「DRAGONQUEST ダイの大冒険(新アニメ版)の第1話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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勇者アバンと魔王ハドラーが相対していた。
アバン「来い!ハドラー!」
ハドラー「むぅ!これで終わりだぁ!!」
ハドラーが闘気をこめた拳で、アバンを打ち据えたが、
アバンはその一撃を受け流し、後ろに刺さった自分の剣を引き抜き―――
ハドラー「ぬおっ!」
アバン「でりゃああ!!」
アバンの奥義、アバンストラッシュがハドラーを切り裂いた。
その戦いの様を、謎の存在バーンとその側近、ミストバーンとキルバーンが見ていた。
バーン「魔王が勇者に倒された・・・人間という奴は何をするか分からぬのう・・・はっはっはっ・・・・」
バランという男が、妻ソアラの亡骸を抱えていた。
バラン「貴様ら一体・・・・何様のつもりだ!消えろ!消えろ人間ども!!」
大爆発――――その中からバランはソアラの亡骸を抱えて飛び去っていった。
嵐の海を、小舟が漂っていた。
その小舟が流れ着いた島には、モンスター達がいた。
きめんどうしのブラスが小舟に近寄る。
ブラス「ん?」
ブラスは小舟の中の赤子と、頭文字の「D」だけが読めるプレートを見付け――――
#center(){
&bold(){小さな勇者、ダイ}
}
とある島で、モンスター達が平和に暮らしていた。
そんな中、他のモンスター達を引き連れて、アンクルホーンに乗って突き進む人間の子供がいた。
ダイ「勇者ダイ見参!!ひゃっほう!行け行け―――!島の平和を守るんだ!!」
しかし、ダイ達の行く前にいたブラスが、飛び上がってダイの頭を杖で叩いて、アンクルホーンから落とした。
ブラス「ばっかもーん!!」
ダイ「いてて・・・ブラスじいちゃん何するんだよ」
ブラス「勇者ごっごして遊んでる暇があったら、魔法の修行をせい!」
ダイ「ええ~」
ブラス「お前を拾って何年になると思っとるんじゃ!魔法の1つも覚えられんで何が勇者じゃ!」
ダイは、金色で翼の生えたスライム、ゴメを連れて崖に来ていた。
ダイ「はあ、頭来ちゃうなゴメちゃん」
ゴメ「ピィ」
ダイ「勇者の話をしてくれたのはブラスじいちゃんなのに」
「昔、勇者と呼ばれる正義の剣士が人々を苦しめる魔王に戦いを挑んだ。
勇者様は、仲間と力を合わせてついに魔王をやっつけた!」
「でもさ」
かって、幼いダイにブラスが勇者の話をしていた。
ブラス「魔王の手下であったワシらモンスターはその邪悪の意思から解放され、このデルムリン島で平和に暮らす事になったんじゃ。勇者様のお陰じゃよ」
ダイ「勇者様凄いね!」
ブラス「ダイ、お前は勇者様のお役に立てるような立派な魔法使いになるんじゃ」
ダイ「はぁ、じいちゃんは魔法使いだからそう言うんだけどさ・・・オレ勇者がいいよ。一番かっこいいもん」
ゴメ「ピィ、ピィピィ~」
ダイ「ゴメちゃんもそう思うだろ!」
ゴメ「ピピ~」
ダイ「ゴメちゃんは話が分かるぜ。あ、ん?」
ダイは、島に近づく船を見付けた。
ダイ「船だ」
ダイが望遠鏡を覗くと、その船から出て来た、武装した4人組の乗る小舟が見つかった。
ダイ「あ・・・ああ――――!!勇者様だ――――!何でこんな島に勇者様が!?こうしちゃいられない!」
ダイが口笛を吹くと、海にマーマンが出て来た。
ダイ「ゴメちゃんは待っていろよな」
ゴメ「ピィ~」
ダイがマーマンに飛び乗った。
ダイ「マーマン、あの船まで頼むよ!」
ダイを乗せたマーマンが小舟に向かう。
ダイ「本物の勇者様に会えるかも!」
ゴメ「ピィ・・・・」
魔法使いまぞっほ「モンスターの生き残りがうじゃうじゃいるという島にしては、穏やかだな」
勇者(?)でろりん「魔王が死んでから、すっかり大人しくなったからな。そんなモンスターをいびり倒してりゃ勇者と崇めてくれるんだから、こんなに美味しい商売はないぜ」
戦士へろへろ「まったくだ。また一暴れしてやるか」
まぞっほ「ひっひっひ」
僧侶ずるぼん「無闇に殺しちゃダメだよ。今回はモンスター退治じゃないんだから」
でろりん「世界に一匹しかいない幻の珍獣、ゴールデンメタルスタイムか」
へろへろ「ほんとにいるのかよ」
でろりん「あれは!」
まぞっほ「マーマン!」
ずるぼん「子供が乗っている!」
ダイを乗せたマーマンが小舟の前まで来た。
ダイ「あーっ!やっぱり本物だ!」
ダイが小舟に飛び移った。
ダイ「勇者様達ですね!」
背中の剣に手を伸ばすでろりんを、ずるぼんが止めた。
ずるぼん「そう、私達は勇者と素敵な仲間達よ」
ダイ「すごーい!」
まぞっほ「坊や、あなたは?」
ダイ「おれ、ダイです!」
まぞっほ「あの島の子?」
ダイ「うん」
まぞっほ「でも、あの島にはモンスターがたくさんいるんでしょ?」
ダイ「大丈夫だよ、みんな俺の友達だもん」
ずるぼん「そっか・・・・友達なんだ・・・」
ダイとでろりん達がデルムリン島に上陸した。
ダイ「えっ、みんなを呼ぶの?」
ずるぼん「そう。私達はね、罪も無いモンスターが人間にいじめられないよう、保護して回ってるの。だからこの島のモンスターの実態が知りたくてね」
でろりん「頼むよ、ダイくん」
ダイ「分かりました!」
ダイの口笛が島中に響いた。
ブラス「集合の笛?何じゃ一体」
ダイ達の元にモンスター達が集まってきた。
ずるぽん「坊や、これで全部?」
ダイ「うん。殆ど」
ずるぼん「ほら、これのもっと綺麗な奴がいるでしょ」
ずるぼんがスライムを指さす。
ダイ「うーん、ああ、ゴメちゃんか」
ずるぼん「ゴメちゃん?」
ダイ「あだ名だよ。本当はゴールデンなんとかっていう長ったらしい名前なんだけど、言いにくいからさ」
でろりん達「「「「それだ!」」」」
ダイ「え?」
ずるぽん「そのゴメちゃんに、ぜひ!会いたいわ」
ダイ「あいつ人見知りするから、オレが連れてくるよ」
ダイが駆けだしていった。
ブラスがでろりん達の所に来た。
ブラス「みんなどうした、何事じゃ?」
でろりん「ほう、きめんどうしが一匹生き残っていたか」
ブラス「む?貴様らは誰じゃ?」
でろりん「勇者でろりんとその仲間達だ」
ブラス「勇者様?・・・いや、お前達からは何か悪意を感じる、ここに何しに来た!」
でろりん「うるさいじじいめ」
ゴメを連れたダイが、森を歩いていた。
ゴメ「ピィピィ!」
ダイ「何嫌がってるんだよ、勇者様なんだぜ」
物音が聞えてきた。
ダイ「何だ?」
ダイ「あっ!」
森から出たダイが見たのは、モンスター達を襲うでろりん達だった。
でろりん「たあっ!」
へろへろ「うらあ!」
まぞっほ「ヒャド!」
ダイ「や・・・・」
でろりんがスライムに剣を振り下ろそうとする。
ダイ「やめろ――――――!!」
でろりん「ん?」
ブラス「ダイ!逃げろ!」
ダイ「じいちゃん!」
ずるぽん「坊や、ご苦労さん」
ずるぼんがダイからゴメを奪った。
ダイ「あ!」
ずるぼん「ご褒美をあげるわ。バギ!」
ずるぼんのバギがダイを吹き飛ばした。
ダイ「うわあ!」
ブラス「ダイ!」
でろりん達は小舟に戻っていく。
でろりん「さあ、一気に片づけて引き上げだ」
ブラス「みんな伏せろ!」
でろりん「イオラ!!」
でろりんのイオラが大爆発を起こし、
でろりん達の小舟が島から離れていった。
ブラス「何て奴らじゃ・・・」
でろりん「上手く行ったぜ」
ずるぽん「これで褒美は思いのまま」
まぞっぽ「全く笑いが止まらんよ」
ゴメ「ピピ・・・・」
ダイ「何で勇者様がこんなことするんだ!勇者様がゴメちゃんを連れていくんだ!」
ブラス「奴らは勇者の偽物じゃ。あんな真似をする勇者などおらん!」
ダイ「じいちゃん・・・俺、ゴメちゃんを助けに行くよ!」
ブラス「奴らと戦うならこれを使うがいい」
ブラスは剣と、4個の筒を持ってきた。
ダイ「これは?」
ブラス「魔法の筒じゃ」
ダイ「でも、おれ、魔法は使えないよ」
ブラス「大丈夫じゃ。これは一体だけ生き物を閉じ込める筒なのじゃ」
「イルイルと唱えるだけで筒を向けた相手を封じ込める。デルパと唱えれば中味が飛び出す」
ダイ「ふーん」
ブラス「作戦を立てて仲間と共に乗り込むがいい。そして・・・」
ブラスは2個の金色の魔法の筒を出してきた。
ブラス「この金の筒は昔、魔王より委ねられたものだ。何が入ってるか恐ろしくて開けた事がない」
ダイ「イルイル」
ブラス「もしもの時・・・・」
ダイが魔法の筒にブラスを入れた。
ダイ「デルパ」
ダイは魔法の筒からブラスを出した。
ブラス「バカたれ、わしを・・・」
ダイ「イルイル」
「デルパ」
ダイはもう1度ブラスを魔法の筒に出し入れする。
ブラス「封じこめて」
ダイ「イルイル」
ダイは三度、ブラスを魔法の筒に入れた。
ダイ「すげえ・・・ようし、まずじいちゃん。あとは・・・まだ戦える奴集まれ―――!」
ダイが口笛を吹くと、キラーパンサー、あばれザル、
だいおうイカ、マーマン、キメラ。ゴーレムが集まってきた。
ダイ「よし」
船の上では、ロモス王の下にでろりん達が傅いていた。
ロモス王「勇者でろりんよ。面を上げるが良い」
でろりん「ははっ」
ロモス王「それでデルムリン島はどうであった?ウワサ通り、モンスターが巣くう魔の島であったか」
でろりん「はっ。邪悪極まりないモンスターの残党どもが次から次へと襲いかかってきましたが、仲間達と力を合わせ、奴らを一掃してまいりました」
兵士たち「「「おお!」」」
でろりん「その際に世界に一匹しかいない珍しいモンスターを捕らえてきました。ロモス王に献上しようと思いまして」
ロモス王「余にモンスターじゃと?」
ずるぼんが檻に被せていた布を外すと、檻の中からゴメが輝いていた。
ロモス王「おおっ!こ、これは!!」
ずるぽん「幻の珍獣と呼ばれるゴールデンメタルスライムですわ」
でろりん「まさに、生きた宝石です」
ロモス王「何とすばらしい!見事じゃでろりん!お主の所望した褒美を取らせよう!
我がロモス王家に伝わる勇者の証、覇者の冠。お主こそこれに相応しき勇者じゃ」
ダイ「おおおお――――っ!」
ロモス王「何じゃ?」
でろりん「まさか!」
ダイ「はー――っ!はっ!」
キメラに乗ってきたダイが船の上に飛び降りた。
ダイ「ゴメちゃんを返せ――――っ!!」
でろりん「ふぅん」
ロモス王「ゴメちゃん?」
ダイ「そのゴールデンなんとかだ!」
でろりん「ちっ。お下がり下さいロモス王。このもの、見かけはあんなのですが。凶悪なモンスターの仲間なのです」
ダイ「俺の仲間は凶悪なんかじゃない!だけどお前達みたいな奴ら相手なら話は別だ!
みんな頼むぞ!デルパ!」
ダイ「デルパ!」
「デルパ!」
「デルパ!」
「デルパ!」
ブラス「何するんじゃ・・・」
ブラスとモンスター達が魔法の筒から出された。
でろりん「こりない奴らめ、返り討ちだ!」
ダイ「・・・・みんな踏ん張れ――――!」
ダイが口笛を噴くと、モンスター達がその場で踏ん張った。
でろりん「?」
その時、船が揺れだした。
海からマーマンとだいおうイカが船を揺らしている。
ずるぽん「あぁ――――っ!」
でろりん達が船の揺れに足を取られる。
ダイ「どうだ!空と地上と海の総攻撃だ!」
でろりん「なめんな―――!」
でろりんはダイに向かって行こうとするも、
船の揺れで思うように進めない。
でろりん「うわぁあ!」
ダイ「た―――っ!」
そこへダイの方からでろりんに切りかかった。
ブラス「メラ!」
ブラスのメラが兵士たちに放たれ、あばれザルも兵士に襲いかかる。
ゴーレムが動けないへろへろに迫る。
へろへろ「来るな―――!」
ゴーレムのパンチがへろへろに炸裂した。
ずるぽん「まぞっほ!あいつらを黙らせるよ!バギ!」
まぞっぽ「ヒャド!」
ずるぼんのバギとまぞっほのヒャドの同時攻撃が、だいおうイカとマーマンを凍らせ、
船の揺れが止まった。
ずるぼん「今だ!モンスターを倒すよ!」
でろりん「おう!」
でろりんはダイを蹴飛ばした。
ダイ「うわ!」
でろりん「メラ!」
でろりんのメラがキメラに当たり、キメラは兵士に海に突き落とされた。
でろりん「メラ!」
でろりんのメラが今度はあばれザルを倒した。
まぞっほ「ヒャド!」
まぞっほのヒャドがキラーパンサーを凍らせる。
ゴーレムが兵士を海に投げ落とす。
でろりん「ちいっ!イオラ!」
でろりんのイオラが、ゴーレムを海に叩き落とした。
でろりん「モンスターごときが」
ダイ「この―――!」
でろりんとダイが切り結ぶ。
でろりん「勇者の力を見くびるなよ!」
ダイ「何が勇者だ!オレの友達をさらった強盗のくせに!」
ロモス王「むっ?」
でろりん「黙れ!」
ダイの持つ剣が折られ、ダイが蹴り飛ばされマストに叩きつけられた。
ブラス「ダイ!」
ダイの元に向かおうとするブラスの前にまぞっほが立ちふさがる。
まぞっぽ「お前の相手はワシじゃよ」
ブラス「ぬぅ・・・」
でろりん「余計な口を効けなくしてやるぜ」
ブラス「金の筒じゃ!金の筒を使えダイ!」
ダイ「ようし・・・デルパ!」
金の筒から十数匹のスライムが飛び出し、でろりんを吹き飛ばした。
でろりん「ぬわ!」
1匹のスライムがでろりんの頭に当たった。
でろりん「あた!」
ダイ「1匹じゃなくてこんなに・・・・」
でろりん「おどかしやがって!スライムじゃねえか!」
ダイ「デルパ!」
もう1つの金の筒から飛び出したのは――――
でろりん「ド!ドドドドド、ドラゴン!?」
ドラゴンだった。
その巨体が再び船のバランスを崩す。
ドラゴンの火炎をでろりんは何とかかわした。
ブラス「バギ!」
ブラスのバギがまぞっほを吹き飛ばし、そこをドラゴンの火炎に焼かれていった。
まぞっほ「あぁ・・・・」
ダイ「凄いぞドラゴン!ニセ勇者をやっつけろ!」
ドラゴンがでろりんの眼前に迫り――――
ずるぽん「そこまでだよ!」
ダイ「あ!」
ずるぼんがゴメの檻に、どくばりを突きつけていた。
ずるぽん「さあ坊や!さっさとそのドラゴンを引っ込めな!」
ダイ「ゴメちゃん!」
ずるぽん「さもないと・・・」
ゴメ「ピィ!」
ダイ「止めろ―――!イルイル!」
ダイはドラゴンを金の筒に戻した。
ずるぼんがでろいんの元に来た。
でろりん「うははははは!でかしたぞ、ずるぽん!」
ダイ「ちきしょう・・・・」
ずるぽん「あたし達の勝利ね、おーほっほっほ!!」
高笑いを上げるずるぼん。
しかし、金の筒が輝き、その輝きを見たスライム達が集まっていき――――
でろりん「まさか、こいつら・・・・
ずるぽん「おーっほっほ・・・あ?ああ!?キングスライム!?」
キングスライムとなった。
キングスライムがずるぼんを押しつぶした。
でろりん「ずるぽん!」
でろりんが飛び退いた所を、ブラスがでろりんの頭を踏みつけ、ゴメの檻を奪った。
ブラス「キングスライムがバラバラになって出てきおったのか!」
でろりん「く、来るな!」
ダイ「今だ!イルイル!!」
でろりん「え?うわああああああああ・・・・・」
でろりんは魔法の筒に封じられていった。
ブラス「やったな、ダイ」
へたりこんだダイの元に檻から出されたゴメがすり寄ってきた。
ゴメ「ピピィ、ピィ~」
ダイ「ゴメちゃん・・・・」
兵士たち「おのれモンスター」
「よくも勇者様を!」
ロモス王「待て!」
ロモス王がダイ達に歩み寄る。
ロモス王「勇者とその仲間達という触れ込みであったが、子供を殺そうとしたり、人質を取ったりする者が勇者であるはずがない」
ブラス「ロモスの王様」
兵士たちがブラスに槍を突きつける。
兵士「下がれ!」
ロモス王「よい、このモンスターの話を聞こう」
ブラス「はは」
ブラスがロモス王に事情を説明している間に、マーマンがだいおうイカの氷を砕いていた。
ロモス王「どうやらワシの目が曇っておったようじゃ。
ニセ勇者と見ぬけずにデルムリン島の調査を許した自分が恥ずかしいわい」
ブラス「ダイの乱暴狼藉は友達を助けようとしたまで。どうかご容赦を
ロモス王「ブラス殿、許しを請うのはワシの方じゃ。これ、あれを」
布が外され、覇者の冠が露わになった。
ダイ「あっ・・・」
ロモス王「この覇者の冠を被る資格があるのはむしろこの勇敢な少年かもしれんな」
ロモス王がダイに覇者の冠を被せた。
ロモス王「未来の勇者にこれを託しておこう」
兵士たち「「「おお―――っ!」」」
ゴメ「ピィ―――!」
ダイ「未来の勇者・・・えへへ」
夕暮れ。ロモスの船はデルムリン島から離れていく。
ロモス王「さて、ワシらは予定通り、パプニカ王国へ向かうとしようぞ」
その船を、でろりん達の小舟が追う。
ずるぽん「お願いです!置いてかないでー!待って―――!!」
後日。
ダイは覇者の冠を探していた。
ダイ「オレの覇者の冠どこ!?」
ブラス「知らんな」
ダイ「あれはオレの宝物だよ!どこに隠したの!」
ブラス「ワシは知らん!大体勇者様の持ち物をお前が持ってどうするんじゃ」
ダイ「オレは未来の勇者なんだよ!」
ブラス「お前の未来は魔法使いじゃ!他には!な――――い!!」
ダイ「そんな・・・じいちゃ―――ん!」
そんな中、覇者の冠を被ったゴメが空を飛んでいた。
3ヶ月後
ダイ「は――――っ!メラ!」
ダイがメラを撃とうとするも、小さな火が出てすぐに消えた。
ブラス「なっとらーん!」
ブラスがダイの頭を杖で叩く。
ダイ「じいちゃん!オレ勇者の特訓をしたいんだけど!」
ブラス「そんな特訓はいらん!さあ続けるぞ!」
ダイ「ちぇっ、あれ・・・」
ダイがデルムリン島に近づく船を見付けた。
ダイ「軍艦だ!軍艦が攻めてきたぞ!
ダイがブラスに望遠鏡を渡す。
ダイ「あれ、軍艦だろ?」
ブラス「あれは聖なる船、賢者にのみ使う事を許された特別な船じゃ!」
ダイ「へ――っ」
ダイとブラスが海岸に来た所で、船から老人テムジンと青年バロンが出て来た。
ダイ「あれが、賢者様?」
ブラス「これ、頭が高い!」
テムジンとバロンがダイとブラスに傅いた。
テムジン「未来の勇者、ダイくん。それにブラス老ですね」
ダイ「未来の勇者!?」
ブラス「ブラス老・・・・」
テムジン「私はパプニカ王国の司教テムジン。こちらは賢者のバロン。パプニカの姫、レオナ様と共に、故あってこの島を訪れました」
ブラス「姫ですと?」
ダイ「あっ」
兵士達に見送られ、船から1人の少女、レオナが降りてきた。
ダイ「えへへ」
レオナ「あなたが勇者ダイ?」
ダイ「うん!」
レオナ「ぷっ、やだ-――!こんな小さいの!たよりなさそー!」
ダイ「!!」
#center(){
&bold(){つつく}
}
勇者アバンと魔王ハドラーが相対していた。
アバン「来い!ハドラー!」
ハドラー「むぅ!これで終わりだぁ!!」
ハドラーが闘気をこめた拳で、アバンを打ち据えたが、
アバンはその一撃を受け流し、後ろに刺さった自分の剣を引き抜き―――
ハドラー「ぬおっ!」
アバン「でりゃああ!!」
アバンの奥義、アバンストラッシュがハドラーを切り裂いた。
その戦いの様を、謎の存在バーンとその側近、ミストバーンとキルバーンが見ていた。
バーン「魔王が勇者に倒された・・・人間という奴は何をするか分からぬのう・・・はっはっはっ・・・・」
バランという男が、妻ソアラの亡骸を抱えていた。
バラン「貴様ら一体・・・・何様のつもりだ!消えろ!消えろ人間ども!!」
大爆発――――その中からバランはソアラの亡骸を抱えて飛び去っていった。
嵐の海を、小舟が漂っていた。
その小舟が流れ着いた島には、モンスター達がいた。
きめんどうしのブラスが小舟に近寄る。
ブラス「ん?」
ブラスは小舟の中の赤子と、頭文字の「D」だけが読めるプレートを見付け――――
#center(){
&bold(){小さな勇者、ダイ}
}
とある島で、モンスター達が平和に暮らしていた。
そんな中、他のモンスター達を引き連れて、アンクルホーンに乗って突き進む人間の子供がいた。
ダイ「勇者ダイ見参!!ひゃっほう!行け行け―――!島の平和を守るんだ!!」
しかし、ダイ達の行く前にいたブラスが、飛び上がってダイの頭を杖で叩いて、アンクルホーンから落とした。
ブラス「ばっかもーん!!」
ダイ「いてて・・・ブラスじいちゃん何するんだよ」
ブラス「勇者ごっごして遊んでる暇があったら、魔法の修行をせい!」
ダイ「ええ~」
ブラス「お前を拾って何年になると思っとるんじゃ!魔法の1つも覚えられんで何が勇者じゃ!」
ダイは、金色で翼の生えたスライム、ゴメを連れて崖に来ていた。
ダイ「はあ、頭来ちゃうなゴメちゃん」
ゴメ「ピィ」
ダイ「勇者の話をしてくれたのはブラスじいちゃんなのに」
「昔、勇者と呼ばれる正義の剣士が人々を苦しめる魔王に戦いを挑んだ。
勇者様は、仲間と力を合わせてついに魔王をやっつけた!」
「でもさ」
かって、幼いダイにブラスが勇者の話をしていた。
ブラス「魔王の手下であったワシらモンスターはその邪悪の意思から解放され、このデルムリン島で平和に暮らす事になったんじゃ。勇者様のお陰じゃよ」
ダイ「勇者様凄いね!」
ブラス「ダイ、お前は勇者様のお役に立てるような立派な魔法使いになるんじゃ」
ダイ「はぁ、じいちゃんは魔法使いだからそう言うんだけどさ・・・おれ勇者がいいよ。一番かっこいいもん」
ゴメ「ピィ、ピィピィ~」
ダイ「ゴメちゃんもそう思うだろ!」
ゴメ「ピピ~」
ダイ「ゴメちゃんは話が分かるぜ。あ、ん?」
ダイは、島に近づく船を見付けた。
ダイ「船だ」
ダイが望遠鏡を覗くと、その船から出て来た、武装した4人組の乗る小舟が見つかった。
ダイ「あ・・・ああ――――!!勇者様だ――――!何でこんな島に勇者様が!?こうしちゃいられない!」
ダイが口笛を吹くと、海にマーマンが出て来た。
ダイ「ゴメちゃんは待っていろよな」
ゴメ「ピィ~」
ダイがマーマンに飛び乗った。
ダイ「マーマン、あの船まで頼むよ!」
ダイを乗せたマーマンが小舟に向かう。
ダイ「本物の勇者様に会えるかも!」
ゴメ「ピィ・・・・」
魔法使いまぞっほ「モンスターの生き残りがうじゃうじゃいるという島にしては、穏やかだな」
勇者(?)でろりん「魔王が死んでから、すっかり大人しくなったからな。そんなモンスターをいびり倒してりゃ勇者と崇めてくれるんだから、こんなに美味しい商売はないぜ」
戦士へろへろ「まったくだ。また一暴れしてやるか」
まぞっほ「ひっひっひ」
僧侶ずるぼん「無闇に殺しちゃダメだよ。今回はモンスター退治じゃないんだから」
でろりん「世界に一匹しかいない幻の珍獣、ゴールデンメタルスタイムか」
へろへろ「ほんとにいるのかよ」
でろりん「あれは!」
まぞっほ「マーマン!」
ずるぼん「子供が乗っている!」
ダイを乗せたマーマンが小舟の前まで来た。
ダイ「あーっ!やっぱり本物だ!」
ダイが小舟に飛び移った。
ダイ「勇者様達ですね!」
背中の剣に手を伸ばすでろりんを、ずるぼんが止めた。
ずるぼん「そう、私達は勇者と素敵な仲間達よ」
ダイ「すごーい!」
まぞっほ「坊や、あなたは?」
ダイ「おれ、ダイです!」
まぞっほ「あの島の子?」
ダイ「うん」
まぞっほ「でも、あの島にはモンスターがたくさんいるんでしょ?」
ダイ「大丈夫だよ、みんなおれの友達だもん」
ずるぼん「そっか・・・・友達なんだ・・・」
ダイとでろりん達がデルムリン島に上陸した。
ダイ「えっ、みんなを呼ぶの?」
ずるぼん「そう。私達はね、罪も無いモンスターが人間にいじめられないよう、保護して回ってるの。だからこの島のモンスターの実態が知りたくてね」
でろりん「頼むよ、ダイくん」
ダイ「分かりました!」
ダイの口笛が島中に響いた。
ブラス「集合の笛?何じゃ一体」
ダイ達の元にモンスター達が集まってきた。
ずるぽん「坊や、これで全部?」
ダイ「うん。殆ど」
ずるぼん「ほら、これのもっと綺麗な奴がいるでしょ」
ずるぼんがスライムを指さす。
ダイ「うーん、ああ、ゴメちゃんか」
ずるぼん「ゴメちゃん?」
ダイ「あだ名だよ。本当はゴールデンなんとかっていう長ったらしい名前なんだけど、言いにくいからさ」
でろりん達「「「「それだ!」」」」
ダイ「え?」
ずるぽん「そのゴメちゃんに、ぜひ!会いたいわ」
ダイ「あいつ人見知りするから、オレが連れてくるよ」
ダイが駆けだしていった。
ブラスがでろりん達の所に来た。
ブラス「みんなどうした、何事じゃ?」
でろりん「ほう、きめんどうしが一匹生き残っていたか」
ブラス「む?貴様らは誰じゃ?」
でろりん「勇者でろりんとその仲間達だ」
ブラス「勇者様?・・・いや、お前達からは何か悪意を感じる、ここに何しに来た!」
でろりん「うるさいじじいめ」
ゴメを連れたダイが、森を歩いていた。
ゴメ「ピィピィ!」
ダイ「何嫌がってるんだよ、勇者様なんだぜ」
物音が聞えてきた。
ダイ「何だ?」
ダイ「あっ!」
森から出たダイが見たのは、モンスター達を襲うでろりん達だった。
でろりん「たあっ!」
へろへろ「うらあ!」
まぞっほ「ヒャド!」
ダイ「や・・・・」
でろりんがスライムに剣を振り下ろそうとする。
ダイ「やめろ――――――!!」
でろりん「ん?」
ブラス「ダイ!逃げろ!」
ダイ「じいちゃん!」
ずるぽん「坊や、ご苦労さん」
ずるぼんがダイからゴメを奪った。
ダイ「あ!」
ずるぼん「ご褒美をあげるわ。バギ!」
ずるぼんのバギがダイを吹き飛ばした。
ダイ「うわあ!」
ブラス「ダイ!」
でろりん達は小舟に戻っていく。
でろりん「さあ、一気に片づけて引き上げだ」
ブラス「みんな伏せろ!」
でろりん「イオラ!!」
でろりんのイオラが大爆発を起こし、
でろりん達の小舟が島から離れていった。
ブラス「何て奴らじゃ・・・」
でろりん「上手く行ったぜ」
ずるぽん「これで褒美は思いのまま」
まぞっぽ「全く笑いが止まらんよ」
ゴメ「ピピ・・・・」
ダイ「何で勇者様がこんなことするんだ!勇者様がゴメちゃんを連れていくんだ!」
ブラス「奴らは勇者の偽物じゃ。あんな真似をする勇者などおらん!」
ダイ「じいちゃん・・・おれ、ゴメちゃんを助けに行くよ!」
ブラス「奴らと戦うならこれを使うがいい」
ブラスは剣と、4個の筒を持ってきた。
ダイ「これは?」
ブラス「魔法の筒じゃ」
ダイ「でも、おれ、魔法は使えないよ」
ブラス「大丈夫じゃ。これは一体だけ生き物を閉じ込める筒なのじゃ」
「イルイルと唱えるだけで筒を向けた相手を封じ込める。デルパと唱えれば中味が飛び出す」
ダイ「ふーん」
ブラス「作戦を立てて仲間と共に乗り込むがいい。そして・・・」
ブラスは2個の金色の魔法の筒を出してきた。
ブラス「この金の筒は昔、魔王より委ねられたものだ。何が入ってるか恐ろしくて開けた事がない」
ダイ「イルイル」
ブラス「もしもの時・・・・」
ダイが魔法の筒にブラスを入れた。
ダイ「デルパ」
ダイは魔法の筒からブラスを出した。
ブラス「バカたれ、ワシを・・・」
ダイ「イルイル」
「デルパ」
ダイはもう1度ブラスを魔法の筒に出し入れする。
ブラス「封じこめて」
ダイ「イルイル」
ダイは三度、ブラスを魔法の筒に入れた。
ダイ「すげえ・・・ようし、まずじいちゃん。あとは・・・まだ戦える奴集まれ―――!」
ダイが口笛を吹くと、キラーパンサー、あばれザル、
だいおうイカ、マーマン、キメラ。ゴーレムが集まってきた。
ダイ「よし」
船の上では、ロモス王シナナの下にでろりん達が傅いていた。
シナナ「勇者でろりんよ。面を上げるが良い」
でろりん「ははっ」
シナナ「それでデルムリン島はどうであった?ウワサ通り、モンスターが巣くう魔の島であったか」
でろりん「はっ。邪悪極まりないモンスターの残党どもが次から次へと襲いかかってきましたが、仲間達と力を合わせ、奴らを一掃してまいりました」
兵士たち「「「おお!」」」
でろりん「その際に世界に一匹しかいない珍しいモンスターを捕らえてきました。ロモス王に献上しようと思いまして」
シナナ「余にモンスターじゃと?」
ずるぼんが檻に被せていた布を外すと、檻の中からゴメが輝いていた。
シナナ「おおっ!こ、これは!!」
ずるぽん「幻の珍獣と呼ばれるゴールデンメタルスライムですわ」
でろりん「まさに、生きた宝石です」
シナナ「何とすばらしい!見事じゃでろりん!お主の所望した褒美を取らせよう!
我がロモス王家に伝わる勇者の証、覇者の冠。お主こそこれに相応しき勇者じゃ」
ダイ「おおおお――――っ!」
シナナ「何じゃ?」
でろりん「まさか!」
ダイ「はー――っ!はっ!」
キメラに乗ってきたダイが船の上に飛び降りた。
ダイ「ゴメちゃんを返せ――――っ!!」
でろりん「ふぅん」
シナナ「ゴメちゃん?」
ダイ「そのゴールデンなんとかだ!」
でろりん「ちっ。お下がり下さいロモス王。このもの、見かけはあんなのですが。凶悪なモンスターの仲間なのです」
ダイ「おれの仲間は凶悪なんかじゃない!だけどお前達みたいな奴ら相手なら話は別だ!みんな頼むぞ!デルパ!」
ダイ「デルパ!」
「デルパ!」
「デルパ!」
「デルパ!」
ブラス「何するんじゃ・・・」
ブラスとモンスター達が魔法の筒から出された。
でろりん「こりない奴らめ、返り討ちだ!」
ダイ「・・・・みんな踏ん張れ――――!」
ダイが口笛を噴くと、モンスター達がその場で踏ん張った。
でろりん「?」
その時、船が揺れだした。
海からマーマンとだいおうイカが船を揺らしている。
ずるぽん「あぁ――――っ!」
でろりん達が船の揺れに足を取られる。
ダイ「どうだ!空と地上と海の総攻撃だ!」
でろりん「なめんな―――!」
でろりんはダイに向かって行こうとするも、船の揺れで思うように進めない。
でろりん「うわぁあ!」
ダイ「た―――っ!」
そこへダイの方からでろりんに切りかかった。
ブラス「メラ!」
ブラスのメラが兵士たちに放たれ、あばれザルも兵士に襲いかかる。
ゴーレムが動けないへろへろに迫る。
へろへろ「来るな―――!」
ゴーレムのパンチがへろへろに炸裂した。
ずるぽん「まぞっほ!あいつらを黙らせるよ!バギ!」
まぞっぽ「ヒャド!」
ずるぼんのバギとまぞっほのヒャドの同時攻撃が、だいおうイカとマーマンを凍らせ、
船の揺れが止まった。
ずるぼん「今だ!モンスターを倒すよ!」
でろりん「おう!」
でろりんはダイを蹴飛ばした。
ダイ「うわ!」
でろりん「メラ!」
でろりんのメラがキメラに当たり、キメラは兵士に海に突き落とされた。
でろりん「メラ!」
でろりんのメラが今度はあばれザルを倒した。
まぞっほ「ヒャド!」
まぞっほのヒャドがキラーパンサーを凍らせる。
ゴーレムが兵士を海に投げ落とす。
でろりん「ちいっ!イオラ!」
でろりんのイオラが、ゴーレムを海に叩き落とした。
でろりん「モンスターごときが」
ダイ「この―――!」
でろりんとダイが切り結ぶ。
でろりん「勇者の力を見くびるなよ!」
ダイ「何が勇者だ!おれの友達をさらった強盗のくせに!」
シナナ「むっ?」
でろりん「黙れ!」
ダイの持つ剣が折られ、ダイが蹴り飛ばされマストに叩きつけられた。
ブラス「ダイ!」
ダイの元に向かおうとするブラスの前にまぞっほが立ちふさがる。
まぞっぽ「お前の相手はワシじゃよ」
ブラス「ぬぅ・・・」
でろりん「余計な口を効けなくしてやるぜ」
ブラス「金の筒じゃ!金の筒を使えダイ!」
ダイ「ようし・・・デルパ!」
金の筒から十数匹のスライムが飛び出し、でろりんを吹き飛ばした。
でろりん「ぬわ!」
1匹のスライムがでろりんの頭に当たった。
でろりん「あた!」
ダイ「1匹じゃなくてこんなに・・・・」
でろりん「おどかしやがって!スライムじゃねえか!」
ダイ「デルパ!」
もう1つの金の筒から飛び出したのは――――
でろりん「ド!ドドドドド、ドラゴン!?」
ドラゴンだった。
その巨体が再び船のバランスを崩す。
ドラゴンの火炎をでろりんは何とかかわした。
ブラス「バギ!」
ブラスのバギがまぞっほを吹き飛ばし、そこをドラゴンの火炎に焼かれていった。
まぞっほ「あぁ・・・・」
ダイ「凄いぞドラゴン!ニセ勇者をやっつけろ!」
ドラゴンがでろりんの眼前に迫り――――
ずるぽん「そこまでだよ!」
ダイ「あ!」
ずるぼんがゴメの檻に、どくばりを突きつけていた。
ずるぽん「さあ坊や!さっさとそのドラゴンを引っ込めな!」
ダイ「ゴメちゃん!」
ずるぽん「さもないと・・・」
ゴメ「ピィ!」
ダイ「止めろ―――!イルイル!」
ダイはドラゴンを金の筒に戻した。
ずるぼんがでろいんの元に来た。
でろりん「うははははは!でかしたぞ、ずるぽん!」
ダイ「ちきしょう・・・・」
ずるぽん「あたし達の勝利ね、おーほっほっほ!!」
高笑いを上げるずるぼん。
しかし、金の筒が輝き、その輝きを見たスライム達が集まっていき――――
でろりん「まさか、こいつら・・・・」
ずるぽん「おーっほっほ・・・あ?ああ!?キングスライム!?」
キングスライムとなった。
キングスライムがずるぼんを押しつぶした。
でろりん「ずるぽん!」
でろりんが飛び退いた所を、ブラスがでろりんの頭を踏みつけ、ゴメの檻を奪った。
ブラス「キングスライムがバラバラになって出てきおったのか!」
でろりん「く、来るな!」
ダイ「今だ!イルイル!!」
でろりん「え?うわああああああああ・・・・・」
でろりんは魔法の筒に封じられていった。
ブラス「やったな、ダイ」
へたりこんだダイの元に檻から出されたゴメがすり寄ってきた。
ゴメ「ピピィ、ピィ~」
ダイ「ゴメちゃん・・・・」
兵士たち「おのれモンスター」
「よくも勇者様を!」
シナナ「待て!」
シナナがダイ達に歩み寄る。
シナナ「勇者とその仲間達という触れ込みであったが、子供を殺そうとしたり、人質を取ったりする者が勇者であるはずがない」
ブラス「ロモスの王様」
兵士たちがブラスに槍を突きつける。
兵士「下がれ!」
シナナ「よい、このモンスターの話を聞こう」
ブラス「はは」
ブラスがシナナに事情を説明している間に、マーマンがだいおうイカの氷を砕いていた。
ロモス王「どうやらワシの目が曇っておったようじゃ。
ニセ勇者と見ぬけずにデルムリン島の調査を許した自分が恥ずかしいわい」
ブラス「ダイの乱暴狼藉は友達を助けようとしたまで。どうかご容赦を」
ロモス王「ブラス殿、許しを請うのはワシの方じゃ。これ、あれを」
布が外され、覇者の冠が露わになった。
ダイ「あっ・・・」
ロモス王「この覇者の冠を被る資格があるのはむしろこの勇敢な少年かもしれんな」
ロモス王がダイに覇者の冠を被せた。
ロモス王「未来の勇者にこれを託しておこう」
兵士たち「「「おお―――っ!」」」
ゴメ「ピィ―――!」
ダイ「未来の勇者・・・えへへ」
夕暮れ。ロモスの船はデルムリン島から離れていく。
ロモス王「さて、ワシらは予定通り、パプニカ王国へ向かうとしようぞ」
その船を、でろりん達の小舟が追う。
ずるぽん「お願いです!置いてかないでー!待って―――!!」
後日。
ダイは覇者の冠を探していた。
ダイ「おれの覇者の冠どこ!?」
ブラス「知らんな」
ダイ「あれはおれの宝物だよ!どこに隠したの!」
ブラス「ワシは知らん!大体勇者様の持ち物をお前が持ってどうするんじゃ」
ダイ「おれは未来の勇者なんだよ!」
ブラス「お前の未来は魔法使いじゃ!他には!な――――い!!」
ダイ「そんな・・・じいちゃ―――ん!」
そんな中、覇者の冠を被ったゴメが空を飛んでいた。
3ヶ月後
ダイ「は――――っ!メラ!」
ダイがメラを撃とうとするも、小さな火が出てすぐに消えた。
ブラス「なっとらーん!」
ブラスがダイの頭を杖で叩く。
ダイ「じいちゃん!おれ勇者の特訓をしたいんだけど!」
ブラス「そんな特訓はいらん!さあ続けるぞ!」
ダイ「ちぇっ、あれ・・・」
ダイがデルムリン島に近づく船を見付けた。
ダイ「軍艦だ!軍艦が攻めてきたぞ!
ダイがブラスに望遠鏡を渡す。
ダイ「あれ、軍艦だろ?」
ブラス「あれは聖なる船、賢者にのみ使う事を許された特別な船じゃ!」
ダイ「へ――っ」
ダイとブラスが海岸に来た所で、船から老人テムジンと青年バロンと兵士達が出て来た。
ダイ「あれが、賢者様?」
ブラス「これ、頭が高い!」
テムジンとバロン達がダイとブラスに傅いた。
テムジン「未来の勇者、ダイくん。それにブラス老ですね」
ダイ「未来の勇者!?」
ブラス「ブラス老・・・・」
テムジン「私はパプニカ王国の司教テムジン。こちらは賢者のバロン。パプニカの姫、レオナ様と共に、故あってこの島を訪れました」
ブラス「姫ですと?」
ダイ「あっ」
兵士達に見送られ、船から1人の少女、レオナが降りてきた。
ダイ「えへへ」
レオナ「あなたが勇者ダイ?」
ダイ「うん!」
レオナ「ぷっ、やだ-――!こんな小さいの!たよりなさそー!」
ダイ「!!」
#center(){
&bold(){つつく}
}