エックス「みんな…… ありがとう!」
ギンガ(ヒカル)「君たちの希望の光が、俺たちをここへ呼んだんだ」
ゼロ「おいおい、いいツラになったな。エックス、大地! へへっ、また逢おうぜ!」
ゼロたちが空へ飛び立つ。ゼロに夢中のルイが、その姿に見惚れる。
ルイ「あっ、あっ、こっち来た…… あっ、ゼロ様!」
ゼロ「おぅ!」
ルイ「あっ、ゼロ様! こっち見た!」
ゼロ「フィニッシュ!」
ルイ「あぁ~! ゼロ様ぁ! マモル、邪魔ぁ! あははは!」
ルイがマモルを押しのけ、ポーズを決めるゼロに手を振る。
エックスとティガが光に包まれ、ティガに変身していたユウト、エックスにユナイトしていた大地が地上に降り立つ。
ユウトの母であるツカサが、ユウトのもとへ駆け寄る。
ツカサ「ユウト、ユウト!」
ユウト「……お母さん!」
ツカサ「ユウト! あぁ、ユウト!」
ツカサがユウトをしっかりと抱きとめる。
大地が頭上を見上げると、ユナイトを解除したはずが、エックスは巨人の姿のままそこにいる。
エックスの宿っていたエクスデバイザーが、元のジオデバイザーに戻る。
大地「エックス、これは!?」
エックス「大地…… しばらく、みんなとはさよならだ」
大地「えっ、どういうこと!?」
エックス「君たちの希望の光のおかげで、私は本来の肉体を取り戻すことができた」
大地「じゃあ……」
エックス「私は、自分の任務に戻らなければならない」
アスナ「任務って?」
ウルトラマンがエックスの肩を叩き、頷き合うと、一足先に空へと飛び立つ。
エックス「我々の任務は、宇宙のバランスを保つことだ。どこかでバランスが乱れれば、この地球にも影響が現れる」
大地「エックス……」
エックス「そばにいなくても、姿は見えなくても、私たちはユナイトし続けている! そのことだけは──」
大地「……忘れないよ。絶対に!」
エックス「再びこの地球に危機が訪れるとき、私は必ず帰って来る。約束しよう」
ルイ「寂しいよぉ~、エックスぅ!」
マモル「今まで、ありがとう!」
ワタル「こっちは俺たちに任しとけ!」
ハヤト「一緒に戦えて、良かったぜ!」
アスナ「さよなら、エックス!」
神木「あなたとともに戦い、友情を分かち合えたことは、我々の誇りです! 感謝します!!」
エックス「こちらこそ…… ありがとう!」
大地「必ず…… また逢おう! エックス!!」
ルイ「またね~! エックスぅ──っ!!」
エックスがついに、地上を力強く蹴り、大空へと飛び立つ。
ルイ「バイバ──イ!!」
ユウト「僕、お母さんを守れた?」
ツカサ「ありがとう…… いつも!」
一方、閻魔獣ザイゴーグを目覚めさせてしまったカルロス黒崎と、秘書の桐原冴子は。
黒崎「さぁ~、夜が明けたぞぉ! 桐原、今日のスケジュールは?」
桐原「南太平洋ゲゾル島で、呪いのダイヤモンドを発掘です」
黒崎「実にロマンがあるなぁ! 教授、ご一緒しませんか?」
ツカサ「……あなたって、全然懲りない人ですねぇ」
黒崎「『常に前向きな人間だ』と言ってください! では、失敬!」
後日のXio基地、司令室。冒頭同様に、一同が作戦デスクの上に菓子を広げている。
橘副隊長が現れ、一同が気まずい表情となる。
しかし橘は一同を叱り飛ばすかと思いきや、菓子を一つ手にし、無言で立ち去る。
グルマン「うぅん、このパンケーキは絶品だ! もう1枚くれ」
菓子を食べながらも、一同はやや沈んだ面持ち。
アスナ「なんか…… エックスいないと寂しいね」
大地「……」
声『そのスイーツに含まれる糖分は、全体の54パーセント──』
大地のジオデバイザーがエクスデバイザーとなり、エックスの姿が浮かび上がる。
エックス『栄養のバランスを考えた食事が、美容の秘訣だ』
アスナ「エックス!?」
大地「宇宙の彼方に行ったんじゃないのか!?」
エックス『ケンタウロス星近辺で、デザストロという怪獣がワームホールに逃げ込み、地球に向かっている!』
グルマン「な、なんと!?」
マモル「それって……」
ルイ「また、ヤバイ奴なんじゃないの!?」
司令室内に警報が鳴り響く。
チアキ「宇宙レーダーに反応! 巨大なエネルギー体が、地球に迫って来ます!」
橘「監視衛星の映像を出して。大気圏の突入時刻は?」
タケル「約13分後! 予測到達地点は、エリアT! タイプは不明です!」
ワタル「よし! こっちからお出迎えといきますか!」
ハヤト「おい。お前、クリーム付いてるぞ」
アスナ「地球の危機って、割とすぐ来るのね……」
大地「意外と、仲良くできる奴かもよ」
橘「隊長……」
神木「──Xio、出動!」
一同「了解!!」
グルマン「よぉし、行って来い!」
大地「行こう、エックス!!」
エックス『おぅ!!』
最終更新:2023年12月08日 05:50