電子戦隊デンジマンの第1話


今から、3000年も昔──
太陽系外宇宙から、飛行物体が飛来した。
デンジ星から送り込まれた
「デンジランド」である。

デンジランドは、とある半島に到着した。
デンジランドの中には、1匹の犬が
永い眠りについていた。

そして…… 長い歳月が流れた……。



1980年、デンジランド付近の浅瀬でカップルが写真を撮っている。

男「行くよ」
女「はーい!」

すると突然、地震が起こる。デンジランドが目覚めたのだ。
次々に起動していくメカ。

「アイシー…… アイシー…… 起きろ、時が来た。ベーダー一族がやってきた。アイシー……」

警報が鳴り響き、アイシーが起きる。



超要塞へ_
_急行せよ




青年・赤城一平が空手の練習をしている。
すると突然空が裂け、空間の隙間から怪光線が放たれて町を破壊し始める。
瓦礫が赤城を押し潰そうとするが、そこへアイシーが駆け付け、彼をバリアーで包む。

赤城「怪我ひとつないなんて……」

アイシーが目を光らせる。

アイシー「赤城一平、君はデンジレッドとなってベーダー一族と戦うのだ」
赤城「デンジレッド!?」
アイシー「これは集合の合図だ」
赤城「集合の合図……」

同時刻、テニスコートでは、桃井あきらがテニスの練習をしていた。
するとそこでも空が割れ、怪光線が放たれる。

あきら「危ない、コーチ!!」

怪光線の直撃を浴びて、コーチは焼け死んでしまった。

あきら「コーチ!!」

そこへアイシーが現れ、再び目を光らせる。

アイシー「桃井あきら、君はデンジピンクとなってベーダー一族と戦うのだ」

さらに同時刻、工事現場に謎の物体が落下した。
直ちに警察と科捜研が駆けつける。

緑川の父「達也、ちょっと見てくる」
緑川「うん」

赤城もひそかに現場を訪れていた。
工事現場に落下したのは、丸い金色の物体だった。
黄山 純ら科学者たちが調査している。

教授「この金属は地球上のものではない。隕石らしい……」
黄山「えっ?」

黄山がふいに何者かの気配を察する。
視線の先には、やはりアイシーが。

アイシー「黄山 純、君はデンジイエローとなってベーダー一族と戦うのだ」

調査が終わり、緑川親子が隕石に近づく。

緑川の父「達也! 生きてるぞ、あの隕石は」
緑川「まさか、父さん……」
赤城「生きている!?」

隕石は研究所に持ち込まれた。
そしてその夜、さらなる調査により、隕石内には怪物の影が映りこんでいることがわかる。

科学者A「おおっ、これは!?」
教授「この隕石、何かの卵ではないかと……」
科学者B「卵!?」

物音──緑川親子が資料室へ向かう。
卵は破壊されていた。

緑川「先生!」
主任「孵化したんだ……」

緑川親子が卵の行方を追う。

緑川「父さんの言った通り、生きてたね!」
緑川の父「デカの勘だよ。お前も早く一丁前の刑事になれ」
緑川「うん!」
緑川の父「よし、わしはあっちを探す!」

緑川の父が見つけたのは、赤い足跡だった。
足跡を調べる緑川の父。天窓から、巨大な怪物がそれを覗いている。
気づいた緑川の父が発砲。
緑川が部屋に駆け込んだ時、父は倒れていた。

緑川「父さん! 父さん、父さん!!」
緑川の父「怪物だ……」
緑川「えっ!?」

そこに、またもアイシーが現れる。

アイシー「緑川達也、君はデンジグリーンとなってベーダー一族と戦うのだ」

同時刻、サーカス会場では青梅大五郎が夜回りをしていた。

青梅「ライオンちゃんに虎ちゃん、今日は疲れたかな!? ん? 何の匂いだこりゃ!?」

先ほどの巨大怪物が現れ、青梅に襲い掛かる。

青梅「おのれ、化け物!!」

怪物が人間大の姿になったり、巨大な姿になったりして青梅を翻弄する。
恐怖におののく青梅。そこにアイシーが現れる。

青梅「!?」

怪物の姿はすでにない。

青梅「消えた……!? 危なかった」

青梅がアイシーに駆け寄る。

青梅「お前が俺を助けてくれたのか! 礼を言うぜ」
アイシー「青梅大五郎、君はデンジブルーとなってベーダー一族と戦うのだ」


その頃、超異次元空間に浮かぶベーダー一族の本拠地「ベーダー魔城」では──

ヘドリアン女王「鏡よ鏡、全宇宙で1番美しいのはだ~れ?」
鏡「それはヘドリアン女王様でございます」
女王「よろしい、下がれミラー」

鏡が侍女・ミラーに戻る。
ご満悦のヘドリアン女王。そこへ戦闘指揮官のへドラー将軍が現れる。

ヘドラー「女王様! ただいま、ベーター00『ムササビラー』が戻ってまいりました」

将軍の傍らには、あの怪物が。

女王「予想よりはるかに早い孵化ではないか」
ヘドラー「東京一帯の空気中には一酸化炭素と窒素が満ち満ちており、そのために孵化を早めたのだと思います」
女王「よろしい。ヘドラー将軍、早速侵略開始!」
ヘドラー「ハッ!」

ベーダー一族の攻撃が始まった。
ムササビラーが撒いた毒ガスを浴びた船の作業員たちが苦しみだし、たちまち白骨化してしまう。
警察や機動隊が駆けつけ、海中に潜むムササビラーを攻撃するが、ムササビラーは巨大化して暴れ始める。
巨大化したムササビラーには拳銃が通用しない。毒ガスを受けて、バタバタと倒れていく警官たち──。


デンジランドから信号が発せられ、野球場で空手の練習をしている赤城の下へ届く。
同じように、青梅、黄山、あきらにも信号が聞こえる。

緑川(父さんの仇はきっと討つ!)

射撃訓練中の緑川にも、信号が届く。


信号に導かれた5人が荒野に集う。遠くからそれを見つめるアイシー。
直後、目の前の岸壁が真っ二つに割れ、デンジランドへ続く道が現れた。

青梅「ここはどこだろう!?」

その疑問に答えるかのように、テープレコーダーが作動。

「ようこそ、デンジマンたちよ。我が故郷・デンジ星は、3000年前、ベーダー一族に滅ぼされてしまった。我々は地球を守るために、電子ロボット『ダイデンジン』を地球に送り込んだ。君たちは、デンジ犬アイシーに選ばれた戦士『電子戦隊デンジマン』としてベーダー一族と戦うのだ。右手を上げるがいい」

変身用指輪「デンジリング」が5人の薬指にそれぞれ装着され、5人をデンジマンへと変身させる。

赤城「デンジレッド!!」
青梅「デンジブルー!!」
黄山「デンジイエロー!!」
緑川「デンジグリーン!!」
あきら「デンジピンク!!」

強化服を着た時から、
彼らは、デンジマンとしての全ての能力を得た!

アイシー「行け、電子戦隊デンジマン!」

モニターにはデンジマン用の乗り物が映し出されている。

デンジピンク「『デンジマシーン』ね」
デンジレッド「『デンジタイガー』だ」

警報が鳴る。

デンジレッド「出動だ」
ブルーたち「おう!!」

デンジランドの岩山が、デンジ星超科学の粋を結集した戦闘要塞へと変形していく。
母艦・デンジタイガーが出撃。

デンジレッド「キャタピラ、作動!」

デンジタイガーからキャタピラが展開し、地上に着陸する。
ベーダー魔城では、ヘドリアン女王たちがその様子をモニターで見ていた。

女王「あっ、あれは!」
ヘドラー「デンジタイガー……!」
女王「何!? つぶせ!!」

ベーダー魔城から戦闘機が次々に発進していく。

デンジブルー「ベーダー戦闘機だ!」

デンジタイガーが戦闘機の攻撃に苦戦する。

デンジレッド「ミサイル、発射!!」

デンジタイガーのミサイルが戦闘機を次々と撃破。
戦闘機を排除した後、デンジマンはデンジタイガーから降りて、ムササビラーの下へ向かった。

ムササビラー「ぬふふふ、こしゃくな」
デンジレッド「デンジレッド!!」
デンジブルー「デンジブルー!!」
デンジイエロー「デンジイエロー!!」
デンジグリーン「デンジグリーン!!」
デンジピンク「デンジピンク!!」
デンジマン「見よ! 電子戦隊、デンジマン!!
ムササビラー「くぅ~、おのれ!」
ミラー「抹殺せよ!!」
ムササビラー「やれ!!」

デンジマンが戦闘員・ダストラーに挑む。
所詮、ダストラーなどデンジマンの敵ではない。

デンジレッド「デンジパンチ!!」

ムササビラーが逃げる。それを追うデンジマン。

デンジマンは、100メートルを3秒で走ることができる!

ガスタンクの壁に張り付いて、管理棟の屋上へ登っていくムササビラー。

デンジレッド「逃がすものか! デンジジャンプだ!!」

デンジマンは、150メートルのジャンプ力がある!

デンジマンがひと跳びでムササビラーに追いつく。

ムササビラー「ぬふふふふ、さぁ、さぁ、さぁ来い!」

が、敵は姿を消してしまう。

デンジブルー「消えた!?」
デンジレッド「デンジスコープ!!」

デンジスコープは、異次元空間をも透視できる電子の目である!

透明化したムササビラーの位置が看破される。

デンジレッド「いたぞ! デンジスティック!!」

レッドがデンジスティックでムササビラーを攻撃。
透明化を解き、再び地上へ逃げるムササビラー。

デンジレッド「逃がさん!!」

デンジマンが着地。
ムササビラーは毒ガスでデンジマンを襲う。
舞うような動きで毒ガスを回避するデンジマン。

デンジレッド「デンジパンチ!!」

レッドがデンジパンチを炸裂させるが、ムササビラーは突風を起こして反撃。5人まとめて飛ばされ、やぐらを組む。

デンジレッド「デンジタワー!!」

そこから5連続キックを繰り出すも、かわされてしまう。

デンジレッド「デンジブーメランだ!!」
4人「おう!!」

5人のデンジスティックが合体し、円盤となってムササビラーに炸裂する。

デンジマン「シュバッ!!

直撃を受けて致命傷を負ったムササビラーは、再び巨大化してきた。

ベーダー怪物は、体内の細胞体を自由にコントロールして
巨大化やミクロ化することができるのだ!

デンジレッド「デンジファイター、出動!!」

デンジタイガーから巨大戦闘機・デンジファイターが飛び立つ。
そして巨大ロボ・ダイデンジンに変形する。

デンジレッド「搭乗せよ!!」
4人「おう!!」

デンジマンが足にある出入り口からダイデンジンへ乗り込み、エレベーターで操縦席へ。

デンジレッド「アクション!!」
ムササビラー「来るか!!」

2体が激しい戦いを繰り広げる。

レッド「攻撃!!」

ムササビラーの剣とダイデンジンのブーメランがぶつかり合う。
ムササビラーの剣に弾かれたダイデンジンブーメランは宙を舞ってムササビラーに飛んでいくが、剣で切り払われてしまう。

デンジレッド「デンジボール!!」

今度は鎖鉄球・デンジボールを転送させて戦うダイデンジン。
デンジボールがムササビラーを打ち据え、締め上げる。
ムササビラーがデンジボールの鎖を剣で切断。

デンジレッド「デンジ剣!!」

ダイデンジンが第3の武器・デンジ剣を装備して戦う。
ムササビラーとのつばぜり合いが続く。

デンジレッド「電子・満月斬り!!

ダイデンジンがムササビラーを一刀両断。
ムササビラーは倒された。

レッド、ブルー、イエロー「やった!!」
デンジグリーン「父さん…… 仇は討った!!」


ベーダー魔城──

ヘドラー「女王様、地球にも電子戦隊が出現しました!」
女王「何!? それならなおのこと、地球をヘドロの星にしてやる!」

ヘドリアン女王がベーダー怪物の孵卵器を見やる。

女王「怪物の卵たちは生まれたくてうずうずしてるんだからね。ウハハハ!!」



異次元の侵略者・ベーダー一族は、
地球上を腐りきったヘドロの海に変えようとしている。
デンジ犬アイシーに選ばれた5人の戦士の戦いは
今、始まったばかりなのだ。

果たして、ベーダー一族とは何者か!?
超異次元空間とは、どんな空間なのか!?
電子戦隊によって、その謎が明らかにされてゆくのだ。




つづく



※ この続きは電子戦隊デンジマンの第2話をご覧ください。

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最終更新:2024年06月04日 23:21