超者ライディーンの最終回 (漫画版)
飛翔の乗るゴッドライディーンにより、超魔は敗れ去った。
しかし突如、無人のゴッドライディーンが動き出し、一夜を捕える。
一夜「う!? ゴ…、ゴッドライディーンの色が変わってゆく!」
ゴッドライディーンの全身の色が、漆黒に変る。
一同「な…、なにっ!? ブラックライディーン!?」
一夜「ふ…、『封印!』!? そんな! 早すぎ……!」
飛翔「クロウ!」
ゴッドライディーンの手の中で、一夜が光とともに消え去る。
疾風「あ……。き…、消えた。ライディーンクロウが消えた!」
一夜が消え、代りに1枚のゴッドフェザーが舞い降りる。
飛翔たち「ク…、クロウがG・フェザーに!」「ふ…、『封印』!?」
さらにゴッドライディーンは、一同に襲いかかる。
エース「うわ! なんなんだ!? おれたちも!?」
巨大な手に、飛翔が捕えられる。
飛翔「うわああ!」
電光「飛翔!?」
飛翔「や、やめろ──っ!」
そこへ忍武、聖人、カイル、藤丸の4人が飛来。飛翔を救い出す。
エースたち「あ……」
飛翔「ハ…、ハーツ・R!!」
忍武「助けにきたぜ。リーダーよりずいぶんおくれちまったがな」
飛翔「そ…、そのきみらのリーダーだけど、消えちまったぞ。ゴッドライディーンの手の中で!」
忍武たち「な……」「ふ…、『封印』だ!」「なんてことだ!」「ああ…」「うう……」
飛翔「お…、おい! 事情はわからんが、泣いてる間に、クロウを助け出そう! 力を貸すぜ!」
藤丸「助けだす? ふふ……。そんなこと不可能だよ! 『封印』のことを知らないから、そんなことが言えるんだ!」
飛翔「……」
藤丸「いいですか。超魔が滅ぶとゴッドライディーンは次の戦いに備えて、ライディーン戦士をゴッドフェザーに閉じこめる! これが『封印』です!」
疾風「閉じこめる? 出れないの?」
エース「いつまで?」
藤丸「次の敵が現れるまで。何万年先か何億年先かわかりません! とにかく生まれ育った時代や親、兄弟とはお別れなんです!」
疾風「そんな!! それじゃ死んだも同じじゃないか!」
藤丸「そう……」
忍武「──だから『封印』の前におれたち五人はにげようと話していたのに。一夜のやつ、『イーグルには借りがあるから』……って。こんな姿になっちまって!!」
一夜の封印されたゴッドフェザーに、忍武の涙がこぼれ落ちる。
飛翔たち「……」「『封印』を破ることはできないのか?」
カイル「何億年もの間、おれたちを閉じこめておける牢獄っちゃよ。拙者らには破れんでござるよ」
飛翔「牢獄……。はっ!」
ゴッドライディーンが一同に迫る。
飛翔「うわああああ きたああ~!」
銀牙、聖人、忍武の3人が捕えられる。
一同「銀牙!」「聖人! 忍武!」
光とともに3人も消え去り、3枚のゴッドフェザーとなる。
(現世とはお別れなんです)
一同「くそったれ! よくも銀牙を!」「聖人と忍武の敵ね!」
飛翔「だめだ、みんな!」
逆上して立ち向かったエース、電光、カイルの3人もまた、一瞬にしてゴッドフェザーに封印される。
飛翔「ああ…」
一同「エース! 電光! カイル! ちくしょう!」
飛翔「うるさい! さわいでる場合じゃねえ! こうなったら『封印』を解くとか、みみっちいことを言っててもおっつかねぇ。『封印』の大もと……。ゴッドライディーンをぶっこわすぞ!」
飛翔がライディーンイーグルとなり、ゴッドライディーンの巨体目がけて飛び立つ。
藤丸「やつに通常の攻撃は意味がない」
とっさに疾風と藤丸の2人も飛び立ち、ゴッドライディーンの左右に回り込む。
藤丸「さあ、どっちをとる、ゴッドライディーン!!」
ゴッドライディーンが2人目がけて、左右の手を伸ばす。
藤丸「かかった!」
疾風「腕が開いた! 今だ、飛翔!」
イーグル「おお!」
ライディーンイーグルが、ゴッドライディーンの顔面目がけて突撃。
イーグル「ゴッドライディーンの装甲はがんじょうだ。しかし! 内側からなら切りくずせるはず! 額の、フェード・ゲートに飛びこめれば……!!」
イーグルがゴッドライディーンの額の出入口、フェード・ゲートを目指す。
しかしゴッドライディーンの頭部のフェイスガードが変形し、顔面を完全に覆ってしまう。
イーグル「あっ!!」
疾風「うわっ。顔を閉じた! 飛翔は!?」
フェイスガードの隙間から、イーグルの足先がはみ出している。
疾風「フェイスガードの間にはさまれてる!」
イーグル「も…、もうちょっと…。もうちょっとなのに……!! 足が……」
藤丸「どうした!? だめなのか」
疾風「あ…、危ない、ダイノ!」
藤丸「え!?」
イーグルに気を取られている間に、藤丸はゴッドライディーンの手に捕われる。
藤丸「うわあ!」
疾風「ダイノ!」
そして藤丸に気を取られた隙に、疾風もゴッドライディーンのもう片方の手に捕われる。
疾風「ダイ…。ああっ。ちくしょう! ぼくたちがなにをしたっていうんだ! ちゃんと超魔から、この地球を守ったじゃないか!」
ゴッドライディーンは何も答えない。
疾風「かあさ──ん!」
光とともに、疾風と藤丸もまた、ゴッドフェザーに封印される。
イーグル「ダイノ! 疾風! く……。おれひとりになったって負けねぇぞ! こんな足、切りはなしてやる!」
イーグルがイーグルソードを自分の足に突き立てるが、刃が全く通じない。
イーグル「う!? ソードがはじかれた!? おれの足に!?」
足が次第に光り始める。
イーグル「足が……、光ってる……! 光が……、広がる……。光から……、力が満ちてくる……。これは……」
ゴッドライディーンの周囲を、9枚のゴッドフェザーが舞っている。
イーグル「み…、みんな!! 力を送ってくれているのか! 封印されて、もの言えぬ体になっても!! エース!! 電光!! 銀牙!! 疾風!! ハーツ・R!! おまえたちの心! むだにはしない!」
渾身の力でイーグルが、フェイスガードを蹴り上げる。ガードが開き、イーグルが外へ飛び出す。
イーグル「終わりだ! ゴッドライディーン!!」
ゴッドライディーンの額のフェードゲートにイーグルが飛び込み、体内深くへと飛び込んでゆく。
イーグル「みんなの力だ! 超者……、十体、降臨!!」
10人のライディーンの力を得たイーグルがゴッドライディーンの体内で、巨大なライディーン戦士と化す。
ゴッドライディーンの体が、内部から粉々に粉砕される。
「うおおおお」
「みん……な……」
9枚のゴッドフェザーから、封印された一同が甦る。
一同「はっ!」「やった! もどった!」「飛翔……。飛翔は!?」
疾風「あそこだよ……」
藤丸「う!」
砕け散ったゴッドライディーンの無数の残骸──
疾風「力を使いはたして、ゴッドライディーンといっしょにくだけ散ったんだ……」
電光「そんな!! ひ…、飛翔!!」
破片の山の中に、人間の腕が突き出している。
一同「ん? ひ…、飛翔!」
フラフラの飛翔が身を起こし、笑顔でサムズアップを決める。
一同「飛翔! わ! また裸かよ、おまえ──!!」
十八か月後──。 アイドルグループ〈エンジェル・ハーツ〉が デビューする。
結成理由は 「今まで姿を見せてなかったんで、 反動で目立ちたくなって──」というものだが そのコメントの本当の意味を知っているのは、 彼ら本人……、十人だけだった。
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最終更新:2014年07月06日 18:10