アレンザ(オクシレイン語:alenðá)とは、オクシレイン大衆自由国に居住する種族及び民族の一つ。無定形を特徴とし、ヒュエヴィッツォール語を話す。自称はヒュエヴィッツォール(ヒュエヴィッツォール語:hyøvitsːo̞ːl)。
概要
イェルサー星系の惑星プラン・ナリエンザ(原語名:
hyøvuːʁivitsʼɑːb)に居住する種族であり、ヒュエヴィッツォール語を話す。姿形は存在せず、実体は無いため目視することは出来ない。ある空間を占める形でアレンザは存在しており、言語によるコミュニケーションが可能である。
どのようにして生きているのか不明な点が多いが、どうやら「朝霜」を主食としていることは調査ではっきりしている。
個体ごとに個体の自己同一性認識の差が大きく、自己と他者をはっきりと区別する者も居れば、自分を区別する名前を持たずに同一性が拡散しているような言動をする個体も居るため、集合意識と個別意識の中間的な知的生物ではないかと考えられている。このため、明確な個体数は不明である。
寿命はオクシレイン人を大幅に超えており、900年から1000年であるとされているが、検証のデータに乏しく共立公歴1000年時点では489年間の寿命しか証明できていない。
オクシレイン大衆自由国においては、市民権を持っている少数民族として認定されており、そのうちでももっとも個体数の多い少数民族とされている。
なお、惑星プラン・ナリエンザ外に出ることは殆どできないとされており、出た場合は意思疎通が不可能になり、またアレンザ側は物理的な影響を周囲に与えることが出来なくなる。このため、国際会議などの場では、星間通信システムなどを通じて、音声を送信するなどして対応している。
名称
オクシレイン語名称であるアレンザ(alenðá)は“ann lenðá”「偉大なる/満月の精霊」という表現に由来する。これは初期接触の際にオクシレイン人が彼らの声を聞いたときに姿が見えないのに導かれたとする報告からレンザー信仰の影響によって付けられた俗称に由来する。
自称であるヒュエヴィッツォール(hyøvitsːo̞ːl)は “hyø-vi-tsːo̞ːl” に分解することが出来、これは「我々の呼称」を意味する。オクシレイン人が到来する以前に文字を利用した記録がなかったことから、詳細は分かっていないが、接触以前の記憶を持つと主張する個体の民話等伝承の調査においてはこのような自称が聞かれなかったことから、この自称はオクシレイン人との接触以来急速に広まった比較的新しいものであると考えられている。
一方で方言を話す者は古くから自らのことをティヴィエフ(tʰɪvieh)と呼称しており、これは “tʰɪ-v-ieh”に分解でき、意味は「同じ由来、同胞」を指す。
性格
「朝霜」のスープ、オクシレイン人の来訪の際に供さ
れたが普段はこのような調理をすることはない。
一般的に内向的だが、客を受け入れたり、もてなすのを好む。積極的に言語的接触を他者にすることは無く、オクシレイン人との最初の接触においても物を持っていったり、危険を取り除いたりすることでもてなすことを実行していたが、その間一言も喋ることはなかった。しかし、客が自らを認知しており、言語によるコミュニケーションを望むのであれば、喜んで言葉を通じ合わせる。
温厚で相手の粗野な行動にもある程度寛容であるが、広範に植物を焼き払ったり、植物の育成しづらい環境を作ろうとすると抗議を行うことがある(「朝霜」が食べられなくなるため)。
言語
ヒュエヴィッツォール語(hyøvitsːo̞ːliviʒuom)と呼ばれる言語を話す他、ティヴィエヒジョーム(tʰɪviehiʒo:m)と呼ばれる変種を話す者も居る(ティヴィエフ)。
ヒューマノイドのような発声機構が確認されないにも関わらず、言語を発話することが可能である原理に関しては研究が進められているが詳細はよく分かっていない。
名前
名前を一般に名乗る文化が無いため、オクシレイン人との接触以来は、ヒュエヴィッツォール語の単語でオクシレイン語の名前形式に合わせて作った名前を必要な場合に名乗ることが多い。しかし、それも政治家や貿易商などの惑星外との渉外に関わる者が特別に作るのみであり、一般市民には(戸籍名的な)名前が無いことも多い。
一般市民の呼び分けは地域名と特徴(◯◯の森の怒りん坊、など)で行われることが多いが、これが公式な名前として扱われることはない。
なお、この場合、フエル名は存在しないため、氏族名に由来するヒュエヴィッツォーラン(hyøvitsːo̞ːlən)かティヴィエハン(tʰɪviehən)と名乗ることが多い。
hyøvitsːo̞ːlən an yøʒən ʃɪɥia ヒュエヴィッツォーラン・アン・イェジャン・シユィア(ヒュエヴィッツォール首長、女性)
食文化
アレンザは主に「朝霜」(ɥyːstjyvøʁ)と呼ばれる食糧を主食とする。これは惑星プラン・ナリエンザの殆どの植物に付着する微生物であり、その名の通り霜のような見た目をしている。生命サイクルが早いために喫食は早朝に限られる。この特徴は、アレンザたちの生活リズムに影響を与えているとされている。
トーテム
彼らは実体がないため、国際的な行事などで写真が撮られる際に不便が生じがちである。これを解決するために彼らはトーテム(myøɥiviːh)を彫る様になった。トーテムは彼ら個人だけではなく、その血族に繋がる大切な象徴である。これが毀損された際は、ヒュエヴィッツォールたちは大いに不満に思うだけでなく、無礼者との交流を遮断してしまう。
国際会談やオクシレインの国会などではヒュエヴィッツォールが出席する際はトーテムが議席に配置される。また、そのトーテムを扱う専門のトーテム係(myøɥiviːhiviwievibe̞ːʃ)が存在しており、オクシレイン社会ではヒュエヴィッツォール種族の専門家として尊敬の眼差しが向けられているが、ヒュエヴィッツォールにとっては当然の仕事であり、さほど重視しているわけではないようだ。
最終更新:2023年02月19日 01:01