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ティーブレイク

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ティーブレイク ◆7KTvmJPRwQ



「くしょん!」

はしたない、と思いながら口を覆い、次いでお腹に手を当てる。
……冷たい。

「ああ、やっぱり下着を乾かさないの失敗だったのかな」

最初は気持ち悪いだけだった下着が、少しずつ生ぬるくなっていく。
気持ち悪さはぜんぜん無くならないどころか、お腹まで痛くなってきた。
……それと前後して少しずつもよおしてきた感触が、どんどん強くなってる。

「……気持ち悪い」

温める為に両手をお腹に当てる。
気休めでしかないけどやらないよりはマシだと思う。
けど、根本的な気持ちの悪さは下着をどうにかしないとダメかな。

「確かこの辺りに何とかって施設があるのだっけ」

織莉子に関すること以外を記憶するのは頭の容量の無駄なんだけど地図も大体覚えた。
今居るのは多分大きな橋と川がある辺り。

私が何をおいても行くべきなのは美国邸。
あの場所こそ織莉子がいるべき所、そして、私の居られる場所。
庭を彩る数々の薔薇の名前はもう忘れてしまったけど、あの庭は織莉子に良く似合う。
織莉子がいるとしたら、多分あそこだろう。 織莉子もそこに居て、多分私を待っててくれてる。

もう一つ気になったのは見滝原中学。
私がかつていた学校の名前。
今はもうどうでもいい場所でしかないけれど、それでも私に関係ある場所。
織莉子はそのことを覚えていてくれてるかな。
私のどうでもいい事情なんかを織莉子が覚えるのは無駄を通り越して害悪でしかないのだけど、頭のいい織莉子なら覚えてくれてるかな。
そう思うと、もしかしたらそっちにも寄らないといけないかもしれない。

本当なら、魔法少女になって一気に駆け抜けたいのだけど、そうもいかない。
グリーフシードの無いこの状況だと織莉子の役に立てる時間が減ってしまう。
私の織莉子に無限に尽くすと決めてる以上、私を無駄には出来ない。
一秒でも早く織莉子のところに行かないといけないのにそれが出来ない矛盾。
その事を悔やみながら、小島を歩いている。

でも、その前に寄り道しよう。
このままだと、織莉子に見せるのも憚ることになってしまう。
ごめんね織莉子、私は君に会いに行く前に私の事情で寄り道をしてしまう。




「……あったかい」

高そうなマンションの中。
高そうな部屋の高そうなバスルーム。
シャワーから零れるお湯が冷え切った身体を暖めてくれる。
川に落ちたせいでついた匂いも、戦闘でかいていた汗も、気持ち悪さの元も何もかも洗い流してく。
ついでに、手を使い良いにおいのする石鹸を使い全身を洗う。
面倒だしくすぐったいけどタオルを持って入るのを忘れてしまったのでしょうがない。

「この石鹸いい匂い……シャンプーも。
 シャンプーは無理でも石鹸だけでも織莉子に持っていこうかな」

邪魔かな?
織莉子なら私があげたものは喜んでくれるけど内心迷惑だったらどうしよう。

「うーん、そう考えると無いほうが……っと」

しまった、石鹸を落としちゃった。
泡のせいで見えないけど、この辺かな?
あれ、じゃあこっち……あれ、あれ?

「むー、どこ……ひゃっ!?
 いったーーーーー!!」

星が、星が見えたスター!
足で探そうとして石鹸を踏むとか私はまだまだどん臭いのか。
ううう、こんなの織莉子には見せられない。 見せるわけにも行かないような姿勢だし。
織莉子はあんなにふわふわして女の子らしいのに私はなんでこんななんだろ。
胸だって負けてるしお腹とか腕とかもぷにぷにだし……
うう、落ち込むなぁ。




「石鹸を持っていくのはやめよう。
 織莉子が私みたいなドジをするとは思わないけどもしかしたら危険だし」

空調が効いていて快適なのでバスタオルを巻いたままでうろつく。
脱ぎ捨てたどこかの制服は裾が長いので着てから下着を付けるわけにもいかない。
ついでにシャワーに当てた下着は電子レンジに放り込んであるからそのうち乾くだろう。
ソウルジェムさえ手元にあれば何かあってもどうにでもなる。
バスタオルに僅かに付いてる男の人の匂いが気になるけどしかたない。

「きのこか……たけのこには遠く及ばないということをここの主は判ってないね。
 織莉子がたけのこのほうが良いって言ってたからたけのこが至高と決まっているのに。
 私と同じ甘党でも椅子の上に座ってるようなのはダメだね。」

味なんてどうでもいいけどそれが全てだ。
まあ食べるけど。

「むぐむぐ……沢山のモニターのある部屋とかよくわかんない資料とか変な椅子の部屋とかきのことか。
 ……ここが何の施設なのかよくわからないね。 キラ対策本部とかだっけ」

正直わけがわからないよ。
多分ここの主とは気が合わないかな。
昔はきのこの方が好きだった気がするけどそんな記憶は脳の容量の無駄だし。
正直織莉子以外の人とかどうでもいいし。

「けど、ここはどうしようか。
 対策本部ってことは何かに対策してるのだし、モニターとか壊しておいたほうがいいのかなあ?」

適当に紅茶を入れながら考える。
何かよくわからないけど重要そうなものがありそうだ。
だから壊してしまってもいいのだけど、それだと変身しないだめ。
私の魔法は人や魔女はともかく無機物の破壊にはそんなに向いてないし、何より魔力の無駄だ。

「まあ、その辺は織莉子が考えてくれるよね。 ……不味」

織莉子の入れてくれた紅茶とは比べ物にもならない。
砂糖とジャムのおかげで飲めるけど私の腕の無さはどうしようもないか。

「ああ、こうしている時間も勿体ない、早く乾かないかな。 
 こんなにも織莉子が心配なのに3時間と25分も織莉子に会えないなんて、私は恥じ入って埋まってしまいそうだよ」

焦りながら、濡れた服から外しておいたぬいぐるみをドライヤーで乾かす。
これだけは電子レンジなんかで乾かすわけにはいかないし。
濡れたまま放置するなんて論外だ、愛が死んでしまうよ。
ああ、でもこんなことをしてる時間も愛に反してるし。
早く乾かないかな。



――なお数分後、呉キリカは電子レンジでは服は温まるだけで乾かない事を知る。
へちょりながらドライヤーで下着を乾かすのに十数分。
その間に身体が本格的に冷えたのお湯を張るのに十数分。
お湯に浸かりながら泣きつかれて寝てしまい溺れそうになり十数分。
彼女の意思とは裏腹に、キリカは少なくない時間をこの場で過ごすことになってしまうのであった。

【H-5/キラ対策本部/一日目 早朝】

【呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ】
[状態]:精神的疲労(小)、ダメージ(中)、ソウルジェムの穢れ(2割)
[装備]:穂群原学園の制服@Fate/stay night、
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2、キリカの私服(上着、スカート)、お菓子数点(きのこの山他)
[思考・状況]
基本:プレイヤーを殲滅し、織莉子を優勝させる
1:織莉子と合流し、彼女を守る。 当面は美国邸が目的地。
2:まどかとマミは優先的に抹殺。他に魔法少女を見つけたら、同じく優先的に殺害する
3:マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)を警戒。今は手を出さず、金色のロボット(ヴィンセント)を倒す手段を探る
[備考]
※参戦時期は、一巻の第3話(美国邸を出てから、ぬいぐるみをなくすまでの間)
※速度低下魔法の出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です

※キラ対策本部は物色のため棚などが荒らされていますが、お菓子数点がなくなっている以外は元のままです。

【穂群原学園の制服@Fate/stay night】
士郎や桜の通う、穂群原学園で使われている女子用の学生服。
白いシャツにベージュのベスト、黒いスカートから成り立っている。



042:三者三様の準備期間 投下順に読む 044:Fate/kaleid night ハンバーガーころしあむ
054:填まるピースと起爆剤 時系列順に読む 045:「ナナリー・ランぺルージって奴の仕業なんだ」
006:私だけがいればいい 呉キリカ 058:「愛は無限に有限だからね」


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