22世紀、トーキョー・ギンザ。
ドラミが公園に佇む。
カカシ型ロボットのクロウが、花壇で花を摘んでいる。
時計が時報を鳴らす。
クロウ「あっ、いけない! 遅れちゃう!」
クロウが花を抱き、駆け去る。
忘れ物らしき荷物が置かれている。
ドラミ「あら、忘れてっちゃったわ! ねぇ、ちょっと待ってよぉ!」
ドラミが荷物を持ち、クロウを追う。
クロウの向かった場所は、「ふしぎな家」と看板のある、その名の通り奇妙な形の建物。
ドラミ「あっ、ここは? ……ふしぎな家?」
中に入る。
薄暗い屋内で、クロウが奥のドアの向こうへ消える。
ドラミがクロウを追って、ドアを開ける。
ドラミ「きゃあっ!」
光があふれ、ドラミが光の中へ吸い込まれてゆく──
そこは家の中ではなく、広い草原が広がり、古代遺跡のような建物が建ち並んでいる。
ドラミ「ここは……!?」
クロウ「ちょっと、何するんだぁ!? やめろぉ!!」
大きな城門から、クロウがつまみ出されている。
ビッグ、フェイス、ポンプの3人のロボットたち。
ビッグ「カカシのくせに舞踏会に出ようなんて、とんでもない奴だ!」
フェイス「君、よく聞きたまえ。今日の舞踏会は、オーロラ姫の結婚相手を決めるパーティなんだ。フン」
クロウの持参した花を、フェイスが投げ捨てる。
クロウ「あぁっ!?」
ポンプ「姫は、俺たちの中から結婚相手を決められる!」
フェイス「カカシはカカシらしく、畑の中に突っ立っていろ!」
クロウ「そ、そんなぁ…… あっ! ひ、姫!」
ビッグ「閉めろぉ!」
クロウ「姫、待ってぇ! 待ってぇ!」
城への跳ね橋が引き上げられ、クロウは堀に落ちそうになる。
ドラミ「危ない! 『お助け釣竿』!」
ドラミがとっさに、ひみつ道具でクロウを助け上げる。
ドラミ「良かったわ」
クロウ「あ、ありがと……」
最終更新:2021年10月02日 19:09