携帯獣の愛護と適切な管理

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

携帯獣の愛護と適切な管理 ◆3.8PnK5/G2



スマートブレイン社が、轟音と共に崩壊していく。
市街地の建造物の内で最も目立つであろう高層ビルは、
徐々に背を縮めていき、やがて完全に消失した。
スマートブレイン社は、この島の中でも群を抜いて巨大な施設だから、破壊によってもたらされる影響は大きい。
村上とオーキドも、それによって方針を決定した者である。
これだけ大規模な変化があれば、必ずや何人かの参加者がその地に足を運ぶだろう。
多くの参加者と接触できるチャンスではあるが、
それは殺し合いに乗った者と遭遇するかもしれないというリスクも背負っている。
例え徒党を組めたとしても、襲撃されて仲間を失ってしまっては本末転倒だ。
結果として、二人は「ビルから離れる」という選択肢を選んだのである。

ビルからの避難を決定した数分後、
今度は女性の声が二人の耳に飛び込んできた。
かなりの大音量である。拡声器で遠くまで聞こえるようにしたのだろう。

『私……、こんな所で死にたくない!! お願い、誰か……きゃああああああ!!』

内容からして、女性は何者かに襲われているようだ。
「死にたくない」と言っている事から、
既に彼女は死の危険に晒されている可能性が高い。
女性の懇願の直後に、獣の叫び声と、拡声器が地面と接触する音が響き渡る。
それを最後に、音が二人に降り注ぐことはなかった。
女性は獣に襲われ、拡声器は破壊――もしくは第三者に止められたと考えられる。

例え今駆けつけたとしても、女性が生存している可能性はそう高くはない。
それどころか、加害者に攻撃される可能性がある。
声のした方向――「アッシュフォード学園」という施設が建っている方向である――には、近寄るべきではないだろう。
しかし、どういう訳だろうか。
オーキドはスマートブレイン社の一件とは逆の道――すなわち、声のした方向にあえて向かう選択したのだ。

「あの娘の生死は分からんが……それでも行かねばならんのじゃ。行ってあのポケモンを保護せねば……」

オーキド曰く、あの猛々しい叫び声をあげた獣もポケモンの一種らしく、
自分はあのポケモンを操っているであろう者から、
ポケモンを奪還、そして保護しなければならないと村上に語った。
村上は彼を止めようとはしない――いや、止める必要性が無い。
既にオーキドからは十分な情報をもらっていたし、
本人の意思を無視して無理に引き留めようとするのは、
「下の下」の者がする恥ずべき行為だと、彼は考えていた。

六時間後に「政庁」で合流する事を約束し、村上と別れようとする際、オーキドは彼にある事を言い伝えた。
それの内容は、オーキドが持つ最後の情報である。


 * * *


ほんの数分前まで高層ビルが存在していた場所を見つめながら、村上は一人、思い返す。
オーキドが去り際に伝えた情報は、「ミュウツー」なるポケモンについての話であった。

曰く、人類が創り上げた唯一無二の新たなるポケモン。
曰く、研究の末、凶暴かつ残虐な思考を得てしまったポケモン。
曰く、技術の「進化」の過程で生み落とされた、最悪にして最強のポケモン。
そして――オーキドが保護を不可能と判断している存在。
流石の彼も、ミュウツーの前では慈愛を見せるつもりはないようだ。
それは、そのポケモンがいかに凄まじい残虐性を有しているかを示している。

ミュウツーの情報を聞いた村上が感じたのは、「恐怖」ではなく「興味」。
「間違った進化」の産物が、どれほどの可能性を秘めているのかを見てみたい。
人類が創り出した最強の生命体の力は、いかなるものなのか。

未知の力を有するポケモンという存在、そしてゼロから生命を創り上げる科学力。
これらの技術を応用すれば、オルフェノクに更なる「繁栄」を与える事が可能となるだろう。
そう、全ては同属への「愛」からなる行為。
永劫の繁栄と幸福の為に、彼は更なる発展への鍵を求める。

さて、先程はスマートブレイン社を訪れる事は諦めていたが、それはオーキドと行動していたからだ。
一般人の存在は、戦闘の際に大きなハンデとなりえる。
故に、確実に戦闘が起こるであろう場所には行かないほうが賢明だと考えた。
しかし、オーキドと別行動をとっている今なら、
「スマートブレイン社に向かう」という道が出現している。


スマートブレイン社跡地に向かうか、否か――村上峡児の選択や如何に。



【 D-3 / 市街地 / 一日目 黎明 】

【村上峡児@仮面ライダー555】
[状態]:健康、人間態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本:オルフェノクという種の繁栄。その為にオルフェノクにする人間を選別する
 1:SB社に向かうか、それとも別所に向かうか
 2:ミュウツーに興味
 3:乾巧の後押し
 4:選別を終えたら、使徒再生を行いオルフェノクになる機会を与える
 5:出来れば元の世界にポケモンをいくらか持ち込み、研究させたい
[備考]
※参戦時期は巧がラッキークローバーに入った直後


【オーキド博士@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~3(確認済み)
[思考・状況]
基本:ポケモンの保護、ゲームからの脱出
 1:声の方向に向かい、ポケモンを保護する
 2:ミュウツーを警戒
 3:オルフェノクに興味


047:後悔しない生き方が知りたい 投下順に読む 049:『不快なる快勝』
時系列順に読む
017:Blue Rose 村上峡児 053:私はいざというとき、アナタを殺します
オーキド博士 057:「Not human」(前編)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー