アットウィキロゴ
オリスタ @ wiki
ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

オリスタ @ wiki

【ジョン】オリジナルスタンドSSスレ【万】 第一話

最終更新:

ddddd

- view
メンバー限定 登録/ログイン
私の名前は「中条 万次郎(ナカジョウ マンジロウ)」

万次郎という名は、私の両親が幕末の日本で日米和親条約の締結に尽力した人物である【ジョン万次郎】にあやかり付けた名ではあるが・・・


私はこの名前が嫌いである。大っ嫌いである!

どうせ名付けるなら竜馬や海舟といった名前にすれば良いものを・・・
何故に万次郎か。


幼き日には「万ちゃん」といった可愛いあだ名であったのに、授業で歴史を習ったその日から
私のあだ名は「ジョン」となる・・・
更に、小学生男子にして身長が170cmを越えていたためすぐに
「ビッグ・ジョン」
という、何やら卑猥な響きのあだ名が付けられた。

ちなみに身長は小学生の時から伸びていない。

小学時代、高い位置からつむじを見下ろしていた同級生のほぼすべては、中学卒業までに私と同じかそれ以上の身長になっており、
今やビッグでも何でもない。

にも関わらず、あだ名は「ビッグ・ジョン」のままで、由来を知らない生徒からは別のあだ名が付けられた。
「黒船」「不珍戦艦大和」「トマホーク」「マーラ・ザ・ビッグ・ジョン」等々・・・


数え上げればキリがないが、総じて私の下半身に関するあだ名だ。
男子たるもの一度は「大きい」と言われてみたいものではあるが、実際に使った事もないのに噂だけが一人歩きしており「中条が○○街の風俗嬢を壊した」などと、根も葉もない噂を立てる輩がいるのは甚だ遺憾である。



よって私は、住み慣れた故郷を離れ
単身、私を知る者がいない街の高校へと進学したのだ。

ここには昔の私を知る者は誰一人としていない。

思えば中学時代にはあらぬ噂のせいで、不良少年共に喧嘩を仕掛けられたりもした。
その全てを私の【超能力】で返り討ちにしてやったが、今にして思えば自らの評価を更に落とし、地に落ちるどころか地殻を突き抜けマントルに達する行為であった。若気の至りと言うほかない。


む?・・・マントルを突き抜けそのまま進めば、いずれは地球の裏側に出る。

地球の裏側に住む人々にとっては、私の評価が上がると言うことかも・・・

「一人殺せば犯罪者、千人殺せば英雄」とは、この事かッ!


・・・何か違う気もするが。


話が逸れてしまった。
ともあれ、返り討ちにした事で、
備府町の【双龍(ダブルドラゴン)】
などと訳の分からない(聞いている方が恥ずかしい)あだ名が新たに加わった。
龍と言うのはおそらく蛇の上位互換を指すのだろうが・・・ダブルとはこれいかに?
私の他にビッグ・ジョンを噂される人間がいるのだろうか?


・・・・まぁ、いい。過去の話だ。


今は、そんな事より1から始まる学校生活を桃色にする為に、女子と友達になることを考えなければならないのだから・・・



中条「フフ・・これからが楽しみだ。




ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

俺の名は【大和久 礼司 オオワク レイジ】

身長190cm、体重85kg
喧嘩無敗(12341戦12341勝)



そんな俺が
この春、はるばる県外にある【公立、織須田高校】に入学した。

県外の高校に通うに当たり、住み慣れた備府町を離れた訳だが・・・

一人暮らし10日目にして既に母さんの味噌汁が恋しい。


こんなことなら地元の高校にすれば良かった。
そんな後悔がむくむく・・と頭をもたげるが、それではダメなのだ。
バラ色の高校生活を満喫するためには、俺の事を知る奴がいては・・・




中学時代、悪さをしすぎたせいで地元の女が寄ってこなかった・・・
理由は定かじゃあないが、寄ってくる女は全員年上。
看護師や教育実習生、OL・・・


つまり非処女ばかりだった。


「処女とヤりたい」
「願わくば子分じゃなくて友達が欲しい」


これが俺の入学理由。

【ダブルドラゴン】なんて肩書きは捨てて・・・
おっと、勘違いするな。
肩書きは周りが勝手に言ってた事だからな?

俺が前に住んでいた備府町を東西に分けて
【西のカミカゼ(俺)、東のビッグ・ボス】
二人でダブルドラゴン・・・


俺も喧嘩じゃ負け無しだったが、ビッグ・ボスも相当な強さだったらしい。
察するに、ブッチャーみたいなゴツい野郎だろう。

冬休みに200対1の戦いを無傷で勝利したと聞いた時には流石にビックリした。
一度、どっちが強いか確かめたかったが・・・


まぁ、昔の話だ。


それより今はバラ色の学校生活を謳歌する事を考えなくては。


女子「大和久くん・・だっけ?(やだ、この人超イケメン・・・)

大和久「ん?何ですか?


「・・良かったらアド教えてくれないかな?

大和久「いいですよ。じゃ、赤外線で・・・

川上「ありがと~!(おし、イケメンの連絡先ゲットッ!)


大和久「どういたしまして。
(ケッ・・てめえからアド聞いてくるなんて、こいつはビッチだな。)



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

「中条くん!中条く~んッ!


織須田高校に入学して二週間。
女子と話すスキルを全く持っていなかった私の計画は、早々に頓挫し
休み時間にはこの男と教室の隅で、ゲームやらアニメの雑誌を読む事が習慣となりつつあった。


「どうしたの?中条くん。難しい顔をして。

中条「あ、いや。何でもない。


この男の名は【管尾仁義 クダオ ジンギ】
非常に気さくな性格・・・ではなく
どちらかと言えば・・・否、完全に根暗な男だ。

三度の飯よりゲーム、アニメ、美少女フィギュアをこよなく愛する・・・一言で言えばオタクという人種である。
少々偏屈ではあるが、悪い人間ではない。


良い意味で空気が読めないと言うか・・・
【自分の信念を貫き通す】強い意志の力を感じさせる。



だが・・・



この男と一緒にいると、桃色の高校生活は絶対に・・・
絶対に絶対に絶~~対に!!


送れないであろう。



中条「・・・それで、何の用だ?


管尾「駅前オーソンの一番くじで我らがなゆたんのフィギュアが当たったんだッ!!
家にあるから、今日見に来てくれッ!



正直なところ、フィギュアには全く興味がないのだが・・・鼻息荒く、少年の様に目を輝かせる彼の誘いを、私には断ることなど出来なかった。

中条「あ・・あぁ、じゃあ帰りにちょっとだけ寄らせてもらおうかな。


管尾「把握。じゃあ、約束だ!


放課後の約束を取り付けて嬉々として管尾は自分の席へと戻って行く。



中条「・・・・ハァ。

私は至極小さく、誰にも悟られぬよう溜め息をついたつもりだったが、
それを聞きつけた男がいた。



大和久「どうかしたかい?溜め息なんかついて。


中条「いや、何でもない。

この男の名は大和久礼司。

モデル体型でイケメン、スポーツ万能・・・
入学したその日の内にクラス中の女子とアドレス交換をし、
次の日には学年中ほぼ全ての女子と、アドレス交換をしてのけた超絶リア充である。


そして、喧嘩が【超】強い・・・



こういう奴はどこにいても目立つようで、入学式の翌日には諸先輩方に呼び出しを喰らっていた。


助けておけば恩を売れる。
もしかしたら女子を紹介して貰えるかもしれない。
そう考えた私は、意気揚々と体育館裏へと向かった。


そこで、私は見たのだ・・・・


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・



大和久「おら、財布と学生証、携帯だせよ。

先輩「ずびばぜん・・・勘弁し


―ゴッ

先輩「ぴッ!?


殴られた先輩は顔面がまっ平らになっている・・・
おそらく鼻が顔面にめり込んでいるのだろう。


大和久「誰が謝れと言った?
脳味噌入ってんのかぁ~?この野郎。


そう言って、大和久は諸先輩の連絡先と住所を控え、更に脅しをかける。



ゴゴゴゴゴゴ・・・・

大和久「良いか?カス共よく聞け。
今日あった事は誰にも言うんじゃあねえぞ・・・

もし誰か一人でも漏らしたら、お前等全員・・当然、家族にも地獄を見せてやる・・


先輩ABCDEEGHIJKL「ひ・・・は、はいぃい~~ッ!!



中条「(おぉ怖い・・・ヤクザ屋さんも真っ・・・・




しまった。


そう思った時には既に遅かった。

隠れて覗いていたのだが・・・大和久と目が合ったような気がしたのだ。



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


中条「(やばいな・・・ここは、逃げておくべきか。


その日はそのまま帰宅した。

追いかけてくるならぶちのめして、大和久の言葉をそっくりそのまま本人に返してやろうとも思ったが、桃色の学校生活を送る事が目標の私にとって
超絶モテ男の大和久を敵に回すのは得策ではない・・・そう判断したのだ。



それから一週間、何事もなく過ぎていったが、今日・・・大和久から接触してきた。


――――――――

大和久「辟易した顔してたな。
興味が無いのが丸分かりだよ。


中条「別に・・・あいつは気付いてないし、喜んでんだから、アリだろ?


大和久「そんなもんかねぇ・・・


中条「・・・・(こいつ、何を考えている?
やっぱり気付いてないのか・・?


大和久「ところで中条くん・・・
管尾くんの家に行く前に時間・・・あるかい?


中条「―ッ!(来た!こいつ・・やっぱり気付いてやがったッ!



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


中条「(露骨に避けるのも怪しすぎるか・・・


大和久「大丈夫、時間はとらせないよ。


―ニコッ。


そう言って、王子スマイルを私に向ける大和久。

クラス中の女子から、溜め息ともあえぎ声ともとれる様な声が上がる・・・

と、同時に私に対する悪口も聞こえてきた。

「身の程知らず」
「ダイヤと鉄クズ」
「神とミジンコ」等々・・・




ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!


糞がッ!糞がッ!!

糞がぁああッッ!!


上等だ!ファッキンビッチ共ッ!!

俺は今日・・・てめえらの王子とやらを、二目と見られない色男にしてやるぜッ!!



ドドドドドドド・・・・

俺は今、同じクラスの【中条万次郎】と歩いている。

この男・・・いつもはキモオタと教室の隅で何やらコソコソしているのだが、どうやらキモオタとはあまり仲良くしたくないらしい。


時折、暴力的な自信に満ちあふれた目をしていたかと思うと、意気消沈して何やらブツブツ独り言を言っていたり
正直な所、何を考えているのか分からない。



だがまぁ、そんな事はどうでも良い。


俺が今こいつといるのは入学式翌日の放課後の俺を見たかの確認の為だ・・・


もし見られていたなら・・・・口封じの為に学校を辞めてもらうとするか。



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


中条「どこに行くつもりだよ?

大和久「ん?・・・ちょっとね、聞かれたらマズい話だから。


学校から駅の間のシャッター商店街の中を、人のいない方いない方へと進む。

万が一誰かに見られたりしたら、面倒な事になる・・・今回みたいに。
今思えば、学校内で上級生相手に暴れたのは、流石に迂闊過ぎたな。
だけど、ただ殴られるだけなんて癪に触るし・・・
まぁ仕方ないだろ?
今回から気をつければ良い話だ。

・・・よし、この辺でいいか。

そう思って振り向いた時、俺は面食らってしまった。

大和久「・・(コイツ・・・ッ!この目つきッ!

ゴゴゴゴゴゴ・・・・




知ってるんだぞと言わんばかりでいて、更に高圧的な自信に満ちた目つき!!
・・・間違いないッ!

コイツ、見てやがったッ!!
知っていて尚、ノコノコついてきた!


そう思うと、ふつふつと笑いがこみ上げてくる・・・


だってコイツ・・・俺に勝つつもりでいるんだぜ?


クソチビが。てめえなんざ片腕で充分なんだ。


ゴゴゴゴゴゴ・・・


大和久「おおーっとぉーッ!手が滑ったぁッ!!


―グオォッ!



体格差を利用した、肩口めがけての一撃。


鎖骨をへし折って、動けなくなった所をちょいと脅してやれば終わり・・・


俺は、そう思っていた。


だが・・・


何かに絡め取られるように、俺の腕は 中条の手前でぴたりと動かなくなってしまっていた・・・


大和久「ッ!(な・・何だこりゃッ!?
腕だけじゃねえ、体も・・・動かないだとッ!?)



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


中条「大和久・・・どうしたんだ?


にやにやと笑いながら中条は俺の腕を掴む。



―グッ・・・・



大和久「うがあぁあぁあああッ!!?


その瞬間、握られた腕を中心に耐え難い激痛が走る!!

皮をむかれた稲葉の白兎どころじゃねえ・・・
神経を直接ヤスリがけされるような痛みッ!!


脳が危険を察知したのか、体から送られてくる痛みを遮断しようとしている。
単純に言えば、気絶しようとしている訳だが・・・
そんな事は俺のプライドが許さなかった。



中条「どうしたんだよ?急にでっかい声あげて・・・


大和久「お・・・あぁああああ゛あ゛あ゛ーーッ!!


つまるところ喧嘩ってのは気合いと根性だッ!!

全身全霊で腕に力を込める。



中条「・・・凄い根性だな。気絶しなかったのはお前が初めてだよ。
だけど、このままじゃ死ぬかもしれな・・・ッ!?



―グ・・ググ・・・!


少しずつではあるが、俺の腕が中条の首に迫る。


・・・捕まえちまえば何とかなるッ!!


中条「ば、馬鹿な・・!
まさか根性で破ろうってのかッ!?

ドドドドドドド・・・



中条「・・・!(俺の超能力は・・根性でどうにかなるってレベルじゃあないはずッ!!


私は、焦っていた。

空いた手でもう一撃お見舞いすれば、大和久は卒倒していたのだろうが、そんな事にも気付かないほど焦っていた・・・

何しろ、こんな事は初めてだったのだから仕方ない。


私の【超能力】のヴィジョン・・・

無数の触手は、依然大和久の体をがんじ絡めにしている。



・・・にも関わらず、激痛に耐え私を掴もうとしてくるッ!
もし捕まれば、圧倒的な体格差で組み伏せられ、先日の諸先輩方と同じ運命を辿るであろう事は容易に想像出来た。


中条「う・・・おぉおお~ッ!?


じわじわと私の首に迫る大きな手・・・



・・最早これまで。


そう観念しかけた時、三時の方向から声があがる。



「おいおいぃ~?
何だこれ、イジメかぁ~?

「ギャハハハッ!
おいお前!三万で助けてやろうか?

「マジメ君たちがこんな所で何やってんだ?あ゛ぁッ!?



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・



地元の不良共・・・

大和久の意識がそちらへ向くのを感じ取った私は後ろへ飛び、距離を取った。



中条「はぁ・・はぁッ!(あ、危ない所だった・・・!)


未だ嫌な汗が背中から吹き出ているが、
とにかく窮地は脱した。


大和久も相当堪えたのだろう。
膝をつき、肩で息をしている。
・・・それにしても、不良の多い町だ。


「おいおい?どうしたんだよ?

「その制服、織須田高だな!
ここは俺たち阿久千高校の縄張りだぜぇ~ッ!?


中条「(ははッ。縄張りとか。いつの時代の不良だよ?
とは言え、僥倖・・・
ここは、トンズラさせてもらうぜッ!!




一つ述べさせていただけば、私はこの時
決してビビっていた訳ではない。
労力に見合った対価が無いと判断したまでである。

「ん・・・?
お前等、何か見たことあるなぁ~?


そう言って、目を細める不良のうちの一人。



ドドドドドドドド・・・




「ん~・・・・?
・・・・

・・・

・・・・ひッ!?


だだだだだ・・・・だッ!!
ダブル・ドラゴンッ!!?

大和久「・・・!?
中条「(・・・FUCK!
まさかの同郷かよッ!!



「ひいぇあぁあああ ~~ッ!?(備府町に名を轟かす二体の悪魔ッ!!
ヤクザも避けて通るる、暴力と破壊の化身・・・ッ!!
こ、殺されるッ!!




―スダダァーーッ!


脱兎の如く駆け出す不良を、私は追いかけた。


――逃がす訳にはいかない。
ここで逃がせば噂が瞬く間に広まり、私の計画は水面に出来た泡の如く消失するであろう。



中条「待てッ!!


私は逃げる男を追いかけたが、100mも走らないうちに脇腹が酷く痛み始める・・・




中条「ま、待て・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・ッ



中学時代、帰宅部に身を置いて、体を鍛える事を怠ったツケが今、巡ってきたのか。

あっと言う間に引き離され、姿を見失ってしまった。



ドドドドドドド・・・

中条「はぁ・・はぁ・・・げほッ!
クソッ!クソがぁ~ッ!!




しばしの間、その場にて悔しさを噛みしめていたが、過ぎてしまった事は仕方がない・・・
これからの策を考える事に頭を使おう。どう足掻いても、過ぎ去った過去は変えられないのだから。


気を取り直して私は再び大和久のいた場所に戻る。


そこには先日と同じ、血達磨になった不良をいたぶる大和久の姿があった。
まったく・・・懲りない男だ。

大和久「・・・ったくよぉ~。
どうしてお前らは、揃いもそろって俺の邪魔してくれるんだ?


「「「すいませんッ!


一列に並ばせ、正座させる大和久。


ガタガタと、子犬のように震える不良達・・・


大和久「どうしてかって聞いてんだよッ!?このアホが!
てめえらアレか?
天気を聞かれて、今日の晩ご飯を答えるのかッ!?



中条「やめとけよ。
死んじまうぞ?


激昂し、不良の耳を引きちぎろうとしている大和久をたしなめる。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

大和久「中条・・・てめぇ、調子に乗ってんじゃねえぞ?


―ガッ

「ひ!!?



―ブオンッ!!


中条「――ッ!?
(片手で・・人間を放り投げただとッ!



私はそれを受け止めようと、【超能力】の触手を伸ばし、衝撃に備えていた。



――ズドンッ。


中条「・・・・?

大和久「・・・は?




ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・




私の少し手前で、不良の体は横に引っ張られるかのように進路を変えた。



地面に落ちた不良の体は、殺虫剤をかけられたゴキブリの如くバタバタと手足を動かし、やがて動かなくなった・・・



頭を地面に串刺しにされたまま・・・・




ドドドドドドドド・・・・・!!


中条「お・・おい!
やりすぎだろッ!?


大和久「馬鹿言うな・・・!俺じゃねえッ!!



恐る恐る近づき、息があるか確かめるが、当然の事ながら生きている筈がなかった。
頭を串刺しにされて生きていたらそれこそ怪物である。


おびただしい出血。半分飛び出した目玉。
頭に刺さった矢のような物。

中条「・・・うっぷ!

げぇえぇ・・・ッ・!!


目の前に本物の死体が転がっていた。
私は、胃から溢れてくるものを堪えきれずに吐き出す。


時間にして数秒だったであろうか。


中条「・・・・?



気がつくと、一人の男が私の側に佇んでいる。



ゴゴゴゴゴゴコゴゴ・・・



??「矢は回収させてもらうよ・・・
一本しかない貴重な物だからね。


右手にはボウガン、左手には矢を持ったその男は、事も無げに呟く。



大和久「な・・なんだ、てめえッ!
どこから涌いてきやがったッ!?


?「1、2、3・・4・・・は既にスタンドを持っているから残りは3人か。


男はその場にいる人数を数えていたが、私に対してはさして興味を示さなかった。


中条「(スタンド・・・?)


大和久「無視する気かよ・・ッ!!


「う・・・うぅ~・・!い、痛ぇ・・・


突然、死体が呻き声を上げる。


中条「(あ・・あり得ないッ!!
確かに死んでいたぞ!!



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


だが、不良の傷はすっかり消え失せ、矢など刺さってはいなかった。
更に言えば、先程私が吐いた吐瀉物すらも消えている・・・!

そういえばこの男が現れた時、既に矢を持っていた。
「一本しかない」そう言っていたにも関わらず。抜いた気配も無く・・・
まるで初めから「矢を撃たなかった」かのように思えた。



?「そこの背の高い君はなかなか見所がありそうだ。
スタンド使いを腕力でねじ伏せるなんて
・・・矢もきっと君を気に入ってくれるさ。

―ズグズグ・・ッ!


大和久「なッ!?


「「ぁ・・・あ・・・?


それはあまりに突然の事だった。


コートを着た不気味な野郎が喋っていたかと思うと、俺の脇にいた二人が矢によって二人同時に串刺しにされていた・・・!


それぞれが別の方向に倒れようとしたので、その体は倒れる事が出来ず矢が番となって正座の姿勢を保っている。


?「さて、と。
どうかな?


男は二人の顔をかがんで覗き込み、やっぱりな、と言う顔をした。



普段の俺であれば、顔面に二、三発膝蹴りをぶち込んでやるが・・・
情けない話、俺は心の底からブルっちまってた。
細胞の一つ一つが
「コイツはヤバい、早く逃げろ。殺される」と、警告しているのが分かった。


だが、体が言うことを聞かない。
瞬きもせず、男を睨みつけていたが
不意に男の姿が消える。
と、同時に胸に鋭い痛みが走った!



大和久「・・・・?



胸を見ると、ど真ん中。心臓の位置を矢が貫いていた。



大和久「うぉおおおぉッ!?
(や、やべえ!・・・死ぬッ!!
死んじまうッ!!
嫌だッ!嫌だッ!!

焦りに焦った俺は、両手でその矢を引き抜いたッ!


大和久「うああぁああああーッ!!!

――ッズグ!!


――カラカラン・・・


矢が地面に落ちる音で、俺は我に返る。




ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


大和久「血が・・出てない?



「「あ・・あれ?


矢に貫かれた奴らも不思議そうに辺りを見回している。

――パチ・・・


――パチパチパチパチ・・・


?「おめでとう。
思った通り、君はやはり気に入られた。


男が手を叩きながら笑顔で祝辞を述べる。


大和久「・・・?



?「君達には見えるはずだ。


―ズズズ・・・


中条「こいつはッ!?

大和久「・・おいおいおい・・・。
何の手品だよ?


男の体全体の輪郭がぐにゃりと歪んだかと思うと、背中の辺りから人の腕の様なものが現れる・・・



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


?「これは【スタンド】と呼ばれるものだ。
一言で言えば超能力を具現化した存在。

スタンドを持たない人間にスタンドを見ることは出来ず、触れる事も出来ない。

大きい君も、さっき体験しただろう?



大和久「さっきの・・・体が動かなくなった事が?


?「いかにも。
そこの小さい彼はスタンド使いだ。
少々変わった形だがね。


中条「・・・(俺と同じ様な超能力者・・!)



?「さて・・と。
じゃあそこの大きい君。
スタンドを出してもらえるかな?



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


困惑していた大和久だが、すぐに気持ちを切り替え、何か決意めいた表情を見せる。


大和久「・・・出してみたいのはやまやまだがよぉ~。
出し方も分からねえんじゃ、出しようがないぜ?
ちょっと近くまで来て教えてくれねえか?


中条「・・・(コイツ・・やる気だな。)


中条には大和久の狙いが大体読めていた。
男の説明の通りなら、スタンド能力があれば男のスタンドにも触れられる・・・

つまり触れる事が出来るならば、男の能力に対抗する事も出来る筈・・・



頭のおかしい変質超能力者にはつきあいきれない。
というか、そもそもこちらは目の前でグロ映像を見せられたり、矢で刺されたりしているのだ。

中条と大和久はこの男に謝らせなければ気が済まなかった。



ドドドドドドドド・・・


?「仕方ないな・・・・ちょっと待っててくれよ。

そう言って男は大和久に近づく・・・


大和久「(隙だらけだぜッ!阿呆がッ!!)
・・・・オラァッ!!

?「――ッ!?





―ドグッシャアァッ!!


大和久の体から出てきた腕が男の顔面を捉える!


?「ぐはぁッ!?


―ゴロゴロ・・・


数mは吹き飛ばされ、倒れる男。


中条「よっしゃッ!
大和久、良くやった!!

大和久「当然だ、俺を誰だと思っ・・・・いや、それよりアイツをどうしてくれようか・・・!


―ザッ・・


男へと歩み寄る二人。
だが・・・男はまたも、何事もなかったかの様に立っていた。


中条「・・!?おい、アイツが立ち上がったところ見たかッ?


大和久「・・いや
見てねぇぞ・・・見てねえが、一瞬たりとも目を離したりしてもいねぇ・・・・



?「フゥ・・・・使えるじゃあないか。
スタンド。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


中条「何か・・ヤバい感じがするんだが・・・

大和久「チッ・・!


二人の体からは、べっとりと嫌な汗が吹き出し、その足は前進を止めた。



?「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。


二人「・・・?

間を外された二人の事など気にせず、男は自己紹介を始める・・・


?「私の名前は【御子神 仁 (ミコガミ ジン)】
職業は・・・
そうだな、革命家とでもしておこうか。


そう言って、メモ紙のような物を大和久に手渡す・・・


ゴゴゴゴゴゴ・・・


大和久「(まただ・・・ッ!また一瞬で俺の側まで来ている!!



御子神「過程など何の意味も成さない・・・
あるのは【原因と結果のみ】・・・だ。

私は、今の世界を変える。
手伝う気があるならここに連絡をくれ。
手伝わないなら・・・邪魔だけはするなよ。



中条「気に入らねえな・・邪魔したらどうだってんだよ?



御子神「今日よりもっと酷い目に合う・・・
まぁ・・・返事は気が向いたらでいいさ。



そう言って、御子神は路地裏へと消えていく。




ドドドドドドドドド・・・・


大和久「・・・野郎。なめやがって。

中条「今日よりって・・俺たちは怪我一つしてないぜ。
・・・って、大和久?
その顔・・・どうした?



大和久「ん?・・・・あ、痛てッ!!
・・・なんだこりゃッ!?



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

大和久の鼻はあらぬ方向に曲がっており、激しく出血していた。


中条「大丈夫か?・・・いつやられた?


大和久「分からねえ・・・!何なんだよ、アイツッ!?
くそッ!鼻が折れてるッ!!


中条「と、とにかく病院いくぞッ!






ドドドドドドドドド・・・・




―カタカタカタカタ・・・

「お・・・・つ・・・と。


薄暗い部屋で男は壁にかけた時計に目をやる・・・・



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


モニターの光を受けて、男の眼鏡が怪しげに光る・・・













管尾「中条くん遅いなぁ~・・・・

中条 (ジョン)万次郎
スタンド【?】

大和久を病院まで送ったのち家に帰る。
夕飯を食べて、風呂に入った後、管尾との約束を思い出す。



大和久 礼司
スタンド【?】
病院に行って、治療を受けて家に帰った。


御子神 仁
スタンド【?】
詳細不明・・・



管尾 仁義
約束をすっぽかされた腹いせに精神的ブラクラ画像を中条に送りつけ、就寝。





ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


―――続く。
記事メニュー
ウィキ募集バナー