淑女のフォークリフトVS仮面ライダー……観客:怪奇蛇男(後編)

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(手持ちの宝石はストックなし、利用出来る武器もなし……。はあ、ミス・トオサカ(びんぼうにん)の苦労が偲ばれますわね)

さて、大見得を切ったはいいが事態は依然として変わりない。
ベルトから精製されるというオルフェノクが使う戦士の力は相当に高い。黒化英霊にも引けを取らないだろう。
正直、正面からの勝ちは拾えそうもない。
万全の状態でも無理難題だというのに、自身の最適な戦闘手段たる宝石もなし。こういう時のために預かったステッキには絶賛見切られ中だ。

そして、ルヴィアに引く気は皆無だ。この戦いに勝機も勝因も勝率も不要である。
女には、絶対に負けられない戦いがある。
賭けたものは誇りであり、それを捨てることは戦わずして敗北する。
例え届かぬ領域の世界でも、退くわけにはいかないのだ。

(とはいえ、負ける気もしませんけど)

それに実のところ、勝機も勝因も勝率も勝算には入ってある。
ここまでは思惑通りの事が進んでいる。しかしこれから先は万事がルヴィア次第だ。
故に、失敗など恐れるまでもない。

「へん、しん」
≪complete≫

囁く魔声。従順な音声が所持者に再び鎧を装着させる。光の線が女性の体を包輪郭を成していく。
その瞬間に、ルヴィアは一気に走り出す。
肉体に魔力というエンジンを回し、体をめぐる魔術回路を白熱させて加速する。
見た目の麗しさを忘れさせる獰猛さと強靭さをもって、世界陸上レベルの速度で近づいてくる。

「―――ふん」

変身を完了した桜が接近を察知する。時間にすれば1秒にも満たないコンマの間だが、確かに先手を取られた。
それでも桜の心に焦りは生まれない。
されど1秒、たかが1秒だ。
デルタから付与された力は反射能力も引き上げる。この程度の誤差、容易く取り戻せる。
腰に回した手をひねり銃を構えようとして―――

「っ!?」

かけた指を、魔の銃弾に弾き飛ばされた。
強化された視界に映るのは、黒色の球体。濃縮されたフィンの一撃。
一発で弾き切れないことを考慮してぬかりなく連弾で狙い撃ちにする。
あわよくばツールごと破壊する腹積もりで放ったていたが、初撃を捌いただけでも及第点だ。
ポインターから外された瞬間に撃たれたデルタムーバーは宙で回転しながら草陰に落ちた。

「っそんなもので―――」

ロスを回収させないまま接近を果たすルヴィア。その距離は接近戦(インファイト)の間合いにまで入っている。
わざわざ近づいてきた持ち込んだ愚を桜は嗤う。銃を落としたならその隙に逃げればいいものを。
むしろ桜にとっては好都合だ。始めから銃では嬲るだけと決めていた。最後は直接手で掴んで引きちぎってやる。
最初の男に与えた惨劇を回想する。あの最中の快感と優越感をこの女で味わえるならなにものにも変え難い。
胸に飛び込んでくる哀れな蟲をつまんでやろうと手を伸ばす。

「懐が、がら空きでしてよ!」

迫る魔手を、ルヴィアは大きく屈むことで掻い潜る。
地に手が着く程まで姿勢は野を自在に駆け回る四足獣のそれだ。
腕をかわしダブルレッグダイブを仕掛ける。両足を取られた桜はたまらず倒れる。
テイクダウンを奪っただけでは攻めとはいわない。態勢が崩れた隙に更に内部へと滑り込む。
このまま組み伏せるだけの余裕はない。力の差は覆らないのは変わりない。
絞め技、寝技は却って不利になる。よって追撃の手は別になる。
デルタの胸部を椅子に、腰を据えて座り込む。伸びた人差し指は、橙色の瞳が映る頭部。
篭るのは一点に収束された魔力。
即ちは、装甲内部からの零距離射撃。

「安心なさい、傷は残りません」

全力のルヴィアのガンドは地下通路越しから地盤を突き破る威力を誇る。
たとえ身を守る鎧が厚かろうと、力の逃げ場がない超至近距離からならダメージは免れない。

「っっっ!?!?!?」

二発、三発、加減も容赦もない釣瓶打ちが続く。声にならない苦悶が唇から漏れる。
ソルメタル材質の装甲を通して衝撃が突き破る。その身に覚え込ますかのように。
傷は軽微。痛みも薄い。しかし肉体に命令を起こす脳が前後不覚に陥っている。
痛みの耐性があっても戦闘の心得がない桜には、これは致命的。

「……!調子に、乗って……!!」

それを補うための、デルタの特殊装置。
デモンズイデアにより昂る闘争本能がこれ以上の停止を拒絶する。
ガンドが五発目を越えたあたりで再起動を果たし、のしかかるルヴィアを押し退ける。
体は問題なく動く。受けた屈辱を倍にして返すべく立ち上がろうと膝を立たせる。

その左の脚を別の脚の踏み台にされ。
閃光魔術の膝蹴りが、的確に顎骨に刺さった。

「ぇ――――――あれ―――?」

混濁していた意識を、更なる混乱がかき乱す。
相手の脚を足場にして膝蹴りを浴びせるシャイニングウィザード。これ以上ないほどのクリーンヒットだ。
本来であれば卒倒している所を、デモンズイデアの機能により意識だけは保持される。
よって意識だけが取り残されたまま、動きが完全に停止してしまう。

「これでも倒れませんか。確かに武装だけは一級品のようですわね」

ルヴィアの声も、耳を煩わさす雑音にしか聞こえない。
背中から回された腕の感触にも、気付かない。

「都合よく下は柔らかい地面。たいそう強固な鎧を着込んでいるそうですし……」

足が宙に浮く。重量96kgのデルタのボディが1人の少女の手で浮き上がる。
決めるはフィニッシュホールド。威力、難易度、どれもが文句無しのプロレスの花形技。

「手加減なしで、いきますわよ!!」

視界が、反転、する。
脳天直下。その文字が相応しい落下だ。
余りの威力に落下地点が陥没しクレーターを形成している。
破壊力よりもむしろ、観る者を感嘆させる見事なブリッジがレスラーの力量を示している。
魔術と体術の粋を凝らした絶技、ジャーマン・スープレックス。
華麗にして剛健、美と力が一致した会心のフォールであった。
その結果は、今度こそ沈黙したデルタの弛緩した体が雄弁に物語っている。

淑女のフォークリフリフト、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトVS仮面ライダーデルタ装着者、間桐桜。
一回戦、勝者ルヴィアゼリッタ。試合時間30秒のフォール勝ち。



 ▲ ▲ ▲ ▲ ▲



「……ふう、我ながら惚れ惚れするフィニッシュでしたわ」

額の汗を拭い、満足げに笑うルヴィア。その顔には清々しい爽快感が全身から発散されている。
ベストを尽くして持てる力を出し切り、どのような結果だろうと悔いの残さなず満足出来る者のみが浮かべる表情だった。

ルヴィアが桜、否、デルタに勝機を見出すには、奇襲で隙を突き押し切るしかない。
それも生半可な攻めではいけない。半端に傷つけては警戒され、火に油を注ぐ結果になる。
先手必勝、初撃必殺。全攻撃を頭部に集中させて内側に篭る本体狙いで沈める。
一連の工程で終わらせなければ勝ちを掴むことは出来なかった。

成功する算段はついていた。これまでの流れで敵の性質を把握して、付け込む余地はあるものと判断した。
情報も戦略も無視して衝動的に湧いた殺意に任せて行動する。
他を顧みずに感情的で、弱者には優越感に浸り、強者には激しく食いかかる。
守りを全く考慮に入れておらず、攻めにしても威力の凄まじさの裏に稚拙さと乱雑さが隠れている。
戦闘に関しては完全に素人だと理解するには容易かった。
そも魔術師とは研究が本分。自分のように格闘術に精通してる方が稀有なケースだ。

……とはいえ、それにしても万全を確信していたわけではない。むしろ始めから終わりまで綱渡りの連続だった。
銃をガンドで撃ち落とすのは、装甲に阻まれて弾けなかったかもしれない。
接近戦は、出力に任せて押し倒されていたかもしれない。
どれだけ打撃を加えても耐え切ってしまえば、待っているのは強烈なカウンターだ。
いずれも成功率は高いとは言えず、最善を尽くしても届かない可能性はあった。
不安はあった。しかし恐れとは無縁だった。最悪を想定しつつも己の失敗を疑いはしなかった。
最後にものを言うのは天運と自己を信ずることのみ。今回は女神は此方に微笑んだということだ。

「さて……いい汗をかいた後は優雅なティータイムと行きたいところですが、そうもいきませんわね。
 そこの、ワタクシの荷物をお持ちなさい!あとそこの女の分も!」

体を動かせば喉が乾く。紅茶といかなくとも冷たい水を一杯あおりたい気分だ。
使用人を呼ぶ仕草で手を叩く。いつもは刹那の速さで傍に来てくれる執事がいたのだが、生憎今は不在だ。
仕方ないので現地雇いの冴えない男に指示を下すが……一向に近付く気配がない。

「なにをしておりますの。さっさと持ってきてらっしゃい」
「待て、今の俺に言ったんか!?」
「貴方以外に誰がいますの?ワタクシはこれでも疲れてますの。肝心な所で使えない役立たずは雑用でもこなしなさい」
「んなっ……絶体絶命のお前を身を挺して助けた俺様の超ファインプレーを忘れたとは言わせねえぞ!」
「あんなものでは給金にまるで釣り合いません。後払いだからといって手を抜いてるのではなくて?
 それに、突き飛ばすようではまだまだ紳士度が足りませんわ。いいからさっさと取ってくる!!」
「ぐ……!勝ったと思うなよ……!」
「もう勝負付いてますから」

結局言い負かされて文句を垂れつつ渋々と従う海堂。
生来の人の良さに加えて、彼には気の強い女に弱い因果でもあるようだ。



「―――で、この女を拘束しておきたいのですが、あの姿にさせないためにはどうすればよろしいので?」

戦いが終わっても、その後の事後処理もまた残っている。
渡されたデイパックから取り出した水を飲みつつ、身柄を確保した女の処遇について決めなければならない。

「ベルト渡さなきゃ問題ないだろ。それだけ預かってりゃ……ってそいつソイツ連れてくのかよ?」
「あら、聞きたいことと言いたいことが色々あるのではなくて?ワタクシだって色々問い詰めたいことが山ほどありますし」

長田結花を襲い殺人を強要したこと、遠坂凛の姉妹ということ、尋問の話題は事欠かない。
今になって気付いたが、名前すら判明していないのだ。
荷物だけ奪って放置という手を取るにせよ矯正不可と断じ排除するにせよ、事情を聞き出さねば始まらない。
魔術師である以上暗示の類も効きにくいため、荒療治に出ることも有り得る。
後者においてルヴィアは選択肢のひとつとして捉えてるが、海堂は恐らく前者を選ぶだろう。
面倒を嫌うという性もあるし、人間を殺すことを忌避するのもある。
人殺しの罪罰などは人外の化物たるオルフェノクに測れることでもない。
その相違は、現時点では表面化することなく話は運んでいく。

「これは―――やはりクラスカードも支給されてましたか。ワタクシには使えませんが、あの筋肉女には交渉材料にはなるか…」

回収した荷物を検分しながらも、心は遠い彼方へと回想している。



好敵手と定め、いつの日か必ず雌雄を決すると信じていた魔術師の早すぎる脱落を耳にしても、思った以上に心に波は立たなかった。
名も知らぬ遠坂凛の妹の妄言に耳を貸さぬというわけでも、
平行世界におけるルヴィアとは異なる軸の別人云々と理論武装するまでもなく、
始めから決まっていたことのようにするりと遠坂凛の死を受け入れられた。

何故か。その理由についても分かりきっている。
魔導を学ぶにあたって最初の関門は死をていかんすること。殺し殺され、死んで死なせて、神秘という泥沼にはまっていく。
魔術の世界とは、魔術師とはそういうものだ。生まれる前より魔術師であったルヴィアにとって、それは骨の髄まで染み付いている。
宿敵だろうが肉親だろうが愛する人でも、その死に揺らぐ事など起こり得ない。

感情は死んでいない。悼みも哀しみもするだろう。
しかしそれでも、我を失い取り乱すことはないだろう。
だからこそ、平静を保ち、魔術師としての在り方を損なわないでいられるのはなに一つとして間違ってはいない。
それが、ルヴィアには何故だか気にくわない。
執着してたはずの相手が消えて感慨の沸かない自分。そんな余計なことを考えてしまう自分に腹が立つ。
これではまるで―――寂しがってるようではないか。



心あらずのままルヴィアが銀色のベルトを拾う。小さな好奇心から簡潔に機能を調べる。
魔力の残滓も感じられず素材も全て機械でできた人口製。魔術師にとっては未知の産物だ。
オルフェノクにしか扱えないという武装。海堂に渡せば少しは役に立つようになるかと、ぼんやりと思案する。

その光景を目に焼き付けた、狂える一輪の花が咲き乱れる。

「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

事切る絶叫。異界より這いずる女怪の声に驚愕する。
振り返るルヴィア目掛けて、赤い雷撃が走る。
デルタの後遺症。不適合者はベルトの魔力に取り憑かれ暴走し、体内に残留した力が雷となって放たれる。
魔術によるものではない超常現象。反応が遅れたルヴィアは咄嗟に腕を前に出す。
白鳥の指に絡みつく縄。伝わる電撃に流麗な顔が苦痛に歪む。
痺れる左手をよそに、右手は銃弾の装填を構える。
最早躊躇はない。電光の基点である掌を注視し、最悪手首を吹き飛ばしてでも無力化させようと狙いを定める。

「―――――――――あ」

だから、足元から伸びる「影」に気付くのが、一拍遅れた。
形を持つ立体の「影」が躍り出る。命の気配を貪欲に嗅ぎつけて。
魔と呪で形成された泥の飛沫が、青のドレスを呑み込まんと口を広げた。

「ぶねえよけろ―――――――――!!」



 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



飼育箱で夢を見る。
卵の殻。黒色の黄身。愛の海に記憶は無い。
胎盤にいずる。ラインは初回からして不在。娩出は許されず育まれながら愛に溶ける。
堕胎の記憶は無い。ひたひたと散歩する。
ゆらゆらの頭は空っぽで、きちきちした目的なんてうわのそら。
ぶるぶると震えてごーごー。
からからの手足は紙風船みたいに、ころころ地面を転がっていく。
ふわふわ飛ぶのはきちんと大人になってから。
ごうごう。
ごうごう。
ごうごう。





「―――、―――、――――――」

日の届かぬ森の中で蠢くものがいる。
憂いを秘めた美貌も女性的な肉付きの体もよそに、地面の上にうずくまる。
表情は青ざめ、全身からは汗が流れる。どう見ても健康からは程遠い状態だ。

「――――――足リ、ナイ」

身をよじる原因は青い魔術師から散々喰らった打撃ではなく、体内での強い渇きからだ。

魔力が足りない。
命が足りない。
力が足りない。
誰かが、足りない。
なにが足りないのかも、分からない。

取り戻しようのない深い喪失感。知っている筈なのに名前が思い出せない。
癒えない饑餓を埋め続ける様はさながら地獄絵図の一部のよう。
藁をも掴む思いでもがく手が、堅い物体に触れる。
指先から伝わる感触は、どういうわけか安らぎを与えてくれた。
指を渡って腕、肩、胸、体中をくまなくなにかが侵入する。
デルタの魔力に魅入られた非適合者は薬物中毒者の如くベルトを手元に置こうとする。
その末路は皆灰人の最期だったが、負の感情の発露という点では桜には別の適正があった。
結果として生じた影の魔は、未だ誰にも悟られていない。

「―――誰にも、渡さない」

悪魔に見初められた少女は立ち上がる。その道が堕天の一途を辿るとも知らずに。
主語がない呟き。それは両手で抱きしめるデルタギアなのか、心に決めた人なのか。

飼育箱の夢は終わらない。蟲が潰れるその日まで。



【C-4/森林/一日目 早朝】

【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:『デモンズスレート』の影響による凶暴化状態、溜めこんだ悪意の噴出、無自覚の喪失感と歓喜、強い饑餓、ダメージ(頭部に集中)
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555(変身中)、コルト ポリスポジティブ(6/6)@DEATH NOTE(漫画)
[道具]:基本支給品×2、最高級シャンパン@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:先輩(衛宮士郎)の代わりに“悪い人”を皆殺し
0:―――
1:先輩(衛宮士郎)の所へ行く
2:先輩(衛宮士郎)を傷つけたり悲しませたりする人は、みんな殺す
3:あの人(ルヴィア)は―――許さない
[備考]
※『デモンズスレート』の影響で、精神の平衡を失っています
※学園に居た人間と出来事は既に頭の隅に追いやられています。 平静な時に顔を見れば思い出すかも?
※ルヴィアの名前を把握してません
※「黒い影」は桜の無意識(気絶状態)でのみ発現します。桜から離れた位置には移動できず、現界の時間も僅かです。



 ★ ★ ★ ★ ★



「おい!しっかりしろ!生きてっか!」

力なく項垂れるルヴィアを背負い、海堂は森を抜ける。
オルフェノクの脚力は瞬く間に草原まで辿り着く。それでも足は止まらない。
行き先は決めてない。とにかく逃げることだけを考えてた。
ルヴィアを襲った、赤い呪詛を刻んだような影。
いち早くそれに気づいた海堂が引き剥がすも、一瞬触れただけの筈のルヴィアは糸の切れたように崩れ落ちた。

そして見た。影としか形容できない、しかし断じて虚像では有り得ない存在を。
黒い海月のような姿は吹けば飛ぶような紙風船にしか見えないのに、何よりもこの空間を支配している。
人間から進化した海堂をして、明確に「死」を意識させる圧倒的な虚無の気配。
アレはヤバイ。ヤバすぎる。生物としての本能が警鐘を打ち鳴らす。
一刻も早く逃げ出さずにはいられなくて、かろうじて倒れるルヴィアを広い全力で逃走した。
判断の早さの甲斐あってか追っ手は来ない。命は繋がったわけだ。

「おいったら!返事くらいしろ―――」
「うる、さい……耳に響き、ますわ……」

いつもの生意気な返事にも覇気がない。見るからに生気を失っている。
危険な状態であることは分かってるが海堂に手立てはない。
安全な場所まで運ぶしかないが、果たしてそんな場所がここにあるのか?
とにかく海堂に出来ることはルヴィアを背負い走る他ない。
こんな女でも、守りたいと思う程度には嫌っていないのだ。

「迂闊でしたわ……まさかあんな単純な、無意識(イド)剥き出しの魔術を喰らってしまうだなんて……
 ―――ふ、ふふふ、ふふふふふふふふ、ふふ。この屈辱、忘れませんわよ」
「なんだ、意外と元気じゃ……ば、首締めんな!もうプロレス技は勘弁だって!」

僅かとはいえルヴィアも見た。あの影は常軌を、いや超常すら逸している。
黒化英霊とは格の違う、邪悪な波動が感じられた。
触れていた時間は一秒にも満たないのに、体内の魔力を根こそぎ奪われた。
魔力と生命力は同義の関係。あともう少しあれに長く捉われていれば、命どころか肉体ごと融解されていただろう。

そうならずに済んだのは、紛れも無くこの男のおかげ。
触手に絡まれかけた体を引っ張り上げ、その余波を少なからず受けているにも関わらず身を挺した。
人類の進化系というオルフェノクでも無傷とは思えない。
先の戦闘にしても、押し倒された時の一撃は際どいものだったのだ。割り込みがなければ抵抗の隙もなく撃たれていたのかもしれない。
疑いなく、自分はこの男に助けられたのだ。

ルヴィアとてそれは理解している。礼を言ってあげてもいい筋合いであるとも思っている。
しかし声を出すのも億劫な今の体調では難儀なことだし、荷物みたいに背負われてるのがなんとなく釈然としない。

「………………」
「ぐぇ……!だーかーらー首締めんな!結構疲れてんだからよー!!」

なのでひとまず、首に回した手に力を込めることにした。



【C-4/草原/一日目 深夜】

【海堂直也@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:怪人態、体力消耗
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:人間を守る。オルフェノクも人間に危害を加えない限り殺さない
1:とりあえず逃げる。つーか首締めんな!
2:パラロス世界での仲間と合流する(草加含む人間解放軍、オルフェノク二人)
3:プラズマ団の言葉が心の底でほんの少し引っかかってる
4:村上とはなるべく会いたくない
5:あの女(桜)から色々事情を聞きたい
6:結花……!
[備考]
※草加死亡後~巧登場前の参戦です
※並行世界の認識をしたが、たぶん『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の世界説明は忘れている。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました……がプラズマ団の以外はどこまで覚えているか不明。
※桜の名前を把握していません

【ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:魔力消耗(大)
[装備]:澤田亜希のマッチ@仮面ライダー555、クラスカード(ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、
[道具]:基本支給品、ゼロの装飾剣@コードギアス 反逆のルルーシュ
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
0:あの女(桜)…次は見てなさい…
1:元の世界の仲間と合流する。特にシェロ(士郎)との合流は最優先!
2:プラズマ団の言葉が少し引っかかってる
3:オルフェノクには気をつける
4:あの女(桜)から色々事情を聞きたい
5:海堂に礼を言いたいが…今は疲れてるしあとにしましょう
6:遠坂凛の死に複雑な気分
[備考]
※参戦時期はツヴァイ三巻
※並行世界の認識。 『パラダイス・ロスト』の世界観を把握。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※桜の名前を把握していません


062:幻影と罰 投下順に読む 064:夢の残滓
時系列順に読む
057:「Not human」(後編) ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト 070:「Narrow」
海堂直也
間桐桜 066:悪夢→浸食~光の影


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