ボカンGoGoGoのエンディング

苦労の末、善玉やライバルの妨害を突破して、ついにシュヤクノザを見つけた各三悪。
そして、それぞれの結末は……。


マージョ一味編


ドクロベエ「お前たち、よくやっただべえ! お前らが新世界の主役だべえ、さあ、シュヤクノザを渡すだべえ!」
ワルサー「はよ渡して主役にしてもらうまんねん!」
マージョ「ちょっとお待ち! このシュヤクノザって、この世に2つとない珍しい植物なわけだろ?」
グロッキー「そうですね。」
マージョ「ってことは、値段を付けられないくらいのお宝ってことだよね?」
グロッキー「はい! 仮にこれを売れば、あたしたちは生涯遊んで暮らせるほどの大金持ちになれるかもしれませんよ?」
ワルサー「お、大金持ちだか……!」
マージョ「それじゃあ、私たちのものにしたほうがいいんじゃないのかねぇ!」
ワルサー「せやせや!」
グロッキー「わかりました、それではそういう事で……!」
マージョ「これは私たちがいただいていくよ!」
ドクロベエ「なぬ~!?」

シュヤクノザを引き抜くマージョ一味。

マージョ「やったー!」
グロッキー「やりましたね!」

しかし、引っこ抜かれたシュヤクノザはみるみるしなびて、枯れてしまった。

ドクロベエ「アカポンタン!! シュヤクノザはうかつに摘むと枯れてしまって何の役にも立たなくなるだべえ。早まった事をしてくれただべえ!!」
マージョ「ええ~っ!? って事は、もうお宝の価値も?」
グロッキー「新世界の主役も?」
ワルサー「全部パーっつう事でっか……?」

「そりゃないよ~!!」とみっともなく泣きわめくマージョ一味を、丹平と淳子が見ていた。

丹平「どうやらマージョたちのドジで、シュヤクノザはダメになったらしいな。」
淳子「ウフフ、マージョたちらしいわね。」


ドロンボー編


ドロンジョ「これだよこれだよ、シュヤクノザ!」
ドクロベエ「お前たち、よくやったべえ!」
ドロンボー「ドクロベエ様!!」

「はは~!」とひざまずくドロンボー一味。

ドクロベエ「このシュヤクノザは、その花1輪を食べるだけで美形に姿を変える効果があるだべえ! 世界一かっちょいい姿になる事によって、人々を魅了し、新世界を築く事ができるだべえ。」

と言ってシュヤクノザを引き抜き、

ドクロベエ「パクッとな!」

2輪ある花の1つをそのまま食べると、ドクロベエの体が緑色の光に包まれ、善玉にも引けを取らない8頭身のイケメンに変身した。

ドクロベエ「どう、ミリキ的だべえ?」
ドロンジョ「でも、すごい効果だね~。これだったらさぁ、私たち自身が美形になれば、目的は果たせるんじゃないのかねぇ!?」
トンズラー「そやそや!」
ボヤッキー「その手で行きましょう、それ~!!」

ドロンボー一味がドクロベエを押し倒し、もう1輪のシュヤクノザを奪い取る。

ドクロベエ「おのれ~、あ、あら……?」

8等身になったドクロベエの輪郭が崩れ始めた。
そうとは気づかないドロンボー一味は、シュヤクノザの花びらを3人で分け合い、1枚ずつ口にしていた。

ドロンジョ「やった~、私のこの美しさ……。」

手鏡を出して確認するドロンジョだったが……。

ドロンジョ「あ、あら? なんだいこれは!」

ドロンボー一味は、顔の左半分だけ劇画調の美形で、右半分は普通のままというアンバランスな顔立ちに変わっていた。

ボヤッキー「ひど~い、こんな姿女子高生に見せられないわ!」
トンズラー「一体どないしたまんねん!?」
ドクロベエ「アカポンタン!! シュヤクノザは花1輪を丸ごと食べないと意味がないだべえ。しかもお前たちのせいで、吾輩も元の姿に戻ってしまっただべえ!!」

力なく崩れ落ちるドロンボー一味を、ヤッターマンが見ていた。

ヤッターマン1号「なんだ、あいつらの姿は!」
ヤッターマン2号「ウフフ、あの3人にはお似合いの恰好ね。」
オモッチャマ「まったくだコロン!」
ヤッターマン1号「結局、ドロンボーたちの企みも無駄だったみたいだね。」
ヤッターマン2号「そうね。」
ヤッターマン1号「よし、帰ろう!」
ヤッターマン2号「ええ!」

こうして今回もドロンボー一味の野望は水泡に帰した。
しかし、人の世に欲望がある限り、善玉と悪玉の戦いは終わらない!
がんばれ、ヤッター、ヤッターマン!!


アクダマン編


ドクロベエ「お前たち、よくやったべえ!」
アクダマン「あっ、ドクロベエ!」
ドクロベエ「シュヤクノザの力で、吾輩は世界一の主役になり、新世界を創造してやるだべえ。さ、シュヤクノザを渡すだべえ。」
ムージョ「ドクちゃ~ん、これ渡す前に1つ教えてほしい事があるんだけど?」
ドクロベエ「うひひひ、色っぺぇ声でお願いされると吾輩は弱いだべえ。何でも聞くがいいだべえ。」
ムージョ「本当? じゃあ、このシュヤクノザをどうすると、世界一の主役になることができるの?」
ドクロベエ「よかよか、教えてやるだべえ。その花の中にある『主役蜜』を飲むんだべえ! さすれば、ツヤツヤの玉のような肌になり、その美貌で世界一の主役間違いなしになるのだべえ!」
ムージョ「玉のようなお肌……!」

ムージョが主役蜜を飲む。

トボッケー「あー、ムージョ様だけずるい! 飲ませて飲ませて!」
ドンジューロー「ワイも飲むまんねん!」

そこへひと足遅く、ゼンダマンが駆けつけた。

ゼンダマン1号「しまった、間に合わなかったか!」
ムージョ「どう? 美しくなったかしら?」

たちまちアクダマンの体が緑色の光に包まれ、3人ともボールに変身してしまった。

ムージョ「なんだい、こりゃあ……。」
トボッケー「ずいぶん安定が悪くなってしまいましたね。」
ドンジューロー「まん丸だるまだまんねん……。」
ゼンダマン1号「アハハハハ、まるで『玉のような姿』だな!」
アクダマン「玉~~~~!?」
トボッケー「やいドクベエ、これはどういう事なんだ!? ドクベエ~!!」
ドンジューロー「あれ?いないまんねん。」

しかし、ドクロベエはすでに逃げ去ってしまっていた。

ドクロベエ「主役蜜が玉のような肌どころか、文字通り玉のような体になる事だったとは知らなかっただべえ。は~、飲まなくてよかった!」
アクダマン「そんな~~~~!!」
ゼンダマン1号「おい、ムージョ!その姿よく似合ってるぜ!」


オジャママン編


ドクロベエ「お前たち、よくやったべえ!」
オジャママン「あっ、ドクロベエ!」
ドクロベエ「さぁ、お前たちの手に入れたシュヤクノザを使って、吾輩がお前たちの望みを叶えてやるべえ!」
アターシャ「ねぇセコ、確かドクロベエは、シュヤクノザの力で新世界を創るって言ってたよね?」
セコビッチ「はい、きっとシュヤクノザには望み通りの世界を創り出す力があるって事かと思います。」
アターシャ「って事は、私たち自身がこれを使えば、私たちの世界、思い通りの歴史が創れるって事なんだよね?」
セコビッチ「望み通りですからどんな英雄にもなり放題のはずですよ!」
アターシャ「よ~し、私たちの好きなだけ歴史に残る英雄になれるって事だね!?」
ドワルスキー「ああ、それ、ええでんなぁ。」
アターシャ「そうと決まったらセコビッチ、ドワルスキー、行くわよン!!」

オジャママンがシュヤクノザの花をすべて食べてしまった。

ドクロベエ「お前ら、何するだべえ!!」
アターシャ「私たちは、最高の英雄として、歴史に名を残した~~~~いのよ!」

そこへひと足遅く、オタスケマンが駆けつけた。

オタスケマン1号「しまった!」

たちまちオジャママンの体が緑色の光に包まれ……たが、何も変わらなかった。

ドワルスキー「なんか変わった所あるんかいな?」
アターシャ「これと言って、変化が見られないねぇ?」
セコビッチ「何か兆候があってもよさそうなんですけどねぇ。」

するとそこへ、アンドロメダマ号が飛んできた。
パイロットはもちろん……

ゲキガスキー「アターシャ様、お迎えにきました!」
アターシャ「え、な~に?」
ゲキガスキー「はい、新たなオオボラー大彗星がやってきたんです!」
オジャママン「ええ~~~~っ!?」
セコビッチ「オオボラー大彗星って、『オタスケマン』の最終回で地球を守るためにボクちゃんたちが突っ込んだ、アレ!?」
ゲキガスキー「そうでーす! 歴史は繰り返されるので~す。」
オジャママン「こんな英雄はいや~ん!!」

逃げるオジャママンを捕まえて、アンドロメダマ号は地球に迫る第2のオオボラー大彗星へ飛んでいった……。

オタスケマン1号「ありがとう、オジャママン。君たちの事は決して忘れないよ!」


スカプラ王朝編


ドクロベエ「お前たち、よくやったべえ!」
スカプラ王朝「ドクロベエ!」
ドクロベエ「さぁ、シュヤクノザを吾輩に渡すだべえ。さすれば、新世界での主役を約束するだべえ。」
ミレンジョ姫「まぁドクロベエ様、ご機嫌麗しう。シュヤクノザはここでございます。」
ドクロベエ「うむ……。」
ミレンジョ姫「ところで…… 主役の件なのですが、お願いがございますの。」
ドクロベエ「おお、何でも聞いてやるだべえ。」
ミレンジョ姫「わらわたちにとっての願いは、ナンダーラ王国の復活と、我が弟・コマロの王位継承でございます。どうせ新世界での主役をやらせていただけるのなら、この条件で叶えてくださいませんか?」
ドクロベエ「わかった、任せるだべえ。」
???「そうはさせないぞ!」
ドクロベエ「なぬ!?」

そこに現れたのは、ヤットデタマン。
ドレミ剣でドクロベエの手からシュヤクノザを宙に弾き飛ばしてしまう。

ミレンジョ姫「コケ、スカ、シュヤクノザを捕まえるのです!」
コケマツ、スカドン「ラクーダ!」

コケマツがジャンプしてシュヤクノザをキャッチ。

コケマツ「やったー、小生が捕まえましたよ!」

が、その上から同じくジャンプしたスカドンが落ちてきた。

スカドン「アイムソーリー。」

哀れ、シュヤクノザは潰れてしまった……。

ヤットデタマン「主役とは、そんなものに頼ってなれるものではない。真の勇気を持つ者だけがなれるんだ!」

そんな言葉も、今のミレンジョたちには焼け石に水であった。


クリーン悪トリオ編


ドクロベエ「お前たち、よくやったべえ!」
クリーン悪トリオ「あんたはドクロベエ!?」
ドクロベエ「そのシュヤクノザの力で、お前たちを吾輩の新世界の主役にしてやるだべえ。さ、シュヤクノザをこちらへよこすだべえ。」
キョカンチン「は、はい!」
コスイネン「キョカンチン、待った!」
キョカンチン「はい?」
ムンムン「どうかしたのかい、コスイネン?」
コスイネン「よーく考えてくださいムンムン様、ここでドクロベエに渡さずに我々がシュヤクノザを使ったとしたら……?」
ムンムン「うん、使ったら?」
コスイネン「主役になり放題ってことですよ! 出世なんて自由自在、社長・会長・盲腸・小腸…… いやいや、世界の王にだってなれるって事でございます!!」
ムンムン「あ~、なるほど~!」
キョカンチン「あったまいいであります!」
ドクロベエ「グダグダ言ってないでとっととシュヤクノザをよこすだべえ!」
ムンムン「あ~、ダメ~!」

たちまち奪い合いになる。
すると、そこへ野球のボールが飛んできた。もちろん投げたのは……

イッパツマン「お前たちの思い通りにはさせないぞ!!」
クリーン悪トリオ「イッパツマン!?」

ドクロベエはこっそり逃げ出した。

コスイネン「コラー、イッパツマン! いつもいつも邪魔してくれちゃって! 邪魔だぞ~!!」
ムンムン「そうよそうよ、いつまでも主役だと思ってるんじゃないわよーだ!」
キョカンチン「今回は切り札があるんだぞ~!」

シュヤクノザの花を3人で分け合い、1輪ずつ食べるクリーン悪トリオ。

ムンムン「これで私たちが主役なのよン!」
イッパツマン「しまった!」

たちまちクリーン悪トリオの体が緑色の光に包まれ、イッパツマンと同じコスチュームに変身した。

ムンムン「あら~? イッパツマンになっちゃった!」
コスイネン「でもイッパツマンになったって事は数が多い分こちらが有利です!」
キョカンチン「我々の勝ちであります!」
ムンムン「よ~し、やっておしまい!!」

イッパツマンとイッパツ悪トリオの戦いが始まった。
イッパツマンはレインボールを投げつけてコスイネンをけん制し、キョカンチンにはキックをお見舞い。
女性のムンムンに対してはパンチを寸止めするだけにとどめつつ、敵を敵を片付ける!

ドクロベエ「う~む、どうやらシュヤクノザは主役の格好になるだけだったんだべえ。そんな中途半端なものはもういらないだべ、と言いつつ吾輩は帰る事にするべえ~!」

ピンチが呼べば空を切り、魔球のごとく現れて風のように去ってゆく。
正義のヒーロー、イッパツマン! 我らのヒーロー、イッパツマン!!


二束三文トリオ編


ドクロベエ「お前たち、よくやっただべえ!」
二束三文トリオ「あっ、あんたはドクロベエ!」
ドクロベエ「さあ、シュヤクノザを吾輩に渡すだべえ。さすればお前たちをメジャーデビューさせてやるだべえ!」
ヤンヤン「どうする、お前たち?」
ダサイネン「メジャーデビューですか?」
トンメンタン「悪い話ではないまんねん!」
ヤンヤン「そうねぇ…… 私たち、主役はおろか脇役としても出足りないからねぇ?」
ダサイネン「乗りますか!」
トンメンタン「乗るまんねん!」
ヤンヤン「……よし、決めた!」

ひざまずいて、シュヤクノザを恭しく差し出す3人。

二束三文トリオ「ドクロベエ様、お世話になります!!」
ドクロベエ「うむ。」

だが、そこに如意棒が飛んできて、シュヤクノザを奪い取ってしまった。

イタダキマン「イタダキっ!」
二束三文トリオ「あっ! イタダキマン!!」
イタダキマン「いくら陽に当たらない生活が長いからって、こ~んなアイテムに頼ってちゃおしまいだぜ! そんな後ろ向きの了見の奴らにゃ…… 『笑う門に福よ来い』、これをプレゼントでい!!」

イタダキマンがヒョウタンの中から「ひょっこりひょうたん玉」を出し、息を吹きかけると、二束三文トリオに向かって無数のゾロメカが飛んでいく。
ゾロメカたちは3人に群がり、全身をくすぐり始めた。

ヤンヤン「いや~ん! ドクロベエ様、助けて~!!」

しかし、ドクロベエはいつの間にか爆弾を抱えた骸骨型ロボットと入れ替わっていて……

二束三文トリオ「あーっ!!」
ダサイネン「1人で逃げちゃってるなんてずるいよ!!」

爆弾が大爆発!!
それを遠くから眺めるイタダキマン。

イタダキマン「お~、絶景かな絶景かな。そんじゃ、そーゆー事で!」


ドロンボー編(その2)


ドクロベエ「……やれやれ、数を以てやってみたが全然役に立たなかったべえ! あ~、ムシャクシャするべえ…… おや?」

ドクロベエの玉座のモニターに映ったのは、おしおき三輪車で荒野を行くドロンボー一味の姿。

ドクロベエ「元はと言えばこいつらがふがいないから、他の三悪の力を借りる事になったべえ! おしおきだべ~!!」

ドクロベエが玉座のスイッチを押すと、三輪車からおしおきのテーマが鳴り響いた。

ドロンジョ「な、なんだ、何だ!?」
ボヤッキー「このファンファーレは、もしかして、おしおき!?」
トンズラー「あっ、アレや!!」

トンズラーが指さす先には、地平線のかなたから飛んできたミサイルが……。

ドロンジョ「いや~~~~!!」
ドロンボー「ドクポンタ~~~~ン!!」


(おわり)

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最終更新:2024年08月14日 16:51