自由振動
運動方程式
1自由度の線形振動系の力学モデルにおける数式表現
物理量
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質量[kg]:加速度に比例して生じる慣性力の比例定数
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ばね定数[N/m]:釣り合い点からのずれに比例した復元力の比例定数
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粘性係数[Ns/m]:速度に比例して効く減衰力の比例定数
固有値解析
解の指数関数表示
1自由度の線形自由振動系の運動方程式
上式は2階の線型常微分方程式なので、一般解は次の形式で表せる。
ここでを振動の固有値と呼ぶ
固有方程式
この方程式を解いて、固有値は次の2つである
固有値による振動状態の分類
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固有方程式の根によって振動は振動状態は分類される
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振動の分類は減衰・発散、振動・非振動の2つの属性で行われる
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虚部 = 0(非振動)
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虚部 ≠ 0(振動)
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実部 = 0
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一定値
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一定振幅で振動
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実部 < 0
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非振動・減衰
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振動・減衰
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実部 > 0
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非振動・発散
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振動・発散
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振動の固有値:振動数と減衰特性をまとめて1つの複素数で表現したもの
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固有値の実部:減衰特性
負なら減衰(安定)、正なら発散(不安定)
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固有値の虚部:振動特性
非0なら振動、0なら非振動
無次元化
減衰比 と固有振動数 を用いて書き換えた運動方程式
この時の固有値は
固有値のバリエーションが のみに依存する。
減衰比
振動波形が相似の場合、等しい値を取るように定義された減衰特性
固有振動数
減衰0()のときの自由振動の振動数
i.e. 振動波形が相似でも、固有振動数が異なれば振動の速さは異なる。
強制振動
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自由振動との違いは外力の有無
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外力によって生じる振動を強制振動
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強制振動=自由振動成分 + 外力による振動成分
定常応答
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外力による振動成分
i.e.発生する振動から自由振動成分を取り除いたもの
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強制振動の数式における特殊解
過渡応答
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自由振動成分が減衰する前の、いわば振動が落ち着くまでの強制振動
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強制振動の数式おける余関数
参考文献
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短期集中:振動論と制御理論[工学系の数学入門](吉田勝俊,2003,日本評論社)
最終更新:2011年04月29日 14:20