(前回のあらすじ)
エドモントンの戦いでガンダムバルバトス第6形態(三日月)はクーデリアを殺そうとしたグレイズアイン(アイン)の一撃を間一髪で受け止める。
クーデリア・アトラ「三日月…」
アイン「また…またお前か!クランク二尉をかけた罪深き子供!」
三日月「誰?そいつ?」
アイン「貴様ー!」
グレイズアインは再びバルバトスを攻撃しようとするもののバルバトスは右手で抑える。
三日月「ちょっと…じっとしてろ…」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)がグレイズアイン(アイン)を押さえてる隙に、オルガは護送用の車から元アーブラウ代表・蒔苗 東護ノ介を車の外から出そうとしていた
蒔苗「おおーっ!わいを出してくれ!」
オルガ「わかってるよ!」
タカキ「団長!」
モビルワーカーの操縦を担当したタカキが出る。
オルガ「タカキか!急ぐぞ!俺らがここにいたんじゃミカが動かねえ!」
タカキ「はい!」
アトラ「クーデリアさん!」
クーデリア「はいっ!」
アイン「なんていうことだ、君の罪は止まらない!加速する!」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)がグレイズアイン(アイン)を押さえてる中、オルガから通信が入る。
オルガ「ミカ、待たせた。俺たちは議事堂へ向かう、そっちは任せたぞ!」
三日月「ああ、任せた!」
それを行ったバルバトス第6形態(三日月)は腰のブースターを噴射しグレイズアイン(アイン)を押し退けて蹴り、レンチメイスで殴るものの、グレイズアイン(アイン)は体勢を立て直しバトルアックスを両方持って攻撃するものの刀で受け止められる。
アイン「クランク二尉、このままではあなたの涙は止まらない!俺はこの戦いを持って、彼を悔い改めてみせる!」
一方でオルガを筆頭とした仲間らが議事堂へ向かう中、アトラとクーデリアは後から三日月の戦いを見守っていた。
クーデリア「三日月…」
蒔苗「おい、もう時間がないぞ!」
オルガ「わかってる!ミカのおかげでこっちの警備は手薄だ!絶対にてめえを送り届けてやる!それで全部終わりにしてやる!なぁ…ミカ」
モビルワーカーはバリケードを容易に突破する一方で戦場である野原では大破した流星号(グレイズ改弐)があり、グレイズアインの攻撃で生死不明であったノルバ・シノが目を覚まし、大破で装甲が露出した外からはモビルスーツであるグリムゲルデが写っていた。
ノルバ「あれは…」
グリムゲルデ(マクギリス)はヴァルキュリアブレードを展開すると、ガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はキマリスサーベルを取り出し前に向ける。
ガエリオ「貴様!何者だ!?何故、やつらの味方をする?」
マクギリス「何故?簡単なことだよ、ガエリオ」
ガエリオ「その声…貴様まさか!?」
マクギリス「彼らには我々の追い求める理想を具現化する手助けをしてもらうまではならない」
ガエリオ「マクギリス…何故…意味がわからない」
ガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はキマリスサーベルを降ろす。
ガエリオ「理想…お前は何を!?」
マクギリス「ギャラルホルンが提唱してきた人体改造は悪であるという思想を真っ向から否定する存在をギャラルホルン自らが生み出した」
グレイズアインが回想で写る。
ガエリオ「何を…」
マクギリス「アインは組織の混乱した内情を示す、生きた証拠だ、彼の姿は多くの人の目にいるべき恐怖とするだろう」
エドモントン市街地を警戒してたギャラルホルン兵士はガンダムバルバトス第6形態(三日月)とグレイズアイン(アイン)が戦う姿を見ていた。
ギャラルホルン兵士A「どうするんだ…あんなの!」
ギャラルホルン兵士B「片方はうちのモビルスーツなんだろ、まるで悪魔だ…」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)とグレイズアイン(アイン)が戦う。
アイン「これが阿頼耶識の完全なる姿!貴様のような半端なものではない、文字通り人とモビルスーツを一つにつなぐ力」
三日月「完全な阿頼耶識…」
グレイズアインの心臓部となるアイン・ダルトンの姿が写る。
アイン「所詮、貴様などただの出来損ないに過ぎない!」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)はグレイズアイン(アイン)のアックス攻撃をバク転ジャンプで回避しレンチメイスを持って構える中、グレイズアイン(アイン)がバトルアックスを投げつけガンダムバルバトス第6形態(三日月)の肩装甲を剥がす。
マクギリス「その亡きすべき存在と戦うのは革命の乙女を守り、英雄の名をあげ始めた鉄華団。そして乗り込むのは伝説のガンダムフレーム」
ガエリオは部下であったマクギリスの裏切りに両手を顔に向ける。
マクギリス「同時に行われる代表戦で蒔苗が勝利すれば政敵であるアンリと我が父イズナリオの癒着が明るみになる、世界の外側から監視するという建前も崩れ去り、ギャラルホルンの歪みは白日の下に晒される。劇的な舞台に似つかわしい劇的な演出だろ」
ガエリオ「マクギリス…お前はギャラルホルンを陥れる手段としてアインを…アインの誇りを!なんてことを!たとえ親友でも、そんな非道が許される筈がない!」
マクギリスの言葉に憤怒したガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はキマリスサーベルを再び構え、グリムゲルデ(マクギリス)に突き刺そうとするするものの、避けられる。
マクギリス「では、どうする?」
避けたグリムゲルデ(マクギリス)は自暴自棄となったガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)をヴァルキュリアブレードでキマリスの頭部を切り裂く。
ガエリオ「マクギリス!」
ガンダムキマリストルーパーはグリムゲルデのヴァルキュリアブレードで首を突き刺され動かなくなる。
マクギリス「君と言う名を失ったボードウィン家は何れ娘の子である私が継ぐ事になる」
ガエリオ「何!?」
マクギリス「セブンスターズ第一席であるイシュー家の一人娘カルタも死んだ」
グリムゲルデ(マクギリス)はキマリストルーパーのデストロイヤー・ランスを持ちガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)に投げつける。
マクギリス「ギャラルホルン内部の力関係は一気に乱れるだろう、そこからが私の出番だ」
ガエリオ「う…嘘だ…お前はカルタの命を俺の命を利用しようと…嘘だー!」
ガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はカルタの死とマクギリスの裏切りによる怒り負かせに飛び跳ねグリムゲルデ(マクギリス)を再び攻撃しようとする。
ガエリオ「マクギリスー!」
ガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はグリムゲルデ(マクギリス)に突っ込む。
エドモントン議事堂。
外では警備体制が敷かれている。
議員達「表の騒ぎはなんなのだ!?」「モビルスーツまで出ているぞ!」「ここでモビルスーツが暴れているという本当なのか?」
エドモントン議事堂内部。
蒔苗が来るのを望む蒔苗派閥のアーブラウ議員であるラスカー・アレジはモビルスーツが出た騒ぎに巻き添えになることを懸念し上院議員らに延期を要求する。
ラスカー「やはり延期したほうが良いのではないでしょうか?この騒ぎの中では…」
議員達「見苦しいぞ!」「とっとと始めろ」「最初から勝負は決まってんだ」「いつまで待つつもりだ!」「そうだ!」
議員らは蒔苗が来ないことに不満を抱き文句の言葉が響き始める中、アンリは笑顔になり、ラスカーは諦めの顔になる。
上院議員「止む負えんか…」
ラスカー「待って下さい!まだ…」
蒔苗「騒がしいのう…まるで動物園だ、ここは」
すると蒔苗の声にラスカーは振り返ると会議室入口に蒔苗を筆頭とする秘書とクーデリアとアトラがいた。
蒔苗「ここはアーヴラウ最高議会の場では無かったのか?」
議員達「蒔苗先生!」「間に合った」
ラスカー「良かった…」
すると蒔苗来訪に大きな音がたちアンリ・フリュウは怒鳴りつける。
アンリ「馬鹿な!?どうやってここに!?」
蒔苗「どうやって?わしはここの元代表だぞ?。少々外は騒がしかろうと底のつく意は貴様以上に用意しておる」
議員「アンリさん!?」
アーヴラウ中枢議会議事堂直結要人警護用 臨時代表公邸(エドモントン市内 第三セーフハウス)。
とある部屋でオルガとタカキがいた。
タカキ「団長、アトラさんから連絡来ました!会議には無事間に合ったそうです!」
入口正面ではモビルワーカー部隊が警備していて要人が暗殺されると想定したオルガらはタカキがハッキングでロックを解除した議事堂を繋ぐ公邸の隠し通路に蒔苗達を案内させた。
オルガ「そうか」
タカキ「これで仕事は終わりなんですよね?」
オルガ「ああ、終わる、終わらせる」
タカキ「団長?」
オルガ「タカキ、頼みがある」
タカキ「頼みって?団長は?」
オルガ「ミカを1人にさせとくわけにはいかねえからな」
タカキ「まさか!?モビルスーツの戦場に!?」
オルガ「団長としての俺の仕事だ、見届ける責任があるんだよ、全部をな」
エドモントン議事堂控室。
イズナリオ「何故だ!?何故、蒔苗が!?一体、マクギリスは何を?。…!?まさか!?」
オルガは三日月の場所へ向かう一方、マクギリスとガエリオは戦っていた。
ガエリオ「マクギリス!あんたは恋焦がれて痛んだぞ!今なき名もお前の名前を呼んで!お前の友って死んでいった!妹だってお前にならば信頼して任せられると!」
マクギリス「アルミリアについては安心するといい、彼女の幸せは保証しよう」
アルミリアの親権をマクギリスに奪われると思い怒ったガエリオは怒り任せに再び攻撃する。
ガエリオ「マクギリスー!」
ガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)はグリムゲルデ(マクギリス)を吹き飛ばした隙にキマリスサーベルで攻撃するもののグリムゲルデのヴァルキュリアシールドで防がれる。
マクギリス「そうだガエリオ、私への憎しみを怒りをぶつけるといい、友情、愛情、信頼、そんな生ぬるい感情は残念ながら私には届かない、怒りの中で生きていた私には」
幼きマクギリス、ガエリオ、カルタの姿が写り、グリムゲルデ(マクギリス)はヴァルキュリアブレードでガンダムキマリストルーパー(ガエリオ)の胸を突き刺し、キマリスは倒れる。
マクギリス(ガエリオ…お前に語った言葉に嘘は無い…、ギャラルホルンを正しい方向に導くためには、お前とアインが必要だった…。そして…お前は私の障害、ただ1人の友人だったよ…後は頼んだぞ鉄華団…)
一方でヤマギ・ギルマトンとエーコ・タービンはグレイズアインにやられたノルバ、ラフタ、アジーの元へと駆けつけ、ヤマギは大破した流星号(グレイズ改弐)に向かう。
ヤマギ「シノ!」
エーコ「アジー…ラフタ!」
ヤマギは流星号(グレイズ改弐)の大破で露出したコクピットを見ると頭に血が流れてるノルバ・シノがいた。
ヤマギ「シノ!」
ヤマギの呼びかけによりノルバ・シノは血を吐きながら目覚める。
一方でエドモントン市街地ではガンダムバルバトス第6形態(三日月)とグレイズアイン(アイン)の戦いは続いていた。
アイン「罪深き子供、クランク二尉はお前達と戦うつもりなど無かった!お前達を救うつもりでいたのに!その罪深き思いじゃ何故伝わらない!」
三日月「スラスターのガスの残りは僅か、残りの残弾もどっちにしろ、これじゃは殺し切れない…。あのおっさんは自分で死にたがってたよ」
アイン「やはり…」
アインは三日月が語ったクランクの真実を聞くと、グレイズアイン(アイン)のセンサーは赤く光る。
アイン「貴様は出来損ない!鼠…同じ手を何度も…」
隙を狙おうとするガンダムバルバトス第6形態(三日月)のレンチメイスの攻撃を手で抑えると、それを握りつぶし破壊する。
三日月「ゼロ距離なら…!」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)はグレイズアイン(アイン)がレンチメイスを破壊した隙を狙って攻撃しようとするものの抑えられる。
アイン「正々なる正しき真道を理解しようとしない、野蛮な獣!」
グレイズアイン(アイン)はガンダムバルバトス第6形態(三日月)を投げ飛ばすものの、三日月はブースターを発動させ体勢を立て直す。
アイン「なのに!」
グレイズアイン(アイン)は足のドリル攻撃とバトルアックスの攻撃でガンダムバルバトス第6形態(三日月)を追い詰めるものの、ガンダムバルバトス第6形態(三日月)は太刀で攻撃を防ぐ。
アイン「あろうことが、その救いに手をかけて!絶対、墓標の下に引きずり込んでやる!」
三日月「頼む…そんな速度じゃなく…反応速度か…これが阿頼耶識の差って訳か」
アイン「もう貴様は救えない、その身にこびりついたその罪のけがれは決して救えない!貴様も!あの女も!お前の仲間も!決して!貴様らの…貴様らの死を持って…罪を払う!」
一方でオルガは三日月の元へと向かう中、グレイズアイン(アイン)はクランクの死の真実を認めながらも、執着心にガンダムバルバトス第6形態(三日月)を追い詰め続ける。
三日月「罪…救う?それを決めるのはおまえじゃないんだよ…、おいバルバトス、いいからよこせお前の全部!」
アイン「死んであがなえー!」
するとガンダムバルバトス第6形態の目は光る中、グレイズアイン(アイン)は吹き飛ばしバトルアックスで攻撃するものの、三日月の言葉に反応したガンダムバルバトス第6形態に振り払われる。
アイン「…!?なんだ…?…今の反応は!?」
三日月「まだだ…、もっと…×2、もっとよこせ!」
三日月は阿頼耶識システムの更なる能力向上の副作用の影響で右目は赤くなったうえに鼻と目から血が流れ、三日月はそれを厭わずガンダムバルバトス第6形態に言葉を発する。
三日月「バルバトス!」
ガンダムバルバトス第6形態の目は再び光る。
エドモントン議事堂内。
ラスカー「蒔苗先生!お待ちしておりました!」
蒔苗「心配をかけたな、なんせ外が騒がしくてな、ここも負けておらんようだな…」
首相「蒔苗先生!所信表明をお願いします!後は先生だけで…」
蒔苗「待ってくれ、その時間をもらえるのなら、今わしよりも話がしたいものがいるんだが…」
クーデリア「えっ!?私ですか?」
蒔苗「お前さんが溜め込んでるものを吐き出して来い…」
クーデリア「でも…」
アトラ「クーデリアさん、クーデリアさんなら出来るよ、きっと…」
アトラの説得でクーデリアは考える。
議員「誰だ?あれ?」
アンリ「あれは…」
演説用のテーブルにクーデリアが立っていた。
クーデリア「私はクーデリア・藍那・バーンスタイン、火星から全代表である蒔苗氏の交渉のためにやってきました、その蒔苗氏に時間を頂き、今この場にいます」
アンリ「議会に関係ないものが何…」
クーデリア「ここに来るまでの間、私は幾度と無くギャラルホルンからの妨害を受けました。そして…今、まさに私の仲間達がその妨害と戦っています!」
一方で公邸の屋上ではタカキがLCS用のドローンを配置していた。
タカキ「団長!聞こえますか!LCS用のドローン、ありったけ置きました、これでみんなに連絡できるはずです!」
オルガ「よくやった!。お前ら!聞こえるか!蒔苗とクーデリアは議事堂へと送り届けた!俺たちの仕事は成功したんだ!」
野原で戦いを終えたグシオンリベイク(昭弘)は笑顔になり、一方で鉄華団のモビルワーカー部隊は戦いを続けている。
オルガ「だから…こっから先は死ぬな!もう死ぬんじゃねぇぞ!」
治療中のノルバは笑顔になり、グレイズアインの攻撃で死んだ筈だったラフタとアジーは生きており、エーコとヤマギの治療を受ける。
オルガ「こっから先に死んだやつらは団長命令違反をもって俺が殺す!だからいいか!何としてでも張ってでも、それでも死んでも生きやがれ!」
一方でナディとメリビットは救護用のトラックの運転をし戦場へと向かっていた。
ナディ「あいつはよ…好き勝手してこの命令を出したかったんだ…ずーっとな。死ぬな生きろなんて…言葉にしちまえばあっさりしたもんだ、けどよ…あいつには言えなかった…」
オルガは三日月の元へと向かい、コクピットの外を出る。
オルガ「ミカ…」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)とグレイズアイン(アイン)はそれぞれ近接武器同士で戦う。
アイン「こいつ…急に動きが…!?」
エドモントン議事堂内。
議員らはクーデリアの演説を聴く。
クーデリア「火星と地球の歪んだ関係を少しでも正そうと始めた、この旅で私は世界中に広がる、より大きな歪みを知りました。そして…歪みを正そうとこの地にまたその歪みに飲まれようとしている!。しかし…ここにいるあなた方は今その歪みと対峙しそれを正す力を持ってるはずです。選んでくださいここで選択を…希望となる未来を!」
エドモントン市街地。
アイン「なめるなー!」
ガンダムバルバトス第6形態(三日月)とグレイズアイン(アイン)の戦いは続き、グレイズアイン(アイン)は足のドリル攻撃でバルバトスの頭部を攻撃し蹴りとばすと、バルバトス第6形態の装甲が外れる。
アイン「鼠の悪足掻きもこれで終わりだー!」
グレイズアイン(アイン)は阿頼耶識の力を極限まで発生しバトルアックスを渾身でガンダムバルバトス第6形態(三日月)に振り下ろし攻撃をしようとする中、オルガの叫び声が届く。
オルガ「何やってんだー!ミカー!」
オルガの呼びかけで三日月は目を開け、大半の装甲を解除し、グレイズアイン(アイン)の攻撃を避ける。
アイン「何!?」
ガンダムバルバトス(三日月)は隙を狙って後からグレイズアイン(アイン)の左腕を太刀で切り裂く。
アイン「モビルスーツの装甲をフレームごと!?」
三日月「こいつの使い方やっとわかってきた…」
アインのコクピット内部が写る。
アイン「この…化け物がー!」
グレイズアイン(アイン)は右腕の回転攻撃で再びガンダムバルバトス(三日月)を攻撃するものの太刀で下腕を切断される。
三日月「お前だけには言われたくないよ」
アイン「クランク二尉、ボードウィン特務三佐!私は私の正しかった道…」
アインは怒り任せに亡くなった味方への言葉を言うも間もなくガンダムバルバトス(三日月)の太刀で胸部分を突かれ、グレイズアイン(アイン)は動かなくなり絶命する。
三日月「うるさいな…オルガの声が聞こえないだろ…」
橋の防衛線でギャラルホルンのモビルワーカー部隊と戦うユージン率いるモビルワーカー部隊。
チャド「おい!ユージン」
ユージン「なんだ!忙しいから後…」
チャド「上!×2」
ユージン「あっ?」
ユージンを筆頭とするモビルワーカー部隊がコクピットの外を出ると、何かに気づく。
ダンテ「あれは…停戦信号…」
議会で蒔苗が代表決定したのか空の上には停戦信号3つが浮かんでた。
エドモントン議事堂。
アナウンサー「ただいま代表戦の結果が発表されました。新代表は下馬評を覆し蒔苗 東護ノ介氏、蒔苗氏の再選となりました」
議事堂内では蒔苗の再選を拍手する議員ら。
イズナリオがいた控室では蒔苗の再選に悔しがり鬘を怒り任せに脱ぐアンリ・フリュウ。
クーデリア「これで終わったのでしょうか?」
クーデリアはフミタンの形見を手の平に置く中、アトラがその手を持つ。
アトラ「うん、きっとクーデリアさんかっこよかったよ」
夕方のエドモントン市街地。
一方でオルガはガンダムバルバトスのコクピットに向かい、三日月の元へ訪れる。
オルガ「ミカ…」
三日月「ねえ…オルガ…ここがそうなの…俺達の本当の居場所…」
オルガ「ああ…ここもその一つだ」
三日月「そっか…綺麗だね…」
鉄
華
団
#25
議事堂の控室ではクーデリアと蒔苗の報酬受け取りの交渉を行っていた。
蒔苗「うーん、ハーフメタル資源について、ざっくりした草案はこんなものだろう、後は追々詰めてくとして…」
蒔苗はタブレットを秘書に渡す。
クーデリア「はい、問題ありません。いろいろとお取り計らいいただきありがとうございます、鉄華団のことも…」
蒔苗「正当な報酬だ。あれから4日か…、やつらは明日にここを発つのだろう?お前さんはどうするんだ?」
クーデリア「私は…」
ヴィーンゴールヴ。
アーヴラウ掌握の計画破綻にヴィーンゴールヴへと逃げたイズナリオ・ファリドがおり、マクギリスの声に気づき振り向く。
マクギリス「亡命先の用意が整いました父上」
イズナリオ「マクギリス、貴様…」
マクギリス「ここで父上が身を引かねば監査局は黙ってはいない、実刑はおろか家の断絶もあります」
イズナリオ「どの口が抜かすか!貴様ら…」
マクギリス「今は忍耐の時です、ここで一度身を引かねば再起も望めなくなります、後の始末は私にお任せを。必ずファリド家を守って見せます」
イズナリオはマクギリスの元に近づく。
イズナリオ「わかってるだろうなマクギリス、絶望から救いやった恩起を忘れ、お前の先にはまた絶望しか待っていないぞ」
歳星。
マクマード「アーヴラウから鉄華団を軍事顧問として雇ってみたいと受信が来た」
テイワズの代表であるマクマード・バリストンとクーデリアの考えを改めた大富豪のノブリス・ゴルドンが鉄華団の事を話し合っていた。
ノブリス「ギャラルホルンに対する不信感は他の経済圏にも広がっている、これからはギャラルホルンに頼らない独自の軍備拡張に舵を切るだろう」
マクマード「圏外圏では、その流れは更に加速するだろうな。あんたも商売の遣り甲斐があるのだろ?」
ノブリス「鉄華団を手元に置いた、あんたほどじゃないさ」
マクマード「ハーフメタルの件もこれからだ、お互い忙しくなりそうだな」
ファリド家・豪邸。
ギャラルホルンに引き渡されマクギリスの配下となった元CGS一軍兵士であるトド・ミルコネンがリムジンに横たわってた。
トド「ったら送迎だっつーの」
執事「失礼ですが、ファリド様とはどのようなご関係で?」
トド「はっ?おらは旦那の右腕だ」
一方でマクギリスは家の中で戦場に行った兄・ガエリオの不安に泣いているアルミリアを慰めていた。
アルミリア「マッキー!お兄様…お兄様は…」
マクギリス「君の涙をガエリオは望んでないよってさ」
アルミリア「マッキーはどこにも行かない?」
マクギリス「ああ勿論」
エドモントン 廃駅。
そこでは鉄華団の仲間達が火星への帰還の準備をしていた。
ナディ「輸送できないやつから積みこんぢまえー!明日には出発だぞー!もたもたすんなよー!」
一同「はいっ!」
駅ホームで待機してる昭弘、ノルバ、ユージン。
ユージン「俺ら、本当に帰るんだな」
ノルバ「死んじまったやつらもやっと落ち着くだろうぜ」
昭弘「ああ」
ユージン「クッキーとクラッカーにも話さねえとな…」
ノルバ「泣くよな…きっと…ちゃんと言うんだぞユージン」
ユージン「ざけんな!てめえが言えよ!」
昭弘「アホ」
するとライド・マッスが3人の元にいた。
ライド「んじゃっ、俺が言っちゃおっか?」
ユージン「なっ?何、言ってんだ?」
タカキ「ライド、何やってんのちゃんと休んでなきゃ!」
4人の会話を聞くナディの元にメリビットが来る。
メリビット「あの子達、もう戻れないじゃないかって?、思ってました」
ナディ「何にだ?」
メリビット「子供に」
ナディ「あいつらはまだまだガキンチョさ」
エドモントン廃駅内では地球に降りたテイワズの下部組織・タービンズのトップである名瀬とアミダがおり、ラフタとエーコが名瀬に抱きつく。
ラフタ「うわああーん!ダーリン!」
名瀬「よしよし、よくがんばってくれたな。」
エーコ「なんかちょっとそれ、お下がり」
ラフタ「もっとちゃんと褒めて!」
アミダ「あんたはいいのかい?」
アジー「私は…」
アジーは照れるとアミダはアジーの頭に触れる。
アミダ「かわいいね、アンタは」
アジー「やめてくださいアミダさん」
すると名瀬はオルガに気づき、その後、別のプラットホームで会話する。
オルガ「兄貴、いろいろ迷惑をおかけしました。」
名瀬「何言ってる、お前らはきっちり仕事したんだ、胸を張れよ」
オルガ「けど…家族をたくさん亡くしちまった…」
名瀬「おい、いつか俺に言った言葉は嘘だったのか?訳のわからねえ命令で仲間が無駄死にさせられるのはごめんだ。あいつらの死に場所は鉄華団の団長として」
オルガ「俺が作る…」
名瀬「あいつらはお前が作った場所で死んでいった…張れよ胸を…」
名瀬はオルガの胸に拳をつける。
名瀬「今、生きてるやつのために死んじまったやつらのためにも、てめえが口にしたことは、てめえが信じぬかなきゃならねえ。それが指揮官としての団長としての覚悟のもんだろ?」
オルガ「はい…」
オルガは名瀬の言葉を受け入れる。
一方で歩いていた三日月に気づいたアトラは声をかけると、三日月は振り向く。
アトラ「あっ、三日月。具合は?もう大丈夫なの?」
三日月「うん、こっちの目があんまり見えないのと、こっちの手が上手く動かないだけ」
三日月は最終決戦で阿頼耶識システムを限界まで解放した副作用で右目・右手に障害を患った事をアトラに言う。
アトラ「だけって…」
三日月「阿頼耶識でバルバトスに繋がってる時は動くんだ、だからまだ働ける」
アトラ「そっか…」
三日月「でも…こっちはこれが守ってくれた」
三日月は左腕のアトラが作ったお守りを見せる。
アトラ「あっ!今度作る時はもっとふっとい紐で作るね!ロープとか!」
三日月「それは邪魔かな…」
少年A「あっ!クーデリア先生!」
すると三日月とアトラはクーデリアに気づき振り向く。
少年B「先生、どうしたの?」
クーデリア「皆さんにお渡しするものがあって」
少年C「えっ!何々!?」
少年D「俺にも×2」
少年らがタブレットに夢中になってる中、クーデリアは三日月に気づきタブレットを渡す。
クーデリア「はい三日月」
三日月「何?」
クーデリア「宿題です。帰りの船で勉強できるように」
アトラ「そっか…クーデリアさん、一緒に帰れないんだよね…」
クーデリア「私の仕事はこれからですから…」
三日月「ありがとう」
クーデリア「いえ、あっ…その手…」
三日月「ああ、ちょっと動かなくなった」
クーデリア「それは…」
三日月「泣くなよ…この手じゃもう慰めたり出来ないから…」
アトラ「もーっ、違うでしょ!」
三日月「はっ?」
アトラ「クーデリアさん!」
2人は三日月の頭を撫でる。
三日月「何これ?」
アトラ「今一番大変なのは三日月だから!。三日月が大変な時は私達が慰めてあげるんだからね!」
アトラの言葉にクーデリアは笑顔になる。
クーデリア「そうですね、私たちは家族なのですから」
変わって最終決戦で装甲大半が欠けたガンダムバルバトスの前に立つオルガの演説を聞く、鉄華団の仲間達。
オルガ「みんな、よくがんばってくれた!鉄華団としての初仕事、お前らのおかげでやりきる事が出来た、けどな、ここで終わりじゃねぇぞ。俺達はもっともっとでかくなる!…けどまあ、次の仕事までは間がある、お前ら成功依頼のボーナスは期待しとけよ!」
一同「おおーっ!」
三日月「オルガ」
オルガは三日月の声に気づき振り向く。
オルガ「ミカ…終わったな…」
三日月「うん」
オルガ「なあミカ、次は何をすればいい?」
三日月「そんなの決まってるでしょ」
オルガ「ああ、そうだな」
三日月とオルガはお互い拳をぶつけあう。
オルガ「帰ろう」
三日月「火星へ…」
最後は前面に火星が見える宇宙空間を背景に道中の戦闘で放棄されたガンダムバルバトスの初期装備の武器であるメイスが漂った光景となり、物語は終わる。
最終更新:2016年11月05日 19:37