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レミリア5

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orz1414

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■レミリア5


○「・・・なにやってんのレミリア」
レ「・・・咲夜に言ってよ、私が誰かと会うたびにああしてるんだから」
○「そ、そうかじゃあどこ行こうか」
レ「久しぶりに○○の家に行きたいわね」
○「それならタイミングよくいい紅茶の葉っぱが手に入ったんだ」
レ「あら、それは楽しみね」
○「んじゃ行こうか」

レ「・・・・・・」
○「・・・・・・」
咲「・・・・・・」

○「なんで咲夜さんまで付いて来てるの?」
咲「貴方がお嬢様に(バキューン!!)や(ズキューン!?)なことをしないように見張る為よ」
レ「恋人同士なんだからいいでしょうが!」
咲「そ、そんなお嬢様は私の愛がいらないというのですか!?」
レ「変愛はいらないし少なくとも今はいらないわね」
咲「ガーン!?」orz
○(いま口でガーンって言ったぞこの人)
レ「さ、ほっといて行きましょう○○」
○「ほ、ほっといていいのか!?」
レ「い い の よ」

9スレ目 >>171

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「○○ーちょっと手伝ってくれない?」
「何ですかレミリア様・・・地下室?」
大理石かなんかの重い扉を片手で軽くあげてみせる
床をめくって現れたのは地下室への階段
「ワインセラーよ、ちょっと急にお金が必要なのよ、それで」
「ワインを売ろう、というわけですな」
地下にには結構な・・・カビくせぇorz
「このメモに書いてある名前、年号、の奴を探して頂戴、見つけても触るんじゃないわよ」
「かしこまりました」
暗い、臭い、湿っぽい気がする
~青年捜索中~
「これで全部ね、お疲れ様」
「しかし・・・売ったらそんなにお金になるんですか?」
「2~3億ぐらいには」
しんだ、一般市民には縁のない桁でですね、あはははは
「そしてこれは・・・あなたのワインよ」
年代が書いてる・・・俺が生まれた年のワインだ
「今日は特別、私と同じ席で」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ早速飲みましょうか」
つれてこられたのはレミリア様の部屋
初めて入ったが・・・まぁなんと豪華な事
「其処に座りなさい」
椅子は二つ、待っていたかのようでちょっと驚く
グラスに注がれる真紅の液体、ゆらゆらと、ゆれる
それを口にしたとたん、周りがゆれる、ゆれる
「ぐ・・・あ」
血を飲んだ様な気がして、体が過剰に反応してしまった
「ちょっと大丈夫!?」
「だ、大丈夫です」
そういえば血飲んでないなぁ、生きちゃ居るから問題ないんだろうけど
「・・・○○、ちょっとコッチに来なさい」
「は、はい・・・?」
レミリア様の隣へ、正確に言うと行こうとした、だ
ワイングラスが割れた、幸い中身は入っていなかったので
「レ、レミリア様!?大丈夫で「怪我したわ、指の先を切ってしまったようね、うっかりだわ」
「レミリア様?」
ガラス片で怪我するなど、おかしい
そして傷が治らないなんておかしい
レミリア様は血の滴る人差し指を、俺に
「舐めなさい」
「へ?」
「さっさと舐めなさい、怪我したら舐めて治すのが鉄則でしょ」
わけワカメな事を、しかししょうがないし逆らいようもないのでとりあえず
おそるおそる、指を、くちにふくんだ
「・・・ありがたく思いなさい、私の血液を飲めるなんて、これであなたも半人前ぐらいにはなれるでしょう」
「レ、レミリア様・・・」
「自分じゃ平気だと思ってるかもしれないけど、もうだいぶ血を飲んでいないでしょう?貴方に死なれちゃ困るわ」
「あ、ありがたいお言葉ですが・・・俺みたいなのなら居ても居なくても・・・」
普通ビンタだと思う、俺の場合グーでアッパーだった
「バカッ!彼方が、彼方じゃ無いと・・・私はいやなんだから」
「レミリア様・・・それは・・・どういう風に受け取れば宜しいのでしょうか?」
「知らないわよ!自分で考えなさい!」
そっぽ向かれてしまった、後ろからでも真っ赤なのが解るけども
後ろから抱きしめてしまいたい所だが・・・命は惜しいしなぁ・・・う~ん
「レミリア様・・・失礼します」
後ろから、そーっと抱きしめてみた
特に反撃等は無いので安全と確認
「レミリア様・・・」
「今は・・・今はレミリアでいいわ」
甘い甘い、午後の一時
特に何かするでもなく、ただずっと、ずっと抱きしめていた、それだけでも、十分

後日レミリア様(レミリアって呼んだら怒られた)になんで血を飲ませてくれたのか問うたら
「だって、私の未来の旦那様がいつまでも出来損ないじゃ困るでしょ?」
だってさ、こりゃあ・・・死なないといいなぁ俺

9スレ目 >>299

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「○○?」
「? 何でしょうか、御嬢」
「ほら、外」
「外……? あぁ、良い満月ですね」
「でしょう? 貴方がやってきた時の夜を思い出すわ」
「あの時も満月でしたか? 記憶にございませんが」
「そうだったのよ。私はよぉく覚えてるけどね」
「それは失礼。御嬢との出会いの記憶を忘れるとは、仕える者としては三流以下ですな」
「本当にね」
からかう様にレミリアは笑う。
「○○、外に出るわよ」
「どちらに?」
「庭で紅茶でも。用意しといてちょうだい」
「畏まりました」

「どうぞ」
「ありがと、○○。……咲夜のとはまた別な味ね」
「それは褒めていらっしゃるのか貶していらっしゃるのかどちらですか」
「褒めてるのよ。不味いとは言ってないでしょ」
「成程。失礼致しました」
「ねぇ、○○。貴方もどう?」
「御付き合い致しましょうか?」
「私はどう? って聞いてるの。質問を質問で返さないで」
「貴方は私の主でしょう。貴方の決定に私は全て従いますよ?」
「だから私は紅茶を飲みたいのか飲みたくないのか答えなさいと命令してるの」
「これは一本。では、折角ですし頂きます」
「血は?」
「結構です」
「私の愛は?」
「要りませ、……。御嬢?」
「愛が入れば紅茶も美味しくなるんじゃない?」
「いや、それはどうか存じませんが、愛とは」
「あぁ、言おうと思って忘れてたけど眷属になる気は無い?」
「あ、あの、御嬢?」
「更に言うの忘れてたけど、拒否権は無いわ」
「お、御じょ」
かぷ
その日、一人の人間は吸血鬼になりました
館の住人に振り回されながらも執事は続けているそうです

9スレ目 >>372

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>レミリアの半分のデレって誰に向けられてるんだ?


では、未公開レミリアデレ分をどうぞ
()内はレミリアの内心です

「遅いわね○○。 よほど死にたいのかしら」(なによ、ずっと待ってたのに○○のバカッ)

「は、も、申し訳ございません!!」

レミリア様は、その細い指で俺の胸元から首筋までつつぅ…と撫で上げた
いつでも俺の首を刈り取れるその体勢に、俺の本能が警鐘を鳴らす

「それで、どんな愉快な言い訳を聞かせてくれるのかしら?」(あぁん! その表情ゾクゾクしちゃうぅぅ!)

「それが、その……先ほどパチュリー様と交戦なされたため、負傷が癒えるまで入るべきではないと咲夜様が…」

「見くびられたものだな。あの程度の傷なんともないわ」(治る前に○○に手当てさせたかったのにぃ! 咲夜のバカァ!)

あぁ、恐ろしい。レミリア様がお怒りになっておられる。
俺は、ただひたすらに地面にキスするほど頭を垂れ、許しを請いた。

「まぁいい。顔を上げろ。お前のような下衆に礼儀が解るなどと思ってないわ」(かわいいっ!でも顔が見えないっ!上げさせちゃえ)

「はっ!慈悲深き御言葉、ありがとうございます」

「では、着換えを持て」(○○に選んでもらうパジャマ~♪)

最初の難関だ。 レミリア様のお気に召さないものを選んだら最後、俺の命はそこで終わりだ。
迷った末、純白のネグリジェを選びレミリア様の御覧頂く。

「ふん、変わり映えしないな。 まぁいい。 着換えさせなさい」(○○は白系が好みなのねぇ。 さて、着換えさせてね♪)

決して不快感を与えぬように、そして飽きるような時間を与えることがないように素早く
指から血が滲むほど練習した手順を踏み、お着換えいただく。

「あぁ、今日は肌着も替えなさい」(そういえば、パチュリーに焦がされたのよね。お気に入りだったのに。クスン)

「は、肌着も…でございますか?」

「何を躊躇う? 奴隷ごときに肌を見せることを躊躇う王がいるものですか 早くしなさい」(やぁん!恥かしがる○○かわいすぎっ!)

決して失礼がないように、これも手早く済ませなければならない。
ミスをする恐怖で吐き気を感じながら、素早く行なう。

「ふん、手際が悪いな」(うぅっ!手がプルプル震えてる……かわいぃぃ)

次は、いつも通りレミリア様を寝所にお運びする。
俗に言うお姫様抱っこ、という奴なのだが羽がある分コツがいる。
横には持てないので、ローゼンメイデンの真紅のような抱き方をしなければならない。

「今日は、どんな戯言を寝物語にしてくれるのかな?」(○○のお話~♪)

「き、今日はデビルマンレディーというお話をさせて頂こうと思います」

「安直な題名だな」(どきどきわくわく)

~~~

「そこで!彼女はカッターを敵に向けて―…!」

「そ、それで!それでどうなるの??」(「はっ!安直な展開だな」<と、言っているつもり)

「レディーは神の使いに向け、カッターを放つのです! そして吸い込まれるようにその羽根を絶ち、戦いに勝利するのでありました!!」

「やっと、レディーが勝利したのねっ……!!」(「つまらん話だ。 眠気を誘う」<と、言ってるつもり)

あぁ、今日も何とかご満足頂けた。
明日も、というこぁとの約束は果たせそうだ。

「ところで○○、最近小悪魔と親しくしているそうね?」(これからよ……)

「は、そ、その、それは……」

「実は最近あなたに飽きてきてね。 代わりを小悪魔にしようと思っているのよ」(う・そ・よ)

「そ、それだけは……私はどうなってもいいから彼女だけは…っ!!」

「王に指図する気か? まぁそれを望まぬなら、私に飽きられないようにしなさい」(あなたは小悪魔を通して、心から私だけの奴隷になるの。 小悪魔はあなたを縛り続ける鎖よ。なんて素敵な関係なのっ!)

あぁ、こぁのために、俺はこの恐ろしい悪魔相手に生き続けなければいけないらしい。

「では、○○の忠義を試そうかな? 私に接吻してみなさい…小悪魔の前で、小悪魔にするように。 面白い余興でしょう?」(虐めるついでにキスしてもらえるなんて、最高の思いつきよね?!)

「―――……はい。仰せのままに」

俺はもう、この支配から抜け出せない。

9スレ目>>999 10スレ目>>46

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深夜 紅魔館 レミリア自室


今日も彼がやって来る。
私に血を提供するために。




「失礼します」

来たわね。
ずいぶんと遅かったじゃない?
咲夜に呼ばせるまで来ないなんて。
吸血の時間だというのを忘れていたのかしら?

「申し訳ございません、主」

まあいいわ。
思えば今日が初めてね、あなたが時間内に来なかったのは。
…別に攻めているわけではないわ。
あなたにしては珍しいと思っただけよ。

「……………」

あの時からもう数ヶ月、か。
あなたも酔狂な人間ね。
望んで私に仕えたいなんて。
ただの、なんの変哲も無い人間が…呆れるわ。

「しかし、こんな私でも仕えることをあなた様は許してくださった。私にとってはそれが全てでございます」

本当に嬉しそうに言うわね。
笑顔まで浮かべて、まったく…あなたは本当に理解できないわね。

「そうですか。しかし、例え私が最期を迎えてなお主に理解されずとも、私はあなた様に仕えることができるだけで十分です」

…仕える、か。
それよりも、早く血を吸いたいのだけど。

「承知いたしました」

もう少し屈みなさい。
そう、そのくらい。

「っ……!」

んっ、ふ、ちゅぷ、ちゅう。
ぷはっ。

ふう、美味しかったわ。
でも…もしあなたが私のことをもっと恐れるようになったら、どれ程この血の旨味が増すのかしらね。

「残念ですが主、それは無いと思われます。
私はあなた様を畏れることはできても、あなた様を恐れることはできません。
私が主に吸血されるときに感じる恐怖自体は紛れも無く人間、もとい生き物としての本能です」

っ…!果たしてそうかしら?

「がっ!ある…じ…。一体…何を(怒っている?)」

あなたが本当に私自身を恐れることが無いか、ためさせてもらうのよ。
あなたはどこまで耐えられるかしら?
人間がその言葉を口にしたからには覚悟を決めなさい。

「ぐっ(痛い。さっきの吸血とは違う、乱暴な吸血だな)」

ん、んく、んく、ふ、う、ん、んぅ――――

「あ…ぐ…(まずい、血の減りが早く感じる。意識も…朦朧として…きた)」

(おかしい、血の味が変わらない。まさか、本当に恐れていない?)
(そんなはずは無い。人間なら、生きるものならば、私を…)

「(主…そんな…に、一生…懸命、俺の血を…吸われて)可愛…い」

んっ!!?
ぷはっ!
か、か、可愛いっ!?
何を馬鹿なことを!!

「え…?お気に…障りましたか…?」

気に障るも何も、自分が危うい状況で何をいいだすのよ!
本当にもう、あなたという人は!

「失礼しました。お気になさらずに吸血を…続けてください」

…あなたは自分の死が怖くないの?
望んで吸血されたいなんて。

「怖くないといえば嘘になります。しかし、主のお役に立てるのならば私は例え血袋や捨て駒でも構いません」
「少なくとも、それほどの覚悟で私はあなた様に仕えております」

…………。

(彼ならこういうと思っていた…)
(彼が初めてここに来てから、私はずっと…)
(何故、いつも私を狂わせるの?)
(何故、いつも私の思い通りにならないの?)
(私はこんなただの人間に…何を期待しているの?)

「?吸血なさらないのですか?」

興が削がれた。
もういいわ。

それより、二つ聞きたいことがあるの。

「はい、何でしょうか?」

あなたはどうして、私を疑わないの?
何故、私を恐れないの?

「ええと…。一つ目は単純に、私が仕えるべきお方だと認めたからです。自分が一度信じ続けると決めた者を疑いたくはありません」
「二つ目は、……もしかしたらまたお気に障るかもしれませんが、主従と言う関係以外で、あなた様が大切な存在であるからです」

っ!!
それって、つまり……。

「それ以上は言えません。私と主はあくまで主従の関係。それだけは裏切れません。…やはり、さっきの言葉は取り消します」

待ちなさい。
…その言葉を今更取り消すのは許さないわ。
命令よ、さっきの言葉を取り消すのはやめなさい。

「しかし――――」

聞けないのかしら?

「…承知しました」

いい?
もう一つあなたに命じるわ、一人の男としてその先の言葉を言いなさい。
敬語も使っては駄目。

これは命令よ。

「………。はい」

「俺はレミリア・スカーレット。君を愛している。当然、一人の女性として。これでよろしいでしょうか」

最後の確認の一言は要らなかったけれど、まあいいわ。
それで、何故私なのかしら?

「理屈ではありません、初めてあなた様に会い、あなた様に仕えることを望み、あなた様を見ていくうちに、少しずつこうなっていっただけです」

そう…。

「……」

……。
…その…他に何か言うことは無いの?

「え?ええと…」

……………。

「……………」

…ふふ

「…っふ」

気恥ずかしいだけで、やっぱり何も変わらないわね。

「そうですね」

でも、悪くないわ。

「同感です」

さて、適当に何か一つ、話をしてくれないかしら。
そうね…あの話の続きを聞きたいわ。

「承知いたしました、我が愛しき主」




と、まあそんな感じよ。

まったく、他の者に言っては駄目よ?
とりあえず、あれから少し彼も積極……いや、何でもないわよ。

本当に、悪くないと思うわ。
こういう感情。

とりあえず、いつ彼を解雇しようかしら。

え?何故?

いつまでも従者のままだと、彼が遠慮するでしょう?

11スレ目>>136

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 紅魔館、時間は夕食時である。


「今日は私が皆さんの夕食を作りたいと思います」

 目の前には美鈴さんと咲夜さん、パチュリー様と子悪魔さん、お嬢様と妹様がテーブルを囲んでいる。

美「○○さんは料理できるんですか?」
咲「美鈴、○○は私が教え込んだ執事よ。料理くらいわけないわ」
パ「まったくどういった吹き回しかしら」
子「まぁまぁ、期待しましょうよ」
レ「こらフラン、ナイフとフォークで遊ばないの」
フ「わーい! ○○の料理ー!」

 いつもは咲夜さんが全員分の食事を作ってくれるのだが、今日は頑張って自分が作ると言ってみた。

美「で、○○さんは何を作るつもりなんですか?」
○「昨日人里で買ってきたこれを使った料理を作る予定です」
咲「それは……カレー粉ね」
レ「咲夜、カレー粉って何?」
パ「外の世界の料理で"かれー"というのがあって、それを作るための香辛料の集合体よ」
○「正解です。さすがはパチュリー様」
子「図書館には外の世界の料理本もありますからね」
フ「それって美味しいの?」
○「様々な食材、香辛料を精密な分量で配合し煮込む事7日7ばn」
咲「要するにまいうーですわ、お嬢様」
○「ゴシカァン」

 最後の自分と咲夜さんのしめ方に違和感があったが、概ね全員に伝わったようだ。

○「では調理に入ります」
レ「それは終わるまでにどれくらい時間がかかるわけ?」
○「アバウト3日」
レ美子「「「ちょっ」」」
パ「むきゅー」
フ「出来るまで暇だね」
咲「○○、あなたは私達をどれだけ待たせる気?」
○「冗談ですよ。予め煮込んでおいた物がありますから」



 ~青年仕上げ中~



○「はい、完成しました」
咲「改行6つで完成なんてお粗末ね」
○「知識の欠如により大幅にはしょりました」
フ「ねーねー『はしょる』って何?」
レ「さぁ?」
子「うわー、いい匂いですね!」
美「まともな食事は3週間ぶりです!」
パ「……門番って辛いのね」

 パチュリー様が微妙にうまいことを言った時、全員分の盛り付けが終わった。
 ちなみに鶏肉カレーだ。本当は牛肉を使いたかったが、幻想郷では牛が貴重なので鶏になってしまった。

○「はい、全員分盛り付けたんで食べてみてください」
レ「じゃあ私が代表して音頭を――」
フ「いただきまーす!」
レ「あ、こらフラン!」
フ「んぐんぐ……!」
○「どうですか妹様?」
フ「おいしー!!○○すごいよ!!」
美「ではわたしも頂きますね」
パ「私達も食べましょうか」
子「そうですね」
レ「みんなで無視かい」
咲「お嬢様」
レ「あぁ咲夜だけよ、私を慕ってくれるのは…」
咲「これまいうー」
レ「お前もかっ!?」

 結局お嬢様だけが取り残されてしまったようだ。

レ「まったく皆で私を苛めるんだか――!?」
フ「どうしたのお姉様?」
パ「もしかして辛いの苦手?」
○「それは大変ですね。紅魔の主が辛いものが苦手とは……」
レ「そ、そんなことないわ!!」
咲「汗がすごいですけど」
レ「涙よっ! 美味しさのあまり泣いてるだけよ!!」


 ……やりすぎたか?


美子フ「「「ごちそーさまでした!」」」
レ「……」
パ「まぁ中の上かしら」
咲「できればもう少しスパイスを効かせてもよかったわね」
○「そうですか、精進します」
子「パチュリー様、食事も済んだことですし魔道書の執筆の続きを」
パ「そうだったわね。 それじゃあお先に失礼するわ」
美「私も仕事の方に戻りたいと思います」
咲「食後の睡眠は減俸よ」
美「わかってまーす」
レ「……咲夜、フランを部屋に送ってあげて。それと食後のデザートでも作って頂戴」
フ「じゃあ私がデザート作るっ!」
咲「それではご一緒に作りましょうか?」
フ「うん! ○○に負けたくないもん!」



 部屋には俺とお嬢様だけが残された。なんだか空気が痛い。

「では私も食器の方を片付けに――」
「待ちなさい……」
「なんでしょう?」
「 何 を 入 れ た ? 」
「…と仰られますと?」
「さっきのカレーよ」
「他のみなさんと同じですよ。辛さ以外」
「……」
「お願いしますお願いしますそのスペルカード仕舞ってください」
「正直に真実を話しなさい」
「お嬢様のカレーのみ辛さを300倍にしてライスのほうをのガーリックライスにしました」
「やっぱりな!! 絶対ニンニク入ってると思ったわ!!」
「流石はお嬢様、良い舌をお持ちで」
「さっきので全部イかれたわよ! 私を殺す気!?」
「『紅魔のトリックスター』によるちょっとした悪戯ですよ」
「あれのどこが『ちょっとした』なのよ!! それにその二つ名なによ?」
「妹や友人、従者が平然と食べているのに自分だけ食べれないなんて威厳に関わる。そう思いながら必死に食べるご様子はとても可愛らしかったです」
「神槍『スピア・ザ・グングニル』×300」
「すごく…多いです…」
「さぁ、小便は済ませた? 神様にお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」
「お嬢様、小便行って来てもいいですか?」
「却下」
「お嬢様」
「何?」
「300本まであと42本足りません」
「細かいこと気にするなっ! キリよくしたかっただけよ!」
「あ、妹様のデザートができたようですよ」
「!? ……何よ、誰も居ないじゃない、って逃げるの速っ!!」

 長い長い漫才の中、一瞬の隙を衝いた○○は全力で逃亡した。
 だが○○のいた場所には紙が落ちていた。

「何これ…『実はここ数ヶ月、料理に少しずつニンニク混ぜてました。慣れってすごいですね。  by 貴女の○○』。 よし、殺す」




 この後紅魔館内でリアル鬼ごっこが行われた。
 夜の王(本気モード)と紅魔のトリックスターによるその鬼ごっこは5時間23分にもおよび、紅魔館の3分の2が崩壊する事態となった。
 今回の騒動を引き起こした執事は門の前に大量の神槍で磔にされていたと、館を修理中の門番が語っていた。

11スレ目>>155

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今日のレミリア様は何かおかしい。
そもそも急に夜の散歩に誘われたわけだし……更にこれだ。

「……○○」

「はいなんでしょうか?」

「な、何でもない」

「……分かりました」

何かを言おうとした止める。
これが紅魔館を離れてからもう7回繰り返されていた。
ちなみにさっきのは8回目だ。
何を言いたいのか分からないのでは対応のしようもないし、何も出来ない。
従者は主人が言いたくなるまでは待たなければならないのだ。

「○○……その……お前は私が好きなのよね?」

更に3回同じやり取りがあった後、小さな丘の上でレミリア様の言葉が変わった。
だがそんなこと聞かれるまでもない。

「勿論ですレミリア様。主人としても一人の女性としても愛しております」

「……○○。その……今だけは呼び捨てにして……良い」

「呼び捨て……ですか」

「めっ命令……だ。呼び捨てに……しろ」

妙に必死なレミリア様。
……命令とまで言われたら断るわけにはいかないな。

「レミリア。これでよろしいですか?」

「…………」

レミリアは顔を少し赤くして無言で頷く。
というかレミリアが動かないからここで散歩は終わりということなのだろうか?

「えっと……」

「○○……私は女としての魅力には欠けるかも知れない」

え?
僕が話そうとするとレミリアは不思議なことを言ってきた。
あのプライドの高いレミリアが……。

「知識もないし……まだまだ子供だ……でも……」

「…………」

「お前を……好きだと思ってる気持ちはある」

レミリアは少し泣きそうな目で必死に話してる。
きっと恥ずかしくて仕方ないんだろうけど……僕はその必死のレミリアに何も言えなかった。

「だから!……お前が嫌じゃなければ……キッキキキ……」

「……分かりましたレミリア。もう伝わりましたよ」

……つまりはそういうことか。
確かに普通お互いの気持ちが分かれば……一度くらいはしてても良いものだった。
でもどこか僕は嫌われるのが嫌で……控えてたのかもしれないな。
それが逆にレミリアを不安にさせてたのに……。

「○○……?」

近寄った僕を不安そうな瞳のレミリアが見上げる。
大丈夫……そんなに怖がらなくて良いですよ。

「……失礼します」

そして僕はそっとレミリアのことを抱き締め、上からその可憐な唇に自らの口を合わせた。

「ん!……ん……」

一瞬驚愕の表情になったレミリアだったが、すぐに驚きはなくなり目を閉じた。
そしてしばらく時が止まり……僕は口を離した。

「あ……」

「愛してますレミリア」

「……わた……しも……」

顔を真っ赤にして、トロンとした表情ながらもレミリアは僕の言葉に答えてくれる。
そんなレミリアを苛めてみたくて……僕はもう一度レミリアにキスをした。

「んぅ!?」

驚きに目を広げるレミリア。
そんなレミリアをもっと苛めたくなり……その唇を唇で挟む。

「ふぁ……や……」

一瞬抵抗しそうになるレミリアだが、力が入らないのか少し身動ぎしただけだった。
無論そんなことで逃げられるわけもなく、僕はレミリアの唇の味を楽しんでいた。

「はぁ……あぁ」

レミリアの吐息が色っぽくなり、僕はたまらなくなってその舌に舌を絡めた。
レミリアの唾液を舐めとるように舌を動かし、レミリアを思うがままにする。

「んん!!……ぁぁ……」

さて僕自身はまだ満足はしてないが、もう足に力が入ってなく、僕に支えられているレミリアを開放してあげようか。
もう息も絶え絶えだし……凄く可愛いしね。

「……バカ」

力が入らないのか、僕に寄りかかったままレミリアは呟く。
その頬も耳も真っ赤で……レミリアが恥ずかしがってるのが良くわかった。

「……すみません。レミリアが可愛すぎるんです」

「……バカ」

僕の言い方にもう一度レミリアは呟くとギュッと僕に抱きついた。
月の浮かぶ闇夜……僕とレミリアはただ抱き合い、幸せを感じていた……。




















おまけ(後日談)



「レミリア様」

「ん?どうかしたの○○……ん!?」

僕は振り返ったレミリア様の口を奪っていた。
レミリア様は驚き離れようとするが、僕が抱きしめると逃げられなくなった。
無論僕の力ではそんなこと普通不可能なんだけど。

「んん!……んんぁ……」

僕がキスをして苛めてあげるとレミリア様は力が完全に抜けてしまうのだ。
そしてそこから僕にされるがまま……。
誰かが来たら別かもしれないけど、二人きりならば全く抵抗出来ないからな。

「バ……バカ!こんな所で……しかもいきなり」

「いきなりでも良いじゃないですか。可愛いですよレミリア」

「あ……っぅ……」

呼び捨てとキスの魔力でレミリア様は翻弄。
ちょっと変な愛の形かもしれないけど、僕もレミリア様も幸せそうだから……きっと良いんだろうな。

11スレ目>>344

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 それは、いきなりやってきた。
 
 何ともなしに紅魔館の廊下を歩いていると。
 
「さくや~」
 
 奥の方から、ふわんふわんな声が聞こえてきた。
 いや、もうほんとふわんふわん。
 
「さくや~、さくや~」
 
 声はどんどん大きくなる。どうやら俺の方へと来ているようだ。
 
 誰が来ているのかは分かっている。
 
 いつもはその溢れんばかりのカリスマを持ってしてこの紅く塗りたくった館の主を務める。永遠に幼き紅い月――レミリア・スカーレット。
 この館のメイド長を務める十六夜咲夜さんとは互いに全幅の信頼を寄せている。
 何より、彼女は吸血鬼である。紅い満月の時だと凄く調子が良いらしい。
 その時に一度遭遇してしたことがあり、その時は生きている心地がしなかったのをよく覚えている。
 それほど凄い。

 しかし、今回のレミリアは一味違う。いや、だいぶ違う。っていうかほぼ別人。
 いつものカリスマはどこへやら、その外見年齢相応の女の子へと変化してしまっている。

 凶悪な程の幼さと可愛さを持つ吸血鬼――れみりゃ・すかーれっと。
 同じ存在ではあるが、まるで別人のようなので、なぜかこう呼ばれているらしい。
 ちなみに、レミリアがこのれみりゃになってしまう事を「れみりゃ化」と言うらしい。
 何故かは、分からない。

 メイドさんたちはれみりゃに会っただけで、可愛さのあまり鼻血を噴出して気絶。
 咲夜さんに至っては鼻血を垂らしながら世話をしている事もあるらしい。
 この紅魔館は、その鼻血によって紅くなっていった――そういう一説もあるらしく、相当な出血量である事が窺える。

「――あ、○○」
「ん?」

 いつの間にか、れみりゃが俺の目の前にいた。
 俺を見上げ、頭に?を出しながら首を傾げている。

 彼女の後ろを見ると、メイドが全員が倒れていた。

「ねぇねぇ、さくや、しらない?」
「咲夜さん? 呼べばすぐに来るんじゃないかな?」
「よんでもきてくれないの。でもね、さくや、きっとどこかにいるの」

 話してみると、普通の女の子だ。いつもの威厳が感じられない。

 母を探している女の子みたいだ。向こうではよく見る光景だったけど、まさかここでも見れるとは。
 咲夜さんは母親か。じゃあ父親は誰だって話になるが、今はそんな事どうだっていい。

 と、服の裾を引っ張られた。れみりゃの方に倒れそうになるのを、慌てて堪える。
 なんだよ、と言いかけてれみりゃの方を見ると、穢れの無い純真無垢な瞳が俺を捉えた。

「○○。いっしょにさくやさがして?」
「…………」
「○○?」
 
 反応が無いのを怪訝に思ったのか、首を傾げられた。
 れみりゃに限らず、いつもの出来事。
 レミリアの時だって、咲夜さんがいない時に一緒に探して欲しい、と頼まれる時がある。半強制的にだけど。
 だから、変わらないのだ。いつもとは。余裕があるときは冗談めかして断ったりするものだが。
 
 だけど、これはやばい。断れない。

 っていうか、何だ、メイドさんたちがこっち見てるのよ。鼻から血垂らしながら見てるのよ。
 "断ったら殺す"ってオーラが滅茶苦茶出ている。冗談すら言える空気じゃない。

「……い、いいよ。一緒に、咲夜さんを探そうか」
「!! うんっ!」

 俺が頷いた瞬間、その顔に満面の笑みが宿る。
 そんなに嬉しかったのか。いつもの事なのに。

 いこ、と言いながら手を握ってきた。
 それだけで断らなくて良かったと思えた。

 言っておくが、俺はロリコンじゃない。
 

 


「ねぇ、○○」
「ん、何?」
「さくやってね、すごいの」
「へぇ、どんな風に?」

 あぁ、またこの話か。もう何度目だろう。このパターン。
 ほんと、大好きだな。

 で、話題の我らがメイド長、咲夜さんはどこにいるんだろう。探し回っても見当たらない。
 真っ先に部屋のドア叩いたけど、返事無かったんだよな。

「○○、つかれた」
「……ん、じゃあどっかで休むか?」
「…………」

 れみりゃは何も言わずに、俺の方をじーっと見つめてきた。
 その瞳には、なんの感情も篭もっていない。ただ、見つめてくるだけだ。
 それがかえって怖い。
 なんか、失言してしまったんじゃないかと思ってしまう。

 いや、今の言葉に間違いなんて、何一つ無いはずだ。
 女の子が疲れたから、休むことを提案する。
 実にベストアンサーではないか。もっと自信を持っていこう。

 自分に自信を取り戻した所で、れみりゃの密着。
 俺の足にくっついてきたかと思うと。

「……おんぶ」

「……へ?」

「おんぶして、○○」

 上には上があった。俺の回答は間違ってはいない。しかし、正解でもなかった。
 しかし、果たしてこのベストアンサーを自分から言ったらどうなるか。
 どう考えても変態認定である。

「○○、おんぶ……」

 だからと言って、言わないままでいたら、トップには立てない。
 つまり、変態という不名誉な称号をもらう覚悟でこれを言うか、それとも言わずにトップの座を誰かに明け渡すか。
 
「○○……ぅー」

 しかし、ここで逆転の発想。ここからは俺のやり方ではあるが、ベストアンサーの一つランクを下げた言葉を相手にかける。
 相手はそれを良いな、と思いつつも、ここまで言ってくれる人ならきっと私がやって欲しい事言っても大丈夫! と思わせる。
 完璧だ。ある意味紳士ではないか。
 っていうか、何か主旨間違ってないか。まぁいいか。
 
「ぅー!」
 
 れみりゃが目の前にいると思ったら突進してきた。
 軽さの為か、後ろに倒れることも無く、だっこの形となってその状態は維持される。

 目の前で、悪魔の羽がぱたぱたとせわしなく動いている。
 これは怒っているのかもしれない。

「ごめんごめん、おんぶだっけ」
「もうこのままでいい」

 どうやら俺が思考している間に、れみりゃはご機嫌ななめに。
 何とか挽回しなきゃ、な。

 とりあえず、頭でも撫でておく。

「ん……」

 れみりゃがさらに擦り寄ってくる。
 効果覿面なのかもしれない。

 しばらく、そうしながら咲夜さんを探していると、れみりゃが突然口を開いた。

「○○……」
「ん?」
「だいすき」
「……ありがとう」

 れみりゃの突然の告白に戸惑うことなく、不思議と穏やかな気持ちで言えた。
 きっと、れみりゃの持つ別のカリスマなのだろう、と勝手に納得する事にする。

 未だに見つからない咲夜さんを探していると、今度はその理由を話し始めた。

「○○、ちゃんとかまってくれるし、やさしいもん……」
「……ここの人たちの方が優しいよ」
「そんなことないもん、○○のほうがやさしいもん」

 ムキになって俺を褒めてくれるれみりゃ。
 かまってくれるの意味は、他の人たちは忙しくて相手をしてやれないだけなのだろう。
 俺はここに居候気味で何もしていない。正直、迷惑以外の何者でも無いと思っている。
 だからこそ、れみりゃの純粋なその言葉に涙が出そうになる。
 
「あはは、多分あれだよ。俺はみんなより弱いから、その分優しくできるのかもね」
「○○はよわいの?」
「よわいよ。れみりゃなんかよりもずっと」

 この間、チルノと遭遇して数秒で意識吹っ飛んだしな。彼女は十分強いよ、俺の中では。
 あれを軽々と打ち返せる人たちはおかしい。もう、なんていうかみんな最強だよ、俺の中では。

「じゃあ、れみりゃがまもってあげる」
「え?」
「れみりゃが○○のことまもってあげる」
「そっかそっか。……ありがとう」

 お礼のつもりで、頭を撫でてあげる。
 小さいことかもしれないけど、それが俺に出来る精一杯のお礼だった。





 もうどのくらい歩いたか分からない。俺の足もそろそろ限界に近づいたとき、救世主の声が聞こえた。

『お嬢様~! どこですか、お嬢様~?』
「あ、さくやのこえ」
「やっとか……」

 れみりゃが気付いたので、降ろしてあげる。
 声から察するに、向こうも探し歩いていたのかもしれない。入れ違いの可能性が凄く高い。

 れみりゃが咲夜さんの所へと行こうとしているのを止めて、ふと思いついた妙案をれみりゃに端的に教える。
 あまり意味はないので、深く突っ込まれたらどうしようもないが、そこは流石れみりゃ。快く首を縦に振ってくれた。

「いいか、れみりゃ。俺が合図したら行くんだぞ」
「うんっ!」

 咲夜さんの声が少しずつ大きくなる。目を閉じて、声の大きさから距離をある程度計算する。
 よし、良いだろう。

「れみりゃ、いいよ。でも、次の合図で走るんだ」
「うんっ!」

 第一段階が展開。
 陰に隠れているれみりゃを咲夜さんの目に止まる様にする。

「さくや~」
「お嬢様っ!? あぁ、どこに行っていらっしゃ――」

 れみりゃを見つけて、咲夜さんが走り寄る足音が聞こえる。
 時間を止める事はしないらしい。これならいける!

「今だ! れみりゃGO!」
「さくや、だいすき~!」

 ヒュン、という音と共にその位置かられみりゃが消えたのを確認して、陰からチラりと顔を出す。
 咲夜さんの上半身にしがみ付いたれみりゃを確認。これで最後だ。


 チュッ


 れみりゃが咲夜さんの頬に口付ける。

「――――」

 一瞬の間の後、メイド長は本物の幸せを手にしたような顔で、鼻から豪雨となるほど血を噴出し、天へと召された。
 だから、言ったじゃないか。特に意味はないって。
 敢えて言うなら、この紅魔館をもっと紅に染めたかったこと、かな。





「○○」

 数日後、レミリアが俺の部屋に来た。
 横にはもちろん、咲夜さんがいる。

「――レミリアか。珍しいな、俺の部屋に来るなんて」
「えぇ、暇だから、貴方と一緒にお茶でも飲みたかったのよ」
「それは……光栄な事だな」

 ベッドに寝転がっていた俺は、慌てて起き上がりながらも、口では冷静を装う。
 やはり、その姿は滑稽だったのか、レミリアにはクスクスと笑われてしまった。

「やっぱり面白い。来て正解だったわ」
「それは……光栄な事だ……な?」

 たまに、レミリアから褒められているのか貶されているのか分からない言葉が出てくる。
 きっと褒められているのだろうと、前向きに考えるようにしてはいるが、どうしても首を傾げざるを得ない。
 そんな中、お茶会の用意は既に完了されていた。
 流石はメイド長。仕事の早さで言ったら、誰も勝てる者はいない。
 そして、俺たちに一度頭を下げると、部屋から出て行った。

「……二人だけでお茶会か。寂しいな」
「静かな方が、良いじゃない。そっちの方がお茶の香りも楽しめるというものよ」
「確かに、そうかもしれない。でもさ、だったらいつものように一人で――」
「いつも一人じゃさすがに飽きるのよ。だから、今回は貴方の所へ来てあげたのよ」
「……そいつはどうも」
「それじゃ、始めましょう。まずは乾杯から」
「いや、それは違うだろ」

 こうして小さな小さなお茶会は開かれた。


 始まる寸前のあの時、俺の返しに笑ったレミリア。
 その時の表情に、吸血鬼のような残酷さは無く。
 年相応の少女の笑みだった。

11スレ目>>351

───────────────────────────────────────────────────────────

    「○○は、ずっと此処にいてもいいと思っているの?」
    唐突に、レミリアが声をかけてきた。

    俺は外から迷い込んできた人間だ。
    最初は見知らぬ世界へ来た事への戸惑いと驚き、そして不安に翻弄されっぱなしであった。
    もちろん今もそうだ。異世界が存在したというだけでも驚きなのに、その上様々な妖怪を目にするのだから。
    それは目の前に座る少女、レミリアも例外ではない。彼女は吸血鬼だというし、人の血も吸う。
    それでも、当面は紅魔館にいる気なのだが。

    俺はそのような事を何度もレミリアの前で口にしてきた。今も同じような事を伝える。
    「……貴方って本当に危機感がないのね。そんな事を、正直に私の目の前で言うなんて」
    「そうか?俺は素直に、思ったままの事を口にしてるだけだけど」
    「ほとんどの人間は震えながら私を敬うわ。レミリア様、貴女は素晴らしいお方です、って」
    「吸血鬼だしなあ……血を吸われるとでも思ってるんじゃないか?まあ、俺もやっぱり怖いが」
    「だから……!そういうところが危機感がない、って言ってるのよ。そんな事を言って、普通の人間なら真っ先に血を吸われているというのに」
    「へえ。じゃあ俺は、普通じゃないのか」
    「……っ!!」
    レミリアは立ち上がると、ドアの方へ向かう。出ていくようだった。
    「―――覚えておきなさい。貴方はただの血袋。私の食料としてここに置いてあげているの。せいぜい、私へ捧げられる事への恐怖と栄誉を噛みしめながら待っている事ね」
    そう言い残して、彼女は出ていってしまった。
    ……去り際。レミリアの顔がほんの少しだけ赤くなっていたのは、何故だろうか。
    「んー……女の子はよくわからんなぁ」
    そんなだから外の世界でも朴念仁と言われていたのだが。
    ……でもレミリア、悪い。さっきのような事をもう何回も言われているのに、俺はお前に血を吸われる日が来るということが、どうしても想像できない―――


    廊下を小走りに進む。無性に腹が立っている。
    それも、あの男のせいで―――ということが、また余計に腹立たしい。
    なんで私が、あんな人間一人のために。
    「………っ」
    思えばなんであんな質問をしてしまったのだろうか。
    『ずっと此処にいてもいいと思っているのか』
    それは、あいつが決める事ではない。○○の命は私にかかっているのだから。
    本当に、何故なのか。

    ○○は私を敬うという事を知らない。
    食料としてここに拾われてきた事も知っているのに、いつまでたっても恐怖心を見せない。
    いや、吸血鬼に対しての恐怖はあるのだろうが、私個人となると少女扱いしてくるから手に負えない。
    頭を撫でられた事もあった。苛立ったのでその日は館から追い出した。
    いつも笑顔で笑いかけてくる。人間の分際で。あんな人間は見た事がない。
    冷たくしても普通に接してくる。あの無神経さをどうにかできないのか。
    私を怖がらない。私に優しくする。私を怖がらない。優しい。でも、それは嫌だ。だってそれ以上は、
    「……あんなの……っ!」
    あれは食料だ、それ以外に何がある!
    早く血を吸ってしまえばいい、あの赤い血を全て、骨の髄まで貪りつくして、恐怖に怯える瞳を見て、私しか見えないようにして、全部、ぜんぶ、私のものに―――
    「……なんで……」
    ○○の事を考えると、いつもこうなってしまう。どこかおかしいのは自覚している。
    体中が熱くなって、冷静な判断ができなくなって、彼の血を吸いたいと思ってしまって、でも吸えなくて、何故だか声が聞きたくなって………そして、そして、

    彼の全てが欲しいと、……思って、しまうのだ。

10スレ目>>377-378

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用があって昼間にしか紅魔館に来ない人間○○
○○を気に入ってるお嬢様はいつも「就寝時間」を過ぎても起きていようとする
で、ある日テーブルで話をしている時に眠気が限界に来て、机にほっぺをつけて寝てしまう
普段の威厳を保とうとする雰囲気など無かったかのように幸せそうな寝顔をしている
そんな姿に○○は思わず微笑んでしまう
・・・それからしばらくして○○は出来るだけ夕方に紅魔館に行くようになりましたとさ

11スレ目>>100

───────────────────────────────────────────────────────────

フ「えへへ、○○あったかーい・・・・・」
○「まったく、フランは甘えん坊だなぁ・・・・」
フ「別にいいでしょ? こうしてると気持ちいいんだもん」
○「いや、一応俺ってば君の姉の恋人なんだがねぇ・・・・・」
フ「未来のお兄ちゃんに甘えてるだけなんだから、気にしない気にしない♪」
レ「気にしなさい、というよりも今すぐ○○から離れなさいフラン!」
フ「あ、お姉様」
○「ようレミリア、お邪魔してるぞ」
レ「○○はよく来てくれたわね、フランはどっか行きなさい」
フ「えー、やだ」
レ「・・・・・・」
○「まあまあ、そんな妹を邪険にすることもないだろ」
レ「あなたもなに無抵抗にされるがままになってるのよ!!」
○「だって脆弱な人間さまは強大な吸血鬼さまに勝てるわけないだろー?」
フ「そうだよねー♪」
レ「ああもう、○○は私のモノなの!フランはさっさと離れなさい!!」
フ「お姉様ってば、未来のお兄ちゃんに甘えるくらいいいでしょー?」
○「未来の『お兄ちゃん』、なんて素晴らしい響きだ・・・・・」
レ「○○に甘えていいのは私だけなのよ! ○○も何に感動してるのよ!!」
フ「むう、いいもんお姉様のいぢわる、お姉様のいない時に甘えるからいいもん(ボソッ」
レ「ハァ、ハァ・・・・やっと行ったわね・・・・?」
○「随分お疲れのようだなレミリア、ちゃんと寝てるのか?」
レ「・・・・・・誰のせいだと思ってるのよ?」
○「(無視)ああ、レミリアは今日も可愛いなぁ・・・・」
レ「そ、そんなんじゃ誤魔化されないんだからね!!(////)」
○「レミリア・・・・・・・」
レ「あ・・・・○○・・・・・」

11スレ目>>310

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負けたら何でも言う事聞く賭けに負けたレミリア様。
欲望丸出しで○○が「一日専属メイドになれ」と命令し
しぶしぶ従いメイド服を着用するレミリア様てのを最近バイト中に妄想してばかりで困る

11スレ目>>396

──────────────────────────────────────────────────────────

○「今日はクリスマスイブか」
レ「明日はクリスマスね」
○「年に一度とは言え、サンタの大仕事だな」
レ「フランにちゃんとプレゼント置いていってくれるかしらね」
○「おや、レミリアはいらないのか?」
レ「な……っ! い、いるわけないでしょ!? 私だってもう子供じゃないのよ」
○「フランが貰えるんだったら、レミリアが貰ってもいいんじゃないか?」
レ「いいわけないでしょう? 何度も言わせないで、私はもう子供じゃないの」
○「はいはい、そう言う事にしておくよ」
レ「……そういう○○はどうなの? 何か、欲しい物はないの?」
○「ん……俺は特に無いな。今でも充分だしな」
レ「今……?」
○「レミリアといるだけで幸せなのに、これ以上何を望めと?」
レ「! ……ぅー、○○のバカ」
○「で、もう一度聞くけど、何か欲しいものは?」
レ「……血が欲しい」
○「血っておま……物騒だな」
レ「し、仕方ないでしょう!? 他に思いつかなかったんだから……」
○「は、はは……貰えるといいな、B型の血」
レ「……ぅー」

咲「で、私のところに来たわけね?」
○「お願いします。あの二人のサンタになってやってください」
咲「安心なさい、貴方に言われなくてもやるわ」

レミリアは「(○○の)血が欲しい」と言った訳だが、どうやら伝わらなかったようだ

11スレ目>>426

───────────────────────────────────────────────────────────

「ね、ねぇ○○?聖夜って……吸血鬼には関係ないものよね?」

「え?……まぁ関係ないと言えば関係ないですが」

「……そうよね」

……う~んそのまま答えただけなのに何故かレミリア様は気を落としてしまったぞ。
聖夜か……たしか幻想郷にもクリスマスあるんだよな。
……ん?クリスマス?クリスマス……ってまさかな。

「あの……レミリア様?」

「ん?な、何かしら?」

「間違っていたら申し訳ないのですが……聖夜は恋人同士で過ごす日ですよね?もしかしてそれが関係し」

「してないしてないしてない!」

僕の言葉を遮って顔を赤くしながら首を振るレミリア様。
可愛いですけど、それじゃバレバレですよ?
でも嬉しいな……そこまで考えてくれてたなんて。

「レミリア様……」

「ふぁ!?……○○?」

いきなり僕が後ろから抱き締めるとレミリア様が驚いたような声を出して縮こまった。
ふふ、怯えるレミリア様も可愛い。

「……吸血鬼が聖夜を祝ったって良いじゃないですか。そんなことに縛られるなんてレミリア様らしくないですよ?」

「…………」

僕の言葉をしっかり噛み締めるように聞いているレミリア様。
でも僕は間違ったことを言ってるつもりはない。

「僕も吸血鬼ですけど……祝いましょう?一緒に」

「……えぇ○○」

僕に体を預け、首を上げて見つめるレミリア様。
その顔はとても可愛くて……僕はそっとその額に口付けをした……。













結局紅魔館で聖夜を祝うのをどこで嗅ぎ付けたのか、魔理沙が現れ。
そのまま次々と皆さん現れると、紅魔館で宴会の流れになった。
始めにレミリア様が望んだものではなかったかもしれないけど……これはこれで良い聖夜だったと僕は思う。
ただレミリア様に一言だけ……。
レミリア様……メリークリスマス。

11スレ目>>493

───────────────────────────────────────────────────────────


 妖怪たちがうごめく闇夜の時間。
 私はいつものように気ままな散歩に出かけた。

 風が頬をなで、景色は次々と移ろってゆく。
 その途中で、平原に何かが立っているのが見えた。

 普段ならそんなものは気にも留めないだろう。
 だが、そのときの私はなぜかそれに興味を抱いた。
 後になって思えば、私はそいつから不思議な運命を感じ取っていたのだろうと思う。

「こんばんわ、今日もいい夜ね」

 そんな言葉を投げかけ、そいつの前に降り立つ。

 それは、見た感じ4~5歳であろう人間の子供だった。
 彼の服は幻想郷のものとは大きく違い、彼が外から来た人間であるのは明白であった。
 今までにも外から来た人間には何度か会ったことがあった。
 ただ、そいつらは大抵、私の翼を見て恐れおののき、逃げるか襲いかかってくるかのどちらかだった。
  
 しかし、その子供はそのどちらでもなかった。

 私の向けた視線を真っ向から受け止めていた。
 その目には何の光も宿っておらず、顔からはあらゆる表情が消えていた。
 いや、まるでそんなものは元から持ち合わせていなかったかのようだ。

 おもしろい人間だ。

 よくよく見れば、彼の服はところどころほつれており、体には見える部分だけでもかなりのあざがあった。
  この少年はどれほどの闇を味わったのだろうか。
 私は口の端がつりあがるのを抑えることができなかった。

「坊や、私と一緒に来ない?」

 自然とそんな言葉を口にしていた。
 彼は無表情でうなずいた。

 
 と、不意に意識が反転する。







































「レミリア姉さん、こんなところで寝てたら体に毒だぞ」

 目の前に無愛想な顔が現れる。
 その顔は先ほどの少年と似ていて、けれど全く違う顔だった。

 ああ、さっきのは夢か。
 ようやく、思考が澄み渡ってきた。

「○○、咲夜はどこかしら?」
「咲夜姉さんは香霖堂へ出かけてる」
「そう」

 彼の顔を見つめてみる。
 顔立ちはそこそこ、最も無愛想な表情が全てを台無しにしている感はあるが。
 さらに彼の瞳をのぞいてみる。
 その目には、はっきりと光がやどっており、彼は今確かにここにいるのだと私の頭へ訴えかける。

「どうしたんだ、姉さん?」
「何でもないわ」

 そっけなく言い、明後日の方へ向く。

 時間はこうも人を変えるものなのか。
 私は心の内でつい一人ごちる。
 かつては何の色も見せなかった瞳が、今ではまるで虹のように色鮮やかだ。
 これもここで色々な人々に囲まれて育ったせいか。
 そういえば昔、誰が彼を最初に笑わせられるか、なんて賭けをしていた気がする。
 誰が勝ったかは覚えていないが。

 いや、変わったのは私もか。
 かつての私は彼がどれほど歪に成長するかを楽しみにしていたのだから……。
 しかし、私の予想は外れた。
 彼は誰よりも真っ直ぐに、誰よりも馬鹿正直に育った。
 そしていつしか、私の大切な弟になり、この紅魔館の一員となった。
 本当に変わるものだ。
 今では私はこの状況に幸せすら感じているのだから。

「○○、一つ聞いてもいいかしら?」

 彼の方に向き直る。

「何だ?」
 
 答える彼は相変わらずの無愛想。
 しかし、私は知っている。
 彼は私の自慢の弟で、誰よりも優しいことを。

「あなたは今、幸せかしら?」

 彼の瞳をまっすぐ見つめる。

「ああ、幸せだ」

 その顔はさっきと変わらなかったが、どこか朱がさしたように見える。

「俺はこの館もここに住む人たちもみんな大好きだからな」

 続けて彼は語る。

「美鈴姉さんはよく昼寝して、咲夜姉さんに怒られてるけど誰よりも仕事に誇りを持ってる。
 小悪魔姉さんはドジでおっちょこちょいだけど、いざってときはすっごく頼りになる。
 パチュリー姉さんはいっつも引きこもってるけど、色んな話を聞かせてくれる。
 咲夜姉さんは一見厳しい人に思えるけど、それは全部俺を思ってのこと。
 フラン姉さんは怖く見られてるけど、実はとっても優しい。
 他にもここに住んでる人たちには、皆それぞれいいところがあるって知ってる」

 一旦、息を吸う。

「そして何よりレミリア姉さんは俺に居場所と家族をくれた」

 彼もまた私の瞳をまっすぐ見つめる。
 その顔はうっすらとだが、微笑んでいるように見えた。

「俺は色んな人たちのおかげでここにいる。だから俺は幸せだって言える」

 そう言う彼の姿はどこか誇らしげだった。

「そう。それは良かったわ」

 私もつい微笑みながら答える。

 かつて彼と初めて会ったとき、私はこの運命を感じ取っていたのだろう。
 彼が私の大切な家族となることを。
 そして、私がこの満ち足りた感情を手に入れることを。

 今なら言える。
 私はこの世の誰よりも幸せだってことを。

12スレ目>>504 うpろだ840


───────────────────────────────────────────────────────────

『レミリア、今日は俺の淹れた紅茶を飲まないか』
「貴方が淹れたの?珍しい」

『稀少品もちゃんと入ってるぞ。世界に2つとない代物だ』
「それは気になるわね。何を入れたのかしら?」

『お前へのありったけの愛、だよ』
「ぶーーっ!!?」

11スレ目>>990

───────────────────────────────────────────────────────────
「咲夜、居る?」
「お嬢様? どうなさいました、厨房などに来て」
「少し、ね」

 どうも歯切れの悪い返答に、咲夜は首を傾げる。

「○○はいないでしょうね?」
「いませんよ。ああ、明日はバレンタインでしたね。チョコを作られるのですね?」
「声が大きいわよ」
「大丈夫です、○○さんなら図書館で読書か蔵書整理していますから」

 主の微かな動揺を微笑ましく思いながら、咲夜はそう切り返した。




 ○○。紅魔館の客分にして、レミリアの眷族。
 元は外から落ちてきた只人の青年に過ぎなかった。
 博麗神社にしばし世話になっていたこの青年を、あろうことかレミリアが気に入ってしまったのだ。
 何に惹かれたのかは言語化し難いところのものだろう。
 敢えて言うならば、レミリアが吸血鬼と知りながらも、どこか飄々としたというか暢気というか、そういった態度が崩れなかったから、かもしれない。
 一方青年の方でもレミリアに惹かれたのか、少しずつ紅魔館に来る回数が多くなり――いつしか、公然の仲となっていた。
 いつだったか、いろいろと事件があった後にレミリアの眷族になると宣言。
 それからしばらくは騒動になったが、とりあえず丸く収まって、今に至る。
 少し普通とは違う、中途半端――はっきり言って弱い吸血鬼ではあるが。




 ちなみに○○自体は背が高いくらいで、外見については特に取り立てて言うこともなく。 

(まあ、人は中身ってことかしら。妙にのんびりしてるけれど)

 と、咲夜はそんなことを思ってみる。いい加減失礼なのだが、本人が別に構わないという様子なのでついつい好き勝手に言ってしまう。
(それにしても、お嬢様にこんな表情させるなんてね)

 罪作りな人、と胸中で微笑する。咲夜とて、○○を気に入ってないわけではないのだ。
 そうでもなければ、大事なお嬢様の相手として認めるわけがない。

「咲夜?」
「いえ、少し考え事を。では作りましょうか」

 簡単にトリュフでいいですね?  と問うと、レミリアは意外なほど素直に頷いた。




「……○○が菓子作りが巧いのが腹立つのよね」

 作りながら、レミリアはぽつりと呟いた。

「妖精メイド達にもたまに作ってやってるでしょう?」
「嫉妬ですか?」
「まさか、何でそんなことしなきゃいけないのよ」

 声と反対に、表情が咲夜の言葉を肯定している。

「それでも、一番よく出来たものはお嬢様に持って行ってますよ」
「そうなの?」
「ええ。嬉しそうですね」
「そんなことないわ」

 気配と表情の両方を隠せていないまま、レミリアは再び口調だけで否定した。




「あら、レミィ、珍しいわね」
「パチェこそ……って、魔理沙も一緒なのね」
「私はおまけか?」
「おまけでしょう」

 あっさり会話を切って、パチュリーはレミリアの手元をのぞきこむ。

「ああ、バレンタインね」
「いいでしょ、別に」
「ほー、○○にやるのか」
「うるさい」

 絡んでくる魔法使い二人をあしらう間にも、トリュフは順調に出来上がっていく。

「後は冷やしておいたらいいですわ。お疲れ様です」
「ん、ありがとう、咲夜。料理って大変なのね」
「でも、出来上がると達成感もあるでしょう?」
「……そうかもね」
「私はたまに失敗するが」
「会話を台無しにするな」

 どこまでも傍若無人な魔理沙に突っ込むが、当の本人はどこ吹く風。

「ところでレミリア、知ってるか?」
「知らないわよ、魔理沙の与汰話なんて」
「そんなこと言ってていいのか? バレンタインチョコの渡し方なんだが……」





 数分後、○○に一両日は厨房に近付かないよう厳命するよう咲夜に告げたレミリアは自室に戻って行った。

「……さっきの嘘でしょう?」
「ああもちろんだ」
「あっさり認めるわね貴女も」

 もう伝えて来たらしい咲夜が呆れた声を上げる。

「まさか本当には……しそうか?」
「するわね」
「しますね」
「なら教えてやれよ」

 自分のことを遠い棚の上に放り投げて魔理沙が呆れた。





 バレンタイン当日。○○は自室で借りてきた本をパラパラめくっていた。

「厨房に入室禁止、か。僕何かやったかなあ」

 料理が趣味の青年は何すると言うこともなく、だらだらと時間を過ごしていた。厨房は主に彼のテリトリーなのだ。

「無闇と掃除とかやってると、妖精メイド達が怖がるしなあ」

 中途半端とは言え吸血鬼。まあ前から出入りしてたので大分慣れてはくれてるようだが。
 そして立場が客分というのもまた微妙。本来彼は、館内の仕事をする必要性がないのである。
 それは逆に、レミリアにとって彼の順位が高いことを意味してもいるのだが。

「○○、いる?」
「いますよー」

 ベッドにだらしなく寝転がっていた○○は、ひょいと起き上がって扉を開けた。
 そこには最愛の主の姿。思わず、頬が緩む。昨日あまり構ってもらえなかっただけになおさら。

「どうしました?」
「今日は何の日か知っているでしょう?」

 少し考えて、ああ、と頷く。

「バレンタインでしたか。何も作ってなくてごめんなさい」
「……なんで○○が私に作るのよ」
「女性から男性というのはこの国独特の形ですよ。お菓子というのも。でもどうせだから作ってたんですよね」
「……誰か女性に?」

 一瞬不機嫌になったレミリアに、○○は首を傾げる。

「うーん……みんなでチョコケーキパーティとかやってましたからねえ」
「……それってバレンタインなの?」
「それにかこつけて騒いでたって感じでしょうか」

 のんびりと微笑う姿に、レミリアは一つ息をつく。とりあえず、誰か特定の女性に、ということでなくてほっとしているようだった。

「って、今はそうじゃなくて。貴方と話してるとどうも話がずれていくわね……」
「すみません」

 謝ってきたが、この青年はどこまで理解しているのだろうかと、そういう表情をレミリアは浮かべていた。




 ふと、○○はレミリアの持っている箱に興味を移す。それに、レミリアも気がついたようだった。

「ああ、これ? 貴方に、よ」
「僕に?」
「Happy Valentine、とでも言うのかしらね」

 そして、彼の部屋にするりと入ってくる。ふと見ると、後ろに咲夜が控えていた。

「すみません、二人とも立たせっ放しで」
「いいのいいの。咲夜」
「はい」

 ○○とレミリアが椅子に座る間に、紅茶を二人分淹れて、咲夜は部屋を出て行く。出て行った瞬間は見えなかった。

「開けていいですか」
「いいわよ」

 頷いて開けて、中の綺麗なトリュフに少し感動を覚えてみる。美味しそうだ。しかも手作りみたいで。

「レミリアさんが?」
「ええ、そうよ。感謝なさい」
「はい、ありがとうございます」

 嬉しくなって微笑むと、レミリアの白い頬が少し紅くなった。ふいと顔を逸らした後、あ、と呟く。

「待って」
「え?」

 食べようとした○○の手からチョコを奪い取る。

「レミリアさん?」
「ええと、確か……」

 レミリアは小さく呟くと、○○の側まで来て膝の上に乗り、トリュフを自分の口に咥える。
 そして、目を閉じて彼の方を見上げてきた。

(え、と。これは)

 何をしろ、と言われているのかはわかる。よくわかる。でも咄嗟に反応できない。というか出来るか。
 す、とレミリアの眼が開く。早くしろ、と視線が言っている。言っている、が。

(それは、反則……)

 恥ずかしいのか、顔を紅くしていて、かつ眼を潤ませている。自分の膝の上で。無意識にやっているとしたら、本当に恐ろしい。

「で、では、いただきます」

 理性が持たなくなる前に、○○はレミリアのチョコを頂くことにした。その口唇と一緒に。

「ん……あ……」
「……御馳走様です。ん、美味しいですよ」

 口唇まで存分に味わって、○○はそう評した。そして、ん、と気が付く。

「何か入れました?」
「ああ、私の血を少し」
「なるほど、それは余計に美味しいはずですね」
「……真正面から言われると恥ずかしいわね」

 顔を紅くして眼を逸らすレミリアは可愛くて、思わず微笑んでしまう。

「まだ、もらっていいですか?」
「ええ、いくらでも」

 再び咥えたレミリアを、抱き寄せるようにしてチョコを頂く。
 今年のチョコは、かなり甘いものになりそうだ。









「ところで、どうしてこんなことを?」
「え? 魔理沙がこうして渡すものだって言ってたけど」
「…………信じたんですね。可愛かったし、美味しかったから僕としては大満足なんですけれど」
「……? …………!」

12スレ目>>966 うpろだ921

───────────────────────────────────────────────────────────

「咲夜、○○は部屋にいる?」
「いけませんよ」

 紅魔館当主である私の問いに、
 忠実なメイド長からはかみ合わない答が返ってきた。

「何を言っているのかしら」
「また○○の血をお吸いになるのでしょう?
 近頃多すぎますよお嬢様」

 外から流れてきたのを気まぐれで拾った○○は、
 冴えない男だと言われながらもその実好意的に、
 紅魔館の住民として受け入れられている。
 が、そんなことはどうでもいい。
 ふと気が向いて吸ってみた○○の血は
 私にとって非常に美味だった。

「……偏った食生活はお身体に障りますわ。
 ○○の血を吸うのでしたら、今日のおやつは抜きですからね」

 そう言って、咲夜は部屋を出て行った。
 ―やめろと言われてやめられる味ではない。
 だが、時には臣下の顔を立ててやることも、
 カリスマを保つためには必要だ。
 ……決して、おやつ抜きが嫌なわけではない。

「そうだわ」
 
 チョコレートを食べ過ぎると、鼻血が出ると聞いたことがある。
 折りしも今日はバレンタインデーだ。

『○○、チョコレートをやろう』
『ありがとうございます、レミリア様。
 ……すみません、鼻血が』
『情けないわね。
 仕方ない。その血、私に捧げなさい』

 ……完璧だ。
 吸血するのではなく、「やむをえず」○○の血を口にする。
 咲夜にも文句は言わせない。





「○○、入るわよ」
 
 ドアを開け、中に入る。
 簡素な部屋だ。
 ちょうど○○は部屋にいて、ベッドに腰掛けて本を読んでいた。

「あ、レミリア様。どうなさいました?」
「日頃私と紅魔館のためによく働いているお前を
 労ってやろうと思ってね。これをあげるわ」

 パチェの実験室でこっそり作ってきた
 巨大なハート型のチョコを取り出す。

「これは……バレンタインの?」

 ○○は、予想以上に喜んでいるようだった。

「ありがとうございます……大事に少しずつ食べます」

 私は慌てた。少しずつ食べられては意味がない。

「今食べなさい」
「え?……全部、ですか?」
「そうよ。私の言うことが聞けないというの?」
「いえ、そのようなことは」

 ○○は端からチョコレートを食べ始めた。




 ハート型の1/4ほどがなくなった。
 ○○は、まだ一向に鼻血を出す気配がない。

「……まだか」
「……急いで食べた方がよろしいですか?」
「そういう意味ではない!」

 ついに私は痺れを切らした。

「ええい、まだ鼻血を出さないのか!」

 ○○はぽかんと口を開けていたが、
 やがて食べかけのチョコをベッドの脇にあったテーブルの上に置いた。
 居住まいを正し、口の端のチョコを拭うと
 落ち着き払っていった。

「レミリア様。それは迷信です」
「……何?」
「ですから、チョコレートと鼻血に因果関係はありません。
 全くの俗説です」

 頬が赤く染まる。……これでは、私はただの⑨ではないか。

「……○○。お前今、私を見下げていただろう」
「いいえ!決してそんな」
「うるさい!!」

 乱暴に、○○をベッドに押し倒す。
 
「○○。私は、私を恐れる人間の血しか飲まないわ。
 自らを恐れる人間の儚い命を吸うことで、
 私達吸血鬼は永遠に君臨する夜の王でいられるのよ」
 
 ○○が私を愚か者として侮る。
 私を恐れなくなる。
 そうなれば、私は○○の血を飲むわけにはいかなくなる。

「だから、○○」

 至上の美味を失うことになるという、それ以上に。

「例え私が、全てを失ったとしても」

 もはや血を吸う相手たりえなくなった○○との
 繋がりがなくなってしまうことを考えると、
 何故だかひどく怖くなった。
 だから、

「―お前は、お前だけは、ずっと私を恐れ続けろ」

 私は、いつもより力を込めて○○の首筋に牙を立てた。
 




 勢いよく○○の血を吸い取ったが、
 例によって、あまりたくさんは飲めない。
 だが、紅く、熱く、甘いそれは私の焦燥を確実に癒していった。

「……レミリア、様」

 ○○の腕が、背中に回される。
 急に血を失ったせいか、弱々しい力の腕を
 私はなぜか振り払う気になれなかった。
 
「ご心配には、及びません。
 初めてお会いしたときからずっと、
 この命が尽きたとしても」

 かすかに、○○は微笑んだ。


「私はレミリア様を畏れ、敬い
 ……心から、お慕い申し上げます」

 私はベッドから降り、○○に背を向けた。

「……そうか」

 せいぜい威厳を保ったつもりだったが、
 安堵と喜びは隠せなかったと思う。





「さて。私は部屋に戻るわ」

 当初の目的は一応達成できたし、
 俗説でなかったとしてもこれ以上チョコを
 無理に食べさせる理由はない。

「残りはせいぜい大事に食べなさい。
 ああ、来月には三倍返しを忘れないようにね」

 からかい半分で言ったのだが、
 ○○は面白いくらい困惑した表情を見せた。

「三倍、ですか…
 …私には差し上げられるようなものもありませんし、
 普段の三倍血を吸っていただくぐらいしか……」

 その答えに、私は思わず笑ってしまった。

「○○……そんなに血を吸ったら、
 私は貴方を眷属に加えなければならなくなるわよ?」
「!!……す、すみません。
 出過ぎたことを」

 顔を真っ赤にしてうろたえる○○。
 だが私は、それも悪くないと思い始めていた。

「そうね。私への畏敬の念を抱いたまま、
 一方で私の伴侶として恥ずかしくないところまで
 力をつけねばならないのだもの。
 たったの一ヶ月でなんて、思い上がりも甚だしいわ」
「……レミリア様、それは」
「あまり私を待たせないように、精進することね」
 
 ドアを開け、部屋を出る。

「……はい!」

 後ろで○○が、力いっぱい返事をするのが聞こえた。

 


 
「さてお嬢様。何かおっしゃることはございますか?」
「……咲夜」

 ドアの外には咲夜が立っていた。
 当初の予定では押し切れるはずだったが、
 結局普段どおりに血を吸ってしまったので
 何も言い返せない。

「お約束どおり、お嬢様の分のおやつは
 パチュリー様と妹様にお分けしますね」
「ちょ、咲夜待ちなさい!」

 歩いていく咲夜を追いかける。
 
「……ご心配なさらずとも、
 ○○だけと言わず、私も最後まで
 お嬢様の側にお仕えいたしますわ」

 咲夜は立ち止まると、そんなことを言ってきた。

「……ずいぶんしっかりと部屋の中の話を
 聞いていたものね、咲夜?」

 嬉しいことを言ってくれるが、
 全く油断のならないメイドだ。

「差し当たり、○○を鍛えなければなりませんね」
「ええ、よろしく頼むわ。
 ……それにしても本当にしっかり聞いてるわね」

 今なら何となくわかるが、
 ○○の血が美味だったのは、
 私への恐れだけでなく、思慕の気持ちが
 流れていたからなのだと思う。
 私が○○の血を吸いたくなったのも、
 どこかで彼に惹かれていたからなのだろう。

 同族同士の愛情表現として互いの血を吸い合う分には、
 吸血鬼の威厳は問題にならない。

 いつになるかわからないが、○○には
 早く美味しい人間から
 美味しい旦那様に昇格してもらいたいものだ。

12スレ目>>968 うpろだ923

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「お嬢様、今日の御昼食です」
「そう」

 最近、紅魔館における食事事情がかなり改善されたきた。
 というのは、外から来たある人間が調理主任に就いたからである。

 最初は、その男のことを他の人間と同じように単なる食糧程度にしか思っていなかった。
 それが変わったのは、私が気まぐれに彼に外の料理を作らせたときだ。
 元々、料理人だったという彼の料理には、非の打ちどころがなかった。
 味や見た目は文句なかったし、何より私の高貴であるべしという矜持を満たしてくれた。
 そう、文句はない。たまに運ばれるこういうものを除いては……。

「今日は何の料理かしら?」
「○○曰く、外の世界にあるものだと……」

 私は、咲夜の運んだきた料理へ目をやった。
 金細工の施されたランチプレート。館のように真っ赤で、山型に盛られたチキンライス。
 ハンバーグ、ポテト、ナポリタン、デザートにはプリンまで付いていた。
 そして何より、目を引くのがライスの頂上に立てられた小さな旗。

 その料理を、私は外の世界の本で目にした気がした。

「……咲夜、この料理の名前は?」
「私には存じかねます」

 この料理の名前は……確か……。
 そう、あれだ! 
 ……。
 あの男、無自覚でやってるのか?

「咲夜、○○を今すぐここに連れて来なさい」
「かしこまりました」





「で、これはどういうことかしら?」
「どういうこと、と申されますと?」

 白い調理服に身をつつんだ○○が私の前に立つ。

「だから、この料「あ、○○だー」」

 私の言葉を遮る形で、フランが部屋に入ってきた。

「○○、さっきのごはんおいしかったよ。それに、この旗もかっこいいし!」
「お褒めに預かり、光栄です」

 私そっちのけで、会話を進める二人。

「ああ、もう! とにかく、次からはもっとちゃんとしたのを作りなさい!」

 私はカッとなり、立てられた小さな旗を○○に投げつけた。














 次の日

 私は、咲夜の運んだきた料理へ目をやった。
 金細工の施されたランチプレート。山型に盛られたチャーハン。ハ(ry

「これはどういうことかしら?」
「日本国旗はお気に召さなかったようなので、アメリカ国旗に……」
「そういうこと言ってんじゃないわよ!」

 私は○○を思い切り殴り付けた。
 その日から、調理主任が長期休暇を取ることになったのは言うまでもない。
 これが後に起こる、第一次紅魔館食糧危機の始まりとなる、お子様ランチ事件の全貌である。

13スレ目>>276 うpろだ965

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「○○、何してるの?」

 珍しく○○の部屋に遊びに来ていたレミリアが、○○が耳に細い棒のようなものを入れているのを不思議そうに見ていた。

「ああ、これですか? 耳かきですよ。里で見付けたんです」
「耳かき?」
「耳掃除するとき使うんです。耳は垢がたまりやすいですから」

 懐紙に耳垢をまとめて捨てながら、○○は首を傾げる。

「レミリアさんのもしましょうか?」
「え?」
「人にやってもらうと綺麗に掃除できるんですよ。それに、興味あるんでしょう?」

 ベッドに座って、○○は膝をポンポンと叩いた。

「そ、そんなことはないけど……そこまで言うならさせてあげるわ」

 羽だけを楽しそうにはためかせながら、レミリアが膝に頭を乗せる。落ち着く体勢になるのを待って、○○が手を伸ばした。

「では失礼して」
「……ひゃうっ!?」

 声に驚いて、○○は耳に触れた手を離す。

「びっくりした……」
「それは僕のセリフですよ……続けて大丈夫ですか?」

 どうもくすぐったいようだ。下手に動かれると危ない気がする。

「だ、大丈夫よ。続けなさい」
「わかりました……でも、危ないから動かないでくださいね。手元が狂うと怪我しますし」
「大丈夫よ、すぐに治るのはわかってるでしょう?」
「それは身をもって。でもそういう問題じゃないです。レミリアさんを傷付けるのが嫌なんですから」
「……わかったわ」

 少しの空白の後、レミリアはそう頷いた。そういうことをさらりと言うなとか何とか聞こえた気がしたが、よく聞き取れなかったのであえて訊かない。
 とはいえ、耳に触れるとビクリと震えるため、危なくて仕方がない。

「耳かき、中に入れられないですよ」
「し、仕方がないじゃない」
「うーん、では失礼します」

 ○○は片手でレミリアの肩を押さえ付けた。これなら安定する。

「さ、これなら大丈夫でしょう。続けますよー」
「……何だか楽しそうね」




 さてどうしたものか。
 ようやく耳掃除をしながら、○○は困惑した表情を浮かべていた。
 無事に始められたまでは良かったのだが――

「ん……ひゃ……」

 くすぐったいのが我慢できないのか、レミリアが微かに震えながら、小さく声をあげているのだった。
 身をよじるのは何とか身体を押さえて止めてはいるが、何だかこのままではいろいろな意味でまずい気がする。

「痛くないですか?」
「それは、大丈夫……ん」

 他愛も無い会話でもしていないと、何だか自分がやましいことでもしているかのような錯覚に陥ってしまう。
 いや、会話していてもどうかという話なのだが。

「あ」

 少し陰になって見えないので、身体を押さえていた手を離して耳に触れる。

「ん……っ!」
「ちょっとじっとしていてくださいねー」

 びく、と身体が震えるのが大きくなったが、大人しくじっとしている。丁度いいので、このまま掃除してしまおう。
 誰かの耳掃除というのはそう経験はなかったが、なかなか面白いものなのだ。

「いっ……」
「すみません、ちょっと我慢しててください」
「う、ん……んん」
「はい、取れましたー」

 懐紙に取って、ふむ、と○○は呟く。そろそろこちらはいいかもしれない。

「ん……終わり?」
「こちら側は終わりです。次は反対側をしましょうか」
「ま、まだやるの?」

 少し息が荒いまま紅い顔を向けたレミリアに、○○は笑顔を向ける。

「片方だけだと気持ち悪いでしょう?」
「……まあ、そうだけど」
「だから、はい、反対側」
「…………楽しんでるわね?」
「いえいえそんなことは」

 まったく誤魔化す気の無い返答に、レミリアは微かに涙目になった目で上目遣いに睨みながら、一言だけ言った。

「後で覚えてなさいよ……」



 逆側の耳に触れるときにも身体をびくと震わせたが、諦めたのか慣れたのか、時折震えながらもレミリアは○○の成すがままになっている。

(……とか言うとものすごく変なことしてるみたいだけど)

 そう心に思いながら、掃除を始める。

「ん……ん」
「痛かったら痛いって言ってくださいね」
「……うん」

 こちらに顔を向けているが表情は見えない。それでも何となく可愛らしくて、○○は顔を綻ばせた。

「……何、ん、笑ってるのよ」
「いや、可愛いなと思いまして」
「……そういうこと、さらりと言わない」

 さらに紅くなったのだろう顔を○○に擦り寄るように伏せて、レミリアは○○の服を握った。

「こっちはくすぐったいんだから、早く終らせなさい」
「はいはい」

 大人しいうちに、○○は手早く掃除を続けていく。時折漏れる声を少しばかり楽しみながら。





「んー、何だかすっきりした気がするわ」
「でしょう? 気持ちいいものですよ、耳掃除って」
「ちょっとくすぐったかったけどね」

 くすくすと笑いながら、だが機嫌は悪くないようで、○○は安堵する。

「またしてあげましょうか?」
「そうね、また気が向いたら」

 膝の上で横になったまま、レミリアは○○を見上げた。

「どうしてあんなに楽しそうだったの?」
「いやだって可愛かったですし。それに」
「ひゃ!?」
「耳が敏感だなんて知りませんでしたしね。新たな発見です」

 レミリアの耳を、つっ、と指でなぞって、○○は楽しそうに笑う。

「……っ……」

 びくっとなった後、レミリアは○○を睨み上げ、そして、えいとばかりに手を跳ね除けて起き上がった。

「貴方が横になりなさい」
「はい?」
「私が耳掃除するから、貴方が横になるの」
「でも、僕さっきまでやってましたが……」
「いいから! やられっぱなしは気に喰わないの。さっさと横になりなさい」

 言われるままされるがままに、○○はレミリアの膝の上に頭を乗せる。さっきとは逆の体勢だ。

「……レミリアさん、やったことは?」
「ないわよ。でも今されたばかりだからわかるわ」
「……では、お願いします」

 一抹の不安を抱えながら、○○はレミリアが気が済むまで大人しくしていることにした。












 後日、図書館にて。修行の休憩中の会話。

「……それで、どうだったの?」
「は? 何がですか?」
「耳掃除。レミィにしてもらってたって聞いたけど。レミィが誰かに何かするなんて珍しいから」
「……あのときほど、自分が吸血鬼になってよかったと思ったことはありませんでしたね……まあ、悪くなかったというかむしろ良くはあったんですが」
「……そう。仲が良さそうで何よりね」

うpろだ1020

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