「愛は無限に有限だからね」 ◆8nn53GQqtY
非常階段を一歩ずつ、上へ上へと向かう。
黒い甲冑に黒いドレスの騎士は、目的の階にたどり着いた。
白い高級石材の床を、黒いドレスと黒い霧でまがまがしく汚しながら、廊下を歩く。
地図に『キラ対策本部』と表示されたその部屋の前に、たどり着いた。
地図に『キラ対策本部』と表示されたその部屋の前に、たどり着いた。
セイバーがわざわざその施設を訪れたのは、若干の焦りを覚えていたからでもあった。
衛宮士郎らとの戦いを経てからおよそ5時間、未だに彼女は、誰ひとりの参加者とも遭遇していないのだ。
(もっとも、その原因の一端は呑気にハンバーガーを食べていたことにもあるのだが)
(もっとも、その原因の一端は呑気にハンバーガーを食べていたことにもあるのだが)
マスターたる間桐桜を生き残らせる為に、全ての参加者を殺す。
その目的には一分の揺るぎもないと言うのに、この体たらくは何と言うことか。
あるいは、セイバーの知らないところで多くの参加者が密集している場所があり、
どこかで参入の機会を逃してしまったのではないか。
その騒動に、イリヤスフィールや桜が巻き込まれたりしているのではないか。
その目的には一分の揺るぎもないと言うのに、この体たらくは何と言うことか。
あるいは、セイバーの知らないところで多くの参加者が密集している場所があり、
どこかで参入の機会を逃してしまったのではないか。
その騒動に、イリヤスフィールや桜が巻き込まれたりしているのではないか。
だから、この探索は言うなれば『数を撃てば当たる』の理論。
とにかく、地図に記された施設がある場所ならば、参加者も立ち寄っているのではないかという閃きである。
とにかく、地図に記された施設がある場所ならば、参加者も立ち寄っているのではないかという閃きである。
もし、誰もいないようならば、他の参加者が使いそうなものを適当に壊してから退去しよう。
万が一、この施設に桜がいるようであれば、保護しよう。
もし、桜以外の参加者がいるようであれば、――言うまでもない。
万が一、この施設に桜がいるようであれば、保護しよう。
もし、桜以外の参加者がいるようであれば、――言うまでもない。
しかしセイバーは、対策本部の入口で少し立ち往生した。
ピカピカしたマンションのドア。
もしや、鍵がかかっているのではないか。
いくらサーヴァントが召喚された時代の知識を得ていると言っても、限界はある。
高級マンションのセキュリティシステムがどうなっているかなど、彼女はばくぜんとしか知らないのだ。
このエレベーターを上がってくる前にも、認証システムのような機械を見かけた。
もし、セイバーがやって来ることが室内にいる参加者にばれていたとしたら、このドアは対策の為にロックされているのではないか。
ピカピカしたマンションのドア。
もしや、鍵がかかっているのではないか。
いくらサーヴァントが召喚された時代の知識を得ていると言っても、限界はある。
高級マンションのセキュリティシステムがどうなっているかなど、彼女はばくぜんとしか知らないのだ。
このエレベーターを上がってくる前にも、認証システムのような機械を見かけた。
もし、セイバーがやって来ることが室内にいる参加者にばれていたとしたら、このドアは対策の為にロックされているのではないか。
いや、この会場内のキラ対策本部は、参加者の出入りが自由なように、本来のセキュリティが排除されていたのだが、彼女はその点を深く考えなかった。
よって――
魔剣が一閃。
まがまがしい斬撃は、現代技術の最先端を集積したセキュリティシステムを容易く破壊した。
◆
「うっわぁ……まがまがしい魔力だなぁ」
黒い鎧の女性が扉の向こうに消えたのを見届けて、キリカはようやく息を吐いた。
対策本部でずいぶんと時間を潰してしまったが為に、少し焦りながらも、エレベーターで一階へと降りた。
早く美国邸へ向かいたいと気持ちは急いていたが、そんな時に邪魔が入った。
ソウルジェムが放つ、大きな魔力反応に気がついてしまったのだ。
早く美国邸へ向かいたいと気持ちは急いていたが、そんな時に邪魔が入った。
ソウルジェムが放つ、大きな魔力反応に気がついてしまったのだ。
その大きな反応は、ホテルの中階から上の方へと向かっていた。
この建物には地下駐車場もあった。
おそらく、気配の主は別ルートから侵入した為に、行き違いになっているのだろう。
この建物には地下駐車場もあった。
おそらく、気配の主は別ルートから侵入した為に、行き違いになっているのだろう。
相手の目的地の予想は付く。ならば、追うよりも先回りした方が得策だ。
エレベーターで再び上階へと上がり、廊下の死角からこっそりと伺っていた。
表れたのが、あの『黒い魔女』である。
表れたのが、あの『黒い魔女』である。
『鎧の姿をした人型の魔女』とは戦ったことがある。
けれど、ソウルジェムから感じられる魔力は、その魔女の比ではなかった。
あの魔女と比べれば、まさに子猫とライオン。
とかげとドラゴン。
市販のクッキーと、織莉子が手づくりしてキリカの為に作ってくれた特性クッキーだ。
(最後の例えは何かが違う気もするが)
けれど、ソウルジェムから感じられる魔力は、その魔女の比ではなかった。
あの魔女と比べれば、まさに子猫とライオン。
とかげとドラゴン。
市販のクッキーと、織莉子が手づくりしてキリカの為に作ってくれた特性クッキーだ。
(最後の例えは何かが違う気もするが)
それにためらうことなく、高級マンションであんな破壊活動を行った。
間違いなく危険人物と理解できた。
間違いなく危険人物と理解できた。
「まったく……織莉子を見つけた暁には、私と織莉子の『愛の巣』二号にするのも悪くないと思っていたのに」
一号はもちろんあの美国邸であるのだが、それはともかく。
一号はもちろんあの美国邸であるのだが、それはともかく。
――殺さなきゃ
キリカにとって『緒莉子の為の戦いなのに、相手が強いからと撤退する』ような選択は存在しない。
ましてや、あの『魔女』はとんでもなく厄介だ。
あんなに大きな力を持つ存在には、かってお目にかかったことがない。
あんなものと織莉子が遭遇してしまえば、どうなることか。
あんなに大きな力を持つ存在には、かってお目にかかったことがない。
あんなものと織莉子が遭遇してしまえば、どうなることか。
ただ、やみくもに突っかかって命を散らすのも望ましくはない。
先刻、マントの男が乗っていた妙な機械に撤退した反省もある。
あの『魔女』があのロボットのように『硬い』タイプだったら、キリカにはとても相性が悪い。
先刻、マントの男が乗っていた妙な機械に撤退した反省もある。
あの『魔女』があのロボットのように『硬い』タイプだったら、キリカにはとても相性が悪い。
「魔力はいっぱい使うけど、あの部屋全体に速度低下をかけてから不意打ちかな?
でも、魔法を使ったらその時点で感付かれるかもしれないね……」
でも、魔法を使ったらその時点で感付かれるかもしれないね……」
ともかく、まずは魔法少女の姿へと変身して――
――変、身?
その時だった。彼女が『異常』に気づいたのは。
身につけている制服。そのスカートが、やけに『軽い』のだ。
いつもの私服を着ていたときに『そうしていた』ように、ちゃんと『それ』を腰につるしておいたのに。
身につけている制服。そのスカートが、やけに『軽い』のだ。
いつもの私服を着ていたときに『そうしていた』ように、ちゃんと『それ』を腰につるしておいたのに。
――ない?
ディパックの中に入っていた、『あれ』がない。
こんな『殺し合い』のさなかにも、ちゃんと支給品として残されていた『あれ』がない。
キラ対策本部から再出発した時、ちゃんといつものように吊るしていた『それ』がない。
こんな『殺し合い』のさなかにも、ちゃんと支給品として残されていた『あれ』がない。
キラ対策本部から再出発した時、ちゃんといつものように吊るしていた『それ』がない。
それを認識した時、彼女は、全てを忘れた。
今しがた退去した建物から感じる、まがまがしい気配も、
その気配を持つ魔女に対して攻撃を加えようとしていたことも、
とにかく全てが、頭から吹きとんでいた。
(もちろん、そんな時にも美国織莉子に関わる全ての情報はしっかりと覚えていたが)
その気配を持つ魔女に対して攻撃を加えようとしていたことも、
とにかく全てが、頭から吹きとんでいた。
(もちろん、そんな時にも美国織莉子に関わる全ての情報はしっかりと覚えていたが)
いつだ。
なくしたのはいつだ。
なくしたのはいつだ。
一度、ここを出た時は確かに持っていた。
だとすれば落としたのは、下の階。
落とした時は、一旦ホテルを出てから、ここに戻るまでの間。
だとすれば落としたのは、下の階。
落とした時は、一旦ホテルを出てから、ここに戻るまでの間。
非常階段を駆け降りた。
エレベーターを使えばいいじゃん、と判断する頭も無かった。
エレベーターを使えばいいじゃん、と判断する頭も無かった。
「…………ぅぅうああああああぁぁぁ!!」
あれがないと、
あれがないと、
あれがないと、
あれがないと、
あれがないと、
『あの子』がいないと、わたしは――
「もうだめだ、生きていられない! さよなら私!」
――わたしの世界は、破滅する。
【セイバー・オルタ@Fate/stay night】
[状態]:健康、黒化、魔力消費(微小)
[装備]:グラム@Fate/stay night
[道具]:基本支給品、不明支給品0~1(確認済み)、ハンバーガーの入っていた紙袋(中身すっからかん)@現実
[思考・状況]
基本:間桐桜のサーヴァントとして、間桐桜を優勝させる
1:キラ対策本部の中を探してみる
2:間桐桜を探して、安全を確保する
3:エクスカリバーを探す
4:間桐桜を除く参加者全員の殲滅
5:次に士郎たちに合った時は、聖杯の器(イリヤ)を貰い受ける(積極的には探さない)
[備考]
※間桐桜とのラインは途切れています
[状態]:健康、黒化、魔力消費(微小)
[装備]:グラム@Fate/stay night
[道具]:基本支給品、不明支給品0~1(確認済み)、ハンバーガーの入っていた紙袋(中身すっからかん)@現実
[思考・状況]
基本:間桐桜のサーヴァントとして、間桐桜を優勝させる
1:キラ対策本部の中を探してみる
2:間桐桜を探して、安全を確保する
3:エクスカリバーを探す
4:間桐桜を除く参加者全員の殲滅
5:次に士郎たちに合った時は、聖杯の器(イリヤ)を貰い受ける(積極的には探さない)
[備考]
※間桐桜とのラインは途切れています
※キラ対策本部の入り口が破壊されました。
◆
斑鳩を出てからその行く先を決めかねていたバゼットが向かったのは、すぐ頭部に構えていた『冬木大橋』であった。
なぜならそれは、任務に付くにあたって確認した、冬木市の地形と酷似していたからだ。
しかし、橋を渡り切ってみたはいいものの、特に何らかの成果が得られたわけでは無かった。
そびえたつ超高級マンションに足を踏み入れたのも、その延長でしかなかった。
なぜならそれは、任務に付くにあたって確認した、冬木市の地形と酷似していたからだ。
しかし、橋を渡り切ってみたはいいものの、特に何らかの成果が得られたわけでは無かった。
そびえたつ超高級マンションに足を踏み入れたのも、その延長でしかなかった。
そのマンションの玄関ホールで、彼女は小さな『発見』をした。
小さな小さな、兎をもしたぬいぐるみだった。
何の変哲もないぬいぐるみだった。
しかし、この会場内で『ゴミ』や『落し物』の類を見つけたのは、これが初めてだった。
つまり、この『落し物』は、元から会場内にあったものではなく、『参加者の誰かが落としていったもの』である可能性が高い。
つまり、この『落し物』は、元から会場内にあったものではなく、『参加者の誰かが落としていったもの』である可能性が高い。
つまり、この建造物内には、確実に誰かがいる、もしくはいた線が――
「みぃつけたあああああああっっっ!!」
推測だてるまでもなく、その人物は表れた。
爛々と光る瞳。
高速でこちらに突進する、十代半ばほどの少女。
高速でこちらに突進する、十代半ばほどの少女。
そのギラギラした瞳は、バゼットが持っていたぬいぐるみに向いていた。
試しに、ぬいぐるみを軽く放り投げてみた。彼女に向かって。
少女は飛びついた。
ぎゅう、と。
「会えた! 会いたかった! 会いたかったよぉ~。
緒莉子の贈り物! 私と織莉子の愛の証! むしろ私の愛! もう放さない!」
緒莉子の贈り物! 私と織莉子の愛の証! むしろ私の愛! もう放さない!」
小さなぬいぐるみを胸の前で抱きしめ、狂気してぴょんぴょんと飛び跳ねる。
そして、くるりとバゼットに向き直った。
がしっ
バゼットの両手を、強く強く握りしめた。
「あなたは恩人だ」
「は……?」
硬い表情を崩さないバゼットに向かって、キリカは熱烈に求愛する。
「あなたは私の愛を救ってくれた! 救い主だ! 恩人だ!
恩人にお礼をしたいっ! むしろお礼をさせてっ!」
恩人にお礼をしたいっ! むしろお礼をさせてっ!」
意味不明な行動だったが、どうもバゼットを『落し物を拾ってくれた人間』と解釈しているようだった。
バゼット・マクレミッツは、慣れ合いを好まず、ビジネスライクな駆け引きを好む人間だ。
なので、『お礼をしたい』という申し出を彼女は、『交渉の申し入れ』だと解釈した。
なので、『お礼をしたい』という申し出を彼女は、『交渉の申し入れ』だと解釈した。
まずは少女を、体からひきはがす。
少女の頭部を片手でわしづかみにし、だらりと持ち上げる。
過剰な牽制であったが、キリカはぶらさがるまま、キラキラとした瞳でバゼットを見つめる。
少女の頭部を片手でわしづかみにし、だらりと持ち上げる。
過剰な牽制であったが、キリカはぶらさがるまま、キラキラとした瞳でバゼットを見つめる。
バゼットは、機械的に問いかける。
「交渉を持ちかけるということは、あなたは優勝によって生還するつもりはないと?」
もしここで、バゼットが『あなたはこの儀式に乗っていないのですか?』と聞いていたならば、キリカは笑顔で否定し、二人の間に戦端が開かれていただろう。
しかしバゼットは、その二つの質問の微妙な差異を、認識していなかった。
この儀式のルールは『生き残りたければ最後の一人になること』。
バゼットはその意味を言葉通りに解釈し、また『任務を果たす為に生還しなければ』とも考えていた。
そして、彼女が最初に出会ったニアという参加者も、手段は異なるが『目的を果たす為に、生還しなければならない』と考えていた。
つまりバゼットは『自分以外を生かす為に、全ての参加者を殺して最後に自殺しようと考える参加者がいる』などとは、欠片も想像していなかったのだ。
バゼットはその意味を言葉通りに解釈し、また『任務を果たす為に生還しなければ』とも考えていた。
そして、彼女が最初に出会ったニアという参加者も、手段は異なるが『目的を果たす為に、生還しなければならない』と考えていた。
つまりバゼットは『自分以外を生かす為に、全ての参加者を殺して最後に自殺しようと考える参加者がいる』などとは、欠片も想像していなかったのだ。
それが、彼女の些細なミス。
「あははっ。そんなことするわけないじゃん。
私には、命を失っても貫かなきゃいけない『愛』があるっていうのに」
私には、命を失っても貫かなきゃいけない『愛』があるっていうのに」
その言葉の意味するところは分からなかったが、『優勝狙いをするつもりがない』ことは理解できた。
「分かりました。では、『取引』に応じましょう」
少女の頭蓋をつかんでいた手を、ぱっと放す。
「『借り』を返したいというのなら、あなたが今までに出会った、全ての参加者の情報をよこしなさい」
◆
バゼットは『知っている全ての参加者』ではなく、『出会った全ての参加者の情報』と言った。
だからキリカは、最初に出会ったマントの男と、先刻すれ違った黒い鎧の女性の情報のみを伝えた。
だからキリカは、最初に出会ったマントの男と、先刻すれ違った黒い鎧の女性の情報のみを伝えた。
それは、バゼットにとって有益な情報だった。
『何よりも、有益な情報』だった。
『何よりも、有益な情報』だった。
その外見的特徴は、彼女の知っている『ある英霊の情報』と一致していた。
遠坂凛と交渉を行った際に、『各英霊の情報』はおおよそ把握していたからだ。
その女性の特徴は『セイバーのクラスカード』と、酷似していた。
遠坂凛と交渉を行った際に、『各英霊の情報』はおおよそ把握していたからだ。
その女性の特徴は『セイバーのクラスカード』と、酷似していた。
呉キリカの発言だけならば、信憑性は低かった。
しかし、先刻に一応確認した名簿には、『セイバー』のクラスが表記されていたのだ。
しかし、先刻に一応確認した名簿には、『セイバー』のクラスが表記されていたのだ。
それは、大きな情報だった。
ぬいぐるみ一つだけでは、あまりにも釣り合わないと思った。
つい先日も、ある交渉で足元を見られて、多額の損害賠償をふっかけられたばかりだったのだ。
よって彼女は、なるべく『借り』を返しておこうとした。
そこで、『もう一つ』、バゼットからも情報を与えることにした。
『斑鳩』で起こったことを教えた。
これで、ニアへの義理を果たしたことにもなるはずだ。
呉キリカは、お世辞にも頭の良さそうな人材とは言えない。
しかし、殺し合いに乗っていないのならば、ニアが集める対象には含まれるはずだ。
ぬいぐるみ一つだけでは、あまりにも釣り合わないと思った。
つい先日も、ある交渉で足元を見られて、多額の損害賠償をふっかけられたばかりだったのだ。
よって彼女は、なるべく『借り』を返しておこうとした。
そこで、『もう一つ』、バゼットからも情報を与えることにした。
『斑鳩』で起こったことを教えた。
これで、ニアへの義理を果たしたことにもなるはずだ。
呉キリカは、お世辞にも頭の良さそうな人材とは言えない。
しかし、殺し合いに乗っていないのならば、ニアが集める対象には含まれるはずだ。
その情報を手に入れて、少女はとても喜んだ。
足りない、と言った。
私の愛がその程度の情報と同等だとは思われたくない、とか何とか言った。
そして、さらに恩返しをしたいと、支給品をひとつ与えてくれた。
足りない、と言った。
私の愛がその程度の情報と同等だとは思われたくない、とか何とか言った。
そして、さらに恩返しをしたいと、支給品をひとつ与えてくれた。
それは、正に今のバゼットが求めていたものだった。
割の良い取引をした、とバゼットは思った。
割の良い取引をした、とバゼットは思った。
呉キリカとは、斑鳩へと向かうと別れた。
バゼットにも、やることができた。
装備は万全に整った。『キラ対策本部』へと向かう。
バゼットにも、やることができた。
装備は万全に整った。『キラ対策本部』へと向かう。
バゼット・フラガ・マクレミッツの受けた依頼は、『全クラスカードの回収』。
もし、この儀式の舞台で『封印されたはずのクラスカードが実体化する』という事態が起こっているのだとすれば、
それは完全に、バゼットの任務の範疇だ。
生還するという『当面の目標』を一時棚上げにしてでも、調査しなければならない『任務』。
それは完全に、バゼットの任務の範疇だ。
生還するという『当面の目標』を一時棚上げにしてでも、調査しなければならない『任務』。
『任務』という獲物を手に入れた『狩猟犬』に、迷いはない。
「この『儀式』とやらが何であれ、私の仕事は変わりません」
バゼットは、ルーンの刻まれた己の手袋を、強くはめ直した。
【G-5/キラ対策本部前/一日目 早朝】
【バゼット・フラガ・マクレミッツ@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康
[装備]:ルーンを刻んだ手袋
[道具]:基本支給品、砲丸@現実、逆光剣フラガラック@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本:何としてでも生き残る。手段は今の所模索中
1:キラ対策本部に向かい、セイバーのクラスカードが実体化しているかどうかを確認
2:1が事実であれば、セイバーを封印する。それが不可能でも、最低限の調査は行う。
3:とりあえず会場を回ってみる
4:障害となる人物、危険と思しき人物は排除する
5:安全とみなした人物、有用な人物にはニアの存在と計画を教える
6:呉キリカには借りをつくった
[備考]
※3巻の戦闘終了後より参戦
※「死痛の隷属」は解呪済みです
※キリカから、セイバーの存在と、マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)の情報を教わりました。
※呉キリカを、『殺し合いに乗っていない参加者』と認識しました。
[状態]:健康
[装備]:ルーンを刻んだ手袋
[道具]:基本支給品、砲丸@現実、逆光剣フラガラック@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本:何としてでも生き残る。手段は今の所模索中
1:キラ対策本部に向かい、セイバーのクラスカードが実体化しているかどうかを確認
2:1が事実であれば、セイバーを封印する。それが不可能でも、最低限の調査は行う。
3:とりあえず会場を回ってみる
4:障害となる人物、危険と思しき人物は排除する
5:安全とみなした人物、有用な人物にはニアの存在と計画を教える
6:呉キリカには借りをつくった
[備考]
※3巻の戦闘終了後より参戦
※「死痛の隷属」は解呪済みです
※キリカから、セイバーの存在と、マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)の情報を教わりました。
※呉キリカを、『殺し合いに乗っていない参加者』と認識しました。
◆
「さすがに、あの男はもう遠くに行っちゃったよねぇ……ならここは問題なし」
呉キリカはてくてくと、数時間前に渡り切った河岸を目指していた。
「恩人はいいことを教えてくれたね。恩人から大恩人に格上げしちゃう。
まったく、『みんなで』脱出しようだなんて、冗談じゃないよ」
まったく、『みんなで』脱出しようだなんて、冗談じゃないよ」
口の端を裂けんばかりに歪めて嗤いながら、キリカはてくてくと歩く。
――織莉子には、私だけがいればいい。
彼女にとって、『脱出を目指す戦力が集まる場所』など、『邪魔、邪魔、邪魔。存在してはならない』ものであった。
人が集まりきる前に、完全な殲滅を行わなければならない。
人が集まりきる前に、完全な殲滅を行わなければならない。
そういうわけで、愛しい織莉子が待っているかもしれない美国邸も、残念ながら後回し。
キラ対策本部にいる強い魔女のことも、今は後回し。
キラ対策本部にいる強い魔女のことも、今は後回し。
元より、あの強い魔女のところには、キリカの大恩人が向かってくれている。
恩人に恩返しができて、しかもあの魔女に何らかの対策を講じてくれるかもしれないのだから、キリカにとってはまさに一石二鳥の結果だった。
ついでに、キリカが持っていた最後の支給品は、どうも大恩人のものだったらしいので、それもあげてしまった。
キリカには使い方がよく分からない鉄球だったから、ちょうどいい。
まったく、恩人に恩返しをした後は気持ちが良い。
キリカには使い方がよく分からない鉄球だったから、ちょうどいい。
まったく、恩人に恩返しをした後は気持ちが良い。
キリカは、織莉子を守るために、誰の手も借りるつもりはない。
しかし、強い参加者同士が勝手にぶつかって、勝手に潰し合ってくれるなら、
それは『誰かの手を借りた』ことにはならない。
むしろ、そうなるようにお膳立てを整えたのはキリカなのだから、キリカの作戦勝ちでもある。
漁夫の利だ。大勝利だ。
しかし、強い参加者同士が勝手にぶつかって、勝手に潰し合ってくれるなら、
それは『誰かの手を借りた』ことにはならない。
むしろ、そうなるようにお膳立てを整えたのはキリカなのだから、キリカの作戦勝ちでもある。
漁夫の利だ。大勝利だ。
もちろん、あのまがまがしい魔女と大恩人をかち合わせたことで、大恩人が亡くなってしまう可能性だってあったわけだが――
「――そこはほら、愛は無限に有限だからね」
それはそれで、織莉子の為に参加者を一人減らせたということだ。
【G-5/冬木大橋前/一日目 早朝】
【呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ】
[状態]:精神的疲労(小)、ダメージ(中)、ソウルジェムの穢れ(2割)
[装備]:穂群原学園の制服@Fate/stay night、 呉キリカのぬいぐるみ@魔法少女おりこ☆マギカ
[道具]:基本支給品、キリカの私服(上着、スカート)、お菓子数点(きのこの山他)
[思考・状況]
基本:プレイヤーを殲滅し、織莉子を優勝させる
1:対主催の拠点と教えられた斑鳩に向かい、そこを殲滅する。
2:織莉子と合流し、彼女を守る。 1が終わった後は美国邸が目的地。
3:まどかとマミは優先的に抹殺。他に魔法少女を見つけたら、同じく優先的に殺害する
4:マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)を警戒。今は手を出さず、金色のロボット(ヴィンセント)を倒す手段を探る
[備考]
※参戦時期は、一巻の第3話(美国邸を出てから、ぬいぐるみをなくすまでの間)
※速度低下魔法の出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です
※バゼット・フラガ・マクレミッツから、斑鳩の計画とニアの外見的特徴を教わりました。
※バゼット・フラガ・マクレミッツを『大恩人』と認定しました。
[状態]:精神的疲労(小)、ダメージ(中)、ソウルジェムの穢れ(2割)
[装備]:穂群原学園の制服@Fate/stay night、 呉キリカのぬいぐるみ@魔法少女おりこ☆マギカ
[道具]:基本支給品、キリカの私服(上着、スカート)、お菓子数点(きのこの山他)
[思考・状況]
基本:プレイヤーを殲滅し、織莉子を優勝させる
1:対主催の拠点と教えられた斑鳩に向かい、そこを殲滅する。
2:織莉子と合流し、彼女を守る。 1が終わった後は美国邸が目的地。
3:まどかとマミは優先的に抹殺。他に魔法少女を見つけたら、同じく優先的に殺害する
4:マントの男(ロロ・ヴィ・ブリタニア)を警戒。今は手を出さず、金色のロボット(ヴィンセント)を倒す手段を探る
[備考]
※参戦時期は、一巻の第3話(美国邸を出てから、ぬいぐるみをなくすまでの間)
※速度低下魔法の出力には制限が設けられています。普段通りに発動するには、普段以上のエネルギー消費が必要です
※バゼット・フラガ・マクレミッツから、斑鳩の計画とニアの外見的特徴を教わりました。
※バゼット・フラガ・マクレミッツを『大恩人』と認定しました。
【呉キリカのぬいぐるみ@魔法少女おりこ☆マギカ】
呉キリカに支給。
キリカがいつも私服のスカートにぶらさげている兎のぬいぐるみ。
愛しの織莉子からの贈り物であり、彼女はこれを己の命と同じかそれ以上に大切にしている。
もし、このぬいぐるみを拾ってキリカに届けたりすれば、もれなくキリカからは恩人と認定される。
呉キリカに支給。
キリカがいつも私服のスカートにぶらさげている兎のぬいぐるみ。
愛しの織莉子からの贈り物であり、彼女はこれを己の命と同じかそれ以上に大切にしている。
もし、このぬいぐるみを拾ってキリカに届けたりすれば、もれなくキリカからは恩人と認定される。
【逆光剣フラガラック@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
呉キリカに支給。
マクレミッツ家に代々伝わる『宝具(エース)を殺す宝具(ジョーカー)』。
敵が切り札を発動した直後に発動することで、『時間をさかのぼって敵が切り札を発動する前に発動し、敵の心臓を貫く』という特性を持つ。
『相手の宝具が発動しなかったことにする』ため、対宝戦ではまず負けない。
発動前は砲丸球のような形をしている。
呉キリカに支給。
マクレミッツ家に代々伝わる『宝具(エース)を殺す宝具(ジョーカー)』。
敵が切り札を発動した直後に発動することで、『時間をさかのぼって敵が切り札を発動する前に発動し、敵の心臓を貫く』という特性を持つ。
『相手の宝具が発動しなかったことにする』ため、対宝戦ではまず負けない。
発動前は砲丸球のような形をしている。
057:「Not human」(後編) | 投下順に読む | 059:ナイトメア ~騎士と悪夢と起動兵器~ |
時系列順に読む | ||
043:ティーブレイク | 呉キリカ | 069:言っちゃいけなかったんだよ |
044:Fate/kaleid night ハンバーガーころしあむ | セイバー | 061:対決~英雄の真髄 |
024:puzzle game | バゼット・フラガ・マクレミッツ |