C.E.71 6月15日 オーブ連合首長国 オノゴロ島
マスドライバーを奪うために侵攻してきた連合軍とオーブ軍が戦闘を繰り広げる中、
少年シン・アスカは家族とともに山の中を進んでいた。
父「急げシン!」
シン「父さん!」
父「がんばれ!避難船はすぐそこ・・・・」
そう言った父親の後ろに、海上を進むモビルスーツの影があった。
シン「!」
MA形態のレイダーに乗ったカラミティが肩のビーム砲を撃った。
シン「わっ・・・」
カラミティの砲撃が二機のM1アストレイを貫き、
その爆発の余波がシン達の所まで来た。
シン「うわああああっ・・・」
マユ「きゃああああ・・」
シンの妹のマユが携帯電話を落とした。
マユ「あっ、マユのケイタイ~~~っ、ああ・・・」
母「あきらめなさいマユ!今は・・・」
シン「俺が取って来る!!」
父「あっ、待てシン!」
シンは坂を滑り降り、マユの携帯を拾い———
その瞬間、シンの後ろで爆発が起き、シンが吹き飛ばされた。
港まで滑り落ちてきたシンを、オーブ軍のトダカ一佐が見つけた。
トダカ「!、キ・・・キミ大丈夫か!?」
シン「うう・・・」
トダカ「立てるか?無理するな、今タンカを」
シンが後ろを振り返ると、家族がいた辺りが消し飛んでいた。
シン「父さん・・・?母さ・・・ん?マユ・・・?」
そっちへ歩き出そうとしたシンをトダカが止めた。
トダカ「おい、どこへ行くんだ。船はむこうだぞ!」
シン「!、放せっ!!」
トダカ「よせ!!そっちは危険だっ」
シン「うるさい!!あそこには・・・」
シンの後ろをフリーダムが飛んでいった。
シン(俺はあの日すべてを失った・・何もできずに———)
C.E73 10月(
戦争終結より約1年半)L4・プラント。
ザフト軍軍事工業プラント‘アーモリーワン‘
アナウンス「軍楽隊最終リハーサルは1・4・0・0より第3ヘリポートでおこなう」
ザフト兵「ちがうちがう!ロンド隊のジンはすべて式典装備だ!」
「マッソーラのザウートか!はやく移動させろ」
式典の準備に追われるザフト兵達を脇目に、
ミネルバ所属のMSパイロット、ルナマリア・ホークとメカニック、ヴィーノ・デュプレの乗る車が走っていた。
ルママリア「は———なんかもうごっちゃごちゃね!こんなんで明日の進宙式間に合うのかしらね?」
ヴィーノ「しかたないよ、こんなのひさしぶり・・・・っていうか初めてのヤツも多いんだし、俺達みたいに」
ルナマリア「まあねえ~~~~、でもこれでミネルバもいよいよ着任か。配備はウワサ通り月軌道なのかなあ・・・」
ザフト軍新造宇宙戦艦‘ミネルバ‘。
艦長タリア・グラディス「MS関連の物資搬入が遅れ気味ね、優先させて!」
副長アーサー・トライン「わかりました。ならばB班から半分の人員をまわしましょう」
「艦長?どうしました?あ・・・・あの機体・・・政府専用機?」
着陸した飛行機から、プラント最高評議会議長、ギルバード・デュランダルが出てきた。
デュランダル「彼の言うこともわかるがね・・・だがブルーコスモスは組織というより主義者だろう?」
デュランダルは、敬礼しながらも柔らかい笑みを浮かべている赤服のザフト兵に気づいた。
デュランダル「いくら条約を強化したところでテロは防ぎきれんよ!」
デュランダルが離れると、その赤服のザフト兵、ミネルバ所属のMSパイロット、レイ・ザ・バレルは顔を引き締めた。
その頃、MSのハンガーの一つでは・・・
?「しかし・・・ここまで簡単に潜入できるとは・・・コーディネイターの連中、もう平和ボケか?」
?「政治的パフォーマンスってヤツさ!「我々はテロに屈しない」ってね!だから軍事式典に一般人も招待する。ま、そのおかげでここまで楽させてもらったわけだから感謝しなきゃなっ」
ザフト兵たちが殺され、2人の少年と1人の少女がいた。
少年「さあてこいつら起動させて、とっととトンズラしようぜっ!」
3人が置かれていた3体のモビルスーツに乗り込み―――
ハンガーが爆発した。
ルナマリア「なっ、何なの!?」
レイ「6番ハンガーの方角だ!」
ZGMF―X31Sアビスガンダム、ZGMF―X24Sカオスガンダム、ZGMF―X88Sガイアガンダムの3機がハンガーを破壊し、外に出た。
ザフト兵「カオス、ガイア、アビス・・・なぜ動いている!!」
「誰だ!?乗っているのはっ」
カオスガンダム搭乗地球連合軍MSパイロット スティング・オークレー「まずハンガーを潰す!」
アビスガンダム搭乗地球連合軍MSパイロットアウル・ニーダ「ステラ!おまえは左!」
ガイアガンダム搭乗地球連合軍MSパイロットステラ・ルーシェ「わかった・・」
スティング・アウル・ステラ「「「GO!!」」」
カオス達が飛び出し、それぞれの武器でハンガーを攻撃し始めた。
ザフト兵「6番ハンガーの新型が何者かに強奪された!」
「MSを出せ!取り押さえるんだ!!」
パイロット「ハイネル隊出るぞ!道を空けろ!」
「?」
出撃しようとしたジンの前にアビスが立ちふさがり、
ビームランスでジンを貫いた。
アウル「そおおりゃああっ」
アビスはジンを持ち上げ、後続のMSに投げつけた。
パイロット「うわあっ・・・」
そしてアビスはハンガーの内部へ、武器を一斉に放った。
その爆発を出撃した4機のジンが見ていた。
パイロットたち「8番ハンガー爆発!!」
「くそう!何がどうなってる!?」
「とにかくこんな式典用装備じゃどうにもならん、実弾の入ったライフルをっ・・・」
後ろの建物の角から、四脚歩行型のMSが出てきて、
グリフォンビームブレイドを展開し、二体のジンとすれ違った。
パイロット「?」
すれ違いさまにビームブレイドで斬られた二体のジンが爆発した。
パイロットたち「何だ!?」
「バクゥ??ラゴゥ??いや違う!!あれはっ・・」
MSが飛び上がり、空中で変形しガイアになった。
ガイアはビームライフルを撃ち、もう2体のジンを貫き、
ガイアが着地すると同時にジンが爆発した。
ステラ「・・・・・」
ステラは1体のMSが起き上がるのを見つけた。
ガイアはそのMSを狙ってライフルを撃ったが、そのMSはかわした。
ステラ「?」
そのMS―――新型MS、ZGMF―1000 ザクウォーリアがガイアに向かって行った。
ステラ「!!」
ガイアがライフルを撃ったが、ザクウォーリアは左肩のシールドで防ぎ、
タックルでガイアを吹き飛ばした。
ステラ「ぐうっ!」
ガイアはライフルを手放しながらも、体勢を整えた。
ステラ「こいつ・・!」
ガイアがビームサーベルを抜き、ザクウォーリアに突っ込んだ。
ザクウォーリアもビームトマホークを抜き、互いに攻撃をシールドで防いだ。
ザクウォーリアが後ろに飛び退いた。
ステラ「ええいっ!」
その頃、カオスは脚のビームブレイドでディンを両断していた。
スティング「うん?」
スティングは、ガイアとザクウォーリアが戦っているのを見つけた。
スティング「何やってんだアイツは、たった1機相手に!もたもたすんなっステラ!!」
カオスは降下し、ザクウォーリア目がけて、ビームブレイドを振り下ろしたが、
ザクウォーリアは左腕を切り落とされながらも、かわした。
スティング「何?」
(かわした!?こいつっ!!)
「だがっ!!」
カオスが、続けてザクウォーリアを狙ってビームブレイドを振りかぶったが
後ろからのミサイルが当たった。
スティング「うっ!!何だ??」
戦闘機コアスプレンダーが来て、ミサイルでカオスの周りを撃ち、
上昇していく。
そこへ更に3体の戦闘機、チェストフライヤー、レッグフライヤー、ソードシルエットが来た。
コアスプレンダーを中心に、チェストフライイヤーが上半身に、レッグフライヤーが下半身となって合体し、背中にソードシルエットが装着された。最後にVPS装甲が起動し―――ZGMF―X56S/β ソードインパルスガンダムが完成した。
インパルスがカオスとガイアの前に降り立った。
スティング・ステラ「「何!?」」
インパルスのパイロットは、シンだった。
シン「なんでこんな事・・・また戦争がしたいのか!!」
「あんた達はあっ!!」
インパルスが背中の2本の対艦刀、エクスカリバーを抜き、カオスとガイアに突っ込んでいった。
(続く)
最終更新:2020年04月13日 17:45