三者三様の準備期間 ◆H.Y.h6sins
アリスは銃を手に、握り心地を確かめていた。
何時でも狙いを定めて引き金を引けるように。
何時でも狙いを定めて引き金を引けるように。
警視庁の銃器保管室。
それもどうやら警視庁SATという……つまりは特殊部隊用の保管室である。
奥まった上に隔離されており、当然ながら来客用の案内図等にも記されておらず、存在を知る者しか辿り着けない場所だ。
部屋の鍵もすぐ近くには無く、別の偉いさんの個室の鍵の掛かった引き出しの中なんて場所に有った。
セキュリティーは万全だったと言える。
暁美ほむらはやたらと手際よく鍵を盗ってきてそんな部屋を開封して見せた。
どう見ても常習犯である。魔法少女とは一体どんな職業(?)なのか。
それもどうやら警視庁SATという……つまりは特殊部隊用の保管室である。
奥まった上に隔離されており、当然ながら来客用の案内図等にも記されておらず、存在を知る者しか辿り着けない場所だ。
部屋の鍵もすぐ近くには無く、別の偉いさんの個室の鍵の掛かった引き出しの中なんて場所に有った。
セキュリティーは万全だったと言える。
暁美ほむらはやたらと手際よく鍵を盗ってきてそんな部屋を開封して見せた。
どう見ても常習犯である。魔法少女とは一体どんな職業(?)なのか。
しかし開封してすぐ、ほむらの口からは溜息が漏れた。
「半ば予想できていたけれど、腹立たしいわね」
保管室は殆ど空っぽ。
ほむらに連れられてアリスも、他の有りそうな場所を見て回ったがやはり空っぽだった。
それでもここは完全に空っぽではなかっただけマシなのだろう。
「アリス」
「ありがと」
投げ渡された一丁の銃を受け取る。
普段スカート下に隠しているのと同じ位の小さな自動式拳銃で、グロック19というらしい。
カートリッジに十五発、薬室に一発の計十六発が装填されている。
それが合計二丁だけ、この保管室に残されていた。
ほむらとアリスに一丁ずつ、警視庁にあった銃器はそれで全てだった。
「半ば予想できていたけれど、腹立たしいわね」
保管室は殆ど空っぽ。
ほむらに連れられてアリスも、他の有りそうな場所を見て回ったがやはり空っぽだった。
それでもここは完全に空っぽではなかっただけマシなのだろう。
「アリス」
「ありがと」
投げ渡された一丁の銃を受け取る。
普段スカート下に隠しているのと同じ位の小さな自動式拳銃で、グロック19というらしい。
カートリッジに十五発、薬室に一発の計十六発が装填されている。
それが合計二丁だけ、この保管室に残されていた。
ほむらとアリスに一丁ずつ、警視庁にあった銃器はそれで全てだった。
(ホルスターは無いから……このサイズならポケットに入れておけばいいか)
自前の足に付ける隠しホルスターは銃ごと没収されていたから、そのままポケットに仕舞い込む。
ほむらはもっと強力な銃器を求めていたようだが、アリスにとってはむしろ手頃なサイズだ。
(たくさん有っても重みが邪魔になるだけよ)
グロックは銃として非常に軽かったが、それでも銃と弾丸という物は大量に持つとかなりの重量になる。
軍人かつギアスユーザーとして相応に鍛えてはいるが、余計な装備を持たないに越した事はなかった。
それに大口径の銃が有ったところでそう差が有るようには思えなかった。
(どうせあのゼロみたいなのを相手にしたら、ライフルも拳銃もただの誤差だ)
自前の足に付ける隠しホルスターは銃ごと没収されていたから、そのままポケットに仕舞い込む。
ほむらはもっと強力な銃器を求めていたようだが、アリスにとってはむしろ手頃なサイズだ。
(たくさん有っても重みが邪魔になるだけよ)
グロックは銃として非常に軽かったが、それでも銃と弾丸という物は大量に持つとかなりの重量になる。
軍人かつギアスユーザーとして相応に鍛えてはいるが、余計な装備を持たないに越した事はなかった。
それに大口径の銃が有ったところでそう差が有るようには思えなかった。
(どうせあのゼロみたいなのを相手にしたら、ライフルも拳銃もただの誤差だ)
なにせアリス自身、後ろ手に縛られ銃で撃たれて高層ビルから突き落とされても、まあどうにか軽傷で済ませた経験がある。
流石に撃たれ方によっては十分死んでいたと思うし、高層ビルからの落下分はザ・スピードを駆使して凌いだ物だが、
暁美ほむらも同程度の事が可能なようだ。
更に同程度の力を持っている者が自分と彼女ら魔法少女だけと考えるのも都合が良すぎる。
この儀式において、携行レベルの銃器では絶対的に火力不足なのだ。
(特にゼロと戦う羽目になったら、ナイトメアフレームが無いと話にもならない)
流石に撃たれ方によっては十分死んでいたと思うし、高層ビルからの落下分はザ・スピードを駆使して凌いだ物だが、
暁美ほむらも同程度の事が可能なようだ。
更に同程度の力を持っている者が自分と彼女ら魔法少女だけと考えるのも都合が良すぎる。
この儀式において、携行レベルの銃器では絶対的に火力不足なのだ。
(特にゼロと戦う羽目になったら、ナイトメアフレームが無いと話にもならない)
ナイトメアフレームは全長五m程もある搭乗型ロボットであり、戦争の様相を一変させた強力無比な兵器だ。
人が携行できる銃器など比較にもならない、圧倒的な力である。
魔王ゼロはその精鋭部隊を一人で、しかも生身で壊滅させたらしい。
出力も何もかも並外れている最新鋭の機体に蹴り飛ばされても全然平気だったとか。
挙句、アリスが仲間達とやっとの事で追い詰めた異形のKMF・マークネモを空間転移であっさりと救出した。
人が携行できる銃器など比較にもならない、圧倒的な力である。
魔王ゼロはその精鋭部隊を一人で、しかも生身で壊滅させたらしい。
出力も何もかも並外れている最新鋭の機体に蹴り飛ばされても全然平気だったとか。
挙句、アリスが仲間達とやっとの事で追い詰めた異形のKMF・マークネモを空間転移であっさりと救出した。
人造のギアスユーザーであるアリスとは桁が違う、次元が違う。
あれと戦う為にはギアスの力を増幅する専用機に搭乗するだけではまだ足りない。
もしもあれと戦う事になれば。
「……中和剤が要る、か」
「中和剤?」
自分の分の物色を終えたのか、戻ってきたほむらが聞き返してくる。
アリスは頷いて、答えた。
「そう。……そういえばあんたの支給品、バイクと双眼鏡で全部なの?」
「いいえ。もう一つ、薬らしい物が有ったわ」
「ほんと? それ、見せてくれない」
あれと戦う為にはギアスの力を増幅する専用機に搭乗するだけではまだ足りない。
もしもあれと戦う事になれば。
「……中和剤が要る、か」
「中和剤?」
自分の分の物色を終えたのか、戻ってきたほむらが聞き返してくる。
アリスは頷いて、答えた。
「そう。……そういえばあんたの支給品、バイクと双眼鏡で全部なの?」
「いいえ。もう一つ、薬らしい物が有ったわ」
「ほんと? それ、見せてくれない」
C.C.細胞抑制剤があれば、多少無茶なギアスの使い方をしても大丈夫だろう。
それに加えて中和剤が有れば、ゼロと戦う為の条件が一つ揃う。
「構わないけど」
果たしてほむらのデイパックから出てきたものは中和剤と注射用のキットだった。
アリスは幸運に感謝し……すぐに、嫌な予感がした。
ほむらに質問する。
それに加えて中和剤が有れば、ゼロと戦う為の条件が一つ揃う。
「構わないけど」
果たしてほむらのデイパックから出てきたものは中和剤と注射用のキットだった。
アリスは幸運に感謝し……すぐに、嫌な予感がした。
ほむらに質問する。
「中和剤、ね。それとセットで別の薬はなかった? 細胞抑制剤と書いてあるやつ」
「いいえ、これで私の支給品は全部よ」
「……くそ」
無情にも首を振られて、思わず歯噛みした。
「いいえ、これで私の支給品は全部よ」
「……くそ」
無情にも首を振られて、思わず歯噛みした。
C.C.細胞抑制剤、そしてその中和剤。
前者は紛い物のギアスユーザーであるイレギュラーズが、生きるために摂取し続けている薬剤だ。
アリス達イレギュラーズ体内の魔女の細胞は強い力を与えてくれるが、それは身を蝕む諸刃の剣。
生きる為には細胞抑制剤でC.C.細胞を抑え続ける必要がある。
マオほど切羽詰った状態には無いが、抑制剤が無ければ遅かれ早かれ、アリスも何れ死に至る。
そして中和剤とは、普段投与しているC.C.細胞抑制剤を意図的に中和する為の薬剤だった。
抑制しているC.C.細胞を活性化させる事により、ギアスの力を爆発的に増大させるのだ。
前者は紛い物のギアスユーザーであるイレギュラーズが、生きるために摂取し続けている薬剤だ。
アリス達イレギュラーズ体内の魔女の細胞は強い力を与えてくれるが、それは身を蝕む諸刃の剣。
生きる為には細胞抑制剤でC.C.細胞を抑え続ける必要がある。
マオほど切羽詰った状態には無いが、抑制剤が無ければ遅かれ早かれ、アリスも何れ死に至る。
そして中和剤とは、普段投与しているC.C.細胞抑制剤を意図的に中和する為の薬剤だった。
抑制しているC.C.細胞を活性化させる事により、ギアスの力を爆発的に増大させるのだ。
言うまでもなくそれはアリスにとって猛毒である。
中和剤を使った場合、二分以内に細胞抑制剤を再投与する必要がある。
細胞抑制剤の投与が遅れればたちまちアリスは魔女の細胞に“取り殺されて”しまうだろう。
無論、細胞抑制剤無しでの中和剤使用など完全に自殺行為だ。
僅か二分間の神速の後に、アリスの体は醜い肉塊と化し朽ち果てる。
中和剤を使った場合、二分以内に細胞抑制剤を再投与する必要がある。
細胞抑制剤の投与が遅れればたちまちアリスは魔女の細胞に“取り殺されて”しまうだろう。
無論、細胞抑制剤無しでの中和剤使用など完全に自殺行為だ。
僅か二分間の神速の後に、アリスの体は醜い肉塊と化し朽ち果てる。
「単体じゃ使えないっていうのに。まあいいわ。私の穴抜けひも一本とそれ、交換してくれない?」
「ええ、構わないわ」
とはいえ細胞抑制剤を手に入れる事が出来れば有用だ。
アリスは穴抜けひもと交換で中和剤のキットを受け取り、デイパックに放りこんでおいた。
「ええ、構わないわ」
とはいえ細胞抑制剤を手に入れる事が出来れば有用だ。
アリスは穴抜けひもと交換で中和剤のキットを受け取り、デイパックに放りこんでおいた。
「それと、あなたにとって武器になる物が使えなかったみたいだけど、気に病む必要は無いかもしれないわ」
「どういう意味?」
「私達の能力が制限されているという事の、意味よ」
ほむらはそう言って、壁に向けて拳銃を構えてみせる。
蛍光灯に照らされた白い壁。窓の無いこの部屋では明かりをつけても外に漏れる心配は無い。
トリガーが引かれ、乾いた音と共に壁に穴が開いた。
硝煙の臭いがほのかに漂う。
火薬式の銃の煙にアリスは眉をしかめ、足元に居た黒猫は怯えて物陰に飛び込んだ。
「銃弾の火薬量は減らされていないようね」
「それがどういう」
聞き返そうとして気づく。
「そうか。もしこの『儀式』の参加者の特異能力が抑えられていて、銃器の威力が変わらないとしたら……」
「ええ。元の世界では銃が通用しなかった相手も、銃で殺せるかもしれない。
全体の制限が強ければ強いほど、銃で戦える私達は有利になるわ」
希望のある話だった。
要するにこの島でならゼロも、最新鋭のナイトメアフレームで蹴り飛ばせば倒せるかもしれないのだ。
だから何処から持ってくればいいんだ、そんなもの。
「どういう意味?」
「私達の能力が制限されているという事の、意味よ」
ほむらはそう言って、壁に向けて拳銃を構えてみせる。
蛍光灯に照らされた白い壁。窓の無いこの部屋では明かりをつけても外に漏れる心配は無い。
トリガーが引かれ、乾いた音と共に壁に穴が開いた。
硝煙の臭いがほのかに漂う。
火薬式の銃の煙にアリスは眉をしかめ、足元に居た黒猫は怯えて物陰に飛び込んだ。
「銃弾の火薬量は減らされていないようね」
「それがどういう」
聞き返そうとして気づく。
「そうか。もしこの『儀式』の参加者の特異能力が抑えられていて、銃器の威力が変わらないとしたら……」
「ええ。元の世界では銃が通用しなかった相手も、銃で殺せるかもしれない。
全体の制限が強ければ強いほど、銃で戦える私達は有利になるわ」
希望のある話だった。
要するにこの島でならゼロも、最新鋭のナイトメアフレームで蹴り飛ばせば倒せるかもしれないのだ。
だから何処から持ってくればいいんだ、そんなもの。
「……ちょっと弱体化されていても、携行火器じゃ勝てそうにないのが一人居るわ」
「危険な相手なのね」
「魔王よ」
「そう」
「危険な相手なのね」
「魔王よ」
「そう」
魔王ゼロは弱者救済を掲げる黒の騎士団の総帥なのだから、必ずしも危険とはいえない。
だが所属組織は敵対しているし、マークネモを救出に現れた時、ナイトメアフレームに搭乗していたとはいえ見られてもいる。
ザ・スピードの動きを見せれば気づかれてしまうかもしれない。
そして生身でゼロに狙われれば、逃げる他に選択肢は無い。
別世界のゼロのはずだからといって、もしも同じような能力で敵対して現れたらと思うととても楽観できない。
警戒するに越したことはなかった。
だが所属組織は敵対しているし、マークネモを救出に現れた時、ナイトメアフレームに搭乗していたとはいえ見られてもいる。
ザ・スピードの動きを見せれば気づかれてしまうかもしれない。
そして生身でゼロに狙われれば、逃げる他に選択肢は無い。
別世界のゼロのはずだからといって、もしも同じような能力で敵対して現れたらと思うととても楽観できない。
警戒するに越したことはなかった。
ほむらは物陰に飛び込んだ猫を宥めようとしているが、火薬の臭いが付いてしまったせいか怯えられている。
溜息を吐いて、代わりに猫を捕まえてやった。
右手で銃を握ったまま左腕で猫を抱いて、ふと尋ねる。
溜息を吐いて、代わりに猫を捕まえてやった。
右手で銃を握ったまま左腕で猫を抱いて、ふと尋ねる。
「そういえばあんたの知り合いでそういう厄介な相手って居るの?
確か美国織莉子と呉キリカは危険だって言ってたけど」
「そうね。未来視と加速能力の連携が脅威よ。
それ以上に闇討ちや、学校を標的にしたテロと、手段を選ばない事が危険だけれど」
「最低ね、それ」
警戒で胸がざわめく。
その二人も魔法少女で、見た目はほむらやアリスと同じく普通の少女だという。
そんな奴らがナナリーに近づいたらと思うと、怖気がした。
すぐに違う世界のナナリーだと思い直すが、やはり怖気は消えない。
(こいつはどう折り合いをつけてているんだろう)
並行世界に関してアリスは門外漢で、暁美ほむらの方が専門家だ。
それに加えて鹿目まどかについて語る時、アリスは彼女の中に自分を垣間見た。
ほむらの言葉を信じていいと判断したのだ。
だけど感情は別だった。
今だって何もかもかなぐり捨ててナナリーを捜しに走りたいと思っている。
(あんたも同じ気持ちのはず……なのよね)
並行世界という概念を知ったばかりで実感が追いついていないのかもしれない。
気持ちがざわざわと落ち着かない。
暁美ほむらは今、どんな気持ちでいるのだろう。
確か美国織莉子と呉キリカは危険だって言ってたけど」
「そうね。未来視と加速能力の連携が脅威よ。
それ以上に闇討ちや、学校を標的にしたテロと、手段を選ばない事が危険だけれど」
「最低ね、それ」
警戒で胸がざわめく。
その二人も魔法少女で、見た目はほむらやアリスと同じく普通の少女だという。
そんな奴らがナナリーに近づいたらと思うと、怖気がした。
すぐに違う世界のナナリーだと思い直すが、やはり怖気は消えない。
(こいつはどう折り合いをつけてているんだろう)
並行世界に関してアリスは門外漢で、暁美ほむらの方が専門家だ。
それに加えて鹿目まどかについて語る時、アリスは彼女の中に自分を垣間見た。
ほむらの言葉を信じていいと判断したのだ。
だけど感情は別だった。
今だって何もかもかなぐり捨ててナナリーを捜しに走りたいと思っている。
(あんたも同じ気持ちのはず……なのよね)
並行世界という概念を知ったばかりで実感が追いついていないのかもしれない。
気持ちがざわざわと落ち着かない。
暁美ほむらは今、どんな気持ちでいるのだろう。
そんな気持ちを露知らず、ほむらは話の続きに、
「後は……ある意味では巴マミも、かしらね」
表情に明確な陰りを落としながら、付け足した。
「後は……ある意味では巴マミも、かしらね」
表情に明確な陰りを落としながら、付け足した。
「何か訳ありそうね」
アリスの言葉にほむらは頷き。
「ええ。でもこの話の続きはそこで立ち聞きしている男に話を聞いてからにしましょうか」
「ま、そうね」
二人で同時に振り返り、部屋の入り口へと銃を向けた。
「出てきなさい。居るのはわかってるんだ」
アリスの言葉にほむらは頷き。
「ええ。でもこの話の続きはそこで立ち聞きしている男に話を聞いてからにしましょうか」
「ま、そうね」
二人で同時に振り返り、部屋の入り口へと銃を向けた。
「出てきなさい。居るのはわかってるんだ」
……ほんの少しだけ間があって。
ゆっくりと、両手を上げた青年が歩み出てきた。
「立ち聞きしてすまない。だけど話を聞いてもらえるのはありがたいよ」
申し訳なさそうな表情と、武器を持たない手に敵意は感じられなかった。
ただ、その瞳の奥には何か強い意志が秘められていた。
まるで世界すら変革しようという、強い意思が。
「僕の名は夜神月、警察官の息子だ。危険人物の情報を共有したいと思っている」
ゆっくりと、両手を上げた青年が歩み出てきた。
「立ち聞きしてすまない。だけど話を聞いてもらえるのはありがたいよ」
申し訳なさそうな表情と、武器を持たない手に敵意は感じられなかった。
ただ、その瞳の奥には何か強い意志が秘められていた。
まるで世界すら変革しようという、強い意思が。
「僕の名は夜神月、警察官の息子だ。危険人物の情報を共有したいと思っている」
* * *
警視庁の、休憩室の一つで。
コポコポという音と共に、芳しい香りが広がる。
ひとまずは落ち着いて話をしようと、コーヒータイムが提案されたのだ。
コポコポという音と共に、芳しい香りが広がる。
ひとまずは落ち着いて話をしようと、コーヒータイムが提案されたのだ。
アリスは「呑気すぎない?」と疑問を呈したが、情報交換の重要性は理解している。
それに銃器の調達に掛かった時間を考えると、今から西の爆発現場に向かっても間に合わないだろう。
戦闘が終了する程度の時間は経過していた。
それに銃器の調達に掛かった時間を考えると、今から西の爆発現場に向かっても間に合わないだろう。
戦闘が終了する程度の時間は経過していた。
「まずは冷静に、落ち着く事が肝要だよ。こんな時だからこそ、ね」
そう言うと月は、アリス達が用意したカップでコーヒーを飲んでみせた。
毒殺を疑ってはいないというアピールだろう。
それでもほむらはコーヒーに口をつける事なく、淡々と問を口にした。
「それで、あなたの側から得られる情報はどんな物なのかしら」
「ああ。殺人鬼キラと、それに協力する集団の話だ」
そう言うと月は、アリス達が用意したカップでコーヒーを飲んでみせた。
毒殺を疑ってはいないというアピールだろう。
それでもほむらはコーヒーに口をつける事なく、淡々と問を口にした。
「それで、あなたの側から得られる情報はどんな物なのかしら」
「ああ。殺人鬼キラと、それに協力する集団の話だ」
月の話によるとL、ニア、メロ、松田桃太、南空ナオミの五人。
この五人は殺人鬼キラに加担し、キラ事件を追っていた月に濡れ衣を着せ偽のキラに仕立て上げた悪人だという。
また、名前を書くだけで人を殺せるノート等も恐ろしく興味深い話だった。
しかしアリスは一つだけ、聞いておきたい事があった。
「この儀式に居る五人が、あなたの知る五人だという確証は有るの?」
「……どういう事だい?」
「私が説明するわ」
月の疑問に、ほむらが答えた。
暁美ほむらの考察……この『儀式』の参加者は一人一人が違う世界から集められている、という話を。
「つまりこの儀式に居るその五人は、あなたの知る物とは違う世界の者達という事よ」
「それは……まさか。いや、ならば少しだけ訂正させて貰えるかな」
思考が早い。
数瞬で思考を整理したらしく、月は訂正を口にした。
松田桃太は、他の者達に唆された可能性が有ると。
「僕の世界の彼は、無実の僕を裏切り嵌めた男だ。だけどそれまでは信頼関係に有ったはずなんだ。
それは僕の勘違いだったのかもしれない。
だけど彼に出会ったらそれぞれが別の世界の人物という話と共に、確認をしてみて欲しい。
例えば彼がもし僕をキラと言うならば……やはり彼は、同じ人物だ」
「他の人達は?」
「残念だけれど、世界が違ったとしても同じ名前を与えられ同じように育ったとすれば、分かり合える人間には思えない」
この五人は殺人鬼キラに加担し、キラ事件を追っていた月に濡れ衣を着せ偽のキラに仕立て上げた悪人だという。
また、名前を書くだけで人を殺せるノート等も恐ろしく興味深い話だった。
しかしアリスは一つだけ、聞いておきたい事があった。
「この儀式に居る五人が、あなたの知る五人だという確証は有るの?」
「……どういう事だい?」
「私が説明するわ」
月の疑問に、ほむらが答えた。
暁美ほむらの考察……この『儀式』の参加者は一人一人が違う世界から集められている、という話を。
「つまりこの儀式に居るその五人は、あなたの知る物とは違う世界の者達という事よ」
「それは……まさか。いや、ならば少しだけ訂正させて貰えるかな」
思考が早い。
数瞬で思考を整理したらしく、月は訂正を口にした。
松田桃太は、他の者達に唆された可能性が有ると。
「僕の世界の彼は、無実の僕を裏切り嵌めた男だ。だけどそれまでは信頼関係に有ったはずなんだ。
それは僕の勘違いだったのかもしれない。
だけど彼に出会ったらそれぞれが別の世界の人物という話と共に、確認をしてみて欲しい。
例えば彼がもし僕をキラと言うならば……やはり彼は、同じ人物だ」
「他の人達は?」
「残念だけれど、世界が違ったとしても同じ名前を与えられ同じように育ったとすれば、分かり合える人間には思えない」
月は更に話を続ける。
ゲーチスという男と、美樹さやかという少女に出会ったという。
「そう。美樹さやかに出会ったのね」
暁美ほむらが、軽く目を細める。
「どういう風に言っていたかは予想が付くけど」
月は頷き、気まずげに口にする。
「ああ。彼女は君をひどく扱き下ろして、巴マミを賞賛していたけれど……」
「……美樹さやかとは反りが合わないし、誤解もあるけれど正す気も無いわ。
それと巴マミは基本的に善良な魔法少女よ。おかしな事ではないわ」
ほむらはあっさりとそう認めた。
だがそれならば、ある意味で危険というのはどういう事なのか。
ほむらの表情には憂いが見えた。
「彼女は正義の味方である事に依存しているのよ。それが場面によっては危険という事。
一度崩れれば、短絡的な行動に出てしまう程に」
「美樹さやかの話とは少し違うな」
「彼女は前しか見えないのよ。時折本質を見抜くけれど、大抵は表面上しか見えていない」
「彼女よりも巴マミについて詳しいのかい?」
「ええ。この世界の巴マミは全くの別人でしょうけど、かつて、私が居た世界の彼女は魔法少女としての、
先輩のようなものだったわ。……多分、本質は同じはずよ」
そこまで問答を繰り返してから、暁美ほむらは息を吐いた。
「話しすぎたわね。それより聞きたい事があるのだけれど」
ゲーチスという男と、美樹さやかという少女に出会ったという。
「そう。美樹さやかに出会ったのね」
暁美ほむらが、軽く目を細める。
「どういう風に言っていたかは予想が付くけど」
月は頷き、気まずげに口にする。
「ああ。彼女は君をひどく扱き下ろして、巴マミを賞賛していたけれど……」
「……美樹さやかとは反りが合わないし、誤解もあるけれど正す気も無いわ。
それと巴マミは基本的に善良な魔法少女よ。おかしな事ではないわ」
ほむらはあっさりとそう認めた。
だがそれならば、ある意味で危険というのはどういう事なのか。
ほむらの表情には憂いが見えた。
「彼女は正義の味方である事に依存しているのよ。それが場面によっては危険という事。
一度崩れれば、短絡的な行動に出てしまう程に」
「美樹さやかの話とは少し違うな」
「彼女は前しか見えないのよ。時折本質を見抜くけれど、大抵は表面上しか見えていない」
「彼女よりも巴マミについて詳しいのかい?」
「ええ。この世界の巴マミは全くの別人でしょうけど、かつて、私が居た世界の彼女は魔法少女としての、
先輩のようなものだったわ。……多分、本質は同じはずよ」
そこまで問答を繰り返してから、暁美ほむらは息を吐いた。
「話しすぎたわね。それより聞きたい事があるのだけれど」
そう言ってほむらは質問を投げかけた。
アカギに関して判る事は無いか?
アカギに関して判る事は無いか?
これはほぼ空振りだった。
月の世界のデスノートによる死は参加者に刻まれた呪術式を思わせたが、確証には至らず。
むしろこれについては暁美ほむらが理解できるようだが、やはり解除は難しいようだ。
月の世界のデスノートによる死は参加者に刻まれた呪術式を思わせたが、確証には至らず。
むしろこれについては暁美ほむらが理解できるようだが、やはり解除は難しいようだ。
アカギという人物そのものに至っては完全に判らない。
ゲーチスという男は名簿の名前に六つ前後知っている物が有った(ただし殆どは一方的に知る有名人や一部種族の名前らしい)が、空振り。
月も前述の五名に加えて父親で六つ知っている名前が有ったが、やはりアカギという男など知らないという。
ゲーチスという男は名簿の名前に六つ前後知っている物が有った(ただし殆どは一方的に知る有名人や一部種族の名前らしい)が、空振り。
月も前述の五名に加えて父親で六つ知っている名前が有ったが、やはりアカギという男など知らないという。
「あの男を知る者は殆ど居ないのかもしれないわね」
確かに、アリス達が出会った乾巧達もアカギを知らなかった。
彼らが知る名前を全て足し合わせれば全参加者の四分の三程に上るというのに、アカギに繋がる手がかりは無しだ。
無論、その中の誰かがアカギを知っている可能性は有るが……
あの会場で上がった、アカギを知っているらしい声は誰のものなのだろう。
「そもそもそれがその人の世界のアカギかも不明なのよね」
「ええ。あの声の人物の世界より、もっとずっと強大な力を手に入れたアカギかもしれないわ」
ますますお手上げだった。
確かに、アリス達が出会った乾巧達もアカギを知らなかった。
彼らが知る名前を全て足し合わせれば全参加者の四分の三程に上るというのに、アカギに繋がる手がかりは無しだ。
無論、その中の誰かがアカギを知っている可能性は有るが……
あの会場で上がった、アカギを知っているらしい声は誰のものなのだろう。
「そもそもそれがその人の世界のアカギかも不明なのよね」
「ええ。あの声の人物の世界より、もっとずっと強大な力を手に入れたアカギかもしれないわ」
ますますお手上げだった。
ふと、アリスは一瞬違和感を覚えた。
これまでの暁美ほむらの言葉に、何か。
「それじゃ、情報交換の続きをしましょう」
(……気のせい?)
違和感が何かは分からなかった。
これまでの暁美ほむらの言葉に、何か。
「それじゃ、情報交換の続きをしましょう」
(……気のせい?)
違和感が何かは分からなかった。
その後もアリスとほむらは、しばらく夜神月と情報を交換し、別れた。
夜神月は情報収集と拡散を少しでも早く行いたいらしい。
彼はすぐに出ていき、自分に支給されたバイクで走り去っていった。
アリスとほむらもこれから、既に戦闘は終わっているであろう爆発音の方向に向かい情報を集める事になる。
夜神月は情報収集と拡散を少しでも早く行いたいらしい。
彼はすぐに出ていき、自分に支給されたバイクで走り去っていった。
アリスとほむらもこれから、既に戦闘は終わっているであろう爆発音の方向に向かい情報を集める事になる。
アリスは、気づいていない。
暁美ほむらが美国織莉子と呉キリカの危険度を、巴マミの危うさを語った言葉。
月が松田桃太だけを訂正した理由。
アカギの情報を、彼に見覚えのあった誰かから得ようとする行為。
暁美ほむらが美国織莉子と呉キリカの危険度を、巴マミの危うさを語った言葉。
月が松田桃太だけを訂正した理由。
アカギの情報を、彼に見覚えのあった誰かから得ようとする行為。
元の世界での知り合いの情報を判断材料にするという事は、それが元とほぼ同じ存在だと考えているという事に。
無論、それは『何もかもまるっきり同じだけれど別々の並行世界から連れてこられた』と考えても良い。
説明がつかないわけではない。
明確に矛盾しているわけではない。だけど。
それはまるで、『並行世界は別々だけれどそれぞれの世界に居る人物は共通している』と考えているようではないか。
アリスは、違和感の正体に気づかない。
説明がつかないわけではない。
明確に矛盾しているわけではない。だけど。
それはまるで、『並行世界は別々だけれどそれぞれの世界に居る人物は共通している』と考えているようではないか。
アリスは、違和感の正体に気づかない。
* * *
暁美ほむらは想い。
悩み。
考える。
鹿目まどかを救うために最も効果的な手段は何か。
悩み。
考える。
鹿目まどかを救うために最も効果的な手段は何か。
ただそれだけを思い時間軸を渡り歩いてきた。
ただそれだけの為に本来の自分の世界と縁を切り歩き続けてきた。
何度挑んでも敵わなかった。
幾度抗っても朽ち果てた。
ただの一度の勝利さえも無く。
負けて。
負けて。
失い続けてきた。
ただそれだけの為に本来の自分の世界と縁を切り歩き続けてきた。
何度挑んでも敵わなかった。
幾度抗っても朽ち果てた。
ただの一度の勝利さえも無く。
負けて。
負けて。
失い続けてきた。
暁美ほむらにとって、『自分の世界』という場所は存在しない。
暁美ほむらにとって、『自分の世界』とは繰り返し続けてきた全ての時間軸である。
暁美ほむらにとって、『鹿目まどか』とはありとあらゆる時間軸全ての鹿目まどかである。
暁美ほむらにとって、『鹿目まどか』とは全てである。
そう、考えていた。
暁美ほむらにとって、『自分の世界』とは繰り返し続けてきた全ての時間軸である。
暁美ほむらにとって、『鹿目まどか』とはありとあらゆる時間軸全ての鹿目まどかである。
暁美ほむらにとって、『鹿目まどか』とは全てである。
そう、考えていた。
だからこの島に連れて来られた時、最初は鹿目まどかの元に走ろうとして。
すぐに、アカギの言葉を思い出し取りやめたのは知っての通りだ。
すぐに、アカギの言葉を思い出し取りやめたのは知っての通りだ。
(あの男は私達をこう呼んだ。『数多の時間、空間という可能性宇宙のひとつひとつから選び出された戦士たち』と」
それはおぞましい囁きだった。
暁美ほむらの根底を突き崩す程に禍々しく。
同時に染み入ってくる絶望を打ち払う程の、鮮烈な希望だった。
暁美ほむらの根底を突き崩す程に禍々しく。
同時に染み入ってくる絶望を打ち払う程の、鮮烈な希望だった。
可能性宇宙の全てが同時に存在するという事。
それにより鹿目まどかがそれぞれの世界の鹿目まどかであると考える事は、暁美ほむらにとって非常に危険な発想である。
考え方としておかしな物ではなかったが、選ばないできた解釈だ。
それにより鹿目まどかがそれぞれの世界の鹿目まどかであると考える事は、暁美ほむらにとって非常に危険な発想である。
考え方としておかしな物ではなかったが、選ばないできた解釈だ。
暁美ほむらは、何処かの世界で一度でも鹿目まどかを救えればそれで良いと思い行動してきている。
全ての可能性世界における鹿目まどかを鹿目まどかだと認識しているからだ。
そうでなければ意味が無い。
鹿目まどかが個々の世界で別々の人物だと解釈してしまえば、暁美ほむらが守るべき鹿目まどかなど最早居ない。
とうの昔に死んでしまい、失われてしまっている。
鹿目まどかをそれぞれの世界の鹿目まどかと定義するのであれば、
暁美ほむらは、全ての世界において鹿目まどかを救わなければならなかったのだ。
もう手遅れだという言葉すらも否定して。
全ての可能性世界における鹿目まどかを鹿目まどかだと認識しているからだ。
そうでなければ意味が無い。
鹿目まどかが個々の世界で別々の人物だと解釈してしまえば、暁美ほむらが守るべき鹿目まどかなど最早居ない。
とうの昔に死んでしまい、失われてしまっている。
鹿目まどかをそれぞれの世界の鹿目まどかと定義するのであれば、
暁美ほむらは、全ての世界において鹿目まどかを救わなければならなかったのだ。
もう手遅れだという言葉すらも否定して。
守る事に失敗し、死に絶えた世界すらも許容した上で、もう死んでしまった鹿目まどか達を救わねばならないのだ。
これまでただの一度も守り切る事が出来なかった全てを。
守りきれずに失われてしまった全てを。
守りきれずに失われてしまった全てを。
無理だ。
不可能だ。
絶望的な条件だ。
そもそも暁美ほむらの魔法では一度干渉し失敗した時間軸に戻る事さえも出来ないのだ。
人を生き返らせる事も、魔法少女の契約を反故にする事も出来ない。
だがしかし。
不可能だ。
絶望的な条件だ。
そもそも暁美ほむらの魔法では一度干渉し失敗した時間軸に戻る事さえも出来ないのだ。
人を生き返らせる事も、魔法少女の契約を反故にする事も出来ない。
だがしかし。
『数多の時間、空間という可能性宇宙のひとつひとつから選び出された戦士たち』
この世界であれば。
全く別の要素を持ち別の歴史を辿った世界の力があれば。
この舞台を創りだしたアカギの力があれば。
これまで暁美ほむらが辿ってきた時間軸の全てに、辿っていない時間軸の全てにまで介入し。
如何なる可能性宇宙においても、須らく、そして永遠に、ありとあらゆる鹿目まどかを救う事が出来るのではないか。
全く別の要素を持ち別の歴史を辿った世界の力があれば。
この舞台を創りだしたアカギの力があれば。
これまで暁美ほむらが辿ってきた時間軸の全てに、辿っていない時間軸の全てにまで介入し。
如何なる可能性宇宙においても、須らく、そして永遠に、ありとあらゆる鹿目まどかを救う事が出来るのではないか。
暁美ほむらよりも遥かに、守る必要が無い程に強く。
なのにもはや何をどう足掻いても手遅れな。
契約を済ませてしまっていた場合も最後まで共に抗い、しかし当然のようにどうしようもなかった魔法少女のまどかさえも。
“守る”事すら無意味なまどかさえも、“救える”のではないか。
なのにもはや何をどう足掻いても手遅れな。
契約を済ませてしまっていた場合も最後まで共に抗い、しかし当然のようにどうしようもなかった魔法少女のまどかさえも。
“守る”事すら無意味なまどかさえも、“救える”のではないか。
(まどか)
ほむらは心中でその名を呟き、想う。
鹿目まどかをそれぞれの世界で別の鹿目まどかと定義するならば、
ほむらの親友にまでなれたまどかは、魔法少女である鹿目まどかだけだった。
鹿目まどかをそれぞれの世界で別の鹿目まどかと定義するならば、
ほむらの親友にまでなれたまどかは、魔法少女である鹿目まどかだけだった。
魔法少女でない鹿目まどかには一線を引いて、隠し事をして接しなければならなかったから。
あるいはほむらが近くに居る事により余計な危険までも招き、魔法少女にまどかが殺された事すら有ったから。
ほむらは人間である鹿目まどかを冷たく突き放さなければならなかった。
あるいはほむらが近くに居る事により余計な危険までも招き、魔法少女にまどかが殺された事すら有ったから。
ほむらは人間である鹿目まどかを冷たく突き放さなければならなかった。
ほむらが守らねばならない人間の鹿目まどかにとって、ほむらは冷酷ですらある謎の少女でしかないだろう。
(まどか)
それでも暁美ほむらが挫ける事は決してない。
立ち止まれば全てが終わってしまう。
歩き続けるしかない。
走り続けるしかない。
どれほどに終わってしまっていても諦める事は出来ない。
ただ目的とそれを果たすための手段を考え続けるしか。
立ち止まれば全てが終わってしまう。
歩き続けるしかない。
走り続けるしかない。
どれほどに終わってしまっていても諦める事は出来ない。
ただ目的とそれを果たすための手段を考え続けるしか。
(まどか……!)
目的は全ての鹿目まどかの救済。
鹿目まどかをそれぞれの世界で別の鹿目まどかと解釈した以上、暁美ほむらは全ての鹿目まどかを救わなければならない。
その為にはこれまでほむらが辿ってきた全ての時間軸にも“帰還”する必要がある。
だがそれは意味のない“帰還”であってはならない。
鹿目まどかをそれぞれの世界で別の鹿目まどかと解釈した以上、暁美ほむらは全ての鹿目まどかを救わなければならない。
その為にはこれまでほむらが辿ってきた全ての時間軸にも“帰還”する必要がある。
だがそれは意味のない“帰還”であってはならない。
もしただ帰還すれば、またあの一ヶ月を繰り返すだけだ。
それはもう、手詰まりだ。
繰り返し続ければ何時か活路を見いだせると信じ続けてきた。
だけど繰り返す度に出会い失われていくまどかを救おうなんて、絶望が積み立てられていくだけだ。
それはもう、手詰まりだ。
繰り返し続ければ何時か活路を見いだせると信じ続けてきた。
だけど繰り返す度に出会い失われていくまどかを救おうなんて、絶望が積み立てられていくだけだ。
暁美ほむらは希望を掴んだ上で帰還しなければならない。
それは“奇跡”と言い換えても良かった。
一度きりの、既に使い果たした願いを、もう一度この手に掴む。
それは“奇跡”と言い換えても良かった。
一度きりの、既に使い果たした願いを、もう一度この手に掴む。
『“奇跡”を手に入れた上でこれまで辿ってきた全ての時間軸に“帰還”すること』
まるで夢物語だ。
だけどもそれが、今の暁美ほむらの最終的な目的だった。
だけどもそれが、今の暁美ほむらの最終的な目的だった。
(私は必ずあなたを救って見せる。“守る”事ができなかった全てのあなたまでも)
だから暁美ほむらは、考えたのだ。
その為に何を果たすかを。
その為に何を果たすかを。
(選択肢は二つ。あのアカギという男に従うか、あるいはあのアカギという男の力を奪う事。
前者は仮に勝ち残ってもアカギに裏切られるリスクが有るし、後者は前者よりも不可能に近い難題ね)
前者は仮に勝ち残ってもアカギに裏切られるリスクが有るし、後者は前者よりも不可能に近い難題ね)
そして両方に共通する、手段を。
『この『儀式』の舞台に放りこまれた者たちは一人一人が違う世界から来た可能性がある。そういうコトよ……』
まずは味方が必要だ。
アカギから力を奪うのであれば一人でも多くの協力者が必要だし、優勝を目指すにしても損はない。
仲間だと信じている者の不意打ちに抗するのは難しい。
かつて、ほむら自身が経験したように。
アカギから力を奪うのであれば一人でも多くの協力者が必要だし、優勝を目指すにしても損はない。
仲間だと信じている者の不意打ちに抗するのは難しい。
かつて、ほむら自身が経験したように。
本音を言えば最悪の苦手分野だ。
暁美ほむらは、自分にコミュニケーション能力が欠如している事を自覚していた。
腹芸の類も巴マミ辺りの方がこなせるだろう。
感情的な演技など出来るはずもない。
暁美ほむらは、自分にコミュニケーション能力が欠如している事を自覚していた。
腹芸の類も巴マミ辺りの方がこなせるだろう。
感情的な演技など出来るはずもない。
暁美ほむらに出来る詐術が有るとすればそれはただ一つ。
自らの感情を漏らしすぎず、ただ与える情報を制御する。
不器用者に出来るのはその位だった。
自らの感情を漏らしすぎず、ただ与える情報を制御する。
不器用者に出来るのはその位だった。
『私たちが本当に守りたい人は、『私たちの世界』にしかいないの。
ここで私たちが死んでしまったら、『私たちの世界』にいるその子は誰が守るの?』
ここで私たちが死んでしまったら、『私たちの世界』にいるその子は誰が守るの?』
暁美ほむらにとって、自らが訪れる全ての世界は『私の世界』だ。
この世界さえも。
それでもアリスにそう騙ったのは、彼女の優先順位において、友人の捜索を後回しにさせたかったからだ。
今のところ、それは効果的に作用している。
爆発という目立つ事件の現場に最優先で急行されては、いない。
この世界さえも。
それでもアリスにそう騙ったのは、彼女の優先順位において、友人の捜索を後回しにさせたかったからだ。
今のところ、それは効果的に作用している。
爆発という目立つ事件の現場に最優先で急行されては、いない。
もちろん武器が必要だという理性的な判断が有ったのは間違いないだろう。
だが行き先を決めるという判断において信頼されているのも確かだ。
特に理由が無ければ、アリスはほむらの行き先に従ってくれるだろう。
上手くいけば、彼女の行動をコントロールする事も可能だろう。
だが行き先を決めるという判断において信頼されているのも確かだ。
特に理由が無ければ、アリスはほむらの行き先に従ってくれるだろう。
上手くいけば、彼女の行動をコントロールする事も可能だろう。
(そう、有用な手駒になるわ)
心の中で呟く。
それを確かめるように。
それを確かめるように。
(その為に私は、彼女を引き込んだ)
それが目的なのだと、自らに言い聞かせるように。
奇跡を前に手を汚す事を恐れる理由なんて、もう無いはずだ。
だから、ほんとうは。
だから、ほんとうは。
感傷に囚われて、あの想い出にすら関係の無い猫を拾っている場合ではなくて。
気まぐれな優しさで、乾巧に励ましの言葉などかける事も。
罪悪感から逡巡し、アリスを誘導する偽りの否定を求める事も。
ほんの少しだけ、かつての先輩であり、後に半ば障害と化した巴マミに想いを馳せる事も。
“奇跡”を手にして救うのならば、今この儀式にいる鹿目まどかも守りたいと思う事すら。
全ては余分で。
もしアカギの手がかりが見つからず力を奪えそうにないのなら、裏切られるリスク込みで優勝を目指さざるを得ないのだと。
判ってはいた。
理解しては、いた。
理解しては、いた。
(……結論を出すには早いわ。まだ手がかりは有るはず)
アカギについて、少なくとも『魔女のくちづけを応用した呪術式』を使っている事は判明している。
繰り返しによりベテラン魔法少女の中でも一際長いキャリアを持つ暁美ほむらにとっては、有用な手がかりのはずだ。
しかしそれも決定的な手がかりにはならない。
魔法少女の魔法は技術ではなく能力であり、その仕組みを理解するわけではない。
殆どの魔法少女はソウルジェムが何なのか、魔女がどうやって生まれるのかも知らないのだ。
幾度も時間を繰り返したほむらと、契約時に未来視の力を持つ美国織莉子だけが例外であり、
その例外であるほむらをもってしても解除法は見えないのだ。
(もう少し情報を集めてからで良いはずよ)
それでもまだ、決断には至らない。
ほむらを信頼するアリスを手駒として使い、裏切り、この儀式の場の鹿目まどかを見殺しにして。
全てを殺し尽くす決断には。
繰り返しによりベテラン魔法少女の中でも一際長いキャリアを持つ暁美ほむらにとっては、有用な手がかりのはずだ。
しかしそれも決定的な手がかりにはならない。
魔法少女の魔法は技術ではなく能力であり、その仕組みを理解するわけではない。
殆どの魔法少女はソウルジェムが何なのか、魔女がどうやって生まれるのかも知らないのだ。
幾度も時間を繰り返したほむらと、契約時に未来視の力を持つ美国織莉子だけが例外であり、
その例外であるほむらをもってしても解除法は見えないのだ。
(もう少し情報を集めてからで良いはずよ)
それでもまだ、決断には至らない。
ほむらを信頼するアリスを手駒として使い、裏切り、この儀式の場の鹿目まどかを見殺しにして。
全てを殺し尽くす決断には。
暁美ほむらの中には躊躇いが有った。
* * *
夜神月はジャイロアタッカーを走らせながら、考える。
あの二人は上手く危険人物の情報を流してくれるだろうか?
(確信は持てないな。油断のならない二人だった)
あの二人は上手く危険人物の情報を流してくれるだろうか?
(確信は持てないな。油断のならない二人だった)
結局、暁美ほむらはコーヒーに口をつけなかった。
それは彼女の警戒心の表れだろう。
二人とも銃の扱いにも手慣れた様子で、しかも月の来訪にすぐに気づいていたようだった。
さやか達の時と違いすぐに出ていかなかったのは、慎重さを見せた方が良い相手だと判断したからと、
彼女達の立ち話にも若干興味を抱いたからだ。
それは彼女の警戒心の表れだろう。
二人とも銃の扱いにも手慣れた様子で、しかも月の来訪にすぐに気づいていたようだった。
さやか達の時と違いすぐに出ていかなかったのは、慎重さを見せた方が良い相手だと判断したからと、
彼女達の立ち話にも若干興味を抱いたからだ。
その後の情報交換の内容も興味深かった。
参加者が全て別の可能性宇宙から連れてこられたというのは月にはなかった発想だ。
自らが“死後から”連れてこられた事から、死後の人間はその手段で連れて来られた物で、
人間の世界と死神界の様に大きく違う世界から拉致されたのだと思っていた。
参加者が全て別の可能性宇宙から連れてこられたというのは月にはなかった発想だ。
自らが“死後から”連れてこられた事から、死後の人間はその手段で連れて来られた物で、
人間の世界と死神界の様に大きく違う世界から拉致されたのだと思っていた。
だが暁美ほむらから少し漏れた話によると、彼女の世界では美樹さやかも死んだ人物らしい。
あの場で出会った彼女はそんな様子を見せなかった。
隠していただけかもしれないが、どうも“生きている世界から連れてこられた”と見るのが正しいらしい。
あの場で出会った彼女はそんな様子を見せなかった。
隠していただけかもしれないが、どうも“生きている世界から連れてこられた”と見るのが正しいらしい。
(少し違う、殆ど同じ世界の存在……平行世界説か。量子論の波動関数の解釈の一つだったかな)
魔法のような、というよりはSF的な話だ。
全ての物質は可能性の波の様な物であり、人の見ている世界はその断面であるという説だったか。
魔法のような、というよりはSF的な話だ。
全ての物質は可能性の波の様な物であり、人の見ている世界はその断面であるという説だったか。
現代科学はこの平行世界説をあまり重要視していない。
もっと分かりやすい数式の出せる説が有り、そちらでも同じ答えが出せるからだ。
干渉する事が不可能ならば、平行世界が存在していてもいなくても変わらない。
重要なのは『それが現実にどう関係有るか』なのだ。
もっと分かりやすい数式の出せる説が有り、そちらでも同じ答えが出せるからだ。
干渉する事が不可能ならば、平行世界が存在していてもいなくても変わらない。
重要なのは『それが現実にどう関係有るか』なのだ。
(要点はL達がキラの正体を知らない、あるいはキラが居ない世界から来たかもしれない事だ。
松田の奴は単純だから、仮に僕と同じ世界でも『キラが別に居る平行世界の僕』と言われれば敵対は出来ないはずだ。
信じたい別の真実を用意してやればそちらを信じるだろう。
だけどLとニアはダメだ。
仮に僕がキラだと知らなかったとしても、この島での僕の動きに食いついてくる……脅威になる。
メロも『かもしれない』という疑惑があれば、僕を拷問にかける位はするだろう。
南空ナオミも『知っていた場合』は、別の世界の僕と言った所で止まるかどうか。
あいつらを利用するのは危険過ぎる)
松田の奴は単純だから、仮に僕と同じ世界でも『キラが別に居る平行世界の僕』と言われれば敵対は出来ないはずだ。
信じたい別の真実を用意してやればそちらを信じるだろう。
だけどLとニアはダメだ。
仮に僕がキラだと知らなかったとしても、この島での僕の動きに食いついてくる……脅威になる。
メロも『かもしれない』という疑惑があれば、僕を拷問にかける位はするだろう。
南空ナオミも『知っていた場合』は、別の世界の僕と言った所で止まるかどうか。
あいつらを利用するのは危険過ぎる)
やはり安全策は彼らを始末する事だ。
それは変わらない、だけど。
もし彼らと直接出会うことがあれば、どうする?
それは変わらない、だけど。
もし彼らと直接出会うことがあれば、どうする?
その場合は、この流言が裏目に出かねない。
キラとして嵌められたと言ってしまった以上、『キラなんて知らない、それは別の世界の出来事だ』という言い逃れが出来ない。
もちろんそんな物は苦しい言い訳にすぎないが、確実な証拠を求めるLやニアが相手なら少しは間を持たせられる。
(これまでに流した分は仕方がないとしても、内容を加工するか?
いや、そんな小細工より遭遇した時に確実にあいつらを始末する方が効果的だな)
キラとして嵌められたと言ってしまった以上、『キラなんて知らない、それは別の世界の出来事だ』という言い逃れが出来ない。
もちろんそんな物は苦しい言い訳にすぎないが、確実な証拠を求めるLやニアが相手なら少しは間を持たせられる。
(これまでに流した分は仕方がないとしても、内容を加工するか?
いや、そんな小細工より遭遇した時に確実にあいつらを始末する方が効果的だな)
そして考える。
もしそれぞれが別の世界から来たとすれば。
あるいはそれを言い訳にできるとすれば。
父である夜神総一郎と、今のところ情報交換で存在を伏せている弥海砂にはどんな影響をもたらすのだろうか。
もしそれぞれが別の世界から来たとすれば。
あるいはそれを言い訳にできるとすれば。
父である夜神総一郎と、今のところ情報交換で存在を伏せている弥海砂にはどんな影響をもたらすのだろうか。
(ミサの事は引き続き伏せておいた方が良いな。
僕の為に行動するミサなら、過激な行動を取る可能性が高い。
その場合は陰からサポートした方が効果的だし、そうでないミサはどう行動するか読めない。
父さんは……危険はあるが、一度接触してみるのも手か)
僕の為に行動するミサなら、過激な行動を取る可能性が高い。
その場合は陰からサポートした方が効果的だし、そうでないミサはどう行動するか読めない。
父さんは……危険はあるが、一度接触してみるのも手か)
不安要素は有るが、月にとって利益となる可能性も低くはない。
優勝を狙うならば何れ敵対してしまうだろうが、それまでは殺人を陰に隠して行動出来るかもしれない。
優勝を狙うならば何れ敵対してしまうだろうが、それまでは殺人を陰に隠して行動出来るかもしれない。
思索と慎重さは有ったが、夜神月の歩みに迷いは無かった。
暁美ほむらの考察によるアカギへの不信も考慮はしたが、彼を止める理由にはならなかった。
夥しい数の世界に干渉できるアカギにとって、世界の一つにおける願いなど些細な事だろうと判断したのだ。
何かのキッカケで露呈して殺し合いを破綻させるより、本当に優勝者の願いを叶える方がリスクは少ない。
そんな悪人に縋る形で願いを叶えるのは甚だ不愉快だが、やはり背に腹は代えられない。
(銃器を手に入れられなかったのは少し残念だが、まあいい。どうせ本命は支給品の方だからな)
警察の知識とその優れた計算力によりあの銃器保管室に辿り着いたのは良いが、そこに有った僅かな銃は先客に取られていた。
とはいえ彼女達から得られた情報は銃器以上に有用だろう。
それに月の支給品には殺人に使えそうな物も入っていた。
何も嘆く事は無い。
(何れ彼女達も含めて全てを殺す。この儀式で優勝するのは、僕だ)
暁美ほむらの考察によるアカギへの不信も考慮はしたが、彼を止める理由にはならなかった。
夥しい数の世界に干渉できるアカギにとって、世界の一つにおける願いなど些細な事だろうと判断したのだ。
何かのキッカケで露呈して殺し合いを破綻させるより、本当に優勝者の願いを叶える方がリスクは少ない。
そんな悪人に縋る形で願いを叶えるのは甚だ不愉快だが、やはり背に腹は代えられない。
(銃器を手に入れられなかったのは少し残念だが、まあいい。どうせ本命は支給品の方だからな)
警察の知識とその優れた計算力によりあの銃器保管室に辿り着いたのは良いが、そこに有った僅かな銃は先客に取られていた。
とはいえ彼女達から得られた情報は銃器以上に有用だろう。
それに月の支給品には殺人に使えそうな物も入っていた。
何も嘆く事は無い。
(何れ彼女達も含めて全てを殺す。この儀式で優勝するのは、僕だ)
夜神月は殺意を胸に抱き、月明かりに照らされた夜の路を疾走していく。
再び神に返り咲く為に。
再び神に返り咲く為に。
【E-3/市街/一日目-黎明】
【夜神月@DEATH NOTE(漫画)】
[状態]:健康、ジャイロアタッカー乗車中
[装備]:スーツ、ジャイロアタッカー@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~2(確認済み、殺傷性の有る物が含まれている)
[思考・状況]
基本:優勝し、キラとして元の世界に再臨する
1:今は情報収集を優先
2:元の世界で敵対していた者は早い段階で始末しておきたい
3:ミサと父さん(総一郎)以外の関係者の悪評を広める
情報:ゲーチスの世界情報、暁美ほむらの世界情報、暁美ほむらの考察、アリスの世界情報、乾巧の世界情報(暁美ほむら経由)
※死亡後からの参戦
【夜神月@DEATH NOTE(漫画)】
[状態]:健康、ジャイロアタッカー乗車中
[装備]:スーツ、ジャイロアタッカー@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~2(確認済み、殺傷性の有る物が含まれている)
[思考・状況]
基本:優勝し、キラとして元の世界に再臨する
1:今は情報収集を優先
2:元の世界で敵対していた者は早い段階で始末しておきたい
3:ミサと父さん(総一郎)以外の関係者の悪評を広める
情報:ゲーチスの世界情報、暁美ほむらの世界情報、暁美ほむらの考察、アリスの世界情報、乾巧の世界情報(暁美ほむら経由)
※死亡後からの参戦
【E-3/警視庁/一日目-黎明】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ソウルジェムの濁り(極少)
[服装]:魔法少女変身中
[装備]:盾(砂時計の砂残量:中)、グロック19(15発)@現実、(盾内に収納)、サイドバッシャー@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品一式、双眼鏡、黒猫@???、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:アカギに関する情報収集とその力を奪う手段の模索、見つからなければ優勝狙いに。
1:爆発音が有った方に向かい、情報を収集する
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:協力者が得られるなら一人でも多く得たい。ただし、自身が「信用できない」と判断した者は除く
最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。
[情報]:アリスの世界情報(詳細)、ほむらの考察、乾巧の世界情報(詳細)、乾巧はオルフェノク、夜神月の世界情報、夜神月の流言
ゲーチスの世界情報(月経由)
[備考]
※参戦時期は第9話・杏子死亡後、ラストに自宅でキュゥべえと会話する前
※『時間停止』で止められる時間は最長でも5秒程度までに制限されています
※ソウルジェムはギアスユーザーのギアスにも反応します
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ソウルジェムの濁り(極少)
[服装]:魔法少女変身中
[装備]:盾(砂時計の砂残量:中)、グロック19(15発)@現実、(盾内に収納)、サイドバッシャー@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品一式、双眼鏡、黒猫@???、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:アカギに関する情報収集とその力を奪う手段の模索、見つからなければ優勝狙いに。
1:爆発音が有った方に向かい、情報を収集する
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:協力者が得られるなら一人でも多く得たい。ただし、自身が「信用できない」と判断した者は除く
最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。
[情報]:アリスの世界情報(詳細)、ほむらの考察、乾巧の世界情報(詳細)、乾巧はオルフェノク、夜神月の世界情報、夜神月の流言
ゲーチスの世界情報(月経由)
[備考]
※参戦時期は第9話・杏子死亡後、ラストに自宅でキュゥべえと会話する前
※『時間停止』で止められる時間は最長でも5秒程度までに制限されています
※ソウルジェムはギアスユーザーのギアスにも反応します
【アリス@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康
[服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット
[装備]:グロック19(15+1発)@現実、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)
[道具]:共通支給品一式、ヨクアタール@ポケットモンスター(ゲーム)
C.C.細胞抑制剤中和剤(2回分)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[思考・状況]
基本:脱出手段と仲間を捜す。余裕があればこの世界のナナリーも捜索。
1:暁美ほむらと行動を共にする
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:脱出のための協力者が得られるなら一人でも多く得たい
4:余裕があったらナナリーを探す。
最終目的:『儀式』から脱出し、『自身の世界(時間軸)』へ帰る。そして、『自身の世界』のナナリーを守る
[情報]:暁美ほむらの世界情報(詳細)、暁美ほむらの考察、乾巧の世界情報(詳細)、夜神月の世界情報、夜神月の流言、ゲーチスの世界情報(月経由)
[備考]
※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前
※『ザ・スピード』の一度の効果持続時間は最長でも10秒前後に制限されています。また、連続して使用すると体力を消耗します
[状態]:健康
[服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット
[装備]:グロック19(15+1発)@現実、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)
[道具]:共通支給品一式、ヨクアタール@ポケットモンスター(ゲーム)
C.C.細胞抑制剤中和剤(2回分)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[思考・状況]
基本:脱出手段と仲間を捜す。余裕があればこの世界のナナリーも捜索。
1:暁美ほむらと行動を共にする
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:脱出のための協力者が得られるなら一人でも多く得たい
4:余裕があったらナナリーを探す。
最終目的:『儀式』から脱出し、『自身の世界(時間軸)』へ帰る。そして、『自身の世界』のナナリーを守る
[情報]:暁美ほむらの世界情報(詳細)、暁美ほむらの考察、乾巧の世界情報(詳細)、夜神月の世界情報、夜神月の流言、ゲーチスの世界情報(月経由)
[備考]
※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前
※『ザ・スピード』の一度の効果持続時間は最長でも10秒前後に制限されています。また、連続して使用すると体力を消耗します
【グロック19@現実】
警視庁より現地調達。
警視庁SATに採用されている、全長174mm重量595g(本体のみ)の小さく軽い自動拳銃。
装弾数は9mm弾の15発カートリッジと薬室に1発で15+1発。
警視庁より現地調達。
警視庁SATに採用されている、全長174mm重量595g(本体のみ)の小さく軽い自動拳銃。
装弾数は9mm弾の15発カートリッジと薬室に1発で15+1発。
【C.C.細胞抑制剤中和剤@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
C.C.細胞抑制剤を中和する薬剤、二回分。
空圧式の注射器もセットになっている。
本来は専用機のコクピットに組み込まれており、首筋後ろから注入される。
注入後の作用はかなりの苦痛を伴うらしく、アリスをして悲鳴を上げて悶えるほど。
代償に一時的とはいえ、人造ではないギアスユーザーと互角に戦えるほどの力を得られる。
C.C.細胞抑制剤を中和する薬剤、二回分。
空圧式の注射器もセットになっている。
本来は専用機のコクピットに組み込まれており、首筋後ろから注入される。
注入後の作用はかなりの苦痛を伴うらしく、アリスをして悲鳴を上げて悶えるほど。
代償に一時的とはいえ、人造ではないギアスユーザーと互角に戦えるほどの力を得られる。
「ギアスをもたらす細胞を抑えている薬を中和する薬」である為、当然ながら人造ギアスユーザー以外には効果がない。
更に作中の説明通り劇薬であり、原作で使用した時は120秒が経過した時点で自動的に細胞抑制剤を再投与されていた。
その際に「もう一度」と発言していた事から細胞抑制剤さえあれば連続使用も可能なようだが、逆に細胞抑制剤が無ければ死ぬ。
更に作中の説明通り劇薬であり、原作で使用した時は120秒が経過した時点で自動的に細胞抑制剤を再投与されていた。
その際に「もう一度」と発言していた事から細胞抑制剤さえあれば連続使用も可能なようだが、逆に細胞抑制剤が無ければ死ぬ。
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