幼少期を懐かしむ大人がいるらしいが、エスターには信じられなかった。子供なんて、感情的で気遣いに欠け、関わらなくていいことに関わろうとするばかりじゃないか。だから、孤児院で暮らしていた頃、なるべく他の子供からは距離を置いていた。
「イーゼルね!」
「それだけじゃないぞ、ほら!」
「それだけじゃないぞ、ほら!」
そんなエスターは、コールマンという若い夫婦に引き取られた。出会った時、絵を描いていたからだろう。祝いの品として、養父のジョンは
イーゼルを贈ってくれた。包みを開けて喜ぶ彼女に、ジョンは小さな小箱を取り出した。
イーゼルを贈ってくれた。包みを開けて喜ぶ彼女に、ジョンは小さな小箱を取り出した。
「…!」
小箱を開いたエスターは息を呑む。
そこには虹色に輝く石が静かに収まっていたからだ。イーゼルを購入した店の店主に、エスターを迎える事を話すとおまけとしてもらったのだ。
そこには虹色に輝く石が静かに収まっていたからだ。イーゼルを購入した店の店主に、エスターを迎える事を話すとおまけとしてもらったのだ。
「とても綺麗だけど、アクセサリーにはしてもらわなかったの?」
「恋人じゃあるまいし、僕が選ぶわけにもいかないよ。自分で稼ぐようになったら、納得のいくデザインで作ればいい」
「恋人じゃあるまいし、僕が選ぶわけにもいかないよ。自分で稼ぐようになったら、納得のいくデザインで作ればいい」
イーゼルをもらった時には花が咲くように笑ったエスターは、石をもらった時は感動した様子でジョンに抱擁した。程なくして彼女は聖杯戦争に招かれ、キャスターと名乗った黒髪の少女と出会う。彼女が呼び出した黒い怪物に助けられた後、共に監督役を名乗る神父から聖杯戦争について説明を受けた。
エスターはロールとして割り当てられた自宅に帰る。可愛らしく飾られた部屋だ。両親は留守にしている。
「マスター、これからどうするの?」
「先にあなたの事を教えてちょうだい。私に何かしたんでしょう?」
「先にあなたの事を教えてちょうだい。私に何かしたんでしょう?」
エスターはキャスターと出会ってからずっと、体に違和感を覚えていた。小さな身体の奥底から、パワーが湧き上がってくるのだ。
「マスターは家族になるんだよ」
「家族?」
「そう、ずっと私といるの。嫌?」
「あなたが何者かによるわ。お互いのこと、もっと知りましょうよ」
「家族?」
「そう、ずっと私といるの。嫌?」
「あなたが何者かによるわ。お互いのこと、もっと知りましょうよ」
キャスターはエヴリンと名乗ると、生前のことを語り始めた。研究所で生まれ、そこからママと呼ぶ女性と共に逃げ出し、ある一家に拾われると、その人物達を家族にした。最期はママに捨てられ、ママを連れ戻しにきたイーサンによって討たれた、という事までエスターは把握した。
(要するに、キャスターは子供の心を持ったSFの怪物なわけだ)
悪意があったわけではないらしいとわかり、エスターは内心安堵する。
「ねぇねぇ、次はマスターの番だよ」
エヴリンはエスターに身の上話をせがんだ。
エスターはため息をつくと、抽斗から取り出したハンカチを部屋のローテーブルに敷き、嵌めていた入れ歯を置く。
エスターはため息をつくと、抽斗から取り出したハンカチを部屋のローテーブルに敷き、嵌めていた入れ歯を置く。
「!?」
「私ね、子供じゃないの。身体は成長しないけど、本当は33歳」
「私ね、子供じゃないの。身体は成長しないけど、本当は33歳」
下垂体性機能不全。
エスターは同年代の女達が味わう楽しみを知らないまま、三十路を迎えた。心と身体のギャップは広がるばかり、成熟した女としては死ぬまで扱ってもらえない。
エスターは同年代の女達が味わう楽しみを知らないまま、三十路を迎えた。心と身体のギャップは広がるばかり、成熟した女としては死ぬまで扱ってもらえない。
だから聖杯戦争にはなんとしても優勝したい。子供の群れから抜け出し、大人の女として飛翔する。叶わぬ恋を追いかけるより、聖杯を狙う方が有意義ではないか。
「私、大人になれる身体が欲しい。キャスター、貴方の望みは何?」
「家族!パパとママが欲しいの!」
「そう。貴方さえ良ければ、私が家族になるわ」
「ホント!…怒ってない?」
「ビックリはしたけど、怒ってないわ。貴方の気持ち、わかると思うから」
「家族!パパとママが欲しいの!」
「そう。貴方さえ良ければ、私が家族になるわ」
「ホント!…怒ってない?」
「ビックリはしたけど、怒ってないわ。貴方の気持ち、わかると思うから」
半分は本心だった。
心身の乖離に苦しみ、吐き出せない情欲に狂うエスターも、同じ様に家族が欲しかったのかもしれない。ありのままの自分を迎えてくれる誰かが。
心身の乖離に苦しみ、吐き出せない情欲に狂うエスターも、同じ様に家族が欲しかったのかもしれない。ありのままの自分を迎えてくれる誰かが。
「そんなの嫌!私、たくさん待ったもん!」
「ならウチに来ればいいわ。ママはそれなりだけど、素敵なパパがいるの。可愛い妹もね」
「ならウチに来ればいいわ。ママはそれなりだけど、素敵なパパがいるの。可愛い妹もね」
エスターは家族談義を打ち切ると、聖杯戦争に話題を移した。勝利しなければ、願いも何もない。エスターはエヴリンに霊体化してついてくるように求め、陣地に最適な場所を探しに散歩に出た。
【サーヴァント】
【CLASS】
キャスター
【CLASS】
キャスター
【真名】
エヴリン
エヴリン
【出典】
バイオハザード7 レジデントイービル
バイオハザード7 レジデントイービル
【性別】
女
女
【ステータス】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A + 幸運D 宝具 B
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A + 幸運D 宝具 B
【属性】
混沌・善
混沌・善
【クラス別能力】
陣地作成:C
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 真菌を繁殖させ、小規模な”工房”に匹敵する拠点を作る。
陣地作成:C
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 真菌を繁殖させ、小規模な”工房”に匹敵する拠点を作る。
道具作成:-
魔術的な道具を作成する技能。逸話として持ち合わせていない為、ランクを持たない。
魔術的な道具を作成する技能。逸話として持ち合わせていない為、ランクを持たない。
【保有スキル】
眷属作成: A
体組織から分泌した特異菌を植え付け、対象を『家族』にする他、感染者や菌糸からモールデッドを作成可能。
眷属作成: A
体組織から分泌した特異菌を植え付け、対象を『家族』にする他、感染者や菌糸からモールデッドを作成可能。
情報統制:A
特異菌感染者への干渉能力。
契約中のマスターを除く感染者の言動を知覚できる他、その位置を把握し、暗示によって行動をコントロール可能。
特異菌感染者への干渉能力。
契約中のマスターを除く感染者の言動を知覚できる他、その位置を把握し、暗示によって行動をコントロール可能。
生物災害: B
自然の脅威と人の活動から生まれた災禍。
刃物、鈍器、矢弾、投擲などの武器攻撃によるダメージを1/4にまで低下させる。ただし、治療、投薬の概念を帯びた干渉を受けた場合、防御効果は機能せず、逆にランク分のダメージが追加されてしまう。
自然の脅威と人の活動から生まれた災禍。
刃物、鈍器、矢弾、投擲などの武器攻撃によるダメージを1/4にまで低下させる。ただし、治療、投薬の概念を帯びた干渉を受けた場合、防御効果は機能せず、逆にランク分のダメージが追加されてしまう。
自己保存(偽):E
本体が無事な限り、エヴリンは聖杯戦争から退場しない。実体化する度に、周囲100m以内あるいは陣地内に車椅子の老婆が出没。この老婆の出現位置は調整可能だがステータス、保有スキルはなく、魔力反応も一般人並み。
本体が無事な限り、エヴリンは聖杯戦争から退場しない。実体化する度に、周囲100m以内あるいは陣地内に車椅子の老婆が出没。この老婆の出現位置は調整可能だがステータス、保有スキルはなく、魔力反応も一般人並み。
老婆が無事な限り、エヴリンは一定量の魔力を消費することで復活できる。スキルランクが高いほど、消費が軽い。
【宝具】
『微睡む暗黒の森(エヴリン)』
ランク: B 種別:対人、対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人
エヴリンが持つ、身体から分泌した特異菌や、特異菌感染者を強く支配する能力。保有スキルもこれに由来する。分泌する菌のレンジ、生み出せる感染者の数に上限こそあるが、実体化したエヴリンに接触した時点で汚染が始まる。
『微睡む暗黒の森(エヴリン)』
ランク: B 種別:対人、対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:100人
エヴリンが持つ、身体から分泌した特異菌や、特異菌感染者を強く支配する能力。保有スキルもこれに由来する。分泌する菌のレンジ、生み出せる感染者の数に上限こそあるが、実体化したエヴリンに接触した時点で汚染が始まる。
感染してすぐ、対象はエヴリンの姿や声を見るようになる。時間経過によって全身の細胞が特異菌に置き換わっていき、回復力や耐久力が強化される。契約中のマスター以外の人間は個人差はあるが、エヴリンの干渉を受ける事で人格や言動が豹変していき、やがては凶暴化した状態でエヴリンに従属するようになる。
英霊を対象とする場合、筋力値による抵抗判定に勝利しなければならず、また半神や鬼、竜など人外の性質を持つ英霊に菌を植え付けることはできない。
英霊を対象とする場合、筋力値による抵抗判定に勝利しなければならず、また半神や鬼、竜など人外の性質を持つ英霊に菌を植え付けることはできない。
さらに感染者や増殖させた特異菌から、モールデッドと呼ばれるクリーチャーを生産可能。爪と牙を持つ通常種のほか、右腕の刃や酸性の体液を武器にする変異種が存在。いずれも実体化しており通常の武器で打倒可能だが、 Bランクの生物災害、戦闘続行スキルを所持している。
【weapon】
菌糸を増殖させて作る触手。生み出したモールデッドなど、クリーチャー達。
菌糸を増殖させて作る触手。生み出したモールデッドなど、クリーチャー達。
【人物背景】
犯罪組織コネクションが、『敵集団を戦闘によらず制圧する兵器』をコンセプトに特異菌のゲノムをステージ4以前のヒト胚に組み込み、特定環境下で培養した結果生まれた生物兵器。都市や難民に紛れ込ませることが容易な、10歳前後の少女の外見をしており、無邪気だが残酷な性格。
犯罪組織コネクションが、『敵集団を戦闘によらず制圧する兵器』をコンセプトに特異菌のゲノムをステージ4以前のヒト胚に組み込み、特定環境下で培養した結果生まれた生物兵器。都市や難民に紛れ込ませることが容易な、10歳前後の少女の外見をしており、無邪気だが残酷な性格。
研究所での生活に嫌気がさしており、自身の移送作戦中にタンカー内で暴走し、母親役のミア・ウィンターズと共に脱走。ベイカー一家に保護されると、彼らを特異菌に感染させて、支配下においた。愛情に飢えているのか、単に都合が良かったからか、形成する集団は『家族』をモチーフとしている。
精神・肉体的に不安定であり、安定剤を摂取しないと急激に老化していく。全盛期の状態で召喚される英霊の性質と、感染者のもとに幻覚を放つ能力から、少女の姿の『分体』と老婆の姿の『本体』を持った。
【サーヴァントとしての願い】
家族を作る。
家族を作る。
【方針】
優勝狙い。
優勝狙い。
【マスター】
エスター・コールマン
エスター・コールマン
【出典】
エスター
エスター
【性別】
女。
女。
【能力・技能】
珍しいホルモン異常で幼い容姿をしており、年相応に見られることがない。非常に凶暴な性格で殺人に躊躇いがなく、明らかになっているだけで7人を殺害している。絵画、ピアノ演奏、拳銃の扱い、英語を習得している。
珍しいホルモン異常で幼い容姿をしており、年相応に見られることがない。非常に凶暴な性格で殺人に躊躇いがなく、明らかになっているだけで7人を殺害している。絵画、ピアノ演奏、拳銃の扱い、英語を習得している。
エヴリンとの接触により、特異菌に感染している。契約中の為、外見と自我は完全な形で保たれている。超人的な再生力を得ているが、時間経過により細胞が特異菌に置換され、再生を何度も繰り返していると身体を維持できなくなってしまう。
【weapon】
無し。
無し。
【人物背景】
本名はリーナ・クラマー。
サールン・インスティチュート精神病院の患者。発育不全で9歳ほどに見えるが、1976年生まれの33歳。生涯のほとんどを子供として過ごしており、エストニアの家庭で養子となった際に父親の誘惑に失敗すると、一家を皆殺しにして家に放火した。病院を脱走した1年後、エスターの名で聖マリアナ女子孤児院に潜伏していた彼女を、コールマン夫妻が引き取った。
本名はリーナ・クラマー。
サールン・インスティチュート精神病院の患者。発育不全で9歳ほどに見えるが、1976年生まれの33歳。生涯のほとんどを子供として過ごしており、エストニアの家庭で養子となった際に父親の誘惑に失敗すると、一家を皆殺しにして家に放火した。病院を脱走した1年後、エスターの名で聖マリアナ女子孤児院に潜伏していた彼女を、コールマン夫妻が引き取った。
実年齢を周囲に隠すために歯医者に行かず、入れ歯をつけている。また病院では拘束衣を着たまま暴れた為、首と手首に傷跡があり、これをリボンで隠している。
コールマン家に越して間もない頃から参戦。
コールマン家に越して間もない頃から参戦。
【マスターとしての願い】
普通に成長する身体を得て、人生を生き直す。
普通に成長する身体を得て、人生を生き直す。
【方針】
優勝狙い。
優勝狙い。
【ロール】
外国人夫婦の娘。小学生。
外国人夫婦の娘。小学生。
【把握媒体】
鯖はゲーム、およびDLC。後半のタンカー編まではほとんど出てきません。
鱒はジャウム・コレット・セラ監督の映画。
鯖はゲーム、およびDLC。後半のタンカー編まではほとんど出てきません。
鱒はジャウム・コレット・セラ監督の映画。