スオラ人の身体的特徴
こども
- 不完全な両性体。生殖能力がないので、無性体ともいえる。
- ほぼ白髪に近い銀髪。
- 灰色に近い青系の瞳。
- 色素がほとんどなく、雪が降ると景色と同化して見える。
- 五感が非常に鋭い。特別な能力ではないが、ヒトより見える色の数が多かったり聞こえる音域が広かったりするため、ヒトには第六感があるかのように見えるかもしれない。
- 暑さに弱く、熱中症になりやすい。
- 体格はヒトと変わらない。
『恋の頃』/『赤い目の子』のこども
- 不完全な両性体。生殖能力がないので、無性体ともいえる。しかし、性的な好奇心は強く、男性や女性の身体に興味を抱きやすい。また、男女どちらかに見えるようあえておとなの民族衣装を着る子もいる。
- ほぼ白髪に近い銀髪。
- 血と同じ真っ赤な色の瞳。
- 色素がほとんどなく、雪が降ると景色と同化して見える。
- 五感が非常に鋭い。以下こどもと同じ。
- 少し丸みを帯びたからだになる。不思議な肉がうっすら皮膚の下につく。この肉が、男性になると筋肉に、女性になると皮下脂肪になる。
- 男性か女性になるまでは、エーデマルク人よりも小柄で童顔。20歳を超えても変化していない場合、十代後半くらいで成長が止まっているように見える。
- 暑さに弱く、熱中症になりやすい。
おとな
- 基本的に男性か女性。生殖能力を有しており、ヒトとも交配可能。まれに変化に失敗して不完全な両性体のままの者もいるが、おそらく1000人に1人もいない。
- 銀髪~明るめの金髪。こどもの頃より少し濃い。
- 青系の瞳。こどもの頃より少し濃い。
- こどもの頃に比べて鈍感になってしまうが、こどもの頃の経験にもとづいた勘で補えるので、ヒトよりは五感が鋭いように感じられる。
- 体格はヒトと変わらないが、エーデマルク人よりは小柄で、男性平均は170センチ代前半、女性平均は160センチ前後。
- 暑さに弱く、熱中症になりやすい。
- その他一切が普通のヒトと変わらず。
- 平均寿命は、ヒトにしては長めで、男女ともに80歳前後。100歳の長寿もたまにいる。エーデマルク連合王国におけるもっとも長生きした者の記録は今のところ20年ほど前に亡くなったスオラ人女性の113歳らしい。
スオラ人の性分化について
スオラ人のスオラ人たる最大のゆえん。
科学的なメカニズムは解明されていないが、スオラ人のほとんどが以下のような過程を経て成長する。
両親ともがスオラ人の場合、生まれるこどもは皆不完全な両性体である。男児の特徴も女児の特徴も併せ持った性器を有しており、男児にも女児にも見える容貌をしている。
この段階では、生殖能力はない。性欲もなく、自分たちの身体への関心が非常に薄い。
ほとんどの子に性自認がなく、男児扱いも女児扱いも嫌がる傾向にあるため、民族衣装もこども向けには男女の別はない。
一部は、だいたい10歳~13歳ほどで、周囲のおとなに性別があることに気づき、男女どちらかに憧れ始める。周囲のおとなの真似をして『男性的な振る舞い』『女性的な振る舞い』をしてみることもある。この子たちだけはどちらかに見える雰囲気をしていることもあるが、中身は他の未分化のこどもたちと同じ。
中にはそのまま男女どちらかになることを強く希望するようになる子も出てくる。一応当人の意思は受け止めつつも、基本的には時期が来るまで放っておく。
身体がある程度の大きさまで成長すると、性別の分化(以下「性分化」)が可能になる。
この時期になると、身体の中でもっとも最後に発達する部位・生殖器官が目覚め、何らかのシグナルを発する模様。個人差はあるが、14~18歳でこの時期を迎えるこどもが多い。
最初に、瞳が赤色に変化する。また、身体全体で特殊な肉が作られ、わずかに丸みを帯びた体つきになる。
かつては総じて『発情期』と呼んでいたが、スオラ人の中から「獣と同じ言い方は恥ずかしい」という声が上がったため、数十年前から故意に『思春期』という呼び方を普及させている。したがって今も老人や口汚い者は『発情期』と言うこともある。
エーデマルク人など、スオラ人以外の者に『発情期』と呼ばれるのは侮蔑であり差別語だと感じるスオラ人は多い。逆に、この短い期間の独特の雰囲気を愛好するエーデマルク人は精霊に例えて『精霊期』という雅やかな呼び方を使うこともある(これはこれでスオラ人は恥ずかしがり嫌がる)。
瞳が赤くなると、途端に自他の身体に興味を持ち始め、性的欲求を抱きやすくなる。したがって『恋の頃』とも言う。
情緒不安定になるこどもも現れるが、スオラ人の親は自分の子に「瞳が赤くなると心身が不安定になるがすべて自然な現象であり将来子を作るために必要なことである」と熱心に言い聞かせ手厚い庇護を試みるため、両親の関係や両親との関係が良好な家庭に育ったこどもは自分の心身の変化をすんなりと受け入れられる傾向にある。
ただし、11歳以下で瞳が赤くなった場合は早熟すぎて性分化に失敗し死亡しやすいため、周囲が性分化を阻止するために教会などへ預けてしまうことがある。また、20歳を越えても瞳が赤くならない場合は生殖機能がまったく機能していないことを意味しており、以後は何をしても性分化できず、生涯未分化のままでいなければならない。とは言え、いずれの場合もごくまれである。
瞳が赤くなると、当人もその親も家族ぐるみで伴侶を探し始める。
基本的には当人の自由恋愛にもとづいており、周囲は二人の意志を最大限尊重しようとするが、性分化自体が一生に一度しかできないことや生死に関わる現象でもあることから、瞳の赤い子をもつ親は総じて過保護になりがち。
結局のところ、同じ集落のよく見知った幼馴染みを選ぶ傾向が強い。中にはエーデマルク人やすでに性分化している相手を選ぶ者もあるが、心身への負担が非常に大きいため、周囲に反対されることもある。
相手が正式に決まり、婚約すると、性分化に取りかかる。
(以下性分化の仕方が18禁なので反転)
二人の話し合いの結果どちらが男性に分化しどちらが女性に分化するかを決めると、周囲のおとなに習って、儀式的な性行為を行なう。
未発達な膣に相当する穴に強い刺激を受けた方が女性となり、未発達な陰茎に相当する突起物に強い刺激を受けた方が男性となる。
通常、未分化同士での分化の儀式は、男性化を希望する者の股間の小さな突起物(平均3~4センチといわれる)を女性化を希望する者の股間の狭い穴(体液の分泌はかなり少ない)に挿入することで成立する。双方の未発達な性器が細く小さいこと、またそれ以外にはすでに分化済みの者同士が行なう性行為とまったく変わらないことから、互いの心身への負担は軽い。
スキンシップの延長線上くらいに考えるカップルがほとんどで、楽しんでいるうちに済んでしまうケースの方が多数派。この際すでにエクスタシーを感じられる者も多く、快楽を感じた者ほど後に『男性的』『女性的』な身体になりやすい模様。中には口や手を用いてわざと相手の性器に相当する部分を刺激し曲線美や筋肉美を目指すちゃっかりしたカップルもいるらしい。
片方がすでに性分化している場合は、事情が大きく異なり、和やかさはほぼない。
未分化の者が女性になる場合、未分化の膣に相当する部分が狭く体液の分泌も少ないため、成人男性が性器を挿入すると激痛と大量の出血に悶え苦しむこととなり、中には死亡してしまう者も現れる。
未分化の者が男性になる場合、未分化の陰茎に相当する部分への刺激が足りないと男性への分化が途中で止まり生殖機能が不完全になってしまうため、数時間、時には数日にわたる行為が必要になり、双方とも精神的な苦痛が大きい。
(反転終わり)
儀式を終えてから完全に分化するまで、男女ともにおよそ3~4週間かかる。いずれも高熱と全身の激痛を伴うためほとんど身動きが取れず、周囲の支援が不可欠となる。また、体力のない者は身体の変化に耐えきれず最悪死亡することもある。
女性への分化は身体への負担が比較的軽い。中には半月程度で完成する者もある。
男性への分化の方が筋骨を強引に引き伸ばされる分苦痛が強く、女性へ分化する者より命を落としやすいといわれている。1ヶ月弱で身長が一気に10センチ以上伸びることもあり、全身が引き千切られるように感じるという。
早めに分化が済んで女性となった伴侶が男性への分化に苦しみ続ける伴侶を甲斐甲斐しく看護する様子もよく見掛けられる。
分化が完全に終わった証として、瞳の色が青系統の色に変わる。身体の色素が全体的に少々濃くなり、特に男性化した方は金髪になる者も多い。早めに高熱や痛みが治まっても瞳が赤いうちはまだ途中とみなされ周囲に安静を強いられる。
男女双方とも瞳が青くなってしばらくすると、精通・初潮を迎える。この段階に到達して初めて『おとなになった』とみなされ、正式な結婚式が盛大に執り行われる。
結婚式の開催の日取りは、大抵が妻となる女性の初潮待ち。新婦は嫁入り修行に精を出して自分の身体の調子が万全になるまで待つのが普通。新郎は新郎で未分化の頃には腕力が足りずにできなかった狩猟や木材の伐採を習いつつ花嫁を想い待ち詫びて真面目かつ大人しく過ごす。たいていは1~2ヶ月の間のことである。
結婚式は村を挙げての盛大なものとなる。
式の後は『初夜』になる。すでに性分化の儀式を経た相手だが、完成した新しい身体で触れ合うのはまた別の話らしく、非常に初々しくぎこちない雰囲気になる。ご愛嬌。
本当に生殖機能が完成するのはもう少し先のようで、いわゆるハネムーンベビーはスオラ人にはいない。妻となった者は平均して結婚後1年前後で第一子を妊娠する。したがって、初婚年齢は17~8歳、初産年齢は20歳くらい。
性分化の苦難を乗り越えた夫婦の絆は強く、死が二人を別つまで生涯苦楽を共にしようとする。「スオラ人は離婚も再婚もしない」といわれるが、実際に離婚率は低く、おとなで独身になる者はほとんどが死別であり、再婚を嫌がる者も多い。
エーデマルク人は仲の良い夫婦のことを『まるでスオラ人夫婦だ』と言う(エーデマルク人の離婚率はかなり高い)。
未分化のこどもが産まれる法則
- 両親ともにスオラ人→こどもは確実にスオラ人で未分化
父親がスオラ人→こどもは大抵の場合スオラ人で未分化、たまにすでに性分化したこどもも産まれる
- 母親がスオラ人→こどもは大抵の場合父親の特徴を受け継いで性分化済み、ごくまれに未分化のスオラ人のこどもが産まれることもないわけではない
最終更新:2015年10月10日 00:43