ミザリィのショップから出た凜とライカの二人。
止めたバイクに向かった時、急にライカが剣を実体化して抜き放った。
「気をつけろ、リン。サーヴァントだ」
店に近づいてきたのは銀髪の青年。服は上は首の周りは白い毛襟で覆った青色のジャケットに白いシャツ。下は白のレギンズ。首から大きな鍵をアクセサリーのように下げている。
人間としては美形だが、この都市の異業の人間たちに比べれば目立つ方ではない。だが、その身に内在している魔力は膨大だ。それを凜とライカは感じ取った。
「剣を納めてほしい、セイバーのサーヴァント、ライカ。僕はここのミザリィに用があって来ただけだからね」
唐突に真名を当てられたライカは、ますます警戒し、右手を引いて伸ばした左手の甲に切先の腹を載せて青年に向けた。
「僕はこの聖杯戦争の管理を司る裁定者、ルーラーのサーヴァント。真名は『アルヴィース』だ」
真名まで自ら明かしたそのサーヴァントの行為に凜は警戒し、逆にライカは闘気を収めた。
「ルーラーか。なら別に手ェ出す必要ねえか」
ライカは剣を収め、剣を空に消した。
「なによ、ルーラーって? 裁定者は監督役とどう違うの?」
「監督役はマスターに対し聖杯戦争の情報提供を行い、サーヴァントを失ったマスターを保護し、時にルールを破ろうとするマスターにはペナルティを与える、聖杯戦争の形式を整える存在だ。
ルーラーはその聖杯戦争という形式を守るために動くサーヴァントさ。最低限のルールも守れず戦争そのものを逸脱し、破滅させようとするサーヴァントにペナルティを与えるか、排除する事もある。
サーヴァントに対抗できるのはサーヴァントだけだからね。僕は聖杯戦争そのものを成立させるためにいる中立者のサーヴァントだ」
アルヴィースは己の役割について、凜に対し説明した。
「案内役であるミザリィといくつか相談する用事が出来たのでね。ここまで出向いてきたわけだ。
ついでに遠坂凜。君にも用事がある。監督役の言峰綺礼から、言い忘れた事があったようなのでね。それを伝えよう。
この聖杯戦争で、開始前までのNPCへの魂喰いは禁止させてもらっている。それをした瞬間、強制送還される」
「もともとやらせる気なんてないわ」
「もともとやる気なんてねえよ」
苦い顔で二人同時に言った。
「君のサーヴァント、ライカからも説明されたと思うけど、この都市にいるNPC達は、全員が直接、間接的に聖杯、もしくはそう呼ばれるに値する願望器に関わった人間たちを再現している。
魂もある、といえばあると言えるだろう。集められた可能性から『賢者の石』によりその人物、人格を再現されている訳だからね。記憶はこの都市に合わせて多少改竄されているけど」
綺礼も言っていた賢者の石。それは錬金術の秘奥。『フォトニック純結晶』とも呼ばれるそれは小石ほどの大きさでも超々高密度ならば超規模の多量並列演算能力と大規模儀式魔術レベルの神秘の即時行使を可能とする。
ムーンセルは月から薄皮1枚はがした先にある、全長3000kmに及ぶフォトニック純結晶の塊だ。それがここでは数十、数百万人はいるであろう人々すべてがそれで構成されているという。
それらを並列接続し、演算を行えば……ムーンセルには及ばずとも、ムーンセルの制御なら可能にするかもしれない。凜はそう思った。
「ここでの『賢者の石』とは人間の血と魂を加工した物質。元の人間の自我は失われ、それは最早ただのエネルギー、封じ込められた光の束、魂の通貨、高性能な演算器でしかない。
それらに様々な世界から集められた可能性の人物の仮面を被せたのが、この都市のNPC達だ。
この『賢者の石』は聖杯をコントロールするユニットの一部でもある。だから魂食いをされると、聖杯に不具合が生じる可能性が有る。だから禁止するんだ」
止めたバイクに向かった時、急にライカが剣を実体化して抜き放った。
「気をつけろ、リン。サーヴァントだ」
店に近づいてきたのは銀髪の青年。服は上は首の周りは白い毛襟で覆った青色のジャケットに白いシャツ。下は白のレギンズ。首から大きな鍵をアクセサリーのように下げている。
人間としては美形だが、この都市の異業の人間たちに比べれば目立つ方ではない。だが、その身に内在している魔力は膨大だ。それを凜とライカは感じ取った。
「剣を納めてほしい、セイバーのサーヴァント、ライカ。僕はここのミザリィに用があって来ただけだからね」
唐突に真名を当てられたライカは、ますます警戒し、右手を引いて伸ばした左手の甲に切先の腹を載せて青年に向けた。
「僕はこの聖杯戦争の管理を司る裁定者、ルーラーのサーヴァント。真名は『アルヴィース』だ」
真名まで自ら明かしたそのサーヴァントの行為に凜は警戒し、逆にライカは闘気を収めた。
「ルーラーか。なら別に手ェ出す必要ねえか」
ライカは剣を収め、剣を空に消した。
「なによ、ルーラーって? 裁定者は監督役とどう違うの?」
「監督役はマスターに対し聖杯戦争の情報提供を行い、サーヴァントを失ったマスターを保護し、時にルールを破ろうとするマスターにはペナルティを与える、聖杯戦争の形式を整える存在だ。
ルーラーはその聖杯戦争という形式を守るために動くサーヴァントさ。最低限のルールも守れず戦争そのものを逸脱し、破滅させようとするサーヴァントにペナルティを与えるか、排除する事もある。
サーヴァントに対抗できるのはサーヴァントだけだからね。僕は聖杯戦争そのものを成立させるためにいる中立者のサーヴァントだ」
アルヴィースは己の役割について、凜に対し説明した。
「案内役であるミザリィといくつか相談する用事が出来たのでね。ここまで出向いてきたわけだ。
ついでに遠坂凜。君にも用事がある。監督役の言峰綺礼から、言い忘れた事があったようなのでね。それを伝えよう。
この聖杯戦争で、開始前までのNPCへの魂喰いは禁止させてもらっている。それをした瞬間、強制送還される」
「もともとやらせる気なんてないわ」
「もともとやる気なんてねえよ」
苦い顔で二人同時に言った。
「君のサーヴァント、ライカからも説明されたと思うけど、この都市にいるNPC達は、全員が直接、間接的に聖杯、もしくはそう呼ばれるに値する願望器に関わった人間たちを再現している。
魂もある、といえばあると言えるだろう。集められた可能性から『賢者の石』によりその人物、人格を再現されている訳だからね。記憶はこの都市に合わせて多少改竄されているけど」
綺礼も言っていた賢者の石。それは錬金術の秘奥。『フォトニック純結晶』とも呼ばれるそれは小石ほどの大きさでも超々高密度ならば超規模の多量並列演算能力と大規模儀式魔術レベルの神秘の即時行使を可能とする。
ムーンセルは月から薄皮1枚はがした先にある、全長3000kmに及ぶフォトニック純結晶の塊だ。それがここでは数十、数百万人はいるであろう人々すべてがそれで構成されているという。
それらを並列接続し、演算を行えば……ムーンセルには及ばずとも、ムーンセルの制御なら可能にするかもしれない。凜はそう思った。
「ここでの『賢者の石』とは人間の血と魂を加工した物質。元の人間の自我は失われ、それは最早ただのエネルギー、封じ込められた光の束、魂の通貨、高性能な演算器でしかない。
それらに様々な世界から集められた可能性の人物の仮面を被せたのが、この都市のNPC達だ。
この『賢者の石』は聖杯をコントロールするユニットの一部でもある。だから魂食いをされると、聖杯に不具合が生じる可能性が有る。だから禁止するんだ」
「集められた可能性って言うけど、例えばあのユニットっぽい子達もそうなの?」
凛が指さした方向には、ビルの壁面にある巨大なディスプレイで歌い、曲を奏でる三人の男女の姿が映っていた。下部にはユニット名なのか「ANGELIC CONCERT」とある。
一人は透き通るような肌と笑顔で、腰までとどくほど長く、柔らかな赤い髪を持ち、同じ赤い大きな瞳を持つ少女。
もう一人は隣の少女よりずっと背が低く、栗毛色の髪をウサギ型のヘアピンでツインテールに纏め、右目は夕焼けの様な赤色、左目は朝焼けの様な紫色をしたオッドアイの少女。
その二人は後ろで青年が一つの鍵盤楽器で演奏されているとはとても思えない、時には弦楽器のような、またある時は管楽器の様な多彩な音色を出す楽器で奏でられる曲に合わせて歌を歌っている。
ディスプレイの前では足を止め、曲に聞き惚れる人々が数多くいた。凛も聖杯戦争の事が無ければ同じようにしていたかもしれない。そう思う程彼女たちの歌は、陳腐な例えだが天使の歌声の様だった。
凛が指さした方向には、ビルの壁面にある巨大なディスプレイで歌い、曲を奏でる三人の男女の姿が映っていた。下部にはユニット名なのか「ANGELIC CONCERT」とある。
一人は透き通るような肌と笑顔で、腰までとどくほど長く、柔らかな赤い髪を持ち、同じ赤い大きな瞳を持つ少女。
もう一人は隣の少女よりずっと背が低く、栗毛色の髪をウサギ型のヘアピンでツインテールに纏め、右目は夕焼けの様な赤色、左目は朝焼けの様な紫色をしたオッドアイの少女。
その二人は後ろで青年が一つの鍵盤楽器で演奏されているとはとても思えない、時には弦楽器のような、またある時は管楽器の様な多彩な音色を出す楽器で奏でられる曲に合わせて歌を歌っている。
ディスプレイの前では足を止め、曲に聞き惚れる人々が数多くいた。凛も聖杯戦争の事が無ければ同じようにしていたかもしれない。そう思う程彼女たちの歌は、陳腐な例えだが天使の歌声の様だった。
凛がアルヴィースに聞いた理由は特にない。彼女たち以外に異形の人間達はこの都市に数多くいた。ただこの場では一番目立っていたから、試しにルーラーと名乗るこの男がどこまで知っているが、確かめたかっただけだ。
「カウジー=ストファート。サフィ=スィーニー。ラスティ=ファースン。全員が『天使の羽根』と呼ばれる願望器に直接触れた人間たちだね」
だが、アルヴィースの返答は、凛を驚愕させるのに余りある内容だった。
「彼女達の世界には『天使』と呼ばれる神の御使いがいた。彼らが地上に残した身体の欠片、天使の力に繋がる回廊を開く聖遺物が『天使の羽根』だ。
だが、その奇跡を起こす力は正悪を判断できず、人間が使うにはあまりにも強大すぎた。
カウジーが重傷を負った時、サフィは彼がいつまでも健やかである事を願ってしまい、その結果、カウジーは不老不死の身体となり、サフィは肉体が消滅してしまった。
ラスティはその身に『天使の羽根』を埋め込まれ、歌を歌う事で力を引き出す事が出来、それにより一つの町を救った。代償として彼女は命を落としたけどね」
具体的なアルヴィースの説明に、凛は驚きを隠せずにいた。
「本当に、この都市の人間はそんな聖杯みたいな願望器に触れた人間ばかりなの!?」
凛の問いに、アルヴィースは頭を振って否定した。
「あの子達ほど願望器に直接接触した人間は、この都市内のNPCでも一握りしかいない。
疑いや興味があるなら調べてみるといい。この都市の中にある図書館で検索ができるよ」
「カウジー=ストファート。サフィ=スィーニー。ラスティ=ファースン。全員が『天使の羽根』と呼ばれる願望器に直接触れた人間たちだね」
だが、アルヴィースの返答は、凛を驚愕させるのに余りある内容だった。
「彼女達の世界には『天使』と呼ばれる神の御使いがいた。彼らが地上に残した身体の欠片、天使の力に繋がる回廊を開く聖遺物が『天使の羽根』だ。
だが、その奇跡を起こす力は正悪を判断できず、人間が使うにはあまりにも強大すぎた。
カウジーが重傷を負った時、サフィは彼がいつまでも健やかである事を願ってしまい、その結果、カウジーは不老不死の身体となり、サフィは肉体が消滅してしまった。
ラスティはその身に『天使の羽根』を埋め込まれ、歌を歌う事で力を引き出す事が出来、それにより一つの町を救った。代償として彼女は命を落としたけどね」
具体的なアルヴィースの説明に、凛は驚きを隠せずにいた。
「本当に、この都市の人間はそんな聖杯みたいな願望器に触れた人間ばかりなの!?」
凛の問いに、アルヴィースは頭を振って否定した。
「あの子達ほど願望器に直接接触した人間は、この都市内のNPCでも一握りしかいない。
疑いや興味があるなら調べてみるといい。この都市の中にある図書館で検索ができるよ」
「それじゃあ、この都市自体も聖杯と関係があるの?」
「いや、この都市は『賢者の石』が『赤いオリハルコン』と呼ばれる世界で、世界統一を為した帝国首都を再現し、一部が変更された都市だ。
その首都で『赤いオリハルコン』を巡った戦いが行われたというだけの縁で、聖杯とは何の関係もないよ」
アルヴィースは両手を広げ、上向きに顔を上げた。
「聖杯や願望器と深い縁がある土地はいくらでもあるのに、何故ここが選ばれたのか。
それはここが未だ発展途上であり、世界中から希望や憎悪を秘めた者達が集まり、テロリストの活動がたびたび起こり、それによる破壊とそれ以上の成長が続き、何よりここには世界と人類の護衛者を名乗る帝国政府の首脳達がいた」
世界と人類の護衛者。その言葉で凛は、西欧財閥、そしてハーウェイの一族を連想した。
「そういった様々な事件が起こりうる可能性の集まる場所、世界に対する責任を持つ人間達が集う場所。それが並行世界、多元宇宙の多様性と可能性を集めるのにふさわしいと判断された」
アルヴィースは一時言葉を止めて手を下ろし、ディスプレイのほうに顔を向けた。
「あのユニット『エンジェリック・コンサート』を名乗る彼ら三人が肉体を持ち、揃う事は本来の世界では、どんな並行世界でも絶対にありえない。
だが、ここはあらゆる可能性を集めて作られた世界。『ありえない』などという事は『ありえない』。
その『ありえない』ことが起こるこの都市で君たちに世界は、人間はどう映るのか、聖杯をどうするのか、それで実現できる願いや繁栄を持って何を為すのか。君達は自身の選択による世界の改変に責任を持てるのか。
それらを改めて確認し、各個人の判断を下してほしい。そう選定されたからさ」
世界を改変する行為、その責任。凜は改めてその重さを実感し思わず胸を抑えた。
「最後に効くけど、ルーラーは聖杯に願いってあるの?」
バイクに手を載せ、凜は尋ねた。
「基本的にルーラーが召喚されるのは『結果が未知数なため、人の手の及ばぬ裁定者が聖杯から必要とされた場合』。
または『聖杯戦争によって、世界に歪みが出る場合』だ。そう他の聖杯戦争では記録されている」
アルヴィースは銀色の鍵に手を添えて答えた。
「聖杯戦争によって世界が破壊する、またはその可能性が強いと判断された時に、ルーラーは聖杯自身によって召喚される。それが基本的なルールだ。
よってルーラーとして『世界の破滅を防ぎ、この聖杯戦争の経過と結末を見届ける』こと。それが僕の願いかな」
そう言ってアルヴィースは、凜とライカの傍を通りミザリィの店へと向かった。
「僕はこの都市で「特別捜査官」というロールを与えられている。マスターにもロールが与えられているから後でチェックしてみてほしい。
この都市では物質転換炉という名の反物質炉で電力を供給している。もしもテロリストやマスターの標的になって破壊された場合、都市全てが吹き飛んでしまう。
その為、マスター、サーヴァントを問わず不用意に近づけば警告、それでも侵入しようとすれば攻撃の対象となる。
それでも、サーヴァントが本気で破壊しようとすればNPCでは守り切れないからね。大抵の時間帯、僕はそこを守るためにいるから、何か質問したい事が出来たら来てほしい」
会話を終え、凜とライカがバイクにそれぞれまたがり、レバーを握ったところで凜はアルヴィースに顔を向けた。
「……さっき、最後って言ったけど、やっぱり聞いておきたい事があったわ。
こんな事を聞くのは私たちの世界には何の関係も無い事だから、心の贅肉でしかないんでしょうけど、だけど、やっぱり聞いておきたい。
……この都市のオリジナルがある世界で、子供たちは、笑っていた? テロリストが常に活動するような、強引で恨みが後を引くような世界統一をした帝国の首都で、それでも子供たちは笑っていた?」
振り向いたアルヴィースは少し目を閉じた後、開いて凛の質問に答えた。
「……ああ、元気に笑っているよ。元気すぎてテロリストの破壊活動を見物に行く無鉄砲な子供までいるくらいだ」
凜はあっけにとられ、そして笑い出した。
「――あははは! 何よそれ! 元気ありすぎじゃない!」
「いや、この都市は『賢者の石』が『赤いオリハルコン』と呼ばれる世界で、世界統一を為した帝国首都を再現し、一部が変更された都市だ。
その首都で『赤いオリハルコン』を巡った戦いが行われたというだけの縁で、聖杯とは何の関係もないよ」
アルヴィースは両手を広げ、上向きに顔を上げた。
「聖杯や願望器と深い縁がある土地はいくらでもあるのに、何故ここが選ばれたのか。
それはここが未だ発展途上であり、世界中から希望や憎悪を秘めた者達が集まり、テロリストの活動がたびたび起こり、それによる破壊とそれ以上の成長が続き、何よりここには世界と人類の護衛者を名乗る帝国政府の首脳達がいた」
世界と人類の護衛者。その言葉で凛は、西欧財閥、そしてハーウェイの一族を連想した。
「そういった様々な事件が起こりうる可能性の集まる場所、世界に対する責任を持つ人間達が集う場所。それが並行世界、多元宇宙の多様性と可能性を集めるのにふさわしいと判断された」
アルヴィースは一時言葉を止めて手を下ろし、ディスプレイのほうに顔を向けた。
「あのユニット『エンジェリック・コンサート』を名乗る彼ら三人が肉体を持ち、揃う事は本来の世界では、どんな並行世界でも絶対にありえない。
だが、ここはあらゆる可能性を集めて作られた世界。『ありえない』などという事は『ありえない』。
その『ありえない』ことが起こるこの都市で君たちに世界は、人間はどう映るのか、聖杯をどうするのか、それで実現できる願いや繁栄を持って何を為すのか。君達は自身の選択による世界の改変に責任を持てるのか。
それらを改めて確認し、各個人の判断を下してほしい。そう選定されたからさ」
世界を改変する行為、その責任。凜は改めてその重さを実感し思わず胸を抑えた。
「最後に効くけど、ルーラーは聖杯に願いってあるの?」
バイクに手を載せ、凜は尋ねた。
「基本的にルーラーが召喚されるのは『結果が未知数なため、人の手の及ばぬ裁定者が聖杯から必要とされた場合』。
または『聖杯戦争によって、世界に歪みが出る場合』だ。そう他の聖杯戦争では記録されている」
アルヴィースは銀色の鍵に手を添えて答えた。
「聖杯戦争によって世界が破壊する、またはその可能性が強いと判断された時に、ルーラーは聖杯自身によって召喚される。それが基本的なルールだ。
よってルーラーとして『世界の破滅を防ぎ、この聖杯戦争の経過と結末を見届ける』こと。それが僕の願いかな」
そう言ってアルヴィースは、凜とライカの傍を通りミザリィの店へと向かった。
「僕はこの都市で「特別捜査官」というロールを与えられている。マスターにもロールが与えられているから後でチェックしてみてほしい。
この都市では物質転換炉という名の反物質炉で電力を供給している。もしもテロリストやマスターの標的になって破壊された場合、都市全てが吹き飛んでしまう。
その為、マスター、サーヴァントを問わず不用意に近づけば警告、それでも侵入しようとすれば攻撃の対象となる。
それでも、サーヴァントが本気で破壊しようとすればNPCでは守り切れないからね。大抵の時間帯、僕はそこを守るためにいるから、何か質問したい事が出来たら来てほしい」
会話を終え、凜とライカがバイクにそれぞれまたがり、レバーを握ったところで凜はアルヴィースに顔を向けた。
「……さっき、最後って言ったけど、やっぱり聞いておきたい事があったわ。
こんな事を聞くのは私たちの世界には何の関係も無い事だから、心の贅肉でしかないんでしょうけど、だけど、やっぱり聞いておきたい。
……この都市のオリジナルがある世界で、子供たちは、笑っていた? テロリストが常に活動するような、強引で恨みが後を引くような世界統一をした帝国の首都で、それでも子供たちは笑っていた?」
振り向いたアルヴィースは少し目を閉じた後、開いて凛の質問に答えた。
「……ああ、元気に笑っているよ。元気すぎてテロリストの破壊活動を見物に行く無鉄砲な子供までいるくらいだ」
凜はあっけにとられ、そして笑い出した。
「――あははは! 何よそれ! 元気ありすぎじゃない!」
「ありがと、聞けて良かった」
アクセルをふかし、二人はバイクで道を駆ける。
「図書館はあの巨大なビル『ビッグアイ』の中にもある。一度行ってみることをお勧めするよ」
その背にアルヴィースの声がかけられた。
アクセルをふかし、二人はバイクで道を駆ける。
「図書館はあの巨大なビル『ビッグアイ』の中にもある。一度行ってみることをお勧めするよ」
その背にアルヴィースの声がかけられた。
【サーヴァント】
【CLASS】
ルーラー
【CLASS】
ルーラー
【真名】
アルヴィース
アルヴィース
【出典】
ゼノブレイド
ゼノブレイド
【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力EX 幸運EX 宝具EX
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力EX 幸運EX 宝具EX
【属性】
中立・中庸
中立・中庸
【クラス別能力】
対魔力:EX
世界の構成要素の支配による完全な対魔力。
対魔力:EX
世界の構成要素の支配による完全な対魔力。
真名看破:EX
ルーラーとして召喚されると、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。
ルーラーとして召喚されると、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。
神明裁決:A
ルーラーとしての最高特権。
聖杯戦争に参加した全サーヴァントに二回令呪を行使することができる。
他のサーヴァント用の令呪を転用することは不可。
ルーラーとしての最高特権。
聖杯戦争に参加した全サーヴァントに二回令呪を行使することができる。
他のサーヴァント用の令呪を転用することは不可。
【保有スキル】
千里眼・未来視(ヴィジョン):A+++
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。世界の全て、因果律、人間の心の奥まで入り込む眼。
未来視は世界の構成要素の運動、因果律の演算予測によるほぼ完全な予知能力。
千里眼・未来視(ヴィジョン):A+++
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。世界の全て、因果律、人間の心の奥まで入り込む眼。
未来視は世界の構成要素の運動、因果律の演算予測によるほぼ完全な予知能力。
創世:―
文字通り世界を創造する能力。ルーラーには使用不可能。
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文字通り世界を創造する能力。ルーラーには使用不可能。
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単独顕現:B
単体で現世に現れるスキル。単独行動のウルトラ上位版。本来はビーストしか持ち得ぬ特性。
このスキルは“既にどの時空にも存在する”在り方を示しているため、時間旅行を用いたタイムパラドクス等の時間操作系の攻撃を無効にするばかりか、あらゆる即死系攻撃をキャンセルする。
単体で現世に現れるスキル。単独行動のウルトラ上位版。本来はビーストしか持ち得ぬ特性。
このスキルは“既にどの時空にも存在する”在り方を示しているため、時間旅行を用いたタイムパラドクス等の時間操作系の攻撃を無効にするばかりか、あらゆる即死系攻撃をキャンセルする。
モナド:EX
世界に生きる者一人一人が持っている光。未来を選び取る意思、掴み取ろうとする力。
通常は形もなく、力も無いに等しい。自覚できる者はごく僅かである。
ルーラーのモナドはいわば『宇宙の予定調和』とも呼ぶべき強大な力である。
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世界に生きる者一人一人が持っている光。未来を選び取る意思、掴み取ろうとする力。
通常は形もなく、力も無いに等しい。自覚できる者はごく僅かである。
ルーラーのモナドはいわば『宇宙の予定調和』とも呼ぶべき強大な力である。
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【宝具】
『全てを知る者(アルヴィース)』
ランク:EX 種別:対理宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞
彼は『世界の摂理』と一体化した意識体。■■■■■■の接続者。かつて一つの宇宙の始まりと終わりを告げた者。
世界の摂理、構成要素、因果律の全てを認識し、干渉、変革する能力。
聖杯の影響により、全ての並行世界、多元宇宙の実数、虚数領域においても認識が広がった。
だが、ルーラーはよほどのことが無ければ自ら干渉する気は無い。
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『全てを知る者(アルヴィース)』
ランク:EX 種別:対理宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:∞
彼は『世界の摂理』と一体化した意識体。■■■■■■の接続者。かつて一つの宇宙の始まりと終わりを告げた者。
世界の摂理、構成要素、因果律の全てを認識し、干渉、変革する能力。
聖杯の影響により、全ての並行世界、多元宇宙の実数、虚数領域においても認識が広がった。
だが、ルーラーはよほどのことが無ければ自ら干渉する気は無い。
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『神剣モナド』
ランク:A+(A++) 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大補足:3人
世界の構成要素を掌握、制御して真エーテルを光の刃の形に形成し、あらゆる物質を切断する。
柄の部分にある何層にも重なったガラス状のプレートの一枚一枚に、漢字のような文字が浮かび上がる仕組みになっており、浮かぶ文字によって異なる力が発現する。
能力は以下の通り。
ランク:A+(A++) 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大補足:3人
世界の構成要素を掌握、制御して真エーテルを光の刃の形に形成し、あらゆる物質を切断する。
柄の部分にある何層にも重なったガラス状のプレートの一枚一枚に、漢字のような文字が浮かび上がる仕組みになっており、浮かぶ文字によって異なる力が発現する。
能力は以下の通り。
モナド・バスター(斬)
モナドの力を極限まで高め、直線上の敵へ一気に叩きこむ。アルヴィースが持つモナドの力を全開放した斬・バスターは星の聖剣にも匹敵する威力を発揮する。
モナド・エンチャント(機)
概念による防御を無効化し、一定時間ダメージを与えられる。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・シールド(盾)
ランク以下の宝具を含めた攻撃を完全に防ぐ。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・スピード(疾)
モナドの風が包み込み、物理的な攻撃を高回避させる。敏捷値に++補正が働く。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・ブレイカー(破)
モナドの衝撃波がダメージを与え、さらに一定時間敵の全宝具、全スキルを封印する。
モナドの力を極限まで高め、直線上の敵へ一気に叩きこむ。アルヴィースが持つモナドの力を全開放した斬・バスターは星の聖剣にも匹敵する威力を発揮する。
モナド・エンチャント(機)
概念による防御を無効化し、一定時間ダメージを与えられる。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・シールド(盾)
ランク以下の宝具を含めた攻撃を完全に防ぐ。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・スピード(疾)
モナドの風が包み込み、物理的な攻撃を高回避させる。敏捷値に++補正が働く。自身を含めて最大3人まで効果を分け与えられる。
モナド・ブレイカー(破)
モナドの衝撃波がダメージを与え、さらに一定時間敵の全宝具、全スキルを封印する。
実はこの宝具では人間を攻撃できない、しようとしても弾かれるよう制限されているが、制限解除により、形がシャープなフォルムに変形、宝具のランクも上昇する。
モナド・■■■(■)
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『不浄なる生命を狩る者(テレシア)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1体
知性と呼べるものはなく、ほとんど本能のみに従って行動する危険な生物である。
生命力が強く、触覚から光線を発し、相手の思考を読む能力を持つ。
巨大な鳥のような姿をしたものや恐竜のような姿をしたものなど様々な個体があるが、いずれも虹色の体と光の羽を持つ。
食事として大気中のエーテルを直接摂取する。そのため、エーテルで身体が構成されているサーヴァントには悪影響を及ぼす。
強さについては個体差が激しいものの、思考読みの力もあり、十数m以上の個体だとサーヴァントにも匹敵する。
これだけの強さだが、アルヴィースにとってはいくらでも召喚できる駒に過ぎない。
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1体
知性と呼べるものはなく、ほとんど本能のみに従って行動する危険な生物である。
生命力が強く、触覚から光線を発し、相手の思考を読む能力を持つ。
巨大な鳥のような姿をしたものや恐竜のような姿をしたものなど様々な個体があるが、いずれも虹色の体と光の羽を持つ。
食事として大気中のエーテルを直接摂取する。そのため、エーテルで身体が構成されているサーヴァントには悪影響を及ぼす。
強さについては個体差が激しいものの、思考読みの力もあり、十数m以上の個体だとサーヴァントにも匹敵する。
これだけの強さだが、アルヴィースにとってはいくらでも召喚できる駒に過ぎない。
『久遠の果てより来たる虚無(■■■■■)』
ランク:■■ 種別:■■宝具 レンジ:■~■■ 最大補足:1体
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ランク:■■ 種別:■■宝具 レンジ:■~■■ 最大補足:1体
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【weapon】
クレイモア
通常の大剣。
神剣モナド
本来このモナドはある一つの世界にただ一つだけしか存在せず、それも失われたがサーヴァントとして召喚された事で再現されている。
クレイモア
通常の大剣。
神剣モナド
本来このモナドはある一つの世界にただ一つだけしか存在せず、それも失われたがサーヴァントとして召喚された事で再現されている。
【人物背景】
【閲覧不可】
【方針】
基本的には戦闘には干渉せず市民に犠牲が及ぶ時、そして対界宝具により舞台の世界が破壊されそうなときに介入する。
基本的には戦闘には干渉せず市民に犠牲が及ぶ時、そして対界宝具により舞台の世界が破壊されそうなときに介入する。
【サーヴァントとしての願い】
世界の破滅を防ぎ、この聖杯戦争の経過と結末を見届ける。
世界の破滅を防ぎ、この聖杯戦争の経過と結末を見届ける。
【把握媒体】
SwitchでゼノブレイドDEが発売されています。
某動画サイトにも全プレイ動画が投稿されています。
SwitchでゼノブレイドDEが発売されています。
某動画サイトにも全プレイ動画が投稿されています。