、NCにお任せです。
最終更新:2015年11月04日 23:16